『続・英雄戦記』

作者・シャドームーン

1

この世界は広大な実験室のフラスコに過ぎない…―――…
かつて、そのような感想を述べた人物が存在した。

もしそれが真実であるとしたら、一体誰が、何のために…?
だが、例え何者かに形作られた世界であっても「そこ」に生きている
以上、住人達は未来を決めるために営みを続けていくだろう。
それがどんな未来であっても……。


***ワーラー奇城・ガメデス***


宇宙空間を航行する巨大な鋼鉄の移動要塞。
新鮮な真水を求めて星々を巡るワーラー帝国の
奇城ガメデスが、新たな獲物に狙いを定めようとしていた。

女王パンドラ「クリン星の存在する次元が見つかった!
 そ~うですか…お手柄ですよ、デスゼロウ将軍」
デスゼロウ「ハッ! 女王様、スピルバンめは父親達と再会
 できたことですっかり気が抜けた様子。叩くなら今にございます」

悪の貴婦人達が集う宮廷サロン「闇女王同盟」の中にあっても、
居心地の悪さを嫌って古巣に戻っている者も少なくはない。
その一人である女王パンドラは在りし日と何ら変わらぬ、
守護神ワーラーを崇める神秘的な城内で満足気に微笑んでいる…。

彼女の前に居並ぶ顔ぶれは、ワーラーの後継者にしてGショッカー
世紀王候補のギローチン皇帝、全身を機械化し漆黒の甲冑に
身を包む機械軍団のデスゼロウ将軍、セクシーなコスチュームを
纏ったリッキー、ガシャー、シャドーのスパイ軍団である。
反乱の前科を気にしているのか、滅多に顔を出さないヨウキを除けば
後一人…彼女の欲する幹部が今は別の次元に暮らしていた。

女王パンドラ「スピルバン坊やは念入りにペンペンしてやんなさいっ!
 それからリッキー。あなた達の任務は…よくお分かりですね?」
リッキー「はい女王様。必ずベン博士を連れ帰ります」
女王パンドラ「ンフフ結ぇ~構♪ ワーラー様は軍団の顔ぶれが足りぬ
 ことがとても残念だ…と仰っています。ベン博士にはもう一度、
 ドクターバイオとして戦闘生物をた~くさん作ってもらいましょう!」
デスゼロウ「御意。フフフ、漸く家族を取り戻したというのに、
 スピルバンめの悔しがる面が目に浮かぶようです」
女王パンドラ「我がワーラー帝国も完全な布陣でなければ、
 折角蘇った甲斐がありません。ギローチン皇帝、貴方を
 次期創世王に就かせるためにもです」
ギローチン「…お心遣い感謝致しますパンドラ女王。
 ワーラー様のご期待に応えるようバトルファイトを制してみせます」
女王パンドラ「んん~オホホホ♪ 実に頼もしいですよギローチン皇帝」

女王パンドラ「ではデスゼロウ将軍、リッキー、ガシャー、シャドー。
 ただちにスピルバン坊や達のいる次元に侵入し、作戦を開始
 しなさい。吉報をお待ちしていますよ。ウフフフ♪」
デスゼロウ「ハハ! お任せあれ!」
リッキー&ガシャー&シャドー「全てはワーラー様のために!」

宇宙空間に他次元世界と“こちら側”を繋ぐ橋、時空クレバスが開いていく。
ワーラー奇城ガメデスは、その穴の中へ航行して行った。

不可思議な通路を抜けた先に、向こうと変わらぬ宇宙が広がっている。
暗い闇の中で、青く輝く美しい惑星が浮かんでいた。
それは、地球に酷似した緑の大地と海に覆われた星であった……。


◇    ◇
 

***クリン星・ガメデス残骸前***


ワーラー帝国に奪われた、父と母…そして姉。
愛する人々を取り戻しスピルバンとダイアナの長い長い時空の旅は、
驚くべき終点を迎えた。なんと彼らは、遥かなる故郷の「過去の世界」
で戦っていたのだった…。もうここには、恐ろしい侵略者達はいない。
奇城ガメデスの残骸を見上げ、スピルバンは過去のクリン星―…
地球での苦しかった日々、悲しかった日々、楽しかった思い出を回想していた。

洋介「あの毎日が、過去だったなんて信じられない…。
 大五郎さん達は元気にしているだろうか。
 地球か…何故か、とても懐かしい…」
ダイアナ「スピルバーン!」
洋介「…よう」
ダイアナ「やっぱり。また、ここに来ていたのね」
洋介「ああ。まだ…何というか実感が湧かないんだ」
ダイアナ「…分かるわ。こうしてワーラー城の残骸を見ていても、
 あの激しい戦いが、まるで夢みたいだなんて…とても」
洋介「姉さん達は?」
ダイアナ「ヘレンなら、博士の研究を朝から手伝ってるわ」
洋介「はは、そうかい。姉さんは、父さんとワーラーに長い間
 一緒にいたから…助手には持ってこいだろうな」
ダイアナ「スピルバン…」

2

幼き日に連れ去られた父と姉は、悪魔の手先に変わり果てた姿で
再会した。父が息子を、姉が弟を倒そうと狙う悪夢のような戦い。
その全ての元凶は、怒りを爆発させたスピルバンが確かに滅ぼしたのだ。
目の前に横たわる鉄塊が、彼らの勝利を何より物語っている。

ダイアナ「あたし達…勝ったのよね。もう、終わったのよね」
洋介「あー終わった終わった! 二度とワーラー共の面を
 見る事もないさ。父さんも、姉さんも…ダイアナ、君のお母さんも
 ここにいる。ここにいるんだ…俺達が、取り戻したんだ」
ダイアナ「そうね…皆いる。もう何処へも行かないわっ!」
洋介「…戻ろう。皆のところへ」
ダイアナ「ええ!」

二人は互いに頷き合うと、美しいクリン星の大地をしっかりと
踏みしめ歩き始めた。澄んだ青空、眩しい陽光、豊かな水。
ワーラーが欲したものが、奪われたものが、全て元通りになった。
もう彼らが、時空戦士となって戦うことはないだろう―――

デスゼロウ「ウワハハハ、気の毒だが…そうはいかんぞスピルバン!」

洋介「…デスゼロウ将軍!?」
ダイアナ「そ、そんな…何故!?」

二度と聞くはずのない声が、奇城ガメデスの残骸から聞こえて来た。
平和の実感を噛み締めていた矢先…スピルバンとダイアナは驚きの
あまりしばらく呆然となって鉄塊を見つめている。
やがて錆びて朽ちた城の扉から、忘れもしないあの憎きワーラー帝国の
尖兵が…機械軍団を率いるデスゼロウ将軍が姿を現した。

デスゼロウ「グフフフ驚いたか。我がワーラー帝国は不滅なり!!」
洋介「そんなハズはない! 女王パンドラは…ワーラーは
 確かに俺達が倒した…あれは、幻だったとでも言うのか!?」
デスゼロウ「キサマらに一度不覚をとったのは事実だ。…幻ではない」
ダイアナ「じゃあ、じゃあどうして…!」
デスゼロウ「だから気の毒だが、と言っている。我々は再び蘇ったのだ。
 一体何故、我らがこうして生きておるのか…それは女王様にすら
 分からぬ。だがスピルバン! キサマの息の根を止めるのに理由など
不要…今度こそ完膚無きまでにペンペンしてくれようぞ!!」
 
機械将軍の指揮の下、ワーラー城の残骸から群がり出るように…
金色の仮面に黒いマントを羽織った戦闘機械兵―キンクロンの
集団がそれぞれ手に鎌状の武器や光線銃を持ち攻撃を開始した。

キンクロン「メェン! メェーン!!」
洋介「くっ、…何故だ…何故なんだ! 俺達の戦いは、
 一体いつまで続くというんだ…トゥッ!!」
ダイアナ「…全て…無駄だったというの…」
洋介「ダイアナ、危ないっ!」

集団殺法で襲って来るキンクロンを戸惑いながらも蹴散らすスピルバン。
しかしダイアナは、虚ろな表情でその場に立ち尽くしてしまっていた。
無防備な彼女を、3人1組のキンクロンが光線銃で狙い撃つ。
スピルバンが咄嗟にジャンプしてダイアナを突き倒して光線を躱させ、
彼女の頬を叩きながら両肩を抱いて強く揺すった。

洋介「しっかりしろダイアナ! ここでやられてしまったら、
 俺達は一体何のために今まで戦って来たんだ!?」
ダイアナ「ス…、スピルバン…」
洋介「俺達はずっと戦い続けて来た…大切な人達を
 取り返し、いつか故郷に帰るために。そして帰って来た!
 ここには、皆が…俺達が取り戻した家族がいるじゃないか!
 何が起きようと、守らなきゃいけない…そうだろ!?」
ダイアナ「そうだわ…ここはあたし達の星、大好きなママがいる!
 スピルバン…ごめんなさい。戦いましょう…守るためなら何度でも!」

3

スピルバンの拳に手を重ね、力強く頷くダイアナ。
二人は立ち上がり、デスゼロウ将軍を睨んで勇ましく構えた。

デスゼロウ「…いい面構えになったな。やはりそう来なくては
 キサマららしくない!」

洋介&ダイアナ「――“結晶”!」

―――キュワアアアアアア―――ン…………!


<<超時空戦闘母艦グランナスカ>>

二人の電送指令をグランナスカのマザーコンピューターが
キャッチし、『クリンメタル』を超微粒子に分解、電送する。

電送されたクリンメタルは約10マイクロ秒の速さで瞬間的に
城洋介(スピルバン)とダイアナの身体で結晶し、
特殊戦闘強化服―『ハイテク・クリスタルスーツ』が完成する。

スピルバン「時空戦士、スピルバン!」
ダイアナレディ「ダイアナ・レディ!」

結晶した時空戦士ペアのハイテク・クリスタルスーツが、
陽光に反射して眩しく輝く。二人は同時にジャンプすると、
挨拶代わりのパンチとキックをデスゼロウ将軍に見舞った。
将軍は腰の剣を抜刀してその攻撃を薙ぎ払い、
彼らの接近を阻んで何かの合図を送った。

デスゼロウ「戦闘機械人1号・メカショルダー!」

ガギンッ ガギンッ ガギンッ ガギンッ……ガァン!

メカショルダー「ギガガガガ…」

重厚な金属音を響かせて、奇怪な頭身バランスの
メカ怪人が前へ出る。その後に続いて違うメカ怪人と
増援のキンクロン達も出現した。

デスゼロウ「続いて2号メカバンダー、3号メカジョーカ、
 4号メカピューター!」

感情を持たず、与えられた戦闘プログラムにのみ基づいて行動する
ワーラー戦闘機械人はいづれも頑丈であり強敵揃いだ。
メカショルダーが背中の円盤を発射、それはスピルバンの体を拘束して
強烈なスパークを流し始める。苦しむ標的に機械人本体が胸からミサイルを
断続的に発射し、メカバンダーが振動波を、メカジョーカーがレーザー砲の
集中砲火を浴びせた。立ち上る爆炎で空中高く吹っ飛ばされるスピルバン。

ドゴォォンッ

スピルバン「うわぁーーっ!」
ダイアナレディ「スピルバーン! きゃあっ」

ズビ――ムッ…ドォン!

地面に叩き付けられたスピルバンに駆け寄ろうとするダイアナレディ。
だがその行く手を遮るように、メカピューターのビームが間を横切る。

メカピューター「ギガギガガ…」
キンクロン「メェーン!」
ダイアナレディ「う…ヤァッ! レディ・スナイパー!」

ダイアナはマントを広げてダッシュして来るキンクロンを回し蹴りで倒した。
さらに四方八方から襲って来るキンクロンを、レディスナイパーで頭部を狙い
一体づつ、確実に撃ち倒していった。その間にも前転撃ち、横飛び撃ちを
併用しながら何とかスピルバンに接近する。スピルバンもすでに起き上がり、
レーザースナイパーで周りのキンクロンを倒していた。

ダイアナレディ「スピルバン、大丈夫?」
スピルバン「ああこのくらい…! それより戦闘機械人4体に連携攻撃を
 かけられると手強い。ヤツらに的を絞らせないように戦うんだ!」
ダイアナレディ「オッケイ!」

スピルバンとダイアナはそれぞれがジャンプと攻撃のタイミングをづらして
戦闘機械人の一点集中砲火を防ぐ。ダイアナが武器の発射口を狙って
素早くレディスナイパー連射を浴びせ、同時に飛び上がったスピルバンが
電子頭脳部を狙い斜め上からレーザースナイパーで撃ち抜く。
これを繰り返すことで3体の戦闘機械人を行動不能状態に追い込んだが、
敵の攻撃を予測計算するメカピューターだけはしぶとく応戦していた。

4

スピルバン「ダイアナ、ダブルスナイパーだ!」
ダイアナレディ「――オッケイ!」

スピルバン&ダイアナ「ダブル・スナイパー!!」

ズギュ――――ンッ!!!

レーザースナイパーとレディスナイパーのエネルギーが、
互いに増幅し合って約3倍の破壊力となる
「ダブルスナイパー」がメカピューターの頭部に命中した。

―ドガァンッ!

メカピューター「ギガギガ…ガガガ、ガ…!」
メカショルダー「ギガガガガ…ギ、ギ」
メカバンダー「ガガ、グガガガ…」
メカジョーカー「ピピ…ピピピ、ガガガ」

それぞれ頭部から火花を上げ、ボディから放電しながら
暴れ馬のようにのたうつ機械人。
遂に時空戦士の勝利が秒読みを開始した―――

スピルバン「あきれちまうぜ…悪ってヤツは、倒して倒して倒しても…」

スピルバンの脳裏に、故郷クリン星を突如襲来したワーラー帝国に蹂躙され、
脱出した宇宙船からダイアナとグランナスカで旅立った光景…
二人を見送り平和の歌を唄いながら宇宙の塵となったクリン星の人々…
地球に辿り着いてからの、ヘルバイラに改造された姉ヘレンとの戦い…
ドクターバイオに改造され、バイオロイドと化した父ベンとの戦い…
そして正体を現した、女王パンドラとの最後の戦いが次々と浮かんで消える。

スピルバン「――消せないぜ!
 …俺の怒りは爆発寸前…ツイン・ブレード!!」

右手に構える両刃の剣に、青白く光るハイテク・クリスタルパワーが迸る。
スピルバンがブレードの前部を勢いよく正面に突き出す。

ズギュイィィ――――ン……ズンッ!

光剣がレーザーのように伸び、戦闘機械人4体をまとめて貫いた。
次にブレードを縮めながら距離を詰めて引き抜き、スピルバンは薙刀を
振るうような動作でツインブレードを回転させる。

スピルバン「アーク・インパルスッ!!」

青白く発光するブレードが、ハム音を鳴らして幻想的な軌跡を描き、
戦闘機械人の間を一気に駆け抜けながら斬り捨てる。
×字の光刃痕がメカ怪人達のボディに次々と刻まれていった。

ブォンッ ブォンッ ブォンッ ブォン――ズバァァ―――ンッ!!!


戦闘機械人「ギギギ…ガギゲ、ガガ~!!」

―ドガガ…ガァァ―ァァンッ!―

壊れた電子音のような断末魔を残し、戦闘機械人4体は地面に
崩れ落ちながら全員大爆発を起して砕け散った。

デスゼロウ「ウハハハ、また腕を上げたようだな。だが戦闘機械人を
 数体仕留めたくらいでは、“無限なる帝国”の一員となって蘇った
 我らの侵攻を止めることなどできんぞスピルバン!」
スピルバン「無限なる帝国…?」
デスゼロウ「あれを見よ。我がワーラー帝国の健在ぶりを、
 しかと目に焼き付けるがよい!!」
ダイアナレディ「ああ! …あ、あれは」
スピルバン「ワーラー奇城ガメデス!?」
 
クリン星の雲の谷間から姿を現していく、ワーラー移動要塞ガメデス。
しかし目の前には、確かにガメデスの変わり果てた鉄塊が半ば砂に埋もれた
姿で朽ちている…。この時ようやく、心の奥ではどうしても信じたくなかった
ワーラーの復活が二人の中で現実のものとなって認識された。

デスゼロウ「スカルジョーズ出撃!!」

サメ型の大型戦艦スカルジョーズが、ガメデスから編隊を組んで発進した。
両翼から地上に向けて破壊光線を乱れ撃って来る。

ドカンッ!
ドバァーンッ!!


5

スピルバン「くっ、ガイオース!」
ダイアナレディ「待ってスピルバン! ヘレン達が心配だわ。
 スカルジョーズはあたしに任せて早く行ってあげて!」
スピルバン「しかしまだ敵が多い、一人で大丈夫か?」
ダイアナレディ「見損なわないで。あたしだって時空戦士よ!」
スピルバン「…分かった。頼んだぞダイアナ!」
ダイアナレディ「エヘ…オッケイ! あ、スピルバン…
 エネルギーが残り少ないでしょう? チャージ!!」

ダイアナレディはスピルバンと両掌を合わせることにより、
自分のハイテク・クリスタルスーツのエネルギーを彼に転送し
チャージ、補充することができるのだ。

スピルバン「ありがとう!」
ダイアナレディ「さあ、急いで」
スピルバン「ホバリアーン!」

グランナスカから空陸両用の超時空マシン、ホバリアンが発進する。
スピルバンは上空へ飛び上がり、一回転して着座した。

デスゼロウ「ム、逃がさんぞスピルバン! スカルドン…」
ダイアナレディ「そうはさせない、――えいっ!」
デスゼロウ「むおっ!?」
ダイアナレディ「ダイアナ・ヒッププレス!!」
デスゼロウ「ぐぬぬ…お、おのれ~っ!」
ダイアナレディ「いかが? デスゼロウ将軍さん♪」

ダイアナの援護により、スピルバンは戦闘空域から離脱に成功した。
瞬発的加速力『ホバリアンダッシュ』が自慢のこのマシンは、
地上を時速850キロで走破し空をマッハ5で飛行できるのだ。

スピルバン「無理はするなよダイアナ…。
 姉さん、父さん、母さん、マリンさん無事でいてくれ!」

先にグランナスカから発進していた、超時空大戦車ガイオスが
自動操縦モードでスカルジョーズ編隊と応戦している。
ダイアナは素早くガイオスに乗り込み、手動に切り替えてガイオスロケッター、
ガイオスビームなどの搭載武器を駆使しながら激しく空中で戦火を交えた。
デスゼロウ将軍もガメデスから発進した彼専用の上下分離重戦車、
スカルドンに乗り込みガイオス追撃に出る。

デスゼロウ「ダイアナレディめ! こっぴどくペンペンしてやるッ!!」


***クリン星・ベン博士の研究所***


スピルバンの父、ベン博士の研究所ではすでにダイアナが
心配している通りの事態となっていた。リッキー率いるスパイ軍団
に襲撃され、博士の妻アンナとダイアナの母マリンはキンクロン達
に人質にとられて首に鎌を突きつけられている。
ヘレンが彼女の父でもある博士を庇うように身構えて睨み合っていた。

ヘレン「リッキー…死んだはずのあなた達が、何故今頃!?」
リッキー「久しぶりねヘレン。元気そうで嬉しいわ、ウフフフ…」
ベン博士「何だ君達はっ!? 妻とマリンを離せ!!」
ガシャー「だから何度も言ってるでしょう。二人の命が惜しいなら…」
シャドー「私達とおとなしく一緒に来なさいとね、ベン博士」
リッキー「貴方はもう一度ドクターバイオになって、ワーラー様と…
 そして全知全能の神であらせられる至高邪神様のために働くのよ!」
ヘレン「…何ですって…お父様をまたドクターバイオに!?」
ベン博士「ドクターバイオだと…一体、何の事だっ!」
ヘレン「(やはり、ここにいるお父様は…)」
リッキー「あらあら…忘れてしまったのかしら? 貴方は我々ワーラー帝国の
 幹部として尽くし、実の娘を戦闘生物に改造までしたのに…」
ガシャー「そうそう、自分から積極的にスピルバンを殺そうとしたわねぇ」
シャドー「醜いバイオロイドに変身してね…クスクスクス…」

ドクターバイオとしての過去の所業など、平和なクリン星が存在している
この次元のベン博士は知るはずがなかった。しかし彼の耳には、冷たく
せせら笑うリッキー達の告白が、何故か真実味があるように感じられた。

ベン博士「私が…ヘレンや、スピルバンを…まさか、そんな…っ」
ヘレン「もうやめてぇーっ! どこまで私達を苦しめたら気が済むの!?」
リッキー「苦しめる…? 私達はベン博士を救ってあげようとしてるのよ」
ガシャー「ワーラー様は元より、全ての闇を支配する至高なる御方に
 お仕えできるなんて、これ以上の救済はないわ…」
シャドー「何ならヘレン、あなたも一緒に来たらいいじゃない。
 身も心も完全なヘルバイラになって、親子で至高邪神様に尽くすのよ!」
ヘレン「至高邪神…あなた達は、新しい組織と手を組んだみたいね。
 でもそんなこと絶対にさせない!! 今度は私が、家族を守ってみせる!!」

6

ヘレンの一歩も退かない覚悟を決めた、凄まじい気迫に
リッキー達も警戒してやや後ずさる。
ヘレンはスパイ軍団をキッと睨むと、戦うための動作に入った。

ヘレン「―“結晶”!」

―――キュワアアアアアア―――ン…………!

グランナスカのマザーコンピューターがヘレンの電送指令をキャッチし、
クリンメタルを超微粒子に変換して電送する。
ワーラーから救い出され、保護されたヘレンは、自ら戦士として戦うことを
志願していた。そしてグランナスカのホログラフトレーナー、
宇宙剣士ティーチャーの厳しい訓練をこなし、晴れてダイアナレディと同タイプの
女性用ハイテク・クリスタルスーツを結晶できるようになったのだ!

ヘレンレディ「ヘレン・レディ! お父様達は私が守るッ!!」
リッキー「戦闘生物グジャ、ワタジャ、ウミジャ、行きなさい!!」

グジャ「グググググ…」
ワタジャ「シュシュシュシュ」
ウミジャ「キシャァァァァ…」

研究所の床や壁の僅かな隙間から、不気味なゲル状の物質が
集まり合体する。3体のワーラー戦闘生物相手では苦戦必死だが、
ヘレンカッターで果敢に戦うヘレン。
だが捕らわれているアンナとマリンに、キンクロン達が刃を向けた。

ガシャー「下手に抵抗すれば人質がこうなるわよっ!」
ヘレンレディ「お母様…っ!! …きゃあああ!」

戦闘生物グジャがヒトデのような怪物に変型し、ヘレンを全身で包み込む。
さらに綿クラゲに似たワタジャが糸状の触手を伸ばして攻撃した。
鋭い切れ味を持つ触手がハイテク・クリスタルスーツに火花を走らせ、
組み付いているグジャが高圧電流を発してスーツの機能にダメージを与える。
苦しむヘレンのマスクに灯るスコープ内の黄色い両目部分が、
異常点滅を繰り返して危険状態を告げていた。

ベン博士「ヘレン!! やめろ、やめてくれーっ!」
シャドー「フフ…あの戦闘生物達も、以前あなたが作ったのよ博士?」
ベン博士「あの怪物達を…私が…っ!?」
ヘレンレディ「お…父様…ワーラーなんかに、耳を貸さないで…!」
リッキー「おだまりヘレン! もっと痛めつけてやりなさいっ!!」

???「…痛めつけられるのは、お前達のほうだGショッカー!」

リッキー「な、なにっ!?」

突然ドアを蹴破って飛び込んで来た人物が、スピルバンとダイアナの母親を
捕らえているキンクロンを小型の銃で倒し、彼女達を救出した。
すぐにガシャーとシャドーが短剣を手に斬りかかったが、その人物は非常に
戦い慣れた身のこなしで二人の攻撃を難なくいなしてみせた。
人物―ロングヘアーの男性は、アンナとマリンをベン博士に渡し彼らの前に立つ。
襟元は開いているが、整った服装と階級章らしき刺繍が胸に見受けられ、
どこかの軍関係者だと思わせる出で立ちをしている。

ガシャー「おのれ、何者っ!!」
シャドー「スピルバンの仲間か!?」
ベン博士「妻とマリンを救って頂きありがとう。あの、貴方は…?」
ギリアム「無事でなによりです、ベン博士。私は地球連邦軍情報部の
 ギリアム・イェーガーという者…貴方を保護する任務を受けています」
リッキー「バ、バカな! 地球連邦軍の人間が、どうやってこの次元に!?」
ギリアム「フッ…次元を跳躍する手段を持つのは、お前達だけではないということだ」

ウォォ―――ンッ!!

リッキー「―ッ!? ス、スピルバン!!」

壁をブチ破り、ホバリアンに搭乗したスピルバンが現れた。
視界に映ったヘレンのピンチを救うべく、出力を大幅にセーブした
ホバリアンレーザーを発射して彼女に組み付いているグジャを離れさせた。

グジャ「グエエエエッ!」
スピルバン「ヘレン姉さんっ! 大丈夫かっ!?」
ヘレンレディ「スピルバン…来てくれたのね。
 私は大丈夫。お父様やお母様達も、あの人が…」
ギリアム「君が時空戦士スピルバンか。ギリアムという、よろしく」
スピルバン「ギリアムさん…ありがとうございます!」
ギリアム「これがオレの任務でな。礼を言う必要はない……
 この次元に転移するのに手間どってしまい、君達の発見が
 遅れてあわやという事態だった。すまないと思っている」
スピルバン「この次元に…転移??」
ギリアム「詳しくは後で話そう。 …来るぞ」

7

キンクロン「メェン! メェーン!」
戦闘生物「グギャギャギャギャ!!」
リッキー「ギリアムとか言ったわね…よくも邪魔を!」
ガシャー「一人でのこのこと、よくここまで来れたわね」
シャドー「お前もたった今から、我々の抹殺対象…覚悟ッ!」
スピルバン「ここで破壊力の大きい武器を使えば、父さん達を巻き込む
 かもしれない…よし。――スピルバン・バイパススリップ!!」
ギリアム「これは……?」

スピルバンの腹部を中心に、光の渦がその場に発生して、
ベン博士夫妻とマリンを除く敵・味方全ての戦闘要員が
渦の中へ消えた―――
スピルバンのハイテク・クリスタルスーツ腹部のスイッチには、
戦闘による周囲の被害を抑えるため、物質移動波を放って
戦場を一時的に移動させる「空間転移装置」が備わっているのだ。


***クリン星・何処かの無人地帯***


リッキー「こ、ここは…!?」
ガシャー「研究所はどこなの!?」
シャドー「ベン博士達がいないわっ!」
スピルバン「ワーラー、 ここで決着をつける!!」
ヘレン「ええ。ここなら心置きなく戦えるわ!」
ギリアム「(なるほど…。クリン星のテクノロジー、
 Gショッカーに目を付けられることはある。
 スピルバンは、我々にとってこれから起きる未曾有の戦い
 において人々の生活を守るために重要な戦力になるな)」

戦闘生物とキンクロン集団の後ろに下がるスパイ軍団の面々。
スピルバンはツインブレードを、ヘレンはヘレンカッターを構えた。

ギリアム「オレも手伝おう。コール・ゲシュペンスト!」

ギリアムの体が一瞬にして、黒いロボットの姿に変わる。
“漆黒の堕天使”とでも形容するのが相応しい、黒い翼が
あるようなどこか禍々しくも儚い、もの悲しい姿をしている。

リッキー「あの男…パワードスーツを持っているのか」
スピルバン「ギリアムさん、それは…?」
ゲシュペンスト「ゲシュペンスト、オレの愛機だ。半身と言ってもいい
 かもしれん。このパーソナル転送システムで常時呼び出し可能でな」
ヘレンレディ「…カッコイイですねっ!」
ゲシュペンスト「長い付き合いで、こいつの扱いには慣れている」

スピルバン、ヘレン、ゲシュペンストは改めてワーラーに向き直った。
戦闘生物グジャ、ワタジャ、ウミジャが一斉に三人に襲い掛かる。
キンクロンも剣や鎌状の武器と光線銃を持って突撃した。

ヘレンレディ「スピルバン、キンクロンは私が引き受けるわ」
スピルバン「気をつけて。…来い、ワーラーの戦闘生物ども!」
ゲシュペンスト「こういうノリは苦手で、かつ久しぶりなんだが…」

三人は散開してそれぞれの相手を撃滅に向かう。
ヘレンは片方のヘレンカッターをブーメランのように投擲して複数の
キンクロンを倒し、向かって来る敵をもう片方のカッターで斬る。
スピルバンがグジャとウミジャ、ゲシュペンストがワタジャと交戦している。

ゲシュペンスト「む…」
ワタジャ「キシャアァァァッ!」
ゲシュペンスト「やらせん、プラズマ・カッター!」

ワタジャが複数の触手をゲシュペンストに巻き付け締め上げる。
しかしギリアムは、ゲシュペンストの右腕に電撃を発生させて
触手を全て焼き切りバーニアで接近、本体にも斬撃を浴びせた。

ワタジャ「ギシャァァ~!」
ゲシュペンスト「敵モーションパターン予測…もう逃げられんぞ!
 ニュートロン・ビーム、発射!」

キュィィィン―…ズビ―――ムッ!

8

ゲシュペンストの黒いライフルから放たれたビームが怪物に命中する。
ワタジャは炎に包まれ火花を上げながら燃え尽きてしまった。
一方、スピルバンの発射したレーザースナイパーを食らったグジャが、
苦しみの声を発して姿を消してしまう。

スピルバン「サーチ・アナライザー!」

スピルバンのマスクに内蔵された透視・索敵スコープが発光し、
赤い両目となって消えたグジャの行動を解析する。
透明化した戦闘生物は、ゲシュペンストの背後に迫っていた。

スピルバン「ギリアムさん、後ろです!!」
ゲシュペンスト「…ッ…くらえっ!」

ゲシュペンストはかろうじて実体化したヒトデ型グジャの組み付きを
回避すると、ありったけのスプリットミサイルを叩き込んだ。

バババババッ ……ドゴゴンンッ!

グジャ「グェェ~グググ!」
ゲシュペンスト「これで決める…! シシオウブレード!」
スピルバン「(結構ノリがいいな、この人…。)
 …俺の怒りも爆発寸前…ツイン・ブレード!」
ウミジャ「シュシュシュシュ!」

ゲシュペンストが鞘から刀を引き抜きバーニアで急加速、
猛スピードでグジャに連続斬りを浴びせて最後に居合い抜きの
構えから大きく振り抜き、胴斬りを浴びせて斬り捨てた。
同時に、スピルバンもウミジャを×字に斬り裂き、
最後にもう一回水平に斬り伏せた。

ゲシュペンスト「とどめだ!」
スピルバン「アーク・インパルスッ!!」

ズバッズバッズバッズバッズバッ―――ズバンッ!!!
ブォンッ ブォンッ ブォンッ――ズァァァンッ!!!


戦闘生物「グギャァァジ、ジィェェェ…!!」

奇ッ怪な悲鳴ともつかない声を残して、戦闘生物は全滅した。
リッキー達三名は彼らの最後を見届ける前に逸早く撤退していた…。
後に残ったキンクロンと戦っているヘレンにスピルバンとゲシュペンストが
加勢してこれを全て片づけ、ようやく戦闘終了かと思われたが―――

ダイアナレディ「こちらダイアナ。スピルバン、聞こえる?」
スピルバン「ああ、聞こえるよ。ダイアナ、そっちはどうだ?」
ダイアナレディ「デスゼロウ将軍は逃げたみたいだけど、
 スカルジョーズとスカルドンはなんとか撃退したわ。
 それより大変よっ!! ワーラー奇城がどうやらそっちへ
向かってるみたいなの!!」
スピルバン「何だって、ガメデスが!?」
ヘレンレディ「…スピルバン、あれをっ!!」

巨大な鋼鉄の飛行物体が、雲の谷間から航行しているのが見える。
どうやら敵はクリン星の海に着水する気らしく、その方角へ向かっていた。
ワーラーが水を使い果たすと、そこにワーラープランクトンと呼ばれる
微生物が大量に発生して生命に適さない環境になってしまうのだ!

スピルバン「守護神ワーラーは水の中でしか生きられない……
 ここへ辿り着くまでに消耗した生命力を、補うつもりか…っ!」
ヘレンレディ「クリン星の海はワーラープランクトンに汚染されて
 生物の住めない死の海に変えられてしまうわ!」
ゲシュペンスト「数々の惑星を死の世界に追いやったとされる
 ワーラー一族か…なんとも迷惑な存在だな」
ダイアナレディ「スピルバン、どうするの!?」
スピルバン「……くっ!!」
ゲシュペンスト「ヤツらにここから出て行ってもらうしかあるまい。
 オレが連中をあの城ごと、次元の外へ飛ばすっ!」
スピルバン「そんなことが可能なんですか…!?」
ゲシュペンスト「オレはそれに乗ってここへやって来たんだ…。
 本当は二度と、システムXN“アギュイエウス”は使いたく
 なかった…破壊することが、オレの贖罪だと思っていた…」

ヘレンレディ「ギリアムさん、あなたは一体…?」
ゲシュペンスト「オレは…過去に犯した罪により、平行する世界を
 彷徨う宿命を背負った男だ。だが今は、この禁断の次元転移
 システムしかこの星を救う手段がないなら、やってみよう」
スピルバン「…俺はあなたが何処から来た誰であろうと、
 父さん達を守ってくれたギリアムさんを信じます。
 それでどうすればいいんですか?」
ゲシュペンスト「…ありがとう。このシステムは出力調整を
 慎重にやらないと、失敗して我々まで飛ばされてしまう
 危険があるんだ。そのため少し時間がかかる……
 君達と、オレで連中が目標に接近するのを阻止するんだ!」
スピルバン「分かりました。ダイアナ、グランナスカで来てくれ」
ダイアナレディ「オッケイ!」

9

◇    ◇


飛行するガメデスの進路を遮るように、雲を裂いて姿を現した
超時空戦闘母艦グランナスカがナスカロケッターで攻撃を開始する。
ガメデスからも激しく応戦があり、絶え間ない爆発音が空に響く。

――頃合いを見定め、
ゲシュペンストがバーニアを全開にして空へ上昇して行った。
そしてグランナスカと並んで大型のキャノン砲を構える。
地上ではスタンバイしていたスピルバンが変形指令を艦に送る。

スピルバン「カノン・フォーメーション!」
ゲシュペンスト「オレという存在が引き起こした事態を、
 今度こそ収拾するために……!」

二連装のエネルギー砲モードに変形したグランナスカのトリガーを、
空に投影された巨大なスピルバンの幻像が握る。
ゲシュペンストが構えるキャノン砲の銃口にも光が充填されていく。

スピルバン「ビッグバン・カノン!!」
ゲシュペンスト「メガ・バスターキャノン!」

ゴワッ ドッガァオオオオオオオオ―――……ガカッ、ドバァァン!!

銀河を切り裂くようなクリスタル・ハイパワー。
メガ・バスターキャノンのエネルギーが加わり増幅された一撃が、
ワーラー奇城ガメデスに炸裂した。敵はバリアを張って防御した
らしいが、それでも相当なダメージを与えることに成功したようだ。
至る箇所から黒煙と炎を上げて後退していくワーラー城。

ゲシュペンスト「よし…! コール・XNガイスト!!」

異次元空間に待機していた、グランナスカよりは小さいが、
かなりのサイズの大型戦艦と思しき機体が空間を裂いて出現する。
そこにゲシュペンストが核となって合体し、戦艦形態から
半人型の大型機動兵器へと変形した。

スピルバン「あれがギリアムさんの言う、システムXN…」
ダイアナレディ「す、凄いわね……」
XNガイスト「幾多の次元に侵攻し、生命を踏み躙るGショッカー…
 お前達に、この世界に存在する資格はない…ッ!
 その罪…禁断の機動兵器XNガイストが連れて行こう…
 出力調整完了…照準固定! ――受けよ!!!」

ズァッ―!!

それは一瞬であった。XNガイストの放った光輝く一撃は、
文字通りその場から奇城ガメデスを消し去り、消滅させた…
後には澄んだクリン星の空と雲が見えるだけである。


◇    ◇


***ワーラー奇城・ガメデス城内***


怒り狂う守護神ワーラーの精神波が神秘的な室内を
満たしていた。女王パンドラも口元を歪ませて歯軋りしている。

女王パンドラ「にぎぎぎ…っ!! デスゼロウ将軍、
 ガメデスの被害状況はどうなっていますか!?」
デスゼロウ「ハッ…。バリアー越しですが、グランナスカの
 ビッグバンカノン直撃によるダメージは大きく、目下
 全力で修復作業に取り掛かっております…」
女王パンドラ「なんという失態ですか…! ベン博士の拉致に
 失敗したばかりか、憎たらしいスピルバン坊やめにこの城を
 ここまでやられるとは~~きいいいいいいっ!」
リッキー「全て、あのギリアムと名乗った地球軍人が
 突然現れて邪魔をされたせいにございます」
女王パンドラ「ギリアム…何者です、あの髪の長い坊やは!
 我々をガメデスごと転移させるとは、只者ではありませんねぇ」
デスゼロウ「無幻城に問い合わせてみましたが……
 あらゆるデータに彼奴めの名は無いそうにございます。
 地球連邦軍情報部と名乗った肩書きも怪しいですな」

ギローチン「誰であろうと、ワーラー様に弓引く輩は
 生かしてはおけん。ご安心下さいパンドラ女王……
 この私めが今度そやつに出会った時は、スピルバン
 共々必ず成敗して御覧に入れましょう」
女王パンドラ「まあ…♪ よく仰いましたギローチン皇帝。
 それでこそ我がワーラー帝国の次期創世王候補です。
 オホホホ…デスゼロウ将軍、あなた達もよろしいですね!?
 くぅおんど出しゃばり坊や達を見つけた時はぁ~~っ
 もう、もうこれ以上無いってくらいにィィ~ペンペンなさいっっ!!」
デスゼロウ「ハハ! ペンペン致しますっ!!」
リッキー&ガシャー&シャドー「おぼえていなさい、スピルバンにギリアム!」

10

◇    ◇


***クリン星 ベン博士の研究所***


ギリアムは平和なクリン星の外次元で起きていること、
無限帝国Gショッカーのこと、そして自分がこれまで旅して来た
世界の経緯と現在の彼が就いている立場について説明していた。

洋介「そんなことが起こっていたんですか……」
ヘレン「リッキーの言った至高邪神というのが、Gショッカーの
 支配者というわけね。ワーラーもその連合組織の一つに…」
ギリアム「軍の情報部では過去に悪の組織に狙われた重要人物、
 Gショッカーに渡してはならない人達の保護を急いでいるんだが、
 残念ながら地球側にはまだヤツらのような時空クレバス制御装置の
 実用化が遅れているため、他世界や過去未来まではカバーできない
 のが現状だ。そこで、オレが特命を受けて動いているというわけさ」
ダイアナ「でもお話では、その次元転移装置はギリアムさん本人が
 破壊したって…何故、今それが存在しているんですか?」
ギリアム「それがオレにも分からないんだ…。自分が元いた世界に
 帰るために修復したコアだが、シャドウミラーのような連中に二度と
 悪用されないために確かに完全に破壊した…なのに、気がついて
 みるとオレはまた違う次元に飛ばされていて、
 修復済みのXNガイストに乗っていた……」

洋介「それじゃまるで誰かがギリアムさんを…?」
ギリアム「オレの故郷、惑星エルピスはモビルスーツ、サイボーグ、
 怪獣に異星人までが一つの世界に存在している奇妙な
 実験室のフラスコだった。あの世界は、何者かが作り上げた
 ことは間違いない。この宇宙には我々の知らない世界の因子を
 操る大いなる意志が存在し、“そいつ”がまだオレとアギュイエウス
 が必要だと判断したのかもしれない……」
洋介「は、はあ…世界の因子ですか…フム~」
ダイアナ「何か、深いわね……」
ヘレン「…でもその次元転移システムで、私達は助けられたわ。
 少なくとも私には、ギリアムさんが禁断の装置と呼ぶほど
 忌むべき悪いものとは思えないけど…」
ギリアム「そうだな。結局オレはまた、急ぎ過ぎたのかもしれない…
 そのせいで元いた世界では多くの人々を不幸にしてしまった。
 生きて償うのがオレの果たすべき役目なら、オレの半身である
 システムXNも破壊ではなく君達のような心ある人間に委ねる
 べきかもしれん。ベン博士と君達の家族を、Gショッカーから
 守ってもらえる安全なところへオレが案内しよう」

ベン博士「そんなところがあるんですか?
 それは嬉しい。私はともかく、私のせいでこれ以上家族や
 他のクリン星に住む人々を巻き込みたくはない。
 お世話をおかけしますが、どうかよろしくお願いします」
ギリアム「いえ博士、こちらこそ大切な任務ですから…」
洋介「どんなところなんです?」
ギリアム「バード星と言ってな。住人の姿も言語も君達クリン星人、
 つまり地球人とほとんど同じせいか、他にもたくさん悪に狙われる
 理由で避難している地球人が結構いるところだ」
ダイアナ「へえー♪ 行ってみたいわ」
ヘレン「何故その星だと、Gショッカーから守るのに最適なんですか?」
ギリアム「そこが銀河連邦警察の総本部だからさ。彼ら宇宙刑事の
 装備関係におけるテクノロジーは、クリン星のテクノロジーと非常に
 多くの点で似通っている…遠い昔に交流や関係があったのかもしれん。
 オレも驚いたが、地球がこの星の過去ならば尚更その可能性はある」
洋介「そうですか…。地球はワーラーと戦った、もう一つの大切な
 故郷です。友人もいます。その地球と関係が深いバード星なら、
 俺達もとても心強く安心できそうです」

11

◇    ◇


グランナスカに結晶したスピルバン、ダイアナ、ヘレンとその家族が搭乗し、
ギリアムがXNガイストのシステムXN“アギュイエウス”を出力調整している。
クリン星の発進場には大勢のクリン星の人々が見送りに来ていた。
彼らはかつてワーラーに滅亡されかけた時と同じように、
世界の命運を守るためにも旅立つスピルバン達に未来を託そうと
決意していた。「平和の歌」が流れる中、いよいよ旅立ちの時は来た。

XNガイスト「出力調整完了……用意はいいか?」
スピルバン「発進準備完了。いつでもどうぞ」
XNガイスト「そうか、では行こう…」
スピルバン「ギリアムさん…二度と元いた世界には戻れない
 覚悟だったと言いましたが…それでもいつかは帰れると思います。
 どんなに遠く離れていても、いつかは帰ってしまうところ…
 それが“故郷”なんです。俺達も、気がついたらここにいましたから」
XNガイスト「いつかは帰るところ、か…。そうだな、オレが全ての
 過ちを償うことがもしできたら、向こうにいる彼らに胸を張って
 会いに行ける。君達を見ていると、そんな気がして来たよ…フフ」
ダイアナレディ「きっと、また会えるわよ…その人達に」
ヘレンレディ「ギリアムさん、その日が早く…来るといいですね」
XNガイスト「ああ。まずは任務を完了しなければな。さあ、出発だ」
スピルバン「了解!」
ダイアナ&ヘレンレディ「…オッケイ!」
XNガイスト「アウフ ヴィーダーゼン…!」

アギュイエウスの扉が開かれ、一瞬にしてXNガイストとグランナスカは
発進場から姿を消した。次元の向こう側には、かつてギリアムが住んで
いた惑星エルピスによく似た、多種多様な勢力が争い続ける
『闘争の系統』とも言うべき世界が待ち受けている…――――…
時空戦士スピルバンの新しい旅も今、始まったのである。

○スピルバン→戦闘機械人1号~4号と戦闘生物ウミジャを倒す。
  ギリアムの導きでダイアナや家族と共に次元転移して地球のある「こちら側」へ
○ダイアナ→ガイオスを操縦してデスゼロウ将軍を撤退させる。
 ギリアムの導きでスピルバンと共に次元転移してクリン星から地球のある「こちら側」へ
○ヘレン→結晶して戦闘生物、キンクロン軍団と戦う。
 ギリアムの導きでスピルバンと共に次元転移してクリン星から地球のある「こちら側」へ
○ベン博士→ワーラーに再拉致されかける。ギリアムの導きで妻やスピルバン達と
 共に次元転移してクリン星から地球のある「こちら側」へ
○ギリアム→Gショッカーが狙うベン博士を保護にやって来る。戦闘生物ワタジャとグジャを倒す。
 スピルバンとその家族をXNガイストの次元転移装置で地球のある「こちら側」へ導く
●女王パンドラ→デスゼロウ将軍とリッキーにベン博士再拉致を命じる。
●デスゼロウ将軍→戦闘機械人を率いてスピルバン、ダイアナと交戦。
  自らスカルドンに乗り込んで戦うが敗れて撤退。
●戦闘機械人メカショルダー→スピルバンに破壊される。
●戦闘機械人メカバンダー→スピルバンに破壊される。
●戦闘機械人メカジョーカ→スピルバンに破壊される。
●戦闘機械人メカピューター→スピルバンに破壊される。
●戦闘生物グジャ→ゲシュペンストに倒される。
●戦闘生物ワタジャ→ゲシュペンストに倒される。
●戦闘生物ウミジャ→スピルバンに倒される。

12

【今回の新規登場】
○城洋介=スピルバン(時空戦士スピルバン)
かつてワーラー帝国に滅ぼされた、クリン星の生き残りの青年。
地球では城洋介を名乗りダイアナと共にハイテク・クリスタルスーツを
“結晶”してワーラーと戦い抜いた。怒りの感情で潜在能力が大幅に高まり、
両刃の光剣ツインブレードから必殺技アークインパルスを繰り出す。
実は地球こそクリン星の過去の惑星だったので地球人(?)である。

○ダイアナ=ダイアナレディ(時空戦士スピルバン)
かつてワーラー帝国に滅ぼされた、クリン星の生き残りの少女。
幼い頃スピルバンと二人で超時空戦闘母艦グランナスカの中で
生命維持装置に入り、12年の歳月をかけて地球へやって来た。
“結晶”してダイアナレディとなり、スピルバンをサポートする。
武器はレディスナイパー。活動的な性格で明るく、優しい。

○ヘレン=ヘレンレディ(時空戦士スピルバン)
スピルバンの姉。子供の頃に父ベン博士と一緒にワーラーに連行され、
ワーラー城に囚われていたが脱出。しかしいつ、何処にいてもスピルバン
攻略ユニットとして悪の少女仮面『ヘルバイラ』に強制的に変身させられ、
自分の意志に反して実の弟の命を狙う刺客にされていることに苦悩しながら
名前を変えて隠れ忍び暮らしていた。後に娘への愛情だけは失っていない
ドクターバイオ(ベン博士)によってヘルバイラへの変身機能は除去された。
やがて無事身柄を保護され、自らスピルバンと一緒に戦うことを決意、
グランナスカの厳しいテストに合格してヘレンレディに“結晶”できるようになった。
武器は両手に持つ投擲武器ヘレンカッター。

○ベン博士=ドクターバイオ(時空戦士スピルバン)
クリン星の天才科学者でスピルバンとヘレンの父親。生命工学の宇宙的権威
だったゆえにワーラー帝国に連行され、バイオ軍団を率いる帝国の幹部、
『ドクターバイオ』に洗脳・改造されてしまう。改造直前に娘ヘレンの姿を見ていた
ためか、姿は変わってもヘレンにだけは父親としての優しさを保ち続けていた。
反面息子スピルバンへの愛情は切捨てられ、崇拝するワーラーに盾突く不届き者
として幾度も命を狙う。遂には自らバイオロイド・バイオに変身して出撃、死闘の末
爆炎に消える。後にとあるアクシデントにより元の姿に戻り、記憶を取り戻した。
スピルバン達を助けようとパンドラ生命機械人に決死の覚悟でウィルス菌を注入し、
活路を開いて殺された。スピルバンがパンドラを倒したと同時に彼らは別の次元へ
飛ばされ、そこの平和なクリン星に妻アンナ達と無事に生きていた。

○ギリアム・イェーガー少佐=アポロン=ヘリオス(ヒーロー戦記、スーパーロボット大戦OG2他)
地球連邦軍情報部所属の軍人。冷静沈着で義理堅い性格だが、感情的に熱くなり易く
意外にノリが良い。実はライダー大陸・ウルトラ大陸・ガンダム大陸が存在する惑星エルピス
の住人で、予知能力があるため暗雲に包まれた世界の未来を憂いテロリスト組織を一つに
まとめあげ、『アポロン総統』を名乗ってヒーロー達と戦った。その性急過ぎるやり方が間違って
いることを自覚しながらも他の手段を探れず苦しんでいた。
最後の戦いで禁断の機動兵器XNガイストは大破し、ヘリオス要塞と運命を共にしたがコアである
次元転移装置システムXNで平行世界に飛ばされてしまう。元いた世界で犯した罪を償うべく、
様々な世界を彷徨う運命を背負った男。帰るためにテスラ・ライヒ研究所でシステムXNを修復したが、
シャドウミラーに目を付けられ隊長ヴィンデル・マウザーの乗機ツヴァイザーゲインに組み込まれてしまい、
悪用を防ぐため、二度と帰れないことを覚悟して自らの手でシステムXNを破壊したが………。
愛機はゲシュペンストとその後継機など。等身大の敵と戦う場合はパーソナル転送システムで
パワードスーツとして呼び出し搭乗している。

13

●女王パンドラ=パンドラ生命機械人(時空戦士スピルバン)
ワーラー帝国の最高権力者で、守護神ワーラーの意志を解することができる
巫女的な存在。実はワーラーと同一人物であり、正体はパンドラ生命機械人の
ヒトデ部分の有機生命体であった。柔らかく丁寧な物言いをしているが、
悪趣味な作戦を思いついてはそれを楽しんでいる。Gショッカーではパンサーゾラ、
ヘドリアン女王と並ぶ闇女王同盟の実力者で高い地位に就いているものの、
水が合わないのか無幻城内には住まず生前通りワーラー奇城にいる。
怒ると口元を歪めて悔しがり、『ペンペンしなさいっ!』が口グセ。

●ギローチン皇帝(時空戦士スピルバン)
23世紀の未来の地球から呼ばれた守護神ワーラーの子孫。
落ちぶれた生活を送っていたが、ワーラー城にタイムスリップさせられて覚醒、
新幹部として君臨した。後に時空クレバスを通って地獄へ行き、そこで得た
幽鬼の力でグランナスカに侵入してヘレンらを苦しめるが敢え無く消滅した。
喋るモルモットのポスを連れている。Gショッカー世紀王候補の一人。

●デスゼロウ将軍(時空戦士スピルバン)
ワーラー帝国機械軍団を率いる超悪メカ人間。戦闘機械人を開発・指揮して
自らも前線で戦う。必殺デスゼロウ魚雷という奥の手(?)を持っている。
空陸分離可能戦車スカルドンに搭乗して敵を討伐(ペンペン)する。

●リッキー(時空戦士スピルバン)
妖艶な衣装を纏ったワーラー帝国スパイ軍団のリーダー格。
数々の変装術を用いて諜報活動に暗躍する。
後にヨウキの誕生が元で裏切り行為を犯してしまい、守護神ワーラーに
石化ビームで四つん這いで固められ、ヨウキ専用椅子に変えられてしまう。

●ガシャー(時空戦士スピルバン)
妖艶な衣装を纏ったワーラー帝国スパイ軍団のナンバー2。
数々の変装術を用いて諜報活動に暗躍する。
最後は爆弾入りのナイフを持たされてスピルバンに特攻、爆死した。
その正体はアンドロイドだった。

●シャドー(時空戦士スピルバン)
妖艶な衣装を纏ったワーラー帝国スパイ軍団のナンバー3。
数々の変装術を用いて諜報活動に暗躍する。
最後は爆弾入りのナイフを持たされてスピルバンに特攻、爆死した。
その正体はアンドロイドだった。

●戦闘機械人メカショルダー(時空戦士スピルバン)
ワーラー戦闘機械人第1号。背中のブーメラン状の円盤で標的の動きを
停止させドリルやハンマーになる腕と、胸からのミサイルで攻撃する。

●戦闘機械人メカバンダー(時空戦士スピルバン)
ワーラー戦闘機械人第2号。赤外線アイで標的を素早く補足し、
手裏剣型ミサイルと、頭部からの振動波で攻撃する。
長い両腕を振り回す攻撃も強力である。

●戦闘機械人メカジョーカ(時空戦士スピルバン)
ワーラー戦闘機械人第3号。幻惑カードで標的を翻弄、
右の顔についたレーザー砲で攻撃する。

●戦闘機械人メカピューター(時空戦士スピルバン)
ワーラー戦闘機械人第4号。電子頭脳で標的の動きを計算して
あらゆる攻撃に対処するがダブルスナイパーなどの合体攻撃は防げず。
また他のコンピューターに勝手に介入してのっとってしまう。

●戦闘生物グジャ(時空戦士スピルバン)
ワーラー戦闘生物第1号。ドクターバイオが女王パンドラの関心を
ヘルバイラ(ヘレン)から反らすために作り出した。高い知能を持つ。
宙に浮遊する形態からヒトデ型の形態に変身して毒ガスと電流を流す。
体細胞を自在に変えてどこにでも侵入できる。

●戦闘生物ワタジャ(時空戦士スピルバン)
ワーラー戦闘生物第2号。物質に寄生する性質を持つ。
クラゲのような姿で真綿状となり触手を伸ばして何でも切り刻む。

●戦闘生物ウミジャ(時空戦士スピルバン)
ワーラー戦闘生物第3号。毒液で人間を原始の記憶に戻し、
海棲人間にしてしまう。体を骨貝状に変形させる。


『修羅の幕開け』

作者・シャドームーン

14

神秘で広大な宇宙――。
地球はこの宇宙のほんの小さな星に過ぎない……
遥かな過去から幾度も繰り返されながら、誰にも知られざる死闘が
この大宇宙で静かに、今この瞬間も行われているのである


***とある惑星***


ザムシャー「けぇぇいっ!!」
ダイノガイスト「ぬぅりゃ!!」

――ガキィーンッ――

月面によく似た、殺風景な岩だらけの惑星上で剣を交える者達。
一方は隻眼の鬼面を付けた武士のような宇宙人。
もう一方は鎧武者を思わせる姿の黒いロボット。
勝負は双方ほぼ五分といった様子で、火花を散らせ剣戟が何度も続く。
二人の息詰まる戦いを、黒いロボの配下らしき四人が見守っていた。

プテラガイスト「ダイノガイスト様!」
ダイノガイスト「此奴はキサマらでは相手にならん、下がっていろ!!」
ザムシャー「…宇宙海賊ガイスターとやら、それほどこの刀が欲しいか?」
ダイノガイスト「グフフフ…星をも容易く斬るというその“宝”は我らが頂戴する!」
ザムシャー「欲しくば、俺を倒して奪ってみるがいい」
ダイノガイスト「無論そのつもりよ!」

ズドォォンッ

ダイノガイストの膝から展開した砲身が火を噴いた。
ザムシャーはこれを避け、恐るべき踏み込みから袈裟斬りを繰り出す。
二刀の剣を交差してこの斬撃を防御するダイノガイスト。
鍔迫り合いの格好から両者は一旦後方へ飛び退き、間合いを開いた。

ダイノガイスト「見事な腕だ。ならば…これはどうだっ!?」
ザムシャー「ぬ…!?」

ダイノガイスト「ダァァァーク・サンダァァーストォーム!!」

正面で×字に交差させた二刀に、禍々しい黒いイナズマが発生する。
ダイノガイストは剣を振りかぶり、空間を裂くように斬り下ろした。
途端に黒いイナズマは巨大な“黒竜”を模って地面をジグザクに進み、
岩場を抉り裂きながらザムシャーに迫った。

グゴオオオオオオオオオオッ

ザムシャー「ぬがぁぁぁ~ッ! …ぐ、ぬぬぬ…ぐわぁーっ!!」

愛刀で迫り来るダークサンダーストームの奔流を二つに裂こうと
必死に耐えるザムシャー。だが遂に受けきれず全身を呑み込まれ
吹き飛ばされてしまう。その体中を暗黒のイナズマが駆け巡り、
肩の防具や鬼面の一部が粉微塵に砕け散った。

ドシャァッ…

ザムシャー「(ぐぅぅ、何というマイナスエネルギーだ…これは…
 あのエンペラ星人に匹敵するではないかっ!?)」
ダイノガイスト「フッフッフ、勝負あったようだな。さあ、宝をよこせ!」
ザムシャー「ぐふっ…待てぃ、俺の命はまだ尽きておらぬぞ!!
 こいつが欲しくば、倒して奪えと言ったはずだ…」
ホーンガイスト「こいつ、カッコつけやがって!」
アーマーガイスト「ならその要らねえ命もついでにもらおうじゃねぇか!」
サンダーガイスト「コロせ! コロせ! コロせ!」
プテラガイスト「よーし…俺がトドメを刺してやるぜ」

ダイノガイスト「静まれぇぇぇいッ!!!!」

宇宙の静寂を破るような咆哮が響いた。好き勝手に騒いでいた、
宇宙海賊ガイスターの四将達が震え上がる。

サンダーガイスト「((;゜Д゜)ガクガクブルブル」  
アーマーガイスト「ヒィー(((゜Д゜)))ガタガタ 」
ホーンガイスト「…ダ、ダイノガイスト様、お許しを~(´・ω・`)」
プテラガイスト「も、申し訳ございません…出過ぎた真似を!」

ダイノガイスト「フン、興が醒めたわ。俺が欲しいのはキサマの命ではない、
 そのお宝だ。おとなしく渡せばトドメはささぬ…」
ザムシャー「貴様らのような不逞の輩の情けは受けん。我が命ある限り、
 この“星斬丸”は貴様のものにはならぬぞ!!」
ダイノガイスト「…ならば仕方あるまい。宝の前に、その首もらったぁッ!!」

15

ダイノガイストが二刀の剣、ダイノブレードでザムシャーの首を刎ねんと
したまさにその時、頭上から矢尻を模ったような光弾が降り注いだ。
そのうちの二、三発がボディに命中して小爆発し、
ザムシャーから離れるダイノガイスト。

ダイノガイスト「チ、…宇宙警備隊。余計な奴らに見つかったか」

光弾『メビュームスラッシュ』を放ちザムシャーを救った赤と銀の戦士…
ウルトラマンメビウスがウルトラマンヒカリと共に降り立った。

メビウス「ザムシャー、大丈夫かっ!!」
ヒカリ「このエリアをパトロール中に、まさかお前を見つけるとは…。
 やはりお前も蘇っていたのか…」
ザムシャー「フ…。貴様らにもう一度会えたなら、必ず勝負を挑もうと
 思っていたのだがな…フフフ、生憎とこのザマよ」
メビウス「ザムシャー…良かった、無事で…」
ヒカリ「油断するなメビウス。まだ無事とは限らん…我々を含めて!」
メビウス「今度は僕が君を守る!!」

ウルトラマンヒカリはナイトブレスからナイトビームブレードを射出
させて身構えた。同じくメビウスも独特の戦闘ポーズをとる。

ヒカリ「手配中の宇宙海賊ガイスター一味だな!?
 アーカイブによればお前達は過去に地球に侵入し、
 宇宙警察カイザーズに逮捕されたはず…やはり脱獄していたか!」
プテラガイスト「へっ、だったらどうだってんだッ!!」
アーマーガイスト「オイ、青いウルトラマンって珍しいよな。
 あいつの名前、お前知ってるか?」
ホーンガイスト「俺に聞くな、俺に!」
ダイノガイスト「グハハハ、確かにこいつらは牢にブチ込まれたようだが…
 この俺様はエクスカイザー如きに降るくらいなら、死を選ぶわッ!!」
メビウス「そうか、脱獄囚のリストにお前の名が無かったのは…」
ダイノガイスト「俺の命は俺にとって最高の宝…誰にも渡しはせぬ」
ヒカリ「宇宙刑法によりカイザーズに代わって我々がお前達を逮捕する!」
ダイノガイスト「面白い。やってみろ小僧ども!」

戦いが一騎打ちではなくなったので、ダイノガイストは配下に加勢を命じる。
プテラガイストとサンダーガイスト、ホーンガイストとアーマーガイストが
それぞれ“エネルギーボックス”を核として融合同化を始めた。

プテラ&サンダー「二体合体! プテダー!!」
ホーン&アーマー「二体合体! ホーマー!!」

メビウス「シェァッ!」

両手を十字に組んで『メビュームシュート』を放とうとするメビウス。
それを見たザムシャーが、愛刀を地面に突き立てながら立ち上がった。

メビウス「ザムシャー!?」
ヒカリ「よせ、その傷で戦うのは無理だ!」
ザムシャー「俺は貴様達に守られるほど、脆くはない…!!
 貴様らの力は、もっと必要とされる者達を守るためにあるはずだ」
メビウス「…! し、しかし…」
ザムシャー「俺も知ってしまった…守るとは、どういうことかを。
 次に生まれ変われたら、この太刀を戦いのみではなく、
 守るために振るうのも悪くはないと…!!」
ヒカリ「ザムシャーお前…」
ザムシャー「ガイスターとやら、貴様らの欲しがる宝…この刀は
 奪えても、俺から“本当の宝”を奪うことはできん!!
 それこそが、真に…価値のあるものよ…貴様らには分かるまい」
ホーマー「本当のタカラだあ~? ふーん! わけのわからんことをぬかすなっ!」
プテダー「面白ぇ…その価値があるものってのを、じっくり教えてもらおうか!」
ダイノガイスト「…………」

16

月面で繰り広げた、グレートエクスカイザーとの死闘の記憶が蘇る。
双方死力を尽くした戦いだったが、あの時エクスカイザーにも確かに
「守るもの」があった。それが不覚をとった要因だとは認めたくなかったが、
自ら太陽に突っ込み死を迎える中、ダイノガイストは自分をここまで
追い込んだ敵の持つ力、その原動力は何であったのかをずっと考えていた…。

(エクスカイザーの声)どんなに小さくとも命は“宝”だ。
 例えそれが、貴様のような悪党の命であってもだッ!

ダイノガイスト「命が宝だと……クククククク」
ゾフィー「そうだ…――この宇宙に生きとし生ける者達が持つ、
 かけがえのない宝。それが“命”というものだ!」
タロウ「その宝を守るために、我々の力は在る。
 ストリウム光線―ッ…デァ!」
ダイノガイスト「何だ!?」

ドォァァァァァァ―――…ドドォンッ!

プテダー&ホーマー「どわぁ~ッ!!」

眩いばかりの二筋の光線が、ガイスターを薙ぎ払うように足元に炸裂した。
爆発で無様にひっくり返るプテダーとホーマーを気にする様子もなく、
ダイノガイストは攻防一体の『ダイノシールド』を構えたまま攻撃の主を見上げた。

メビウス「ゾフィー隊長、タロウ教官!」
ゾフィー「メビウス。君には新しい任務が待っている…光の国に戻れ」
メビウス「え……? で、でも…!!」
タロウ「忘れたのかメビウス。君ももう立派なウルトラ兄弟の一人だ。
 父さん、いや大隊長が待っている…さあここは我々に任せて行くんだ!」
ザムシャー「俺は貴様に守られるほど、脆くはないと言ったはず。
 行けいっ!! グズグズしていると俺が貴様を斬るぞ!?」
メビウス「ザムシャー…。分かりました、任務に従います」
ヒカリ「何も心配するな。誰も死なせはしない!」
メビウス「――シュワッ」

メビウスはヒカリと握手を交わし、ゾフィーとタロウに敬礼すると、
両手を広げて飛び立った。

ホーマー「よくもやりやがったなッ!!」
プテダー「待ちやがれこの野郎ッ!!」
ダイノガイスト「…待て。宇宙警備隊の腕利きが二人も加勢に
 現れては少々厄介……退くぞ野郎ども」
プテダー「ダ、ダイノガイスト様しかし…っ!」
ダイノガイスト「不服か……?」
ホーマー「ひっ…い、いいえ」

ガイスター首領の低く、威厳に満ちた重い声を聞いては
反論の余地はなかった。四将は渋々合体を解除すると、
ロボットから各自恐竜モードに変形して撤退する。

ダイノガイスト「今回は引き揚げるが、次に会った時は必ず
 その宝を頂くぞッ さらばだ、グァハハハハハ!!」

――ギュオォォ―――――……ッ

ダイノガイストも巨大戦闘機に変形しながら捨てゼリフを残し、
あっという間に戦場から飛び去ってしまう。

ヒカリ「待て、逃がさんぞ!」
タロウ「よせヒカリ!」

戦闘機形態のダイノガイストを追い、宇宙空間へ飛び出すヒカリ。

ダイノガイスト「しつこい奴め…くらえッ!」
ヒカリ「―!?」

なんと黒い戦闘機の腹部辺りに折り畳まれている、恐竜の首らしき
ものが突然現れ追い縋るヒカリ目掛けて炎を吐いた。

ゴアオオオオオオ――ツ

ヒカリ「ぐわぁ……っ!!」

唐突過ぎるこの隠し技に、バリアで防御することも間に合わず
全身を火達磨にされて墜落するヒカリ。
彼を追って飛んでいたタロウが『ウルトラシャワー』で素早く消火、
さらにリライブ光線を照射して意識を戻した。
ヒカリの体をゾフィーが受け止め支えた。

ゾフィー「深追いするな。今はザムシャーの手当てが優先だ。
 誰も死なせないとメビウスに約束したはずだろう」
ヒカリ「……。す、すまない隊長」
ザムシャー「フフ…退き際を誤らぬ判断力、将としての器は
 中々大したものよ、あの男……ぐぅ…っ…(ガクッ)」
ヒカリ「ザムシャー!?」
タロウ「気を失ったようだ。銀十字軍を呼んで、診てもらおう」

17

タロウは宇宙空間に向けて救援要請のウルトラサインを送った。
ほどなく――このエリアを担当している銀十字軍が到着し、
ザムシャーに応急手当てを施し救命施設へ運んだ。

ヒカリ「ガイスターはカイザーズと同じ肉体を持たぬエネルギー生命体
 のはず…あのボディを一体、どうやって手に入れたのか?」
ゾフィー「数週間前、宇宙刑務所が謎の武装集団に襲撃を受けた。
 その混乱に乗じて収監されていた多数の凶悪宇宙人や宇宙海賊が
 脱獄している…もしかしたら、その辺りに関係があるかもしれん」
タロウ「何者なんでしょう、その連中は…」
ゾフィー「これまでのアーカイブには存在しない機体が多数いたという
 ことしか分かっていない。しかし中には、ベガ星連合軍の円盤獣
 やムゲ・ゾルバドス帝国軍など過去に太陽系に侵攻して来た
 組織の兵器も混じっていたとの報告もある」
ヒカリ「一枚岩ではない謎の軍団か…くそっGショッカーやETFの
 対処だけでもとても追いついていないというのに…!」
ゾフィー「今は我々の持てる力を尽くし、我々ができることを為す
 しかないのだ。今この時にも、彼方の宇宙で必死に戦っている
 仲間達がいる…頼んだぞ、弟達よ…ッ!!」


***ガイスター基地(仮)***


恐竜王ティラノサウルス形態で玉座に腰掛けるダイノガイスト。
地球の火山基地に良く似た、何処かの星のクレーター内部に
設けた基地内のモニターがスイッチを入れられ一斉につく。
やはり目的の「お宝」を手に入れ損なったことは悔しかったらしく、
不機嫌そうな咆哮が基地内に響き渡っていた。

ダイノガイスト「グゥオオオオオオオゥッ!!!」
コウモリ「ひ、ひええええ…!」

バサバサババサバサッ……

怒れるダイノガイストの胸部から、伝言係のメカコウモリが飛び出し
離れた部屋で小さいモニターを見ている四将を鼓舞した。

コウモリ「テメーラ、何ボサッとしてんダ!
 とっととあのカタナより珍しいオタカラを探して報告シロ!
 …と、ダイノガイスト様は仰ってイル」

プテラ「だから今、こうして情報を集めてるんじゃねーか!」
ホーン「地球に行った時みてぇに、ヘンな宝だったら草臥れ儲けだからな」
アーマー「大体あの刀だって、トレーダーの奴が持って来た話だったからなあ。
 そうそう簡単に高く売れそうなモンが見つかるわけないぜ~」
サンダー「おたから~♪ おたから~♪」

ワイワイ… ガヤガヤ…

あーでもない、こーでもないと言い合う彼らの前のモニターに、
同業者…もしくは取引相手のみコードを知る通信映像が入った。
サングラスをかけたスキンヘッドの男が二人、画面に映っている。
一人は細身で長身、もう一人は太い大柄な体型をしている。

シュラ「よう。フッ、相変わらずだなお前ら…」
ゾル「ダイノガイストの旦那、えらく機嫌が悪そうだなぁ。
 外まで地鳴りみてぇな大声が響いてるぜ、フへへへ…」
プテラ「何だオメーらか。またドライアスの使いで来たのか?
 何度来ても、俺達ガイスターは何処とも手を組む気はないぜ」
シュラ「まあそう言いなさんな。今日はお前らにもまんざら無関係
 じゃねえ大事なお客さんを連れて来てやったんだぜ?」

シュラとゾルの背後から、長髪の精かんな面構えをした男が現れた。

ヴィンデル「フフフ…ガイスターの諸君、我がシャドウミラーが
 ご用意させて頂いたボディの調子は如何ですかな」
プテラ「チ、てめぇか……今度は俺達に何の用だ?」
ホーン「言っとくが、同盟がどーたらぬかす話は一切お断りだからな!」
アーマー「人間の分際で俺達と取引しようなんざ、生意気なんだよ!」
サンダー「カエレ! オレ、お前ら嫌い!」
ヴィンデル「それは残念。あなた方が喉から手が出るほど欲しがる、
 飛びきりの“お宝”について情報をご提供に来たのですがねぇ…」

ガイスター一同「ホントかーーーーーーーーっ!?」

18

◇    ◇


ダイノガイスト「…フン、ドライアスはシャドウミラーと組んだか」
シュラ「おたくらガイスターも、宇宙警察や宇宙警備隊といった連中に
 追われてるんじゃ商売がやりにくいだろう? 我々も同じさ…皆利用
できるものは何でも利用し合うのが利口なやり方だと思うがね」
ゾル「Gショッカーだって名だたる組織がたくさん集まってできてんだぜぇ…
 今時、たったの五人でやる宇宙海賊なんて流行らないぜ~」
プテラ「こいつ…! 偉そうな口をききやがって!」
アーマー「ドライアス軍ってのも、てめぇら二人とドクター・ジャンゴ
 とかいう人間のジジイしかいねえじゃねーかッ!!」
ダイノガイスト「勝手に言わせておけ。我らガイスターの目的は宝を
 手に入れることにある。ヴィンデル…情報を聞こう」

ヴィンデル「それさえあれば、何も邪魔な連中がいるこの世界だけに
 拘らず、あらゆる平行世界の“宝”があなたのものになる」
サンダー「へいこう…って何だ??」
ダイノガイスト「ほう…異世界の宝か…グフフフ、面白い!」
ヴィンデル「その名はシステムXN、ヘリオス…いやギリアム・イェーガー
 という男がそれを持っており、さらにその装置はそいつが核となって
 初めて完全に機能するのだッ!!」
ダイノガイスト「人間ごと、我々に奪わせようという算段か…
 いいだろう。但し手に入れた後、キサマらに売るという保証はない」
ヴィンデル「なァに手に入れたものを、どうしようがそれはあなた方の
 ご自由ですよ…私は情報をご提供させて頂くだけだ…
 エネルギー生命体のあなた方に、融合可能な体を提供したようにね」
プテラ「白々しいヤローだな…ムカツクぜ」
ダイノガイスト「フフフ、…そいつを使って逆に邪魔なエクスカイザーどもを、
 別の次元へ跳ばしてしまうのもよいかもしれんな…グハハハ」

ヴィンデル「(ククク…ヘリオス…今度こそ逃がさんぞ)」


○ウルトラマンメビウス→ウルトラマンヒカリとパトロール中にザムシャーを発見する。
              ウルトラの父に呼ばれ光の国へ帰還。
○ウルトラマンヒカリ→ウルトラマンメビウスとパトロール中にザムシャーを発見する。
○ゾフィー→ウルトラマンタロウと共にメビウスの救援に現れる。
○ウルトラマンタロウ→ゾフィーと共にメビウスの救援に現れる。
△ザムシャー→愛刀「星斬丸」を宇宙海賊ガイスターに狙われダイノガイストとの
        一騎打ちで負傷する。銀十字軍に治療してもらう。
 
●ダイノガイスト→宇宙剣豪ザムシャーの刀を狙い勝負を繰り広げる。
           ゾフィーとタロウの出現で退き時を悟り撤退。
●プテラガイスト→サンダーガイストと合体して戦おうとするが、ボスの撤退命令に従う。
●ホーンガイスト→アーマーガイストと合体して戦おうとするが、ボスの撤退命令に従う。
●アーマーガイスト→ホーンガイストと合体して戦おうとするが、ボスの撤退命令に従う。
●サンダーガイスト→プテラガイストと合体して戦おうとするが、ボスの撤退命令に従う。
●シュラ→シャドウミラーと手を組み、ヴィンデルをガイスター基地へ連れて来る。
●ゾル→シャドウミラーと手を組み、ヴィンデルをガイスター基地へ連れて来る。
●ヴィンデル→様々な勢力と手を組みシャドウミラーの戦力を充実させようと
        暗躍している。再びシステムXNを手に入れようと狙う。

19

【今回の新規登場】
△宇宙剣豪ザムシャー(ウルトラマンメビウス)
宇宙にその名を轟かす剣豪宇宙人。己より強き者に闘争心を覚え、己の刀法を
振るうことに喜びを感じている。彼を倒して名を上げようと考える宇宙人も多いが、
ほとんどが返り討ちに遭っている。隕石をも両断する愛刀「星斬丸」を手にハンターナイト
ツルギとの勝負を望んで地球に来たが、メビウス、ヒカリと対決して潔く負けを認め去る。
その後地球へ再来してGUYSの窮地を救うものの、エンペラ星人が放った光線からミライ達が
いるフェニックスネストを庇い、「守るということ」を理解しながら光の粒となって消滅した。

○ウルトラマンメビウス=ヒビノ・ミライ(ウルトラマンメビウス)
ウルトラの父にメビウスブレスを授けられ、地球へ赴いた宇宙警備隊のルーキー。
地球ではヒビノ・ミライを名乗りCREW GUYSの隊員となり活躍した。
若さと経験不足から未熟な面があったが、GUYS隊員達と心を通い合わせ、
伝説のウルトラ兄弟達との邂逅を経て大きく成長。エンペラ星人を撃破した後、
その経験を後進の若きウルトラ戦士達に伝えるべく光の国へ帰って行った。
基本スタイルの他、ウルトラマンヒカリのナイトブレスやGUYSの仲間達の思いが
結合して誕生する複数の強化スタイルを持つ。さらに歴戦のウルトラ6兄弟の
エネルギーを託され超戦士メビウスインフィニティーとなる。

○ウルトラマンヒカリ=ハンターナイトツルギ(ウルトラマンメビウス)
ブルー族と呼ばれる青い体を持つウルトラマン。M78星雲の研究員だったが、
ボガールに滅ぼされた惑星アーブの怨念を「アーブギア」としてその身に纏い、
復讐者ハンターナイトツルギとなってGUYS前隊長セリザワ・カズヤの意識と体を
乗っ取っていた。しかし地球でメビウスやGUYSメンバーとの触れ合いを通して
本来の心を取り戻し、一度息絶えた後にウルトラの母により復活。
メビウスにナイトブレスを託して地球を去るが、ゾフィーにスカウトされて正式に
宇宙警備隊の一員となり、エンペラ星人の襲来を受ける地球へ駆けつけた。

○ゾフィー(ウルトラマンシリーズ)
銀河平和の守護者、宇宙警備隊・隊長にしてウルトラ兄弟の長兄。
宇宙恐竜ゼットンに倒されたウルトラマンを迎えに現れ、光の国へ連れ帰った。
弟達のピンチには度々駆けつける。指導力と行動力に優れ、全ての宇宙警備隊員
から大きな信頼を受けている。地球ではGUYS総監サコミズ・シンゴと一体化した。
必殺技M87光線は、単独で放つ光線の中でウルトラ兄弟最強の威力を誇る。

○ウルトラマンタロウ=東光太郎(ウルトラマンタロウ、ウルトラマン物語、ウルトラマンメビウス)
ウルトラの父と母の実子でウルトラ兄弟6番目の弟。父から受け継いだ二本の角
ウルトラホーンが特徴的な戦士。ウルトラマンエースの後任として地球防衛の任務に
就き、ZAT隊員・東光太郎と合体して超獣をも凌駕する大怪獣と戦った。
少年に人間の勇気を教えるため、タロウの変身能力に頼らずにバルキー星人を
倒した後、東光太郎として地球に留まり旅をしていた。しかし他のウルトラ四兄弟が
ヤプールとの戦いで力を使い果たし、地球で暮らすことになったため入れ代わりに
光の国へ帰還、セブンの後を継いで宇宙警備隊の筆頭教官となる。
ウルトラマンメビウスの尊敬する師でもある。

20

●ダイノガイスト(勇者エクスカイザー)
全宇宙の宝を奪うことを目論む宇宙海賊ガイスターの「御頭」。
正体はエクスカイザー達と同じく、赤い光の玉のような悪のエネルギー生命体。
カイザーズの追跡を逃れ侵入した地球にて、恐竜博覧会に展示されていた
ティラノサウルス模型に融合してメカ恐竜・巨大戦闘機・ロボットという三段変形
をこなすボディを手に入れた。「宇宙一の強者」と謳われるその実力は本物であり、
エクスカイザーも超巨大合体グレートエクスカイザーになるまで全く歯が立たなかった。
部下の失敗に怒ることはあっても、過度に非道な仕打ちを行うことはなく、
他の悪の組織のように「世界征服」「全宇宙支配」といった思想は基本的にない。
月面でグレートエクスカイザーと一騎打ちを演じ、敗北後も捕縛されることを良しとせず、
自ら太陽に突入して誇り高く悪道を貫き通して散って行った。

●プテラガイスト(勇者エクスカイザー)
三百年に渡り宇宙中を荒し回ったガイスター四将の一人、空将。
地球で恐竜博覧会に展示されていたプテラノドン模型と融合、空中戦を
得意とする。四人の中で最も頭が切れるため、ダイノガイストの作戦参謀的
存在だが、他の三人を見下し仲が悪い。どんなものでも命令通りに動く
ガイスターロボに変えるエネルギーボックスを開発して戦わせる。
後にサンダーガイストと合体して『二体合体プテダー』形態で戦うようになるが、
エネルギー生命体捕獲装置で捕らえられ宇宙刑務所へ送られた。

●ホーンガイスト(勇者エクスカイザー)
三百年に渡り宇宙中を荒し回ったガイスター四将の一人、陸将。
地球で恐竜博覧会に展示されていたトリケラトプス模型と融合、陸戦を
得意とする。粗暴で口が悪い性格のためか、プテラガイストとはとことん
馬が合わず言い争いが絶えない。地球で一番最初にエクスカイザーと戦った。
後にアーマーガイストと合体して『二体合体ホーマー』形態で戦うようになるが、
エネルギー生命体捕獲装置で捕らえられ宇宙刑務所へ送られた。

●アーマーガイスト(勇者エクスカイザー)
三百年に渡り宇宙中を荒し回ったガイスター四将の一人、地将。
地球で恐竜博覧会に展示されていたステゴザウルス模型と融合、地中戦を
得意とする。優柔不断で日和見主義な性格で、プテラとホーンの争いを
よく観察しては都合の良いほうにつく癖がある。地中を高速で堀り進める。
エネルギー生命体捕獲装置で捕らえられ宇宙刑務所へ送られた。

●サンダーガイスト(勇者エクスカイザー)
三百年に渡り宇宙中を荒し回ったガイスター四将の一人、海将。
地球で恐竜博覧会に展示されていたブロントサウルス模型と融合、水中戦を
得意とする。四人の中で体力・パワー共に最も優れているが思考能力が
極端に鈍いため全員にバカにされている。しかし彼に対して「このボケ!」
は禁句であり、一旦暴れだすと誰にも止められない。
エネルギー生命体捕獲装置で捕らえられ宇宙刑務所へ送られた。

●シュラ(太陽の勇者ファイバード)
宇宙皇帝ドライアスの部下。ガイスターと同様の悪のエネルギー生命体で、
地球でDr.ジャンゴが造った細身の男風のアンドロイドに融合した。
クールな狡賢い性格で作戦をそつなくこなす破壊工作のエキスパートである。
後に『ソドム』という名のロボットに搭乗してファイバード達と戦う。

●ゾル(太陽の勇者ファイバード)
宇宙皇帝ドライアスの部下。ガイスターと同様の悪のエネルギー生命体で、
地球でDr.ジャンゴが造った大男風のアンドロイドに融合した。
見た目通りの単細胞で乱暴な性格。物事を何でも力と破壊で解決しようと
するタイプのため、相棒のシュラにもバカにされている。子供が苦手。
後に『ゴモラ』という名の四足を持つロボットに搭乗してファイバード達と戦う。

●ヴィンデル・マウザー大佐(スーパーロボット大戦OG2)
平行世界の地球に存在した、連邦軍特殊部隊シャドウミラーの部隊長。
平和によって齎される世界の腐敗を憂い、闘争によってのみ人類は進化を
続けていくとの信念に基きあらゆる世界へ侵入しては戦争の火種を撒く。
ギリアムをシステムXNに組み込み、より完全なる次元転移を可能にするべく
その行方を追う。乗機は『ツヴァイザーゲイン』


『ギンガに旅立て、ミト王子』-1

作者・ユガミ博士

21

地球から遠く離れた外宇宙には、銀河列強と呼ばれる国家、勢力が存在する。
地球人類の子孫が築いた“銀河帝国”、遺伝子操作により宇宙に適応した
“アーブによる人類帝国”、総統デスラー率いる“ガルマン・ガミラス帝国”、
宇宙の知的生命体による連合組織“宇宙連合”等・・・。その中の1国、
51の惑星を平定した“エドン国”領内の宙域を1隻の宇宙船が航行していた。

***エドン国***

その宇宙船「POUR(ポウ)号」にはエドン国次期国王であるエドワード・
ミト王子とお供のスケさんことデューク・スケード、カクさんことバロン・
カークス、エドン国のお庭番であるフローラ・シノブが乗船していた。

スケさん「王子。間もなく、バードランド星に到着します。」
ミト王子「バードランド星か・・・。ついこの間のことなのに、懐かしいな。」
カクさん「拙者は、腹が減ったのぅ。」
シノブ「もう、カクさんたらww。」

コックピットにはミト王子達が集まっていた。そして、目の前には農業惑星
バードランド星があった。エドン国王家にはある仕来りがある。「エドン国
王位継承者は、16歳になるまでに全ての領地を巡る視察の旅をする義務」
があった。「前大戦時」にバードランド星に訪れたミト王子達は、そのまま
地球の戦争に巻き込まれ、各惑星の悪徳領主やクーデターの勢力と戦った。
戦争終結後は、エドン国の新たな在り方を決める為に再び、各惑星を巡る旅
をする事にしたのである。

ドゴォォォン!

ミト王子「な、何だ!?。」
スケさん「王子、バードランド星からの攻撃です!。」
カクさん「そんな馬鹿な!?。もう、前の領主は拙者達が倒したのだぞ。」
スケさん「そんな事、私も知らん。とにかく皆、しっかり捕まってくれ!。」

バードランド星の突然の攻撃に戸惑うミト王子達。POUR号はビーム攻撃
の雨をかいくぐり、バードランド星へと不時着するのであった。

22

***バードランド星***

シノブ「・・・じ、王子、大丈夫ですか。」
ミト王子「う、う~~ん。・・・ここは?。」
カクさん「おお、王子が目覚めたぞ。」
スケさん「ここは、POUR号のコックピットですぞ、王子。」

バードランド星の森の中に不時着したショックで、ミト王子は気絶していた。
目覚めた後、ミト王子達は外へと出た。

バードランド星の住人「た、助けてくれー!。」

森の外から、助けを呼ぶ声が聞こえた。

シノブ「王子。」
ミト王子「うん、行ってみよう。」

声のする方へと行ってみると、男が見たことも無い異星人の集団に
追われていた。

ミト王子「待てぇ!。」
???「うぅん?。誰だ、お前ら。」
スケさん「王・・・いや、ぼっちゃん。

 あの者達はエドンでは見かけない者達ですぞ。」

追っていた集団は赤い蠍のような異星人をリーダーに、他は海賊のような
格好をしていた。お気づきの人もいるであろう。彼らは3000年前に
宇宙のあらゆる星々を荒らしまわった宇宙海賊バルバンである。蠍のような
異星人はサンバッシュ魔人団の1人、コルシザーで、他は賊兵ヤートットである。

コルシザー「この星の住人か?。まぁ、何だっていい。コイツらも
     連れて行け。」
ヤートット「「ヤートット」」
ミト王子「スケさん、カクさん。」
スケさん「応!。」
カクさん「応!。」
ミト王子「シノブさんはその人を安全な場所へ!。」
シノブ「分かりました。」

ミト王子達は腰に下げている剣を取り出し、ヤートットの集団と戦い始めた。

ヤートット「ヤートット!。」
スケさん「何の!。」

ズシャ

ヤートット「ヤートット~。」
カクさん「どっせ~い。」
ヤートット「ヤートット~。」

ヤートット達は苦戦を強いられる。だが、ヤートットの中の1体が
ミト王子に斬りかかった。

ヤートット「ヤートット!。」
スケさん「王子、危ない!。」
ミト王子「くっ!。」

これまでかと思ったその時・・・。

ピシィ

ヤートット「ヤートット~。」

突然、鞭が現れ、斬りかかったヤートットは吹き飛んだ。

ミト王子は「あの鞭は・・・。」
???「大丈夫ですか?、ミト王子。」

23

後ろを振り向くと、そこには剃りこみをいれマントを着けた男性、全身
黒タイツに銃を持った男性、ロングヘアーにグラマーな女性がいた。

スケさん「そなた達は・・・。」
ミト王子「J9チーム!!。」
カクさん「何故、ここに!?。」
アイザック「詳しい話は後です。」
キッド「まずは、コイツらを何とかしないと。」
お町「そういう事。イェイ。」

J9チームの3人、リーダーの“かみそりアイザック”ことアイザック・
ゴドノフは鞭を振るい、チーム1の銃の名手“ブラスターキッド”こと
木戸丈太郎は持っている銃で何体ものヤートットを打ち抜いた。

アイザック「お町!。」
お町「OK。」

チームの紅一点“エンジェルお町”ことマチコ・ヴァレンシアは持っている
煙玉で煙幕を張った。煙が晴れると、そこにはJ9チームもミト王子達も
そこにはいなかった。

コルシザー「アイツラ~。探せ、探せ~。」
ヤートット「「ヤートットー。」」

一方、ミト王子達はJ9に連れられて彼らの仲間のいる場所へとやってきた。
そこで、J9がこの星にいる理由を聞いた。

ミト王子「じゃあ、君達も攻撃にあってこの星に聞いたんだね。」
アイザック「その通りです。外宇宙を旅していた我々はエドンに立ち寄った
     所、この星から攻撃を受けて今に至るわけです。」
ボウィー「ビーム攻撃にはビックリしたけど、そこは俺ちゃんの華麗な
    テクニックでかわしたのよ。」

アイザックの説明に、チーム1の運転技術を持つ“飛ばし屋ボウィー”
ことスティーブン・ボウィーはハンドルを操作するようなジェスチャーを
しながら付け加えた。

シノブ「王子、先程の追われていた人の意識が戻りました。」
ミト王子「分かった。会おう。」

ミト王子達はバードランドの住人の前に集まった。

バードランド星の住人「あ、あなたはミト王子様!、ははー。」
ミト王子「顔を上げてくれ。一体、この星に何があったんだい?。」
バードランド星の住人「はい、ミト王子様のおかげでこの星は平和に
 なりました。ですが、ある日、宇宙から「宇宙海賊バルバン」と
 名乗る宇宙海賊がやってきて、あっという間にこの星を占拠して
 しまったんです。そして、この星に住む住人は奴隷として働かされて
 いるのです。」
アイザック「宇宙海賊バルバンだと!。」
スケさん「知っているのですか?、アイザック殿。」
アイザック「ええ。バルバンとは、3000年もの昔に宇宙を荒らし回って
 いた宇宙海賊です。その後、地球に住む『ギンガの森』の戦士と星獣
 という星の生物によって、封印されたという伝説を聞いた事があるのですが、
 現代になってバルバンは復活したのです。しかし、ギンガの森の戦士・・・
 ギンガマンによってバルバンは滅びました。実際、見るのは初めてですが・・・。」

アイザックはバルバンについて、ミト王子達に話した。

カクさん「しかし、その滅んだというバルバンが何でおるのかのぅ?。」
シノブ「もしかして、今、宇宙で話題になっている『黄泉帰り』で復活
  したのでは?。」
アイザック「おそらく、そうでしょう。話によると、そうして復活した
 悪の組織が同盟を結び、Gショッカーと名乗る組織に属していると
 聞きます。」
ミト王子「誰であろうと、民衆が苦しんでいるというのなら倒すまでだ。」
カクさん「その意気ですぞ。王子。」
アイザック「我々もお手伝いしましょう。今回は報酬抜きで行かせてもらい
 ます。」
ボウィー「ちょっと、報酬貰わなくてもいいの?。」
キッド「ま、たまにはこういうのもいいでしょう。」
ミト王子「ありがとうJ9チーム。かならず、バルバンを倒そう。」

果たして、彼らの活躍は如何に・・・?。

24  ※削除により欠番

25

○ミト王子、スケさん、カクさん、シノブ→バードランド星に不時着して、バルバンと戦う。
○J9チーム→ミト王子御一行を助ける。
●コルシザー→ヤートット率いて、バードランド星の住人を捕まえようとして、
       ミト王子御一行と戦う。

【今回の新規登場】
○エドワード・ミト王子(最強ロボダイオージャ)
エドン国次期王位継承者。エースレッダーのパイロット及びダイオージャの
メインパイロット。旅の当初は堅苦しい城の生活から開放されたと喜んで
いたが、エドンの現状を知り、次第に成長する。素性を隠すためお金持ちの
息子が社会勉強をしているという設定で、ミートと名乗っている。

○デューク・スケード(最強ロボダイオージャ)
アオイダーのパイロット及びダイオージャのサブパイロット。剣の達人で
ミト王子の教育係。慎重派で常識人だがやや口うるさい。アフロヘアーが
特徴。通称「スケさん。」

○バロン・カークス(最強ロボダイオージャ)
コバルダーのパイロット及びダイオージャのサブパイロット。ミト王子の
剣術指南役で格闘技も出来る。食いしん坊で、ミト王子と共に遊びの方向
に向かうことがある。通称「カクさん。」

○フローラ・シノブ(最強ロボダイオージャ)
元々は王妃の護衛役だが、王妃の命令でミト王子の旅の一行に加わる。
宇宙船の整備、操縦、情報収集をこなす。ミト王子とはお互い好意を
寄せ合っている。

○木戸丈太郎(銀河旋風ブライガー)
通称「ブラスター・キッド。」J9随一のスナイパー。ブライガーの
攻撃と防御を担当。地球生まれの生粋の日本人。元地球連邦軍特殊部隊
「レッドローズ隊」に所属していたが、軍上層部の腐敗に失望し、脱走。
趣味はレコード集めで、ダブルネックエレキギターの名奏者。

○マチコ・ヴァレンシア(銀河旋風ブライガー)
通称「エンジェル・お町。」ナイフ投げが得意で、銃器・爆薬にも詳しい。
ブライガーの策敵、遊撃等を担当。木製開発局の長官である父を持つが、
ガリレオ・コネクションと通じていたことで反発する。ポーカーが得意。

○スティーブン・ボウィー(銀河旋風ブライガー)
通称「飛ばし屋・ボウィー。」ブライサンダー、ブライスター、ブライガー
の操縦担当。太陽系最大のカーレース「ル・マン・デ・ソール」の最多優勝
の経験を持つ凄腕のレーサー。ブライサンダーを「子猫ちゃん」と呼ぶ。

○アイザック・ゴドノフ(銀河旋風ブライガー)
通称「かみそりアイザック。」J9のリーダーで、ブライガーのシステム
チーフを担当。冷静で鋭い読みをする。嫌いな物は金の貸し借りとピーマン。
見かけによらず、アルコールに弱い。

●コルシザー(星獣戦隊ギンガマン)
サンバッシュ魔人団の1人である魔人。

●賊兵ヤートット(星獣戦隊ギンガマン)
バルバンの水夫兵。マシンガンにもなる刀を武器にしている。


『ギンガに旅立て、ミト王子』-2

作者・ユガミ博士

26

***バードランド星・領主の館***

その夜、バルバンのアジトとなっている領主の館では酒盛りが行われていた。
その上座の位置にはバルバンの幹部である銃頭サンバッシュと闇商人ビズネラ
が酒を飲んでいた。

サンバッシュ「もっと、酒だ。酒を持って来いー!。」
ビズネラ「サンバッシュさん、酒の飲みすぎは体の毒ですよ。」
サンバッシュ「うるせー!、今は飲みてー気分なんだよ。」

そう言って、サンバッシュは部下が持ってきた酒を飲んでいった。

サンバッシュ「(Gショッカーだが何だが知れねぇが、俺達がバルバンが
      何で、こんな所にいなきゃいけねぇんだ?。船長の命令だから
      仕方がねぇが、ギンガマンに借りを返せねぇとはよ・・・。)」

現在、バルバンはGショッカーのエドン国侵攻のためにこのバードランド星を
占領した。だが、サンバッシュは2度も自分達を地獄へと葬ったギンガマンに
復讐が出来ない事に苛立っていた。

ヤートット「ヤートヤートット。」
サンバッシュ「何!?、侵入者だと。」
ビズネラ「早くここに連れて来なさい。」
ヤートット「ヤートット。」

ヤートットは侵入者を連れてきた。その侵入者は背の低い老人とシルクハット
をかぶった背の高い中年の男性の2人組みだった。

背の低い老人「こりゃー、離さんか!。このわしを誰だと思っている、
      エドン国家老カミシモノカミ・ゴクロータ・アリフレテルド・
      バルジャンじゃぞー!。貴様等ー、エドンの者ではないな。
      この星で何をしておるー!。」
ビズネラ「エドン国の家老ですと。」
サンバッシュ「ほう・・・、そいつが本当なら後で利用できそうだな。
      こいつらを牢屋にぶちこんどけ。」
バルジャン「何をー!、あっ、離せ。」
ジンナイ「旦那様、落ち着きましょうよ。」
バルジャン「こりゃー、ジンナイ。お前は何故、そういつものんきなんじゃ。」

バルジャンと従者のジンナイは牢屋へと連れて行かれた。

サンバッシュ「全く、やかましい爺さんだったな。おい、この星の女に
      酌させろ。」

サンバッシュの命令の後、フードをかぶった女性達が酒盛りをしている
ヤートット達を酌するのであった。

27

だが、その女性の1人がかなりの巨体で、顔を見てみるとひどい醜さだった。
おもわずヤートット達も・・・。

ヤートット「ヤート(オエー)。」

吐き気がした。お気づきの方もいるであろう。ここにいる女性はミト王子達
御一行の変装である。王子達がバルバンを引き付けている内に、J9が奴隷
となっているバードランド星の住民を逃がす算段となっている。

ビズネラ「ん・・・。何だか眠気が。」
ヤートットA「ヤ~~ト。」
ヤートットB「zzz。」

酒には睡眠薬が仕込まれており、バルバン達は次々と眠り始めた。そして、
全員眠りについたと確認するとミト王子達はフードを脱いだ。

スケさん「どうやら、全員眠ったようですな。」
ミト王子「うん、後はJ9が住民の皆を開放するだけだね。」
サンバッシュ「何を開放するって?。」
ミト王子御一行「!?」

ミト王子達は驚いた。眠っていたと思っていたサンバッシュが起きていたのである。

サンバッシュ「俺は色んな修羅場を今まで、くぐってきたんだ。眠り薬ぐらい
      気づかない程馬鹿じゃあねぇぜ。テメェら、起きやがれー!。」

バン!バン!

サンバッシュは銃を天井に向かって撃ち、その銃声で他のバルバン達は
目を覚ました。

サンバッシュ「侵入者だ。この場で処刑だー!。」
カクさん「王子、これは戦うしかありませんな。」
ミト王子「こうなっては仕方が無い。行くぞ、スケさん、カクさん、
    シノブさん。」
スケさん&カクさん&シノブ「「「応!。」」」

ミト王子達は剣を取り出して、バルバンとの戦闘が始まった。

ミト王子「とりゃぁぁぁ。」
ヤートットA「ヤト~~~。」
カクさん「どすこ~い。」
ヤートットB「ヤートット。」
シノブ「ハッ!」
ヤートットC「ヤートット。」

ミト王子達の攻撃にヤートット達は次々と倒されていった。

サンバッシュ「喰らえ!。」

サンバッシュの銃弾がミト王子に向かって放たれた。

28

ズキューン

だが、別方向からの銃弾がサンバッシュの銃弾の弾道を外した。
その銃弾が放たれた方向を向くと、そこにはJ9の面々が終結していた。

コルシザー「サンバッシュ様、あいつら脱走者を逃がした一味ですぜ。」
サンバッシュ「貴様らは、何者だー!。」
アイザック「宇宙の始末屋、コズモレンジャーJ9だ。」
お町「奴隷となっているバードランド星の住民はもう開放済みよ。」
キッド「後はあんた等の始末だけさ。」

言うやいなや、J9はそれぞれの武器で、コルシザーを攻撃した。

キッド「これは対エイリアン用の銃弾だ。受け取りな。」
お町「そして、これは対エイリアン用の小型爆弾よ。」

ズキューン! ドカーン!

コルシザー「ぐわぁぁぁ。」

コルシザーは倒れた。

サンバッシュ「コルシザー!、テメェ等よくも・・・。」
ミト王子「さぁ、おとなしく降参しろ。」
サンバッシュ「クッ・・・『サンバッシュさん』ビズネラか。」

いつのまにか消えていたビズネラからサンバッシュに通信が入った。

ビズネラ『例の物の準備が整いました。いつでも出撃できます。』
サンバッシュ「良し。」

そう言うとサンバッシュは隠し通路へと消えていった。一方、コルシザー
の方も再び立ち上がり、懐からボトルを取り出した。

コルシザー「バルバエキス!。」

コルシザーはボトルの蓋を開けて、中に入っているバルバエキスを飲んだ。
バルバエキスはバルバンの魔人達が持つ巨大化ができる液体である。
ただし、服用した者は自らの命を縮めるという副作用があるため、最後の
手段なのである。

コルシザー「効くぜー。」
アイザック「いかん、皆すぐにここを離れるんだ。」

コルシザーは巨大化し、建物は崩れていった。ミト王子達とJ9は
アイザックの指示によって何とか事なきを得た。

29

スケさん「王子、あれを。」
ミト王子「ん!?。」

スケさんの指差す方には宇宙戦艦が上空を浮かんでいた。そして、その戦艦
から一体の人型ロボットが現れた。そのロボットの姿は何と、サンバッシュ
そっくりの姿だった。

サンバッシュ「どうだ、ビズネラに特別に作らせた俺専用の戦闘ロボット、
      その名もサンバッシュロボだ。本当はギンガマン相手に使う
      つもりだったが、試運転に相手させてやるぜ。」
スケさん「王子。」
ミト王子「うん、クロス・ソード。」
アイザック「ボウィー、ブライサンダーを寄越してくれ。」
ボウィー『OK。ちょっと待ってね。」

ミト王子は腰に下げてある剣を上に向けて、宇宙船POUH号に搭載されて
ているエースレッダー、コバルダー、アオイダーを呼び出し、アイザックは
ブライサンダーを呼び出し、J9は中へ乗り込んだ。

スケさん「控え、控え、控えおろー。こちらにおわすお方こそ、

 トクガー16世、エドワード・ミト王子なるぞ。」
ビズネラ「何ですと!?。」
サンバッシュ「あの小僧が。ウソならもっとましなウソをつくんだなぁ。」
ミト王子「ならば、しかとその目で見よ。行くぞ、スケさん」
スケさん「応。」
ミト王子「カクさん。」
カクさん「応。」
ミト王子「クロス・トライアングル。」

ミト王子達の乗る3機のロボットはそれぞれ変形を開始した。エースレッダーは
頭部・胸部へ、アオイダーは両腕・腹・腰へ、コバルダーは両足となった。
その3機が縦に合体していき、エドン国が誇る最強のロボット、ダイオージャと
なった。そして、胸のエドン国王家の証であるエンブレムが光輝いた。

コルシザー「ははー。」
サンバッシュ「馬鹿か、エドン国の住民じゃねぇだろー!。」
コルシザー「あ、つい・・・。スイマセン。」

思わずコルシザーは頭を伏せてしまい、サンバッシュに起こられる。

アイザック「我々も行くぞ。ブライシンクロンマキシムだ。」

アイザックの掛け声に、ブライサンダーはシンクロン原理によって巨大化し、
戦闘機ブライスターにさらに変形して、スーパーロボット・ブライガーと
なった。ブライガーはダイオージャの隣へと降り立ち、サンバッシュ達と
睨み合う。この戦いの勝者は如何に。

30

○ミト王子御一行→J9と協力して、奴隷となったバードランド星の住民を
         開放。ダイオージャに乗り込む。
○コズモレンジャーJ9→ミト王子御一行と協力して、バードランド星の
            住民を解放し、ブライガーに乗り込む。
○バルジャン・ジンナイ→バルバンに捕まる。
●銃頭サンバッシュ→専用ロボット・サンバッシュロボに乗り込む。
●闇商人ビズネラ→サンバッシュロボを用意する。
●コルシザー→J9にやられた後、バルバエキスを飲み、巨大化する。

【今回の新登場】
○バルジャン(最強ロボダイオージャ)
エドン国の家老で王子の世話役を勤める元気なご老人。口うるさいのが玉にキズ。
本名は“カミシモノカミ・ゴクロータ・アリフレテルド・バルジャン”。

○ジンナイ(最強ロボダイオージャ)
バルジャン付きの従者。宇宙船の操縦者。

●銃頭サンバッシュ(星獣戦隊ギンガマン)
サンバッシュ魔人団のリーダー。銃とバイクと愛用する。部下共々、ノリと
思いつきで行動する。調子の良い性格をしている。

●闇商人ビズネラ(星獣戦隊ギンガマン)
協力な武器を作って売り歩く武器商人。右腕に光線中を仕組んでいて、バルバ
エキス入りの弾丸を魔人に撃ち込み、巨大化させる為の巨大化銃なるものを
もっている。星獣を鋼星獣に改造した張本人。バットバスとは旧知の仲で
財産が没収された後、彼の作戦参謀となったが終盤に見限られる。


『ギンガに旅立て、ミト王子』-3

作者・ユガミ博士

31

***バードランド星***

ミト王子「ダイオージャパンチ!。」
コルシザー「ぐふっ!。」

ミト王子はダイオージャの腕を飛ばし、コルシザーを殴りつけた。

キッド「喰らえ、コズモワインダー!。」
サンバッシュ「させるかー!、プロテクトガ~~~ド!。」
ボウィー「あららー、バリヤー持ってるよ。」

ブライガーの持つ武器の一つコズモワインダーをサンバッシュに向かって撃つが、
サンバッシュロボはバリヤーを発生させてダメージを受けなかった。

アイザック「ならば、直接攻撃だ。」
キッド「よーし、コズモスピア!。」

武器の一つ、コズモスピアを取り出してサンバッシュロボに直接攻撃を仕掛けた。
サンバッシュロボのバリヤーに防ぎきれなかった。

サンバッシュ「ぐわぁぁぁ、な・・・中々やるな。だが、お返しだー!。」

ズギューン

サンバッシュロボは腰に下げている機関銃を取り出してブライガーに向けて
発砲した。一方、ダイオージャと戦っているコルシザーも左手の蠍のような腕で攻撃した。

ミト王子「ダイオージャシールド。」

しかし、コルシザーの攻撃は防がれた。

キッド「そろそろ、終わりにさせてもらうよ。ブライソード!。」
サンバッシュ「ぬわぁぁぁぁ!、」

ブライガーの必殺武器ブライソードはサンバッシュロボに大きなダメージを与えた。

サンバッシュ「くっ、ダメージがでかすぎる。仕方がねぇ、ここは撤退だー。
      後は任せたぜ、ビズネラ。」
ビズネラ「分かりました。」

サンバッシュはサンバッシュロボと共に宇宙へと逃げていった。そして、
後方にいるビズネラの宇宙戦艦は発砲攻撃をしてきた。それは、
ダイオージャにも向けられた。

ミト王子「ぐぉぉ!。」
キッド「ちぃ。」
ビズネラ「これでお終いです。」

協力なビーム砲をダイオージャとブライガーに放たれようとしていた。しかし・・・。

ズキューン

突如、地上の森から無数のビームが宇宙戦艦を攻撃した。

32

そして森の方から何台もの宇宙バイクが飛び出した。

アイザック「あの宇宙バイクは・・・。」
パンチョ『お待たせでゲス。助っ人連れてきたでゲス。』
アイザック「パンチョか。」

ブライガーが後ろを振り向くと、鳥のような宇宙母艦に機関車型の宇宙船が
こちらに向かっていた。

???『大丈夫ですか?、ミト王子、J9チーム。』
ミト王子「あ、あなたは・・・!?。」
アイザック「ドン・コンドール・・・。」

通信画面に現れた男性はかつて「前大戦」時に自分達と共に戦い、そして散った
銀河烈風隊の局長“ドン・コンドール”ことディーゴ・近藤だった。

アイザック「あなたはあの時、我々を異空間から脱出するために死んだのでは・・・。」
ディーゴ『詳しい話は後です。今は目の前の敵を・・・。』
???『そういう事です。我々も協力しますよ。』
ミト王子「あなたはI・C・ブルース。」

次に画面に現れたのはJJ9チームのリーダー“I・Cブルース”こと
ブルース・カール・バーンスタインだった。

ブルース『協力を要請され参上しましたよ。』
ディーゴ「銀河烈風隊出撃!!。」
銀河烈風隊「応!。」

鳥の様な宇宙母艦バクシンバードから5台の宇宙バイクが出撃した。

ディーゴ「シンクロン合身だ。」

ディーゴの掛け声に5台の宇宙バイクは巨大化・変形し銀河烈風隊の誇る戦闘ロボ
バクシンガーとなった。

ブルース「我々も戦闘開始だ。テイク・サスライド・オン!。」

機関車型の宇宙船J9Ⅲ号は変形し、JJ9の戦闘ロボ・サスライガーとなった。

士郎「銀河烈風バクシンガー。」
シュテッケン「まかり通る。佐馬、スピットファイアマックスだ。」
佐馬「了解。」

バクシンガーは肩からミサイル武器のスピットファイアマックスを発射させた。

33 
ドゴォォン

スピットファイアマックスは宇宙戦艦に直撃する。

ブルース「J9チーム、久しぶりにアレよやらないか?」
アイザック「アレ?・・・ああ、了解した。」

アイザックはブルースの提案を受け入れ、ブライガー、サスライガー、そして、
バクシンガーの陣形を取り始めた。

ブルース「さて諸君、行こうか。」
アイザック「ブライカノン、装着!」
お町「イエイ。」
シュテッケン「バクソードだ!」
ライラ「イエイ。」
ブルース「戦闘開始だ。」
バーディ「イエイ、イエイ。」

ブライガーは2問のキャノン砲であるブライカノンを装着し、バクシンガーは
必殺剣バクソードを取り出し、サスライガーはビームガンを構えて宇宙戦艦へと向かった。

ロック「おらー、死にやがれ、悪党ども!」
キッド「ブライカノン発射!」

サスライガーとブライガーのビーム攻撃が宇宙戦艦に直撃する。

シュテッケン「悪は斬る!」

最後にバクシンガーのバクソードで宇宙戦艦は真っ二つに斬られた。

ビズネラ「このままでは、爆発に巻き込まれてしまいます。脱出です。」

ビズネラは小型艇で脱出し、宇宙戦艦は大破した。

スケさん「王子、我々も決着を付けましょう。」
ミト王子「よし、トライアングル・ビーム!」

ダイオージャからビームが発射され、コルシザーの周りを包んだ。

ミト王子「電光雷鳴崩しー!」
コルシザー「ぎゃぁぁぁあ!」

コルシザーはダイオージャに倒され、バルバンはバードランド星から撤退する
のであった。

34

戦闘が終わった後、それぞれ地上に降りた。

ミト王子「まさか、銀河烈風隊にJJ9が助っ人として来るとは思わなかったよ。」
カクさん「しかし、あの時死んだはずのディーゴ殿が何故ここにいるのだ?」
シノブ「やはり、黄泉帰り?」
ディーゴ「俺も気がついたら、バクシンバードの前にいたんだ。そして
    世間じゃぁ、死んだ人間が甦っているじゃねぇか。」

ディーゴがその時の状況を説明する。

キッド「士郎、ロック、元気だったか?」
士郎「ええ、変わりはありませんよ。」
ロック「銃の腕前は衰えていないようだなぁ。」
ボウィー「久しぶりだなぁ、ビート。運転技術の方は相変わらずかい?」
ビート「よう、ボウィー。そっちも相変わらずだねぇ。」

キッド達は他の銀河烈風隊とJJ9と久しぶりの会話をしていた。

スケさん「ですが、王子。今回は追い払う事が出来ましたが、またGショッカーが
    エドンを脅かしにくるかもしれませんぞ。」
ミト王子「うん、すぐに父上の下へと帰らねば・・・。」
シュテッケン「本星まで我々もご同行させてもらいます。」

そして彼らはエドン国本星へと向かった。だが、彼らはある事を忘れていた。

バルジャン「おーい、置いてけぼりにするなー!」

瓦礫の山の中には運良く助かったバルジャンとジンナイが取り残されているのであった。

35

○ミト王子御一行→コルシザーを倒した後、エドン国本星へと向かう。
○コズモレンジャーJ9→サンバッシュを倒した後、銀河烈風隊とJJ9と
            協力して、宇宙戦艦を大破させる。
○銀河烈風隊→JJ9チームと共にミト王子達の援軍として登場し、宇宙戦艦
       を大破させる。
○JJ9チーム→銀河烈風隊と共にミト王子達の援軍として登場し、宇宙戦艦を
        大破させる。
○バルジャン、ジンナイ→バードランド星に取り残される。
●銃頭サンバッシュ→大ダメージを受けて、撤退する。
●闇商人ビズネラ→宇宙戦艦から攻撃するが、J9チーム達に倒されて、脱出する。
●コルシザー→ダイオージャに倒される。

【今回の新登場】
○パンチョ・ポンチョ(銀河旋風ブライガー)
J9に仕事を仲介する闇商人。抜け目が無い性格している。
時々、勝手に紹介手数料としてネコババをすることがある。

○ディーゴ・近藤(銀河烈風バクシンガー)
銀河烈風隊局長。通称“ドン・コンドール”。元々は暴走グループ「烈」の
リーダーで、銀河烈風隊を立ち上げる。天性のリーダーの素質に恵まれているが、
難しい事はシュテッケンに任せている。乗機はバクシンガーの右腕になるタイフーン。

○シュテッケン・ラドクリフ(銀河烈風バクシンガー)
銀河烈風隊副長。通称“諸刃のシュテッケン”。ディーゴとは幼馴染で銀河烈風隊を
鉄の規律でまとめている。乗機はバクシンガーの左腕となるハリケーン。

○真帆羽士郎(銀河烈風バクシンガー)
銀河烈風隊一番隊隊長。通称“ビリー・ザ・ショット”。ディーゴとシュテッケン
の弟分的存在。銃と剣の腕前は烈風隊一の腕前を持つ。盲目だが天才的なバイクの
運転技術を持っている。乗機はバクシンガーの胴体と頭部となるレップーン。

○ライラ・峰里(銀河烈風バクシンガー)
銀河烈風隊特別隊員。通称“不死蝶のライラ”。ナイフと爆弾類の
エキスパート。乗機は左脚となるモンスーン。

○佐馬之介・ドーディ(銀河烈風バクシンガー)
銀河烈風隊特別隊員。通称“かっ飛びの佐馬”。元々は太陽系を渡り歩く
用心棒だったが、銀河強盗からディーゴを助けた事が縁で烈風隊に入る。
乗機はバクシンガーの右脚になるサイクロン。

36

○ブルース・カール・バーンスタイン(銀河疾風サスライガー)
JJ9チームのリーダー。通称“I・Cブルース”。電子回路のように頭が
きれる冒険家。挑戦心が強く高級ギャンブルに没頭している。

○ロック・アンロック(銀河疾風サスライガー)
通称“抜き打ちのロック”。無類のガンマニアで、森林警備員だった父の半身
付随にした悪党一味を討つ為に旅をしていた。

○ビート・マッケンジー(銀河疾風サスライガー)
通称“おとぼけビート”。J9Ⅲ号の操縦を担当している冗談好きなフェニミスト。

○バーディ・ショウ(銀河疾風サスライガー)
通称“おてんばバーディ”。元太陽系Gメンの情報部に所属していた女性。特技は
盗聴を始めとする盗みのプロフェッショナル。


『立ち上がれ!宇宙の友よ』前編

作者・シャドームーン

37

悪の無限帝国Gショッカーの止まることのない宇宙征服の野望は、
過去の戦いで暗黒星雲の果てへと追われた、悪質宇宙人・宇宙海賊・
宇宙商人にも波紋を広げ様々な思惑が交錯していた。

ある者は積極的にGショッカーと手を組みその勢力を利用し、
ある者は一定の距離を置きつつ中立姿勢で様子を伺う。
渦巻く謀略に塗れたマイナスエネルギーは、うねりとなって曲りなりにも
多大な犠牲を払い保たれていた宇宙の均衡を崩し、
平和を願う心ある人々の希望をもドス黒く塗り替えて行く…………

全宇宙に恐怖を呼んだ大星団ゴズマの息を吹き返した軍勢によって、
無惨にも滅びようとしている、小さな星から物語は始まる。
 

***惑星ホープ***
 

ギルーク司令官「ワハハハ、これでこの星も我らの手に落ちたな」
女王アハメス「大した抵抗もなくてつまらないこと…」

地球からそう遠くない星、惑星ホープがGショッカー・ゴズマ軍の侵攻を
受けていた。都市は暴れ狂う巨獣たちによって破壊し尽くされ、
僅かに抵抗を試みた武装市民も宇宙獣士に全滅させられていた……。
ヒドラー兵たちが我が物顔で飛び跳ねている光景を見下ろし、
ゴズマ侵略遠征軍の母艦・ゴズマード船内で満足げにニヤつく
ギルーク司令官と、つまらなそうに呟く女王アハメス。

女王アハメス「星王バズー様はこんなちっぽけな星一つ
 攻略したくらいではご満足なさらない……
 もっと迅速かつ、手際よく制圧していかなければ…ッ!」
ギルーク司令官「アハメス殿、そう逸りなさるな。
 急いては事を仕損じる…そなたは気を張り詰め過ぎだ。
 まずはこの戦果を素直に喜んだらどうだ?」

ギルークがグラスに何かの液体を注ぎ、乾杯の仕草でアハメスを
労おうとするが、彼女はそれを払いのけて言い放った。

女王アハメス「悠長に喜んでなどいられるものか!
 自分の星も持たない者に、私の気持ちは分かるまい!」
ギルーク司令官「…フン。そうかね……」

この二人、かつては同盟を組んで星王バズーに抵抗したこともあるが、
アマゾ星を返還されたアハメスと違い、ギルークの故郷ギラス星はすでに
星王バズーの手で滅びている。ゴズマの司令官として生きる道を選び
全てを捨てた悪魔となったギルークだが、ギラス星を愛する心だけは
捨てていない彼に対して、今の発言はやや不機嫌となったようだ。
対するアハメスも、ギルークに宇宙獣士メーズにされてしまったことを
少なからず根に持っていた―――

ギルーク司令官「おっと――フフ、大事なお客様たちがお着きのようだ。
 そなたは気が進まんだろうが、統括総司令官として挨拶だけはしてもらうぞ」
女王アハメス「言われなくとも、それくらい心得ている!」
ギルーク司令官「なら結構。では彼らを出迎えるとしようか」

侵略され捕虜となった惑星住民の、本当の悲劇はこれから始まる……
Gショッカー・ゴズマ軍は大星団ゴズマのやり方をほぼ踏襲しており、
選別の上、知力体力共に優秀な者は恭順次第で戦力に取り込み、
反抗的な者は洗脳し宇宙獣士や戦闘員に変えられていった。
また体力に乏しい者でも、有能な科学者・技術者であれば捕らえられて
Gショッカー本部に連行されるのが常である。

それ以外の――凡庸な人間、女性や子供、老人などはその場で
「処分」されるかGショッカーの“御得意先”に引き渡されるのである。
引き渡された人々を待つのも、決して明るい運命ではないのだが…。

38

時空魔法陣を潜り抜け、宇宙船やUFO型の飛行要塞が次々と現れる。
そこから降りて来たのは、悪名高い宇宙人や宇宙海賊など。
地球の海に住むタコのような姿で、クルクル回る五つの顔とその度に
変わる五つの声色で話す、珍妙な宇宙人がUSBケーブルのような
コード状の“手”を差出てギルークと握手をした。

ギルーク司令官「遠路遥々ご苦労でしたな皆さん、フフフフ」
女王アハメス「お疲れでしょう。まずはごゆるりとお寛ぎ下さい。
 (醜い…いつ見ても醜い連中だわ)」
クインテッサ星人A「いやいやそちらが用意してくれた時空魔法陣の
 おかげで、スペースブリッジを使うより楽だったわい」
クインテッサ星人B「それより今回は良い奴隷に使えそうな出物は
 ありますかな。前に買った連中は一年ともたず死におった」
クインテッサ星人C「反逆までしおった奴もいたぞ。即刻我らの裁きで
 『無罪』と判決を下したので、シャークトロンの餌食となったがな」
 
護衛の青い機械兵・シャークトロンを引き連れている
クインテッサ星人は、次々と変わる顔で忙しなく喋りまくる。

シャークトロン?「…………」

ギルーク司令官「時に、この星の惑星軌道周辺の封鎖状況は
 如何あいなりましたかな?」
クインテッサ星人A「心配はない。我々の同胞が約束通り完全な
 布陣を敷いて宇宙ゾウ虫一匹通れぬはずだ」
ギルーク司令官「それは心強い…何しろこれから大事な取引を
 始めるという時、決まって邪魔者がやって来ますので…」
ベムサソリ「ならば早く取引開始と行こう。まずは素体を見せてくれ。
 ワシは宇宙刑事めに部下の多くをやられ、早く補充したいのだ」
ベンガルタイガー「何だ、今回は我らの出番はなしか」
ベンガルコブラ「わざわざ出向くまでもなかったな、兄者」

大きなハサミ状の手にサソリの頭を持つベムサソリと、
現在その用心棒をしているベンガルブラザーズは、
共に暗黒星雲を根城とする凶悪な宇宙海賊である。
宇宙刑事が追う宇宙犯罪組織とも繋がりがあるアウトローたちだ。


◇    ◇


今やGショッカーに蹂躙された母なる星で、鎖に繋がれた罪無き
人々は絶望の淵に立たされていた。この無慈悲な侵略者たちの、
無道を阻む者は誰もいないのか…―――否。

シャークトロン?「――待てぇぇい!!」
Gショッカー「…???」

クインテッサ星人の連れているシャークトロンの一体が二つに割れ、
そこから飛び出した人影がゴズマードの上に颯爽と立つ。

39             ,_             ::::::::
::           ,/、  ̄ヽ           :::::::
::          /\ \ー-lヽ    _    :::::::
::          |  ,ヽノ/。ノ l  /   ̄ヽ  ::::::
::          \l_-。 、_ヽ_| ノ ⌒ ...:::::|  ::::::
:::           \_フ__ - ノヽ,,ヽ(  ノ;;; ⌒ヽ :::::::
::::            ーゝ ̄ /::::::/ ノ ̄つ::  |::::::::
::::::           ノ ' ―':::::::::::::メ:::::::::::⌒ヽ: l:::::::
:::::::::        //   :::::::::::/::::::::::::::⌒ヽ:: ノ:::::
  「地上に悪が満つる時、愛する心あるならば....
   熱き魂悪を絶つ…人、それを真実という…」 

ギルーク司令官「うぬっ、…何者だ!?」

                     ,. ‐,フlヽ`丶
                   /‐'   !  `ヽヽ
                   /´::    !    ヽ
                 /: : ::    l     lヽ
                 !ヽ  ,、   l   ,、   !
                 l. ヾ::rtj-、_レtテ,:ゝ' リ
                 ヽ lーY.ノ  l` ヽY ヽ /
                  ヾ、 l|、 r_=、 |l .//
            _      `ヽ!ヽ _ ィ-r'  _     __
         ,. '´   .::`ヽ ,. ‐ ニノ  _,. -‐ 'ニ´‐ ::::::> '´ /  / \
        ,ィ  . : : ..:::::::: レ:ヽ L ー_,´-‐ '´ , - 、:::/  /  /  . : ヽ
         /_ ー_― '. .:/::l  〉 ' ´   ,. - ´ _ // ,. '  , '  . .: : : : :ヽ
     /rく`>、ヘ : :..:::/ヽ:::!./  ,. ‐_´ -‐ '´ l::l‐  ./  . : : : : : : :.:::::}
    /´ r`く,ヽ,ヘ´l-、/  ヽl -‐ ' ´       l'= ニ´-‐ ' ´ ̄ ヽ: ..:::::::::l
   /   `ヽ'ヽr '´ ヽ : : : /     _,., -‐ '" ̄l      . . : : : ::::::::::/
  ノ_,. - '´...... ̄ `ヽ __l_,. -'- 、,_ ,.. ‐/     ノ        : : : ::::/

ロム「貴様らに名乗る名前はないッ!!!!!!!!!」

ギルーク司令官「何ぬうぅぅ~~! ふ、ふざけおって」
女王アハメス「名前もないくせに、偉そうな男ね!」
クインテッサ星人A「う、キ、キサマらは…いつの間に紛れ込んだ!?」

その男の口上が終わった途端、さらに数体のシャークトロンが裂け、
中から正体不明の――若い女とロボットたちが躍り出る。

ブルージェット「フ…案外間抜けだな、クインテッサ星人という奴らは。
 俺たちがお仲間をのして入れ代わったのに気がつかないとは」
ロッドドリル「さあ、Gショッカーめ! オイラが叩きのめしてやるぞ~!!」
レイナ「ロム兄さん、人々は私たちが全力で守るわ。
 思う存分戦って! さあ、いくわよジム!」
トリプルジム「はいレイナお嬢様!」

40

ジェット機のような頭部にゴーグルをかけた剣を振るうロボットと、
頭がドリルになっている逞しい体躯のロボットは、圧倒的な強さで
周囲を取り囲むシャークトロン軍団を蹴散らしていく。

シャークトロン「ギャギャァァァーーッ」

ブルージェット「でやぁっ―天空真剣奥義・カマイタチ!」
ロッドドリル「どりゃどりゃっどりゃぁ~天空宙心拳・岩石割りだあ!」
レイナ「さあ、皆さんこっちに急いで! ジム、怪我をしている人を
 優先的に運んであげて!」
ジム「分かってます、お嬢様!」

赤いロボットは積極的な戦闘よりも救助を優先し、その赤いロボットに
先程「レイナ」と呼ばれ、男を「ロム」と呼んだ若い女も卓越した身のこなし
と体術を駆使して彼らをサポートしていた。突然現れた謎の男女の共通点は、
二人とも似たような形状のヘルメットを被っており、白と青と赤を基調とした
装甲服らしきものを身に着けているのである。

ギルーク司令官「クインテッサ星人よ、これはどういう事だ!!
 まさか…貴殿らがあの者たちを手引きしたのではあるまいな!?」
クインテッサ星人B「し、知らん! これは何かの間違いだっっ!!」
ベムサソリ「あの男…ロムとか言ったな。奴らのあの技…
 どこかで聞いたような気がする、グゥ~ム??」
ベンガルタイガー「コブラ、いくぞ!」
ベンガルコブラ「おおう!」

ベンガルブラザーズが飛び上がり、ゴズマードの上に着地する。
兄のタイガーは剣、弟コブラは槍をそれぞれ構えロムに迫る。

ロム「――来るかっ!」
ベンガルタイガー「何者か知らんが、少々退屈していた
 ところだ…礼を言うぞ若僧!」
ベンガルコブラ「我ら兄弟が血祭りに上げてやろう、そりゃぁっ!!」

二人同時に斬りかかるベンガルブラザーズ。
しかしロムは攻撃を難なくかわし、タイガーに正拳突きを、
コブラには空中回し蹴りをお見舞いした。

ロム「天空宙心拳・破岩拳! ――旋風蹴り!」

ドガァッ バキィィ!

ベンガルタイガー「ぐがっ!」
ベンガルコブラ「げはぁっ!」
ベンガルタイガー「…こ、此奴できる…!!」
ギルーク司令官「おのれ~貴様は本当に一体、何奴だ?
 何処から来た…何故我らGショッカーに盾突くのだ!」
ロム「貴様ら悪党に名乗る名はないと言ったはず……
 この剣狼に導かれ、暗黒に支配された宇宙を救う
 ために旅をしている者とだけ言っておこう…剣狼よっ!」

ロムが掲げた剣の刀身が神秘的な光を放ち、金色の柄に
見られる「狼の紋章」が輝きを増し、光が増大していく――!

41

ベムサソリ「ん! …あの紋章は確か…!」
女王アハメス「眩しい…っ 何なの、この光は!」

光のエネルギーが頂点に達した時、剣狼は次元の壁を
超えて青き剣士『ケンリュウ』を地上に呼び出す。
青いロボットが剣を掴み、ロムの体が吸い込まれ一体となる。
その両拳に走る、正義の蒼光!!

ケンリュウ「闇在るところ光在り…悪在るところ正義在り。
 天空よりの使者、ケンリュウ参上!!」

ギルーク司令官「ぬおお、ケンリュウだと~~!?」
ベムサソリ「思い出した――!! お前はキライ・ストールの
 息子ロム・ストール! ギャンドラーを壊滅させた奴らだな?」
クインテッサ星人「すると…クロノス星のロボット生命体どもか!」
ケンリュウ「ム…貴様、ギャンドラーの一味か?」
ベムサソリ「ガハハ、そうではない。ワシは顔が広いのでな。
 ギャンドラーも商売相手の宇宙犯罪組織の一つよ。
 天空宙心拳使いのお前の親父には、ワシも若い頃に
 散々痛い目に遭わされた…こんな巡り合わせが来ようとはな」

ベムサソリが大きなハサミを振り上げて跳躍し、ケンリュウに挑みかかる。
ハサミの一撃を剣で受け止め、飛び退くケンリュウ。

―ガキィィィン!―

ベムサソリ「喜べ小僧。ガデス殿始めお前にやれられた御一同は
 めでたく黄泉還えられ、ギャンドラーは見事再興しておるぞ!」
ケンリュウ「……!!」
ベムサソリ「今日ここで会えたのも何かの縁。ワシの若き日の恨みも
 込めて、貴様の首をガデス殿への手土産代わりにしてやろう」
ベンガルタイガー「先程は不覚をとったが、今度はそうはいかんぞ!」
ベンガルコブラ「我らの実力、とくと見せてくれる!」

ゴズマードから飛び降りたケンリュウとベムサソリ、ベンガルブラザーズ。
宇宙海賊三人が剣を構えるケンリュウに、にじり寄る。
その頃、レイナたちはシャークトロンをほぼ倒し終えてゴズマ軍の
捕虜にされた人々の救助を急いでいた。
突然の訪問者に呆気にとられていたアハメスだが、この様子を見て
ハッとなり怪鳥ジャンゲランに乗って一気に上昇する。

ビィィィィィ―――…ドドォォンッ!!

レイナ「きゃあっ」
ジム「お、お嬢様~っ!」
ブルージェット「うお!」
ロッドドリル「うわぁっ…レイナちゃんジム、大丈夫か!?」
ケンリュウ「レイナッ!」

42

怪鳥ジャンゲランの背に立ち、杖から強力光線ハードアタックを
浴びせるアハメス。怒りにワナワナと震える表情で
その白く美しい顔が歪む。

女王アハメス「おのれぇ~…黙って見ていれば、調子に乗りおって!!
 何者であろうと、Gショッカー・ゴズマ軍の前にノコノコ出て来た以上
 生きて帰れるとは思わないことね!!
 ギルークッ!!! いつまでぼんやりしているのっ!!」
ギルーク司令官「お…おお、そうであった! フハハハハ、飛んで火に入る
 夏の虫とは貴様らのことよ。その程度の戦力で我らに刃向かうとはなァ。
 大星団ゴズマに盾突くとどうなるか思い知らせてやるっ!!!
 ヒドラー兵、宇宙獣士よ、ゆけいーーーっ!」

ゴズマードから続々と射出される何かの生物の卵……。
それがホープ星の地表にめり込むと次々に孵化を始め出し、
中からざんばらの髪を振り乱し、ホラー映画のゾンビを想起させる
不気味な動きで迫る醜悪なヒドラー兵が誕生した!!

ヒドラー兵「ゲ、ゲ、ゲ、ギャギャァ~!」

レイナ「何アレ~…気持ち悪~いいっっ…」
ブルージェット「怯むな! こけおどしに…過ぎんッ」

ズバンッ ―ズバッ!! 

ロッドドリル「そうだぜ…ッ こんな奴ら、ギャンドラーの
 妖獣コマンダーに比べたら…大したことは…なぁ~い!」

ドガガガッ―ギュィィィン!

トリプルジム「ひえええ~く、来るな。寄るなってばあ!」

ジェットの剣がヒドラー兵を斬り捨て、ドリルの鋼鉄パンチと
頭のドリルを高速回転させる体当たり攻撃が薙ぎ倒す。
ヒドラー兵は体の管を切断・破損させられて次々に
絶叫を発しながら溶けるように消滅して行った。

レイナ「きゃぁぁっ…何すんのよ~~!
 天空宙心拳、旋風蹴りッッやあっ!!」

バキィ――ッ☆ ドッガァン!

ジムを乗り越えてレイナに噛み付こうとしたヒドラー兵が、
彼女の放った空中回し蹴りで近くの建造物に頭から突っ込む。
ジムも何とか勇気を振り絞り、金属ボディに牙や爪を立てて来る
ヒドラー兵を投げ飛ばし蹴飛ばし、倒して行った。

宇宙獣士「情けない奴らめ。どけどけぇ~!」
ブルージェット「ほう、少しは歯応えのありそうな相手だな」
ロッドドリル「よっしゃあ、かかって来~い!」

宇宙獣士が二体前に出てジェット&ドリルと睨み合う。
一方、ベムサソリ&ベンガルブラザーズと戦っているケンリュウは、
宇宙獣士が加わって来たことで苦戦し始めていた。

43

ベムサソリ「ええい邪魔をするな。此奴の首を獲るのはこのワシだ!」
宇宙獣士「黙れ。これは我がゴズマ軍の作戦だぞ!」
ベンガルタイガー「ち…これではまともな勝負にならん」
ベンガルコブラ「白けて来たな、兄者…」

言い争いを始める敵の隙を、ケンリュウが見逃すはずはなかった。

ケンリュウ「天空真剣奥義・爆裂空転ーッ!」

ゴゴゴ……ゴオオオオオオ―――ドバァンッ!!!!

ケンリュウの持つ剣から放たれたエネルギーが、嵐となって渦を巻き、
ヒドラー兵、宇宙獣士、ベムサソリらをまとめて呑み込んだ。
ベンガルブラザーズは咄嗟にこれを回避した。

ベムサソリ「ぬ…ぬおおおおお!?」
ベンガルコブラ「あ、危なかったな兄者…」
ベンガルタイガー「うむ。あやつまだこんな技を持っていたか…!」

ゴズマ軍の大軍相手に怯まず戦うロムたちに、女王アハメスは
苛立ちと焦りを心の中で滾らせ葛藤した。気紛れな星王バズーは、
どんなに忠節を尽くし功績を上げた者であろうと、
一度でも失態を犯せば、星を召し上げることも珍しくはないのだ。

女王アハメス「(こんな醜態がバズー様の耳に届けば、
 私のアマゾ星はまたも奪われてしまう…
 いやだ、それだけは絶対に!!)」

焦るアハメスの憎悪の矛先は、眼下のレイナたちへ向けられた。

女王アハメス「おのれぇぇぇ小娘が~! お前らなどに、
 私のアマゾ星を奪われてなるものかーっ!!
 ジャンゲランよ、こいつらを皆殺しにしておやりっ!!」

双頭の怪鳥・ジャンゲラン。金色の一本角が生える右頭部は
冷凍ガスを、銀色の二本角が生える左頭部は炎を吐く。
冷・炎の放射物が勢い良くレイナとジムに迫る!

レイナ「きゃああーっ!!」
ジム「お嬢様ーっ命に変えても、このジムがお守り致します!!」
ブルージェット「まずい…!」
ロッドドリル「レイナちゃん!」

ドバァァァァンッ!!!

炸裂するジャンゲランの冷凍ガスと火炎攻撃―――
立ち上る黒煙と冷気…しかしそれが徐々に晴れた時、
そこには正義の盾「パイルガード」を構えたケンリュウが現れた。

女王アハメス「何っ!? くうう…余計なことを!」
レイナ「あ…ロム兄さんっ!」
ジム「へ? ああ、ロム様~!」
ケンリュウ「……怪我はないか、レイナ…くっ」
レイナ「ロム兄さん!?」

流石のロムも、先程大技を放った直後で消耗していた上、
間一髪だったので盾で僅かに防ぎきれなかった部位から白煙が
上がっており、ケンリュウは片膝を着いてしまう。

44

女王アハメス「アッハッハッハ…見上げたしぶとさだこと!
 でもどうやら、ここまでのようねフフフフ」
ギルーク司令官「よくぞ我がゴズマ軍相手にたったの数人で
 これだけの損害を与えたものだ、褒めてやるぞ。
 ロムとやら、貴様ならさぞ屈強な宇宙獣士になってくれそうだ
 クククク…。どうだ、大星団ゴズマに加わらんか?」

ケンリュウ「断る。闇を操り心を蝕む者たちを、俺は許さん!!」

ギルーク司令官「残念だな…貴様ほどの戦士、宇宙広しと言えど
 そうは見つかるまいに。ならばお前達の運命は決まった!
 冥土の土産に、Gショッカーのさらなる力の一端をお見せしよう!」

ギルークが空を指差すと、時空魔法陣から巨獣が二体出現した!

巨獣ハネダー「ギャーース!!」
巨獣マリゴス「グルルルル!!」

―ズズンッ!

惑星ホープの大地に、巨大な羽を生やしたドラゴンのような
巨獣ハネダーと、甲羅を背負った亀に似た巨獣マリゴスが降り立つ。

ロッドドリル「なな、何だあ? 怪獣が出て来やがったぜ!」
ブルージェット「あれが巨獣ってやつさ。各惑星の都市という
 都市を、悉く壊滅させて来たバケモノどもだ…」
ギルーク司令官「フッフッフ。その通り、やれい巨獣どもよ!!」

ケンリュウ「天よ地よ、火よ水よ…我に力を与えたまえー!」

聖なる剣・剣狼を空中高く投げるケンリュウ。
剣狼は光と化し、次元の壁を超えて赤き巨人を呼ぶ。

ケンリュウ「パァァァーイル・フォォォーゥメイション!!!!」

出現した赤い巨大ロボット『バイカンフー』に、吸い込まれるように
合身するケンリュウ。ロムの意志を受け、時を超え、次元を超え、
パイルフォーメーションは完成する。
           , -‐ |、          |
          /   |lヽ _         !|
          |   _| V _ /,二ヽ   l |
             V/ ,! V/|  l \ / |
          / / l _」l  |  |  L 」
          |_/  人 _l  .人__人_ |_.ノ         _    _
           \./ヽ, -|: ト、二., イ 」 >-、   _ / 「l  ̄
           _/ ./ /ハ Y 个 Y /'´ _, -'ヽ  ̄  /  l |
         / {|  Vゝ Y>へl.ノレ - '´ __./   /   l|
      , -/| 〈_ヽ\ \ー|ヽ- T´  , ィ´   `ヽ./   / /\
     f┐ |  \_」∨\ \」/ /ヽ / .::〉     ヽ  l /   \
_  -一7  ゝ-イ  └|  /\__./ / {、::ノ __     } /、|     }
     └‐一 '´    l\ヽ/___./ ヽ / |  ̄ T_.ノ/ /    /
             /ヘ 〈\'ー、 \  /l   |     | lイ/     /
           /  \ー'ヽ二二∟.」 ∠`丶、 | l´-―‐ '´
          , -‐ヘ ̄`ヽ「-、     ` < ̄ヽヽリ
バイカンフー「バァァァーイ・カンフーッ!」

―――バイカンフーは、地上全てのエネルギーとシンクロし、
自然現象さえも変えるパワーを出すことができるのだッ!!

45

ギルーク司令官「何と…!? おのれ、このような巨大ロボ
 まで持っているとは…!!(ええい、ギョダーイさえおれば!)」
女王アハメス「ち、何て奴なの…!」
ベムサソリ「グゥゥ…あれが噂に聞くバイカンフーか!」

クインテッサ星人A「(小声で)風向きが怪しくなって来たぞ」
クインテッサ星人B「これは今のうちに退散したほうが利口かもしれん」
クインテッサ星人C「ウム。善は急げだ」

こそこそと後ずさるように、自分たちの宇宙船に退避しようとする
クインテッサ星人。それに気づいたギルークが一喝する。

ギルーク司令官「何処へ行くっ!」
クインテッサ星人「Σ (゜Д゜;)」
ギルーク司令官「去りたければ去るがよい。だがこのまま逃亡するなら、
 やはり貴様らがあの者らを手引きしたと見なす…星王バズー様を、
 ひいてはGショッカーを敵に回す覚悟はできておるのだろうな!!?」
クインテッサ星人A「星王バズーを…(((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル」  
クインテッサ星人B「ま、待てギルーク殿! それは誤解じゃッ」
ギルーク司令官「ならば身の証を立ててもらおう。今すぐにだ!!」
クインテッサ星人C「わ、分かっておる。分かっておるとも」

クインテッサ星人は慌てて増援のシャークトロン軍団を呼び寄せた。
彼らがやって来た魔法陣を抜けて、サメ型の機械兵器へと変形
「トランスフォーム」して行くロボがゾロゾロと現れた。

ロッドドリル「また出やがったぜ。たく、しつこい奴らだなあ」
ブルージェット「いくら来ようと、悪いが全てこの剣の錆になってもらう!」
レイナ「(だけど…これじゃキリがないわ。あの敵が出て来る
 奇妙な穴を塞ぐには、どうしたらいいの?)」

女王アハメス「巨獣たちよ、そいつを倒しておしまいっ!
 (く…チェンジマン並に厄介な連中だわ)」
巨獣ハネダー「ギャース!」
巨獣マリゴス「グルアァァァ…!」
バイカンフー「いくぞ!!」

―――ドオ―――ンッ!!!!

バイカンフーと二大巨獣の激突が惑星ホープの大地を揺るがし、
レイナ、ジェット、ドリル、ジムは怒涛のように押し寄せるゴズマ軍と
シャークトロン軍団に果敢に立ち向かっていった。
しかし、いかに彼らと言えど活動エネルギーは無限ではない。
次々と迫り来る悪の尖兵に対して、平和を守る使者たちに応援は
やって来ないのだろうか?

丁度その時…惑星ホープの惑星軌道上でも熾烈な戦闘が
繰り広げられていた――――!

46

○ロム/ケンリュウ/バイカンフー→ゴズマ軍に制圧された惑星ホープに颯爽と登場。
○レイナ→ゴズマ軍に制圧された惑星ホープに颯爽と登場。
○ブルージェット→ゴズマ軍に制圧された惑星ホープに颯爽と登場。
○ロッドドリル→ゴズマ軍に制圧された惑星ホープに颯爽と登場。
○トリプルジム→ゴズマ軍に制圧された惑星ホープに颯爽と登場。

●ギルーク司令官→惑星ホープに侵攻。突如出現したロム一行撃滅を命じる。
●女王アハメス→惑星ホープに侵攻。もっと大きな戦果を上げなければと内心焦っている。
●ジャンゲラン→冷凍ガスと火炎を吐いてレイナ、ジムを殺そうとする。
●宇宙獣士→ケンリュウ、ブルージェット、ロッドドリルらと戦闘。
●ヒドラー兵→レイナ、ジム、ブルージェット、ロッドドリルらを集団で襲う。
●巨獣ハネダー→惑星ホープの都市を壊滅させた。バイカンフーと戦う。
●巨獣マリゴス→惑星ホープの都市を壊滅させた。バイカンフーと戦う。
●クインテッサ星人→シャークトロンに偽装したロム一行を連れて来てしまう。
●シャークトロン→レイナ、ジム、ブルージェット、ロッドドリルらを集団で襲う。
●ベムサソリ→Gショッカー・ゴズマ軍と捕虜の商取引をしている。ロムの素性を思い出す。
●ベンガルタイガー→ベムサソリの用心棒をしている。ロムと戦闘。
●ベンガルコブラ→ベムサソリの用心棒をしている。ロムと戦闘。

47

【今回の新規登場】
○ロム・ストール(マシンロボ クロノスの大逆襲)
 クロノス星のヒューマノイドであるクロノス族族長キライ・ストールの息子
 にして天空宙心拳継承者。狼の紋章を持つ剣「剣狼」に選ばれた者
 であり、宇宙犯罪組織ギャンドラーに謀殺された父の意志を継ぎ、
 ケンリュウ、バイカンフーとなってギャンドラーと戦った。兄ガルディから
 託された剣狼の兄弟剣「流星」との二刀一刃で首領ガデスを倒し、
 レイナらと共に暗黒に支配された世界を救うべく旅立つ。

○レイナ・ストール(マシンロボ クロノスの大逆襲)
 ロムの妹で同じく天空宙心拳の使い手であり、お転婆で気が強い。
 兄のロムに多大な信頼を寄せているためかやや甘えが抜けていない。
 彼女もまた剣狼に選ばれし者であり、力を使いこなすことができる。
 
○ブルー・ジェット(マシンロボ クロノスの大逆襲)
 クロノス星のロボット生命体・ジェット族出身で剣術の達人。
 天空宙心拳の派生と思われる天空真剣の使い手。
 性格はニヒルで渋く、サングラスをかけているような顔をしている。
 「ジェーット!」の口癖でジェット戦闘機に変形する。
 
○ロッド・ドリル(マシンロボ クロノスの大逆襲)
 クロノス星のロボット生命体・バトル族出身で天空宙心拳の
 使い手。ドリル戦車に変形する。力自慢で格闘能力に優れ
 言動はやや幼く、ひょうきんかつ明るい性格。
 レイナにほのかな好意を寄せている。
 
○トリプル・ジム(マシンロボ クロノスの大逆襲)
 クロノス星のロボット生命体・ジェット族出身でレイナの従者。
 ロボットからスーパーカー、ヘリコプターへと多段変形できる。
 性格は真面目でやや気が弱いため、活発で活動的な
 レイナに振り回されがち。彼女を「レイナお嬢様」と呼ぶ。

48

●ギルーク司令官=スーパーギルーク=宇宙獣士ギラス(電撃戦隊チェンジマン)
 大星団ゴズマの侵略部隊司令官として、幾多の星に侵攻して来た男。
 惑星ギラス一の武人であり、かつてはアマゾ星女王アハメスと同盟を組んで
 星王バズーに挑んだが敗れその支配下に入った。たまたま見つけた地球を
 次なる侵略対象にしたことで電撃戦隊チェンジマンの前に失策を重ね続け、
 バズーに宇宙墓場へ送られゴーストギルークに、後に実体化してスーパーギルーク
 となった。最期は自ら最強の宇宙獣士ギラスとなり、チェンジマンを散々苦戦させ
 あくまでもギラス星の武人として散って行った。

●女王アハメス=宇宙獣士メーズ(電撃戦隊チェンジマン)
 星王バズーに滅ぼされたアマゾ星の女王。アマゾ星再興を望む執念は
 凄まじく、そのためならどんな手段も厭わない。リゲルオーラ争奪戦を制し
 スーパーパワーを手に入れた彼女は、ギルークに代わる地球遠征軍司令官
 となるがチェンジマンに敗退を続け孤立、バズーとギルークによって宇宙獣士メーズに
 されてしまう。執念でメーズと分離し、最期は半狂乱状態に陥ってアマゾ星返還を
 バズーに懇願しながら電撃戦隊基地もろとも爆死して果てた。

●宇宙怪鳥ジャンゲラン(電撃戦隊チェンジマン)
 アハメスが宇宙漂流中に見つけた双頭の宇宙怪鳥。冷凍ガスと火炎を
 吐き羽ばたきは強風を起す。その卵をマグマに落すと、高熱に耐えた一個から
 三つ首を持つネオジャンゲランが誕生する。星王バズーに左右に分離させられ、
 宇宙獣士ジャン・宇宙獣士ゲランとなった。

●宇宙獣士(電撃戦隊チェンジマン)
 ゴズマの侵略行動の主力となって働く実動部隊。所謂「怪人」的立場だが、
 指揮下で働く者ばかりではなく、ギルークやアハメス以上の知能を有する者、
 大幹部と同格の立場にある者と多様な戦士がいる。宇宙に名を馳せた者が
 宇宙獣士と呼ばれる場合もあれば、星王バズーやスーパーギルークの放つ
 怪光線を浴びて強制的に変身させられる者もいるため、統一規格ではないらしい。

●ヒドラー兵(電撃戦隊チェンジマン)
 卵から生まれる凶暴かつ醜悪な宇宙生命体。知能は低いため、
 ゴズマ戦闘機などの兵器の操縦はできず、体にある管を切られると
 煙を噴出し消滅する。完全な消耗品扱いの戦闘員。

49

●宇宙海賊ベムサソリ(宇宙刑事シャリバン)
 超能力犯罪集団マドーなど、多数の宇宙犯罪組織にパイプを持つ
 悪名高い宇宙海賊。ギャバンに会いに出かけたミミーをひっ攫い、
 幻夢城への手土産とした。幻夢界でシャリバンと戦い敗れる。

●宇宙海賊ベンガルタイガー(宇宙刑事シャリバン)
 暗黒星雲にその名を轟かす、宇宙海賊ベンガルブラザーズの兄。
 剣の使い手であり、弟コブラとシャリバンを襲撃し、その時得た
 戦闘データを持参してマドーへ参入した。魔王サイコの実力を侮り、
 幻夢城乗っ取りを企てるが、敢え無く返り討ちとなりコマンドサイボーグ
 に洗脳されてショウリビーストと共にシャリバンと戦わされ戦死。

●宇宙海賊ベンガルコブラ(宇宙刑事シャリバン)
 暗黒星雲にその名を轟かす、宇宙海賊ベンガルブラザーズの弟。
 槍の使い手であり、兄タイガーとシャリバンを襲撃し、その時得た
 戦闘データを持参してマドーへ参入した。魔王サイコの実力を侮り、
 幻夢城乗っ取りを企てるが、敢え無く返り討ちとなりコマンドサイボーグ
 に洗脳されてショウリビーストと共にシャリバンと戦わされ戦死。

●巨獣ハネダー(巨獣特捜ジャスピオン)
 ジャスピオンとアンリが最初に遭遇したドラゴンタイプの巨獣。
 サタンゴースの光線で凶暴化しており、巨大な翼を広げて
 空を飛びまわり、鋭い鉤爪と強風で攻撃する。

●巨獣マリゴス(巨獣特捜ジャスピオン)
 ジャスピオンとアンリが最初に遭遇した亀に似た巨獣。
 サタンゴースの光線で凶暴化しており、口から火炎放射
 と火炎弾を吐き出し対象を焼き尽くす。
 
●クインテッサ星人(トランスフォーマーTHE MOVIE、トランスフォーマー2010)
 かつてセイバートロン星を支配していた、邪悪な知的生命体種族。
 自分たちの奴隷として創造したロボットたちの反乱に遭い、セイバートロン星から
 追放される。自由を得た彼らは変形能力を獲得し、平和を愛するサイバトロンと
 破壊を好むデストロンに分かれる超ロボット生命体トランスフォーマーの祖先となった。
 五つの異なる顔と声を持つ奇妙な姿で、捕虜や反逆者を芝居じみた裁判に
 かけ「被告は有罪?それとも無罪?―無罪である!」と判決を下しては、
 シャークトロンのいるプールに落として殺戮ショーを楽しんでいる。
 様々な武器を宇宙中にバラ撒いている死の宇宙商人でもある。

●シャークトロン(トランスフォーマーTHE MOVIE、トランスフォーマー2010)
 クインテッサ星人が護衛用に作った量産型トランスフォーマー。
 ロボット形態ではモーニングスターを武器とし、普段はサメ型のモンスター
 モードでプールを泳ぎ、落ちて来た者を襲う死刑執行兵。


『立ち上がれ!宇宙の友よ』中編

作者・シャドームーン

50

***宇宙空間***


???「反応あり! 邪悪のゴズマをキャッチしましたでぇ~」
???「今ゴズマ軍を指揮しているのは、ギルークかアハメス…
 もしくは二人一緒に来ている可能性もあるわね。
 どちらも大変な強敵です…皆さん、覚悟はよろしいですか?」
???「もちろんさ。地球で戦っているスーパー戦隊の分まで、
 宇宙の平和は俺たちが何としてもGショッカーから守ってみせる!」
???「…見て見ぬフリなんて、できないよな皆?」
???「当たり前よ。さあ、行きましょう」
???「オーケー! ○○○○○○○発進!!」

惑星ホープへ近づく一隻の宇宙戦艦。しかし、惑星軌道は無数の円盤や
UFOに埋め尽くされており、接近しようものなら何の警告も示すことなく、
猛烈な火線に晒されるのであった。この完全封鎖網を展開している軍団――
凶悪宇宙人連合『ETF』と、決死の戦いを繰り広げている者達がいた!


               ,ヘ                 _,ハ = 、
              /  `ヽ            __ -t __- '´  ヽ,
             /|!    」       _,.-=' ,.-=' / ノノ'´ ⌒´
__          _,,_ト|! r フ [!|____ ノ⌒ '⌒'   /_,. '´
\ゝ---ニ=て r'⌒ハ l__   イ⌒入 _ ̄      _,. '´
 ヽ,__, ゝ\ニ---┴┴"∠  '´    `ヽ   _,. '´
     ヽ_____  ⌒)ノ__ 彡    } _,. '´ 「シュワッ!!!」
           ̄   'vc\ ヽ__ノ-‐ '´
                 ̄ ̄ ̄
ウルトラマン、ウルトラセブン、ウルトラマンジャック、ウルトラマンエース……
宇宙の歪みが生んだ数々の侵略者から、地球を何度となく守って来た
宇宙警備隊・ウルトラ四兄弟。五人のバリエーションに富む光線技が
宇宙空間の闇を鮮やかに照らし、次々と爆発していく円盤群。

ギャバン「ドル・レーザー!」
ドル「ギャオオー」
 
両目からUFOを薙ぎ払うようにレーザーを発射する電子星獣ドル。
そのドルに乗り、勇壮に立ち回っている宇宙刑事ギャバン。
ミミーが操縦するギラン円盤もまた、オールレンジビームを駆使して
ギャバンとウルトラ兄弟を援護していた。

持てる力をフルに発揮して侵略者を迎え撃つ彼らだったが、
今現在、最大の窮地に立たされていたのである―――

       ト、        /ヽ   /\        _
   /|\ | ヽ       〈三ヽ /三/|        / !    /!ヽ
   | l  ヽ |  ヽ      !\   / _|      /  |   ,' /  !
   | ヘ   !   ヽ    ( )){ }( ))     ,'   !_/ /  j
   ',  ヽ |    l      トイ`|i|⌒ Y=}     !    ', /   /
   ',  ヽ!≡   l      { ヽ || r‐'リ -i    !  ≡ !     /
    ヽ    ≡  !     | ミ )!!= 彡-ノ_   l  ≡ !   ,.'
     \   ≡ |   ,.-ノ / ! ト、トく   `メ、_',  = / /
      \ ≡ !  /てノしイ_人人ノ、    ヽ  /
        \― |/ヽ ,イ- 、ヽ /   イ´ ̄ ̄ヽ_/
         \ ヽ/  l  ヽi / ̄`!
            ̄     〉―く ァ―‐‐j
スーパーバルタン「フォッフォッフォッフォッフォッ……」

ウルトラ兄弟とギャバンの同時攻撃を持ってしても、全く微動だにせず
不適に笑う宇宙忍者バルタン星人…に見えるが、いつもとは様子が違う。
体のサイズは大型化しており、ウルトラマンより二回りは大きいのだ。

ギャバン「くっそう! どうなってるんだ!?」
ウルトラマン「バルタン星人め…どうやってこれほど強力に!」
ウルトラセブン「…我々のどんな技も奴には効果がないのか…」
ジャック「くっ、一体どうすれば…」
エース「兄さんたち、あきらめずに何度でもやりましょう!」

スーパーバルタン「フォッフォッ…無駄ダ無駄ダ。私ハ地球人科学者ノ
 手ニヨッテ強化サレタノダ。モウ、オ前タチニ勝チ目ハナイ!」

ウルトラマン「地球人科学者だと!?」
スーパーバルタン「ソウダ。オ前タチガ守ッテキタ地球ノ技術デ滅ビル
 トハ、皮肉ナコトダナ…ウルトラマン。フォッフォッフォッフォッ!!」

高らかに笑い、勝ち誇るスーパーバルタン。
その時――両者の間の空間が突然歪に蠢き始めた…。

51

ウルトラマン「!! 何だ? 空間に揺らぎを感じる…」
ミミー「ギャバン、大変よ! この惑星の軌道上に、空間を捻じ曲げて
 巨大な…“なにか”がワープアウトしようとしているわ…そこから離れて!」
ギャバン「何だって! いかん、皆急いで散開するんだ!!」
ウルトラマン「分かった!」
ウルトラセブン「(まさか、この上まだ敵の増援が来るというのか…!?)」

ズズ…ズズズズズズ…ズゥオオオオオ―――カァ――ッ!

スーパーバルタン「フォッ? 何事ダ…!」

混沌の戦場を刳り貫く様に、何者かがワープアウトした。
その余波に直撃されて、軌道を埋め尽くしていた円盤・UFO群が
ポッカリと穴が空いたように光に飲み込まれた辺りだけ消滅してしまう。

???「しめた! 今なら突入できる。いくぜ皆!」
???「誰の仕業か知らないが…今はあれに感謝しないとな」

間髪入れず、突如開かれた「道」を通って惑星ホープへ突入する宇宙戦艦。
乗組員の彼らが心の中で感謝を述べた、ワープアウトの主は、これもまた
巨大な宇宙用戦闘母艦と思しき船が二隻であった。

ギリアム@XNガイスト「…どうやら戦場の真っ只中に来てしまったようだな」
スピルバン「ギリアムさん、この連中もGショッカーですか?」
ギリアム@XNガイスト「いいや。こいつらはETF…宇宙警備隊からマーク
 されている悪質な宇宙人や、過去に地球侵略を企んだ凶悪星人が
 徒党を組んで結成されたらしい。所属は違うが、Gショッカーと似たようなものさ」
ダイアナ「流石ギリアムさん、お詳しいんですね」
ギリアム@XNガイスト「伊達にあちこちの次元を漂流しては…いやよそう…。
 こちらは地球連邦軍のギリアム少佐です。ギラン円盤、応答願います」
ミミー「こちらギラン円盤。地球連邦軍の方…ですか?」
ギリアム@XNガイスト「私は情報部所属のギリアム・イェーガーと申します。
 事情があるため驚かせてしまいましたが、これより貴方たちを援護します」
ギャバン「…とりあえず敵の増援じゃなくてほっとしたぜ。
 俺は銀河パトロール隊の宇宙刑事ギャバンだ、援護に感謝する」
スピルバン「(宇宙刑事…するとこの人がギリアムさんの言っていた!)」
ヘレン「M78星雲の光の人々…子供の頃にクリン星の大人たちが
 いつも話してくれたウルトラ戦士たち…彼らがそうなのね」
ダイアナ「すごいわ! 本物のウルトラマンをこの目で見れるなんて…!」
 
散開していたウルトラ兄弟は再び集まり、スーパーバルタンと対峙する。
ギャバンも電子星獣ドルで彼らと並んだ。

ギリアム@XNガイスト「今の次元転移でエネルギー切れか。
 チャージまでしばらくかかるな…俺はゲシュペンストMKⅡで出る。
 君達は周囲の戦闘円盤を頼む!」
スピルバン「了解!」
ダイアナ&ヘレン「オッケイ!」
スピルバン「グランナスカ・コンバットフォーメーション!」

XNガイストの発進ドッグから、ギリアムの乗るモビルスーツサイズの
ゲシュペンストMKⅡが出撃してETFの軍勢を迎え撃つ。
スピルバンもグランナスカを戦闘巨人形態へ切り変えた。

スピルバン「エクセルビーム! ――ナックルボンバーッ!」

ドドォォーンッ!

巨大ロボへ変形したグランナスカが、超次元兵器の砲火をETF群に
炸裂させ、次々に撃墜して行く。彼らの頼もしい活躍を眺め、
ギャバンはイガ星にいるシャリバンや地球にいるシャイダーを思い出していた。

52

ギャバン「ヒュゥッ―やるじゃないか。 俺の後輩たちに劣らない
 凄い連中が現れたもんだなっ!」
スーパーバルタン「フォッフォッフォッフォッフォッ! …何者デアロウト、
 コノ私ニハカナウハズガナイノダ!!」
ジャック「…おのれっ!」
ゲシュペンストMkⅡ「ム…あのバルタン星人はバルタンシティの!?
 奴め、この次元に来ていたのか…!!」

スーパーバルタンに苦戦しているウルトラ兄弟に気づいたギリアムが、
急いで彼らに――いや、彼…「ウルトラセブン」にアドバイスを送った。

ゲシュペンストMkⅡ「ダン! 君のアイスラッガーに兄弟たちの
 エネルギーを集中させて奴を討つんだっ!!」
ウルトラセブン「―??(彼は何故、僕を“ダン”と…)」
ゲシュペンストMkⅡ「急げ!」
ウルトラセブン「あ…ああ、やってみよう!」

セブンがウルトラ念力でアイスラッガーを空間に浮かべ、ウルトラマン・ジャック
・エースが円陣を組むように集まる。そしてセブンはエメリウムエネルギーを、
マンとジャックがスペシウムエネルギーを、エースがメタリウムエネルギーを
アイスラッガーに放射、するとアイスラッガーは光輝く巨大スラッガーに変化した!

ウルトラセブン「デュワッ!!!」

ウルトラ念力で放物線を描いて飛ぶ、ウルトラ兄弟の合体技――
『S・アイスラッガー』がスーパーバルタンの無敵の表皮を切り裂く!

――――ズガッ!!

スーパーバルタン「グァァ…ッ ナ…何故、私ノ弱点ヲ知ッテイル!!?
 コノ次元ノオ前タチデハ、決シテ破レヌコノ無敵ノ細胞組織ヲ…!!」

ウルトラマン&ジャック「ジェアァッ!!」
エース「テェ―イッ!!」
                                    / ̄ト、
                                   // ̄ \
                                  //_    |
                   ビビビビビビ    _    || /  〉 〈ハ}
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三n|||||_  |  ̄  / 丁
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三|  ∩ Tニl   /  ̄ \
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三|_,-----T ̄ ̄/ ̄ ̄ \
                          ∠__|____\__/___   \
                               |   | /  | |   |: : :|   \   ヽ
                                |  V  |ハ __ \: :\      ',
                              |   }  /  ヽ{__) |: : :|      ハ

すかさずマン&ジャックのスペシウム光線とエースのメタリウム光線が、
狼狽するスーパーバルタンに命中、遂に無敵を誇った星人は粉々に砕け散った…

ドバァァァンッ

ギャバン「やったぜ!(*^ー゜)b」

53

スーパーバルタンのあっけない最期を、司令船と思しきUFOの中で
見ていたETFの宇宙人たちは口々に文句を言い始めた。

ガッツ星人「バルタン星人め…口ほどにもない奴だ」
ナックル星人「別次元で手に入れた無敵の体が聞いてあきれる」
テンペラー星人「だからあんな奴に任していいのかと言ったのだ!
 ウルトラ兄弟抹殺は我らの手で行うべきだとな!!」
ザラブ星人「諸君、クインテッサ星人が招かれざる客を取引の
 現場へ招いてしまったようだが…これからどうするね?」
テンペラー星人「フン! あのマヌケどもめ。ETFの面汚しよ」
ガッツ星人「確かにGショッカーに対して我々の信用問題に関わるな」
ナックル星人「そう気にすることはあるまい。星王バズーと言えども
 簡単には“皇帝”と事を構える気はないだろうしな……
 今度の件はクインテッサ星人をETFから除名する方針で片はつく」
ザラブ星人「左様。我らは無関係であると主張しておくために、
 もう一手打っておくか――」

ギリアムとスピルバンたちが現れた軌道の向こうに、再び空間の揺らぎが
起こり始め、巨大な質量を持つ物体が実体化して来た。
「空間転移」により現れたのは、無骨で重厚なフォルムを持つ破壊兵器。

               _,,,,,,,,、
        冂   ,--‐' / //ニ//ニΟ
     ,-‐' ̄ ̄ ̄   /Θヽ(  ((ニΟΟ
   匚/   ( (二二0/lトニニュルニュ
    /匚)      / |TTTTTT| ((二0 「………」
  匚| \三__/  |TTTTTT/l  ノ
    ヽ |ニニニニ|   ヘTTTTT/ lソ
     ヘ|ニニニニ/    \TT/ | l
  
ウルトラマン「インペライザー!!」
ウルトラセブン「手強い奴を送り込んで来たな…」

全身が武器庫であるインペライザーの強力な火器が火を噴く!
ギャバンとウルトラ兄弟、ゲシュペンストMkⅡが必死で応戦するが、
さらにもう二体、インペライザーが空間転移して来た!

54

ゲシュペンストMkⅡ「まずいな…これでは彼らのエネルギーが
 先に尽きてしまう。XNガイストが再起動できるまで、
 何とか時間を稼がねば…!」

ターゲット排除に向けて猛烈な砲火を向ける三体のインペライザー。
―が、突如としてうち一体が背後から一刀両断され、爆発した。
宇宙を駆ける「ドラゴンジェット」の上から、必殺のサンダーフラッシュで
インペライザーを斬り捨てたキングエクスカイザーが仲間と共に参上する。

ギャバン「エクスカイザー! 来てくれたのか!?」
キングエクスカイザー「ギャバン隊長、遅くなってすまない。
 ここは我々が引き受ける、貴方も惑星ホープへ救援に向かってくれ。
 あのベムサソリやベンガルブラザーズなど、手配中の宇宙海賊も
 今日あの星へ来ていると報告があったんだ!!」
ギャバン「ベムサソリが? …そうか、すまん。頼んだぞ!」
キングエクスカイザー「レイカー兄弟・マックスチーム、いくぞ!!」

ブルーレイカー「了解! 弟よ、遅れるな」
グリーンレイカー「ああ兄さん!」
レイカー兄弟「フォーム・アーップ!」

青と緑の新幹線ロボ、ブルーレイカーとグリーンレイカーが変形して
左右から合わさるように合体し、赤を基調とするロボットが完成する。

スカイマックス「ダッシュ、ドリル! 俺たちも合体して加勢するぞ!」
ダッシュマックス&ドリルマックス「おう!」
マックスチーム「マックスチーム、フォーム・アップ!」

黒い重戦車・ドリルマックスが両足に、黄色いスーパーカー・ダッシュマックスが
両腿と胴体に、青いジェット戦闘機・スカイマックスが上半身に変形して合体、
青を基調とするロボットがポーズを決めて完成した。

ウルトラレイカー「左右合体・ウルトラレイカー!」
ゴッドマックス「三体合体ッ―ゴッドマックス!」

揃い踏みした宇宙警察カイザーズ。ゴッドマックスとウルトラレイカーは、
ゲシュペンストMkⅡ、ウルトラ兄弟と協力しながら倒される度に
空間転移で現れるインペライザーに立ち向かっていった。
キングエクスカイザーは円盤群を撃ち落しながら、
ドラゴンジェットでインペライザーを送り込んでいる張本人、
札付きの手配星人たちが乗っている司令船に向かう。
グランナスカがかなりの数の戦闘円盤を破壊していたため、
包囲網は開戦当初より密度が下がっていたのだ。

ゲシュペンストMkⅡ「ここはもう我々で充分だ。スピルバン、
 君たちもホープ星の救援に向かって欲しい!」
スピルバン「え? しかし、あのロボット兵器がいくらでも…」
ゲシュペンストMkⅡ「ここもそうだが、地表で戦っている相手が
 Gショッカーなら時空魔法陣を使っているはずだ。あれは並大抵の
 攻撃ではビクともしないが、地球でシャイダーがバビロス号からの
 一撃で消滅に成功している。君達のビッグバンカノンならおそらく
 同じ事が可能だ。ETFの連中はどうやら、奴らと何らかの協定を
 結んで動いているらしい…惑星上のGショッカーを倒すか撤退に
 追い込めば、自ずとこいつらも軍を退くだろう」
ダイアナ「なるほど♪ 行きましょうスピルバン!」
スピルバン「分かりました。ギリアムさんたちもお気を付けて…」
ゲシュペンストMkⅡ「君のご家族を無事送り届けるまでは、
 絶対に死ねないつもりだよ…」

スピルバンはグランナスカを超次元戦闘母艦モードに戻し、
地球…そしてクリン星に似ている美しい星・惑星ホープへ進路を向けた――

55

○一条寺烈/ギャバン→ETFと戦う。ドルギランで惑星ホープへ突入。
○ミミー→ギラン円盤を操縦してギャバンとウルトラ兄弟をサポート。
○ウルトラマン→ETFと戦う。合体技でスーパーバルタンを撃破。
○ウルトラセブン→ETFと戦う。合体技でスーパーバルタンを撃破。
○ウルトラマンジャック→ETFと戦う。合体技でスーパーバルタンを撃破。
○ウルトラマンエース→ETFと戦う。合体技でスーパーバルタンを撃破。
○ギリアム/ゲシュペンストMkⅡ→ギャバン&ウルトラ兄弟を援護する。
○城洋介/スピルバン→ギャバン&ウルトラ兄弟を援護する。グランナスカで惑星ホープへ突入。
○キングエクスカイザー→ギャバンたちの援軍に参上。ETF司令円盤へ向かう。
○ウルトラレイカー→合体してインペライザーと戦う。
○ゴッドマックス→合体してインペライザーと戦う。

●スーパーバルタン→無敵と化してギャバン&ウルトラ兄弟を圧倒するが、
  何故か弱点を知るギリアムのアドバイスによって倒されてしまう…。
●ザラブ星人→Gショッカーとの協定により惑星ホープを封鎖していた。
●ガッツ星人→Gショッカーとの協定により惑星ホープを封鎖していた。
●ナックル星人→Gショッカーとの協定により惑星ホープを封鎖していた。
●テンペラー星人→Gショッカーとの協定により惑星ホープを封鎖していた。
●インペライザー→量産型モデル。空間転移で倒される度に送り込まれる。

56

【今回の新規登場】
○一条寺烈=宇宙刑事ギャバン(宇宙刑事ギャバン、シャリバン、シャイダー)
 バード星人ボイサーと地球人一条寺民子の間に生まれた初代地球担当。
 超次元高速機ドルギランで地球を訪れ、シルバーメタリックに輝くコンバットスーツを
 “蒸着”して宇宙犯罪組織マクーと戦った。地球では一条寺烈を名乗り、
 アバロン乗馬クラブで働いていたが、マクー絡みの事件を追っているため勤務時間が
 ほとんどなく給料はとても少ない。苦闘の末、父ボイサーと再会したが同時に悲しい
 別れとなった。マクー壊滅後、銀河パトロール隊の隊長に昇進。

○ミミー(宇宙刑事ギャバン、シャリバン、シャイダー)
 コム長官の娘。ギャバンに好意を持っているので、マクーと戦う彼にこっそり
 ついて行き、パートナーになった。胸のペンダントにあるレーザービジョン装置
 でセキセイインコの姿に変身でき、偵察や尾行を担当した。シャリバンが
 マドーと戦っていた時に宇宙海賊ベムサソリに拉致され幻夢城へ連行、
 コム長官に心理ダメージを与える目的でガイラー将軍の花嫁にされそうに
 なったこともある。不思議界フーマ壊滅後にギャバンと結婚した。
 バード星人特有のテレパシーや予知・透視能力に優れた才能を持っている。

○ウルトラマン=ハヤタ・シン(ウルトラマン、ウルトラシリーズ)
 M78星雲「光の国」から、地球に初めてやって来たウルトラ戦士。
 宇宙怪獣ベムラーを追って地球へ来たが、そのとき科学特捜隊のハヤタ隊員が乗る
 ジェットビートルに衝突して死なせてしまう。責任を感じた彼は自分の命をハヤタに与え
 以後地球に留まることになった。普段は地球人ハヤタとして行動するが、いざという時は
 ベータカプセルによって身長40mのウルトラマンに変身。スペシウム光線や八つ裂き光輪で
 怪獣や侵略宇宙人を薙ぎ倒す「怪獣退治の専門家」である。
 「ヒーロー戦記」では一時的にゼウス部隊に加わり、ギリアムと一緒に戦った。

○ウルトラセブン=モロボシ・ダン(ウルトラセブン、ウルトラシリーズ)
 M78星雲「光の国」から恒点観測員として地球を訪れたが、勇敢な青年・薩摩次郎の
 自己犠牲精神溢れる行為に感動し、彼の姿を借りてモロボシ・ダンと名乗る。
 地球が数多くの宇宙人に狙われていることを知り、ウルトラ警備隊に入隊した彼は
 ウルトラアイの装着によってセブンに変身。長い戦いにより精神も肉体も疲弊していくが、
 その身を削り侵略者を迎え撃った。地球を去った後も何度か兄弟たちのピンチに駆けつけ、
 タロウの後任としてMAC隊長に就任、再び地球防衛の任務に就く。マグマ星人らの猛攻で
 変身能力を失い、代わりにウルトラマンレオ=おおとりゲンを厳格に指導した。
 「ヒーロー戦記」でギリアムと一緒に戦い、最後は悲しい別れを経験している。
  
○ウルトラマンジャック=郷秀樹(帰ってきたウルトラマン、ウルトラシリーズ)
 セブン帰還後に地球へ来た三番目にして「帰ってきた」ウルトラマン。
 怪獣タッコングの襲撃から子供と子犬を庇って落命したカーレーサー志望の
 郷秀樹に感銘し、自分の命を与えた。初代ウルトラマンとほぼ同じ能力を
 持っているが、猛特訓で編み出した必殺技とセブンから与えられたウルトラ
 ブレスレットを戦力に加えた。後に今度は彼が、セブンに変身できなくなった
 ダンのために地球を訪れ怪獣ボール・セブンガーを送り届けた。
 「ウルトラマンⅡ世」「新マン」「帰りマン」など初代と区別する複数の呼び名がある。

○ウルトラマンエース=北斗星司(ウルトラマンエース、ウルトラシリーズ)
 ジャックの後任として地球へ来た第四のウルトラ戦士。ミサイル超獣ベロクロンの
 出現に際し命を落とした北斗星司と南夕子に新たな命とウルトラリングを与えた。
 二人はTACに入隊し、ピンチに陥るとウルトラタッチによってエースに合体変身し、
 異次元人ヤプールが送り込む超獣に立ち向かう。後に月星人の使命を果たすため
 夕子が去り、以後は星司一人でエースとなり戦った。ウルトラ兄弟で最も多くの
 バリエーションに富む数々の光線技を使いこなす、別名「光線技のエース」。

57

○エクスカイザー(勇者エクスカイザー)
 善なるエネルギー生命体・宇宙警察カイザーズのリーダー。
 地球へ逃げ込んだガイスターを追って来訪、星川家の自動車に融合した。
 恐竜博覧会の事件で星川コウタ少年に正体を話し、彼に通信機となる
 カイザーブレスを贈ってかけがえのない友人となる。異次元空間から呼び出す
 キングローダーと合体して「キングエクスカイザー」に、ドラゴンジェットと合体して
 「ドラゴンカイザー」になれる。さらに彼らの祖先がナスカの地上絵に遺した力を
 得て新しいカイザーソードを手に入れ、「超巨大合体グレートエクスカイザー」
 に多重合体できるようになる。ダイノガイストとの死闘及びガイスター逮捕に
 より地球での任務を終え、コウタに別れを告げて宇宙へ帰って行った。
 現在はサイバトロンが用意した星川家の車と同タイプの車に融合している。

○ブルーレイカー=ウルトラレイカー(勇者エクスカイザー)
 宇宙警察カイザーズに所属する、善なるエネルギー生命体の双子の兄。
 地球で東海道新幹線に融合したが、そのせいで乗客を運ぶのに大忙し。
 お盆や正月など乗客が増える時期は何と出動できない時もあった…。
 足の裏にあるローラーダッシュを駆使して身軽に素早く行動できる。
 弟のグリーンレイカーと息の合ったコンビネーション技を得意とし、合体して
 「左右合体ウルトラレイカー」になれる。地球の新幹線という乗り物を気に入り、
 現在はサイバトロン・トレインボットたちが用意してくれた同型ボディに融合している。
 
○グリーンレイカー=ウルトラレイカー(勇者エクスカイザー)
 宇宙警察カイザーズに所属する、善なるエネルギー生命体の双子の弟。
 地球で東北新幹線に融合したが、そのせいで乗客を運ぶのに大忙し。
 お盆や正月など乗客が増える時期は何と出動できない時もあった…。
 足の裏にあるローラーダッシュを駆使して身軽に素早く行動できる。
 兄のブルーレイカーと息の合ったコンビネーション技を得意とし、合体して
 「左右合体ウルトラレイカー」になれる。地球の新幹線という乗り物を気に入り、
 現在はサイバトロン・トレインボットたちが用意してくれた同型ボディに融合している。
 
○スカイマックス=ゴッドマックス(勇者エクスカイザー)
 善なるエネルギー生命体・宇宙警察カイザーズに所属する、マックスチームのリーダー。
 地球でジェット戦闘機(所属国籍不明)に融合して空から世界中をパトロールする。
 飛行速度はマッハ4。真面目で地味な性格だが、決める時は決める渋い漢。
 ダッシュマックス、ドリルマックスと団結して「三体合体ゴッドマックス」になれる。
 合体時の意志は彼のものをベースに統合される。
 現在はサイバトロン・エアーボットが用意した同タイプの戦闘機に融合している。

○ダッシュマックス=ゴッドマックス(勇者エクスカイザー)
 善なるエネルギー生命体・宇宙警察カイザーズに所属する、マックスチームの一員。
 地球でレースカーに融合して普段はサーキットを走りレースに出場している。
 とにかく走ることが大好きな飛ばし屋であり、ガイスターが事件を起すとレーサーを
 放り出しカッ飛んで現場に駆けつける。ゴッドマックス合体時は胴体と両腿部に変形。
 現在はサイバトロンが用意した同タイプの黄色いレースカーに融合している。

○ドリルマックス=ゴッドマックス(勇者エクスカイザー)
 善なるエネルギー生命体・宇宙警察カイザーズに所属する、マックスチームの一員。
 地球で戦車に融合して地中からガイスターに関する調査を行っている。
 ドリルが付いているが、これは任務に合わせて彼自身がカスタマイズしたと思われる。
 カイザーズで一番の力持ちであり堂々たる体躯を誇っているが、同時に一番気が
 優しく本星には弟や妹がおり、コウタとの別れ際一度会わせたかったと告げた。
 ゴッドマックスに合体する時は二つに割れて両足部分に変形する。
 現在はサイバトロンが用意した同タイプのドリル戦車に融合している。

58

●宇宙忍者バルタン星人=スーパーバルタン(ウルトラシリーズ、スーパーヒーロー作戦ダイダルの野望)
 故郷バルタン星を核実験によって失い、安住の地を求めて宇宙を放浪する宇宙人。
 最も永きに渡りウルトラ戦士たちと対峙している永遠の好敵手である。
 「スーパーヒーロー作戦」にて帝王ダイダルが逃げ込んだ次元の地球へ侵入、
 丹張市を占拠してバルタンシティにしてしまう。そこで洗脳した優秀な科学者に
 スペシウムエネルギーに耐えうる強化細胞組織を培養させ、スーパーバルタンに
 パワーアップした。向こうでもギャバン、ウルトラマン、セブン、ジャックと対決している。

●凶悪宇宙人ザラブ星人(ウルトラマン、ウルトラシリーズ)
 他の文明を滅ぼす事を生業とするザラブ星工作員。地球人に対して友好的
 であると見せ掛け、「ニセウルトラマン」に変身して街を破壊しウルトラマンを
 人類の敵であると思わせようとした。非常に悪質な手口を用いる侵略宇宙人。
 黄泉帰った初代本人であり、ヤプールに操られメビウスに倒されてしまった
 不甲斐無い同族を工作員失格と見なし軽蔑している。

●分身宇宙人ガッツ星人(ウルトラセブン、ウルトラシリーズ)
 いかなる戦いにも負けた事がないと豪語する、宇宙の実力派宇宙人。
 怪獣アロンを使ってウルトラセブンの能力を徹底的に分析して勝機を導き出し、
 自ら勝負を挑む頭脳派でもある。神出鬼没の分身殺法と瞬間移動能力を
 駆使してセブンをエネルギー切れに追い込み磔にして地球に降伏を迫ったが、
 地球人を戦力として侮ったせいでウルトラ警備隊の活躍でセブンは復活、
 敢え無く円盤もろとも粉砕された。黄泉帰った初代本人である。

●暗殺宇宙人ナックル星人(帰ってきたウルトラマン、ウルトラシリーズ)
 再生怪獣を使ってウルトラマンジャックの能力を調べ上げ、その上で用心棒
 怪獣ブラックキングを鍛えたが、それでも尚まともに戦っては勝てないと結論づけ、
 郷秀樹の最も親しい人間を殺害した陰湿かつ卑劣な侵略宇宙人。
 不安定な精神状態の郷が変身したジャックを、ブラックキングとの凶悪タッグで
 倒しナックル星へ連行して処刑しようとしたが、初代ウルトラマンとセブンが
 救出に駆けつけたことにより敗北した。黄泉帰った初代本人である。

●極悪宇宙人テンペラー星人(ウルトラマンタロウ、ウルトラシリーズ)
 ウルトラ戦士の宿敵エンペラ星人と深い繋がりがあると言われる極悪宇宙人。
 全宇宙制覇を狙いウルトラの国を襲撃するが、ウルトラ兄弟がタロウの招きで
 地球へ向かったと知り地球へ襲来。一度倒されたがそれは影武者であり、
 執拗にウルトラ兄弟の誘き出しを行った。人間に変身したウルトラ戦士を見破る能力に、
 ウルトラ戦士にのみ効果絶大の「ウルトラ兄弟必殺光線」を身につけている。
 黄泉帰った初代本人のため、功名心に駆られてメビウスに挑んだ上あっけなく
 倒されてしまった同族を不甲斐無いヤツと軽蔑している。

●無双鉄神インペライザー(ウルトラマンメビウス)
 暗黒宇宙大皇帝・エンペラ星人が送り込む超強力な破壊兵器。
 最初に出現した機体は圧倒的な火力といくら破壊されて活動を停止
 しない驚異的な頑丈さでメビウスとタロウを非常に苦戦させた。
 終盤複数の量産機が世界各地の都市に送り込まれたが、オリジナルに
 比べてコストダウンしたのか、強大な火力は健在なものの機体強度が
 低下しておりメビウスやザムシャーの攻撃で撃破できるようになった。


『立ち上がれ!宇宙の友よ』後編

作者・シャドームーン

59

***惑星ホープ***


バイカンフー「バースト・キィィィック!」
巨獣マリゴス「グルァァ~ッ」
バイカンフー「ファイヤーチョォ―ップ!」
巨獣ハネダー「ギャァァ~スッ」
 
ドゴォォン
 
バイカンフーと二大巨獣の激闘が続く――――!
巨大ロボらしからぬ俊敏な身のこなしから、多彩な必殺技を繰り出し戦う
バイカンフーだが、いくら打撃を与えても巨獣は斃れない…
技が炸裂しようとする度、アハメスがバリアー「ハードウォール」を使うためである。

バイカンフー「おのれ、面妖な…ッ」
女王アハメス「フフフフ私のハードウォールを易々と破れるとは思わない
 でもらいたいわね。さあお前たち、思う存分大暴れするがいい!」
巨獣マリゴス「ゴルルル…ゴガァァ!!」
バイカンフー「うおおおっ!」

マリゴスが口から火炎弾を連続で吐き出しバイカンフーを攻める。
さらに、ゴズマ戦闘機が周囲を飛び交いレーザーの雨を降らせて来るのである。
バイカンフーの全身に着弾による爆発と、派手な火花が弾け続けた。

ドカーンッ! ドバンッ ドドドドォン――ッ

レイナ「このままじゃロム兄さんが! ジェット、お願い!」
ロッドドリル「よっしゃあ! お前のぶんまで、オイラがふんばるぜ」
トリプルジム「私だって、やるときはやりますよ」
ブルージェット「すまんな…よし、ロム待ってろよ。ジェーット!!」

ジェットエンジンを勢い良く噴射して飛び立つブルー・ジェット。
目指す上空から華麗な宙返りを披露し、バイカンフーを援護するため
ゴズマ戦闘機と壮烈なドッグファイトを展開する。

ギルーク司令官「フン、たかが一機。その威勢、いつまで保つかな…」

ギルークの言葉通り、無尽蔵に現れるゴズマ戦闘機に流石のジェットも
援護し切れなくなっていく。地上でも、続々と孵化して来るヒドラー兵に
加えてシャークトロン軍団と宇宙獣士が次第にレイナたちを圧して行った。
勇猛果敢に戦い続け、かなりの敵を倒した彼らだったが、
刻一刻と疲労の蓄積が限界に達しようとしていた――――

<<スターコンドル船内>>

ゲーター「目標接近、レーダーが雲の下にゴズマ戦闘機らしき
 複数の飛行物体を捉えましたでぇ! …ん、ありゃりゃ?」
シーマ「ゲーター、他にも何か見つけたの?」
ゲーター「誰かが、ゴズマ軍と戦ってるみたいでっせ!」
ダイ「ホープ星人の人たちがまだ抵抗してるってことか?」
マグ「ホープ星人は平和を愛する温厚な種族…Gショッカー相手に
 そんなに長く持ちこたえてるなんて、ちょっと驚いたな」
ブン「Gショッカーと宇宙海賊辺りが仲間割れしてるのかもしれないぜ?」
サラ「自分の故郷が滅ぼされようとしたら、誰だって勇気を
 振り絞ってとことん戦うわよ! 私たちもそうでしょ…ジン!」
ジン「サラの言う通りだ。俺たちは彼らのSOS信号をキャッチして
 ここに来たはず…何が起こっていようと、Gショッカーから星を
 守るのが任務だ。ゲーター、マグ、さあ行くぞ!」

60

ホープ星の雲を抜けて巨大空母『スターコンドル』が姿を見せた。
ミサイルとビームを発射してゴズマ戦闘機を次々に撃墜していく、
謎の空母出現にアハメスたちが動揺する。

サラ「見て見て! 凄いわね、ホープ星の人たち!」
ブン「うおっ…すげぇ、フラッシュキングに劣らない巨大ロボいるじゃん」
ルー「……違うと思うケド」

女王アハメス「あれはっ!?」
バイカンフー「……??」
ブルージェット「お、手伝ってくれるのか?」
ギルーク司令官「むおお…ぬ~クインテッサ星人!!」
クインテッサ星人A「バ、バカな~~っ!? 我らETFはお約束通り
 外部からの敵を釘付けにしているハズ…うう!?」

再び雲を抜けて現れる二つの巨大物体。
ギャバンとミミーが操縦する超次元高速機ドルギランが姿を現すと、
続いて超時空戦闘母艦グランナスカが姿を見せた。

ベムサソリ「ぬう、あれは…ギャバンめ、嗅ぎ付けおったか~!」
ベンガルタイガー「もう一隻はシャリバンめのグランドバースか!?」
ベンガルコブラ「グランドバースにしては形が違うぞ兄者…!」
ギルーク司令官「…これではっきりしたな。うぬらの裏切りは明白だ!」
クインテッサ星人B「そ、そんな( ̄□ ̄;)!!」

サラ「ギャバン隊長も来てくれたのね! あの船も味方かしら?」
ジン「あの時タイムワープして来た主は…もしや?」
ダイ「細けぇこたぁいいんだよ! 敵ならこっちを攻撃してくるはずだろ。
 上は任せて俺たちも出撃しようぜジン」
ルー「下で今戦ってる人たちは、たぶんあのロボットのお仲間さんね」
ブン「よぉ~し。腕がなるぜ!」
シーマ「ふふ、皆さん気合充分ですね。私も負けませんよ」
ジン「よし降下するぞ。ゲーター、マグ、後は頼んだぜ」
ゲーター「へい、任しといてや!」
マグ「皆がんばれよ!」

スターコンドルはある程度の高度まで低空飛行した後、
船から飛び降りた六人を見送り再び上昇して戦い始めた。
六人の男女がヒドラー兵を蹴散らしながらレイナたちに駆け寄る。

レイナ「貴方たちは…?」
シーマ「私たちはGショッカーに侵略された星々を解放するため、
 有志を募って立ち上がったレジスタンス軍の者です。
 私はアマンガ星の王女、シーマと申します」
ジン「俺たち五人は赤子の時にエイリアンハンターという奴らに
 攫われてそれぞれの星で育ちましたが、地球人です。
 俺はジン…フラッシュ星から来ました」
ダイ「俺はダイ。フラッシュ星の衛星グリーンスター育ちのタフガイさ!」
ブン「ブンだ。ブルースター育ちの田舎もんだけどよろしくね。
 お姉さん…かわいいなぁ~名前教えてよ!」
サラ「こらブン! 初対面の人に失礼でしょ、もう…お子様なんだから。
 あたしはサラ。極寒のイエロースター育ちです、よろしく♪」
ルー「そして私はルー。ピンクスター育ちです、よろしく!」

レイナ「私はクロノス星のレイナと申します。こちらはジムとドリル…」
トリプルジム「初めまして皆さん。レイナお嬢様の従者ジムと申します」
ロッドドリル「オイラはバトル族のドリルってんだ、よろしくなっ!
 …で、空で戦ってるのがジェットで、あの赤いやつがロムが
 合身してるバイカンフーさっ!」
ブン「レイナお嬢様だって…くぅ~ますますそそられるぜ!」
サラ「やめなさいってば!」
レイナ「私たちはえ~と…剣狼の導きにより、暗黒に支配された
 宇宙を救うため旅をして…え~と…」
ロッドドリル「めんどくさいなあ。悪党を懲らしめて回ってる者です、
 でいいじゃないか」

スーパーギルーク「ほう。そういうことか…」
一同「――!!!」

61

ゴズマードの入口デッキに立つ、スーパーギルークに姿を変えた司令官が
全員を見下ろしている。その顔はゾッとするような冷たさである。

スーパーギルーク「我らが落とした星を解放して回る、小賢しい連中が
 出没していると聞いていたが―…レジスタンスとは貴様らのことだったか」
ブン「うわっ…なんつー悪人面だよ。ケフレンよりひでぇや」
ルー「ホント、名乗らなくても分かるくらいモロに悪者の親玉ね!」
シーマ「ギルーク! 宇宙の心ある人々は、いつまでも星王バズーや
 サタンゴースの恐怖支配に怯えてばかりではありません……
 貴方も本当にギラス星を愛しているなら、Gショッカーのためではなく、
 私たちのように立ち上がるべきです!」
スーパーギルーク「おお…シーマではないか。すっかり見違えたな、フフフ。
 ギラス星のためか…だがもう俺のギラス星はこの世に存在しておらぬ。
 Gショッカー・ゴズマ軍こそが命を賭す我がギラス星なのだっっ!!!!」
シーマ「ギルーク…!」
ジン「話し合っても無駄なようだな。お前たちの悪魔の所業…
 決して許されることではない。俺たちが全力で叩き潰す!!」
スーパーギルーク「ん~~…グフフ…若僧、お前は?」

ジン「俺は…俺たちは。俺たちのような宇宙の孤児を
 作らせないために、貴様ら悪魔と戦う者だっ!
 ――皆いくぞ、プリズムフラッシュ!!」
ダイ&ブン&サラ&ルー「プリズムフラッシュ!」

五人の若者は掛け声と共にしゃがんで立ち上がり、左手首にはめた
変身用ブレスを胸の前にかざした。すると眩い宝石のような輝きが
五人を包み込み、ルビー・エメラルド・サファイア・トパーズ・ダイアモンドの
プリズムが額に光る五色の「プリズムスーツ」を纏った五人が立っていた!

レッドフラッシュ「シャット・ゴーグル!――レッドフラッシュ!」
グリーンフラッシュ「シャット・ゴーグル!――グリーンフラッシュ!」
ブルーフラッシュ「シャット・ゴーグル!――ブルーフラッシュ!」
イエローフラッシュ「シャット・ゴーグル!――イエローフラッシュ!」
ピンクフラッシュ「シャット・ゴーグル!――ピンクフラッシュ!」

フラッシュマン全員「超新星・フラッシュマン!!!!!」

レイナ「フラッシュマン……」
スーパーギルーク「うぬぬう~フラッシュマンだと? …フッフフ…
 なるほど、メスの連中が話しておったな…貴様たちがそうか!」
レッドフラッシュ「俺たちもシーマ王女から大星団ゴズマについては
 聞いている。スーパーギルークッ! 電撃戦隊チェンジマンに代わり、
 俺たち超新星フラッシュマンが必ずお前たちの野望を打ち砕く!」
スーパーギルーク「ハァッハハッハ、笑わせるな小僧ども。
 フラッシュ星人の科学力如きで大星団ゴズマが倒せるものか!
 我が手にかかればフラッシュ星系など容易いものよ…捻り潰してくれる」
 
フラッシュマン五人と王女シーマにレイナたちが加わり、
ゴズマ軍のヒドラー兵や宇宙獣士と再び大乱戦が開始された。
シャークトロンは残っている数以上にはもう増援はこないようだ。

レッドフラッシュ「プリズム聖剣ッ―スーパーカッター!」
シーマ「たぁーーーハァッ!」
グリーンフラッシュ「受けてみろッ―ローリングナックル!」
ロッドドリル「天空宙心拳・岩石割り!!」

レッドフラッシュと王女シーマが冴え渡る剣技でヒドラー兵を次々に斬り捨てる。
プリズムカイザーを両手に装着したグリーンフラッシュは、ドリルと並んでナックル
パンチをぶちかまし、宇宙獣士を殴り飛ばす。

レイナ「やぁッ―天空宙心拳・破岩拳!」
トリプルジム「お嬢様、お下がりくださいここは私が…うわぁ!?」
ブルーフラッシュ「レイナさんは俺が守る! プリズムボールッ
 いくぜぇ~~ハリケーン・ボルトッッ!!」

ジムを飛び越え、透明ボールと化したブルーフラッシュの体当たり攻撃が
ボーリングの的のようにヒドラー兵の集団を倒していった。

イエローフラッシュ「ピンクフラッシュ、行くわよ!」
ピンクフラッシュ「オッケー!」

プリズムブーツで無重力状態のように空中を浮遊するピンクフラッシュ。
彼女の肩にプリズムバトンを持つイエローが乗り、協力して攻撃を行う。

イエロー&ピンクフラッシュ「デュエット・スーパーブリザード!!」

ビュウウウウウウウウウウ――ッ!

途端に敵の一団を襲う猛吹雪の嵐! 凍りついた敵にピンクフラッシュが
プリズムブーツで跳ねる様にストンピングキックを浴びせ砕け散る。

スーパーギルーク「フフフフ…なかなかやるなフラッシュマン。
 あのカウラーが申していただけのことはあるようだ」

62

一方その頃――。

バイカンフー「むう…!」
巨獣ハネダー「ギャァース!」

―ガキィッ―

上空からバイカンフーに襲い掛かるハネダー。その鋭く強靭な鉤爪が、
バイカンフーの両肩を掴んで持ち上げてしまった。

ブルージェット「――ロムッ!」
女王アハメス「アハハハ、いいぞ巨獣たちよ!」
バイカンフー「フッ、墓穴を掘ったのはこの怪物のほうだ―!」

バイカンフーは逆上がりの動作で半身に反動をつけて、両足でガッチリと
ハネダーの頭を挟み込んだ。そのまま体勢を上下逆に入れ変えると、
両腿で頭を、両腕でハネダーの足をクラッチして固め猛回転を加えた!

バイカンフー「サイクロン・ドライバァァァ―ッ!」
巨獣ハネダー「ギャッ…ギャアアアアアァース…」

ズド――ォォォン!!

パイルドライバーのような体勢で錐揉み回転しながら、頭から地表に
激突させられたハネダー。バイカンフーがゆっくり両足を離して飛び退くと、
ドラゴンタイプの巨獣は呻き声を上げて動かなくなった…。

女王アハメス「……なんてこと!」
ブルージェット「ああ密着されていては、バリアも効果がないと見えるな」
女王アハメス「う、お前は!?」
ブルージェット「ジェット族の剣士・ブルージェット。―トォッ!」
女王アハメス「チィ、小癪なああああ!」

アハメスに向けてガトリングガン連射とミサイルを発射するジェット。
怪鳥ジャンゲランが冷凍ガスと火炎でこれを相殺する。

ギャバン「スクリュウアタック!」
ドル「ギャオオー」

ドドドドド………ドガァーーンッ

飛び交うゴズマ戦闘機も、スターコンドルとグランナスカ、
電子星獣ドル&ギラン円盤の活躍でかなり数が一掃されていた。
時空魔法陣を発見したスピルバンが、ギリアムの提案に従いこれを
消滅させるためにグランナスカから地上へ降り立った。

スピルバン「カノン・フォーメーション!」
女王アハメス「――何を…ッ! くっ、そうはさせないわ!」

二連装エネルギー砲モードに変形していくグランナスカ。
狙いに気づいたアハメスが、急いで最大パワーのハードウォールを
魔法陣の前に作り上げこれを阻もうとする。

女王アハメス「残念ね、ウフフフフ…」
ギャバン「あきらめるな。俺も一緒に手伝うぜ!」
バイカンフー「天空宙心拳・招雷…!」

―ピカァッ …ゴロゴロゴロ…ガカカカァァァァ――バリバリバリッ…

ゲーター「マグはん、ワイらも参りまひょか~!」
マグ「よーし行こう!」

ハードウォールを討ち破るべく、グランナスカに呼応して集まる戦士たち。
スピルバンはそんな彼らに心の中で感謝を述べ、トリガーを引く。
空中に投影された巨大なスピルバン像もグランナスカを構え撃つ。

スピルバン「ビッグバン・カノン!!!」
ギャバン「ドル・ファイヤ――ッ!」
ドル「ギャオオー!」
マグ「スターコンドルビーム・最大出力!」
ゲーター「ミサイルも全弾おまけでっせ~!」
バイカンフー「サンダァァァー・ボルトスクリュー――ッ!!」

ズドドドドドッ …ドバババババ… ドガァァ―アァァン!!!!
 
かつてアハメスのハードウォールを粉砕した、チェンジマン五人の迸る
アースフォースパワーに匹敵する総攻撃がバリアに炸裂!
ガラスのように砕け飛ぶハードウォールを突き破り、
時空魔法陣は跡形もなく消滅した……

63

女王アハメス「敗れた…私のスーパーパワーが、またしても……
 星王バズー様……はっ!」

アハメスの脳裏にトラウマの如く蘇る悪夢の光景の数々。
バズーに敗れ滅びるアマゾ星……宇宙放浪の辛い日々。
地球でもチェンジマンに敗れ続け、遂に訪れてしまう審判の日。

ギルークの声(幻聴)「今度はお前がゴズマに命を捧げる番だな…」
星王バズーの声(幻聴)「お前は宇宙獣士メーズとなるのだ!」

女王アハメス「…あ…あ…アアアアアアアアッ!!!
 それだけは、それだけはおやめください星王バズー様……
 私を女王でいられると、仰って下さい…こんなにも賢く、
 美しい女の願いを何故聞いて下さらぬ…星王バズー様アアアーッ!」

錯乱状態に陥り、ジャンゲランに乗って哀れな女王・アハメスは
宇宙の何処かへ飛び去って行った………。

スーパーギルーク「アハメス殿!? 如何なされた、何処へ行くーっ!?」

…ゴゴゴゴゴ…
 
アハメスの逃亡を見たのが早いか、ほとんど後に続けとばかりに
クインテッサ星人たちはまだ残っているシャークトロン軍団を置き去りにして
宇宙船を発進させた。他の宇宙商人たちも次々に退散して行くのだ。

スーパーギルーク「ぬううううぅぅ…あやつらぁ~ッ…!!」

巨獣マリゴス「グルルルルル!」
バイカンフー「奥義を受けろッ――ゴッドハンドスマァーッシュ!」

―ドガンッ!!―

残った巨獣マリゴスがバイカンフーに突進して行く。
バイカンフーは身を翻し、閃光する拳をマリゴスの腹部に突き入れた。
強烈な貫き手に貫かれ、絶叫する巨獣はそのまま大爆発を起した。

ドオォォ――ン……

バイカンフー「――成敗ッ!」

エネルギーを使い果たし、バイカンフーは異次元空間へ消え、
剣狼を手にしたロムに戻っていく。ガックリと膝をつくロムに、
スピルバンが走り寄って肩を貸した。

ロム「すまない。君たちが来てくれて助かったよ…ありがとう」
スピルバン「いえ、我々もGショッカーから宇宙を守るのが使命ですから…」
ロム「俺はロム。ロム・ストールという者だが君は?」
スピルバン「時空戦士スピルバン。またの名を城洋介といいます」
ロム「スピルバン…宇宙にはまだこんな素晴らしい戦士がいたんだな」

ブルージェットもロボットモードに戻って片側からロムを支えた。
広大な宇宙の旅の途中、出会えた志を同じくする戦士たちは
まずは多くを語らず、一時の心の交流を分かち合う。

64

ギャバン「ベムサソリ! もう逃がさんぞっ!」
ベムサソリ「おのれギャバン~!」

用心棒のベンガルベラザーズにさっさと見切りをつけられてしまい、
独り逃げ遅れたベムサソリを追い詰めるギャバン。
今はこれまでと悟ったのか、ベムサソリも猛反撃して応戦する。

ベムサソリ「むむ…ワシとしたことが、このようなところで…!」
ギャバン「観念して逮捕に応じろ、ベムサソリ」
ベムサソリ「そうはいくか。銀河連邦警察などに捕まるような
 生き恥を晒してはワシの宇宙海賊としての沽券に関わるわい!
 こうなったら貴様を倒してドルギランを頂く!そうだな、ついでに
 お前の女房になったと聞くミミーも頂いてやろうガハハハ」

頭部のサソリからレーザーを撃ち、右手のハサミからマシンガンを連射する
ベムサソリ。悪足掻きに等しい攻撃が、数々の修羅場を潜って来た
銀河パトロール隊長・宇宙刑事ギャバンに通用するはずもなかった。

ギャバン「チュオーゥ! スパイラルキック!」
ベムサソリ「グハァッ! ぐう~やられはせん!」

ベムサソリはサーベルを振りかざし、ギャバンに向かって行った。
不動明王のような構えをとり、剣にエネルギーを注入するギャバン。
青白く発光する刀身が空を切る度、幻想的なハム音を奏でた。

ギャバン「…レーザー・ブレード!」
ベムサソリ「ぬお~~っ 死ね、ギャバン!!」
 
斬りかかるベムサソリをジャンプで飛び越えそのまま回転、
レーザーブレードの高速回転を加えた一撃が炸裂する――!

ギャバン「ギャバン・ダイナミック!!」
 
――ズバァーーーンッ――
 
ベムサソリ「グギャァァァァ~ッ … …んん?」

断末魔と共に一刀両断されたかに思えたベムサソリ………
だがなんと、ギャバンが斬り落としたのは彼の腕だけであった。

ベムサソリ「キ、キサマ…何故ひと思いに殺さん!?」
ギャバン「お前にはいろいろと喋ってもらわなきゃならんことが
 山ほどあるからさ。宇宙海賊ベムサソリ、宇宙刑法により
 お前を逮捕するっっっ!」
ベムサソリ「タイ━━━━||Φ|(|´|Д|`|)|Φ||━━━━ホ !
 ガ━━ΣΣ(゜Д゜;)━━ン貴様ッッ…ワシは、何も喋らんぞ!!」

こうして、ジタバタ暴れながらベムサソリは凶悪宇宙人拘束用の
バード合金手錠をかけられ、ドルギランに連行されて行ったのである。
(エピローグへ続く)


○一条寺烈/ギャバン→ベムサソリを倒さず捕らえる。
○ミミー→ギラン円盤を操縦してゴズマ戦闘機と戦う。
○ジン/レッドフラッシュ→ゴズマ軍と戦う。
○ダイ/グリーンフラッシュ→ゴズマ軍と戦う。
○ブン/ブルーフラッシュ→ゴズマ軍と戦う。
○サラ/イエローフラッシュ→ゴズマ軍と戦う。
○ルー/ピンクフラッシュ→ゴズマ軍と戦う。
○シーマ→ゴズマ軍と戦う。
○ゲーター→スターコンドルでゴズマ戦闘機と戦う。
○マグ→スターコンドルでゴズマ戦闘機と戦う。
○城洋介/スピルバン→ギャバンらの協力を得てビッグバンカノンで時空魔法陣を撃つ。
○ロム/バイカンフー→巨獣ハネダー&マリゴスを倒す。
○レイナ→フラッシュマンと協力してゴズマ軍と戦う。
○ロッドドリル→フラッシュマンと協力してゴズマ軍と戦う。
○トリプルジム→フラッシュマンと協力してゴズマ軍と戦う。
○ブルージェット→ゴズマ戦闘機と戦う。

●スーパーギルーク→撤退しようとしないが…?
●女王アハメス→錯乱状態となり宇宙空間へ飛び去ってしまう。
●クインテッサ星人→撤退。
●ベンガルブラザーズ→ベムサソリに見切りをつけ撤退。
●ベムサソリ→ギャバンと戦闘。逮捕される。
●巨獣マリゴス→バイカンフーのゴッドハンドスマッシュを食らい爆死。
●巨獣ハネダー→バイカンフーのサイクロンドライバーで激突死。

65

【今回の新規登場】
○ジン=レッドフラッシュ(超新星フラッシュマン)
 強い使命感を持つフラッシュマンのリーダー。3歳の時にサー・カウラーらに
 誘拐されたため少しだけ当時の記憶が残っている。フラッシュ星系の母星・
 フラッシュ星に遭難したエイリアンハンター船が不時着したため、フラッシュ星人に
 育てられ彼らの科学と厳しい修行によって一人前の戦士に成長した。
 剣術に特に優れており、フラッシュ聖剣で戦う。
 
○ダイ=グリーンフラッシュ(超新星フラッシュマン)
 乳児の頃エイリアンハンターに誘拐され、フラッシュ星の衛星グリーンスターで育つ。
 筋力・特に腕力に優れ、拳闘技で戦い、変身前もナックルガードをはめている。
 プリズムカイザーから繰り出すパンチ系の技で戦う。ぶっきらぼうに思われがちだが、
 自然を愛し、非常に仲間思いな性格の青年である。
 
○ブン=ブルーフラッシュ(超新星フラッシュマン)
 乳児の頃エイリアンハンターに誘拐され、フラッシュ星の衛星ブルースターで育つ。
 過酷な環境で育ったためサバイバリティ能力に優れ、身軽で垂直の壁もスイスイ
 登ることができる。手裏剣スターダーツと全身を包み込むプリズムボールが武器。
 五人の中で一番お子様な性格をしており、また女性にはめっぽう弱い。

○サラ=イエローフラッシュ(超新星フラッシュマン)
 乳児の頃エイリアンハンターに誘拐され、フラッシュ星の衛星イエロースターで育つ。
 極寒世界で育ったため寒さに強く、プリズムバトンで吹雪を発生させて戦う。
 五人中唯一人、実の両親を見つけることができ、母星に帰れば恋人ミランが
 いるという、結構幸せ者だったりする。洞察力・分析力に優れた参謀役。
 
○ルー=ピンクフラッシュ(超新星フラッシュマン)
 乳児の頃エイリアンハンターに誘拐され、フラッシュ星の衛星ピンクスターで育つ。
 超重力世界で育ったため地球の重力程度なら何のその、空中散歩も自在である。
 それを活かしたプリズムブーツで空中を浮遊するトリッキーな動きで戦う。
 かなりの食いしん坊だが料理を作るのは苦手である。
 
○マグ(超新星フラッシュマン)
 フラッシュ星人に製作された、フラッシュマンのサポートロボット。
 差し込まれたフロッピーディスクのプログラムで性格が変わってしまうため、
 最初はラウンドベースの警備ロボとして機能しており、無断侵入した
 ジンたち五人を攻撃した。腹部にはモニターがある。

○王女シーマ(電撃戦隊チェンジマン)
 星王バズーに滅ぼされたアマンガ星の王女。大星団ゴズマの戦闘員に
 組み込まれ、ギルーク司令官の片腕「副官シーマ」として働いていた。
 修羅と化した間に声色も男のような声で喋っていたが、捨て駒にされそうに
 なりゴズマを裏切る決心をする。彼女を思いやるブーバの命を賭した行動に
 より仮死状態とされてから本来の心と姿を取り戻した。以後はチェンジマンたちと
 一緒に行動し、最後までゴズマと戦った。宇宙獣士ウーバの母乳で育った過去が
 あるため、人間の女性と変わらない今の姿が本来のものかは不明である。

○航海士ゲーター(電撃戦隊チェンジマン)
 ナビ星出身のひょうきんな宇宙人。大星団ゴズマの戦艦ゴズマードで
 航海士として働いていたが、母星から来た妻や息子の説得で心を痛め、
 二人目の子供をこの手に抱きたいという父親の一念で奮起、ゴズマを
 裏切ってチェンジマンたちと一緒に戦った。何故か関西弁を喋る。


『立ち上がれ!宇宙の友よ』エピローグ-1

作者・シャドームーン

66

***宇宙空間***


バイカンフーやフラッシュマンたちが地表で戦っていたその頃――。

ウルトラレイカー「ウルトラWチェーンクラッシャー!」
ゴッドマックス「ゴッドソニックバスタァァァー!」

ガッシィン
ギュオオオオオ――ン


インペライザー「………!……!」
 
ドゴォォン
 
ウルトラレイカーの両肩から射出されたチェーンクローがインペライザーを捕獲し、
近くにいたもう一体に振り回して衝突させた。そこへすかさず、ゴッドマックスが
両手をV字に広げて発生させたリング状エネルギーを放ち、二体を拘束して縛る。

ゲシュペンストMkⅡ「照準固定・グラビトンランチャー、発射!」

ドガガァ――ンッ!

動きの止まったインペライザーズを狙い撃ち、これを撃破するゲシュペンストMkⅡ。
全員、ボディの至る箇所に皹割れと着弾痕だらけの満身創痍であった。
しかしインペライザー軍の空間転移は止まらない…

ウルトラレイカー「これで何体目だ?」
ゴッドマックス「さあな…ETFめ、大した戦力だ」
ゲシュペンストMkⅡ「(まだ撤退の様子は見られない…スピルバン、頼むぞ…!)」

ウルトラマン「シュワッ!」
ウルトラセブン「デュワッ!」
ジャック&エース「――シェァァッ!」

ビィィィィィ―――…ドドォン!

マンとセブンが操る八つ裂き光輪とアイスラッガーが左右から飛び交い、
インペライザー両腕の武器を切断した。そこへジャックとエースが合体光線を
叩き込み、爆散する鋼鉄の機兵。彼らの周囲に、スペース・デブリと化した
無数の円盤やインペライザーの残骸が浮遊し、その中心で傷付いた兄弟に
「リライブ光線」で回復を試みるウルトラセブン。
だが健闘空しく、限界を告げるカラータイマーが無情にも点滅していた。

丁度その時、キングエクスカイザーがETF司令船にあと僅かという距離まで迫っていた。
インペライザーを食い止める彼ら同様に、ボディは傷だらけであったが搭乗している
ドラゴンジェットは比較的ダメージが浅いようである。「切り札」でもあるそれをなるべく
敵の攻撃に晒さぬように、彼が上手く立ち回っていた証拠であった。

テンペラー星人「我々に向かって来るとは身の程知らずな……
 グフフフ、よ~し俺が直々に息の根を止めてくれるわ!」
ザラブ星人「待ちたまえ。彼らはもはや瀕死も同然、わざわざ出て
 相手をせずともじきに力尽きる」
ガッツ星人「それともテンペラー星人よ、やけに自身ありげだが…
 カイザーズ相手に必勝の策でもあるというのか?」
ナックル星人「そうとも、敵をよく調べもせず挑みかかれば痛い目に
 遭うぞ。貴殿の同族のようにな、ハハハハハ」
テンペラー星人「黙れ! この三流星人どもめが。貴様らのように
 捨て駒怪獣を使って様子を見るような面倒な真似などせずとも、
 我がテンペラー星の科学を持ってすれば奴らなど恐るるに足らん!
 メビウス如きに敗れたクズと俺を一緒にしないでもらおうか」
ナックル星人「さ、三流星人だと! 許せん、その言葉、取り消せーっ!」
ザラブ星人「まあまあ兄弟…目の前に迫る敵を前に諍いはやめたまえ。
 それほど自信がおありなら、ここはテンペラー星人のお手並みを
 とっくり拝見と行こうではないか」
ナックル星人「…フンッ!」
テンペラー星人「せいぜい指でも咥えて見ているんだな、腰抜けめ」

キングエクスカイザー「む……?」

ETF司令船から、人形らしきものが射出され…それがどんどん巨大化して
キングエクスカイザーを上回るサイズのテンペラー星人が出現した!

67

テンペラー星人「ワハハよくぞここまで辿り着いた、褒めてやろう」
キングエクスカイザー「ETFの悪党宇宙人ども! この大宇宙の平和を
 乱す輩は、この私が許さんっっ!」
テンペラー星人「貴様らのそんなセリフは聞き飽きておる!!
 今すぐにこのテンペラー星人様が永久にその口を閉ざしてやるぞ」

ボオオオオオオォォォ――ッ!

キングエクスカイザー「カイザーブラスター!」

両手のハサミを広げ、火炎放射攻撃を行うテンペラー星人。
キングエクスカイザーも胸部のライオンが口を開き、高熱線ビームを吐いた。
両者の火炎と熱線がぶつかり合い、互角の勝負が続いた。

テンペラー星人「随分傷付いておるようだが、その体でこれを受けられるかな!」

ヒュンッ ヒュュンッ バチィ!

テンペラー星人はハサミから放電ムチ、ビームウィップを発生させ接近戦に出た。
奴の睨み通り、ドラゴンジェットを温存するため攻撃を一身に受けて戦って来た
キングエクスカイザーのボディは傷付き過ぎており、
ビームウィップをガードして受ける度、火花が上がっていく。

テンペラー星人「ワハハハ、そらっそら! 怪我人は引っ込んでいろ」
キングエクスカイザー「ぐぁぁ…! カ…カイザーショット!」
テンペラー星人「―!!」
 
苦しみに耐えながら、両手から十字型の手裏剣を発射するキングエクスカイザー。
猛回転で飛ぶそれは、ガスを噴出してさらに彼を苦しめていたテンペラー星人の
首の辺りから生えている青い管を切断した。至近距離で不意を突かれ、慌てて後退する星人。

テンペラー星人「ぐがが…ッ 貴様ァ~よくも!」
キングエクスカイザー「カイザーソード!」
 
怯んだ星人を見て勝機を見たキングエクスカイザーが、必殺攻撃の動作に入る。
右足のハッチから射出されたカイザーソードを正面に突き出すように構え、
その刀身を胸のライオンが吐き出す熱光線で「炙り」白熱化させた。
 
キングエクスカイザー「サンダァァァー・フラァーッシュ!!」

両手で上段に構えたカイザーソードの切っ先から、スパークするエネルギーが
閃光を発して伸びる。柄の宝石のような部位も光り、左右に閃光が走った。
地球で幾多のガイスターロボを滅殺して来た『サンダーフラッシュ』が決まれば、
テンペラー星人といえど一溜まりもないだろう……だが!

テンペラー星人「フフフかかったな…〝エネルギー生命体必殺光線〟!!」
キングエクスカイザー「うわあああああ!?」

必殺技を決める直前のキングエクスカイザーに、極悪宇宙人の“奥の手”が
浴びせられた。テンペラー星人が悶絶している彼に勝ち誇る笑いと共に語る。

テンペラー星人「ワハハハ。貴様のような巨大ロボットが必殺武器を使用する時!
 それは多大なエネルギーを使う時であり、最大の隙が生まれる瞬間でもあるのだ!
 見たか我がテンペラー星の科学力を!! この光線には、エネルギー生命体が
 拒絶反応を示す物質が含まれているのだ。憎っくきウルトラ兄弟同様に、貴様ら
 エネルギー生命体の宇宙警察どもに我々の身辺をウロチョロされるのは甚だ迷惑。
 このような事もあろうかと、密かに対策を練り身に付けておいたのよッ!!」
キングエクスカイザー「ぐううううう…お、おのれ…これしき」
テンペラー星人「いくら強がっても“入れ物”は正直なようだな。そ~らやがて砕け飛ぶ
 その金属体から、本体のエネルギー体がたまりかねて出て来るわ…フハハハ」

68

キングエクスカイザー、絶対絶命のピンチ!この様子に気づいた
ウルトラレイカーとゴッドマックスが急ぎ救出に向かおうとする。

ウルトラマン「待て! エクスカイザーのあの苦しみ方…普通ではない。
 どうやらテンペラー星人は、我々ウルトラ族以外にも有効な必殺光線を
 身につけているようだ…君たちが接近すれば、おそらく同じ事になるぞ」
ゴッドマックス「だからといって、エクスカイザーを見殺しにはできん!!」
ウルトラレイカー「エクスカイザーは私たちのリーダーなんだ!」
ウルトラセブン「分かっている…だから救出には、我々が行こう」
ゴッドマックス「何だって!? しかし、セブン…貴方たちはもうエネルギーが…」
ジャック「フフ…ボロボロなのは、君たちも我々も皆同じじゃないか」
エース「俺たちが向かえばテンペラー星人はウルトラ兄弟必殺光線を使って来る。
 我々が奴の注意を引き付けている間に、彼を救出するんだ!」
ウルトラレイカー「ウルトラマンエース…ウルトラマン、貴方たちは…」
 
赤く点滅しているカラータイマー。疲労の極限状態にありながらも、
命懸けの行動を躊躇せずにやると申し出るウルトラ四兄弟の決意に、
ウルトラレイカーとゴッドマックスは深い感銘を受けた。
様々な平行世界を旅し、その都度彼ら勇気ある「ヒーロー」と出会い、
別れて来たギリアムも“何度目かの”同じ感想を抱いていた……

テンペラー星人「…ん? クックク、ウルトラ兄弟め…そんなに死に急ぎたいか」

こちらへ向かって来るウルトラ兄弟たちに気づいたテンペラー星人が、
視線をキングエクスカイザーから外した。

キングエクスカイザー「く…私のために、彼らを危険に晒すわけにはいかん。
 今だ、ドラゴン!!」

キングエクスカイザーが乗っているドラゴンジェットが、突如として彼から離脱――
変形を始めて青い人型のロボットとなり、テンペラー星人に向かった!

ドラゴン「………」
テンペラー星人「な、何だこいつは!? …グハァッ!」

バキィィッ!

ドラゴンジェットが変形したロボットが、驚くテンペラー星人を蹴り飛ばした。
必殺光線から解放されるキングエクスカイザー。
亀裂だらけで煙を上げているため、一瞬よろめいてしまうが、
最後の力を振り絞って胸部と脚部のハッチを展開し、中から合体していた
エクスカイザーが飛び出した。

エクスカイザー「フォームアップ!」

額のウイング状のセンサー部が発光し、それに呼応したドラゴンが
胸部ハッチを展開してそこから彼が合体するための道筋、
フォームアップ・ロードを放射する。その中へ吸い込まれるように入り、
両手を広げてドラゴン内部に合体するエクスカイザー。
ハッチが閉じ、折りたたまれていたドラゴンの両腕が迸るエネルギーと共に
左右へ展開。ドラゴンの両目に緑色の光が宿り、合体は完了した。

ドラゴンカイザー「巨大合体・ドラゴンカイザー!」
テンペラー星人「ド、ドラゴンカイザーだと!? それが貴様の奥の手というわけか…
 バカめ~~っエネルギー生命体である以上、この俺の必殺光線にかなうかッ!
 今度こそ死ねぇい、エネルギー生命体必殺…」
ドラゴンカイザー「ドラゴンアンカー!」
テンペラー星人「グァッ!?」

ドガキィィッ!

69

温存されていたドラゴンカイザーのパワーが今、爆発する!
その技は見切った――とでも言わんばかりに、ドラゴンカイザーの両肩に装着されている
“龍の爪”が瞬時にケーブルらしきものを伸ばし飛翔、テンペラー星人の死角を突き、
奴を前のめりの格好によろけさせた。キングエクスカイザーの重厚な動きとはまた異なる、
武闘家のようなキレのある動きを繰り出すドラゴンカイザー。
よろけたテンペラー星人に素早く接近すると、両腕に装備された二連装ビームキャノンを
トンファーのように構えて回し、連続的な打撃の猛襲を星人に浴びせた。

ドラゴンカイザー「アチョォ――ッ ホオ~ゥアタタタタタタタ! ウォッチャー!」

ドガァッ! バギィ―ズドドドドドドッ! バギャァッ――!

テンペラー星人「グヘッ! ガハッ! ゲハァッ…ブ、ブッギャァ~ッ!」

バヒュゥ~~~ン……ドドオン!

散々突きと蹴りを叩き込まれた挙句、トドメとばかりに放たれた
レッグ・ラリアートをもろに食らい、テンペラー星人は絶叫を発して
近くの小隕石まで吹っ飛び、そこへめり込んでしまう。

テンペラー星人「ががが…ぐふうう…おのれぇぇぇ~」
ドラゴンカイザー「ドラゴンアーチェリー!」
 
カイザーソードに変わる必殺武器に手をかけるドラゴンカイザー。
胸に輝く黄金の“龍の顔”にある弓の形をした部分が、中心から左右に
展開して伸びる。それを掴み、弓を引く体勢に構えると、背部から射出
された矢をつがえ、もがいているテンペラー星人に狙いを定めた。
 
テンペラー星人「ぐ、ぐおおお…う…動けん!」
ドラゴンカイザー「サンダァァァー・アローッ!!」

ドラゴンカイザーが構える矢にエネルギーがスパークして漲る。
“光の矢”が弓から放たれ、テンペラー星人を隕石ごと貫き射抜いた!
バラバラになる隕石もろとも、極悪宇宙人は爆発四散する。

――グサァッ!! 
ドガァァァンッ

 
テンペラー星人の脅威が消えた時、ホープ星からまるで時を同じくする
ように多数の宇宙船やUFO群が飛び立っていく……
その中には、何かを喚きながら怪鳥ジャンゲランで飛び去る
女王アハメスの姿もあった。

ゲシュペンストMkⅡ「おお、やったか…!」

ザラブ星人「潮時のようだな…ゴズマ軍はどうやら制圧惑星の
 防衛に失敗したらしい。クインテッサ星人も逃げたようだ」
ガッツ星人「アハメスも逃亡した以上、これ以上我らが付き合っている
 理由もない…ではこちらも一旦引き揚げるとするか」
ナックル星人「ハハハ、テンペラー星人め。大口を叩きおって…
 結局は同族と同じザマはとはマヌケな奴だ!」
 
ドラゴンカイザーが捕獲しようとするが、すでに撤退行動をとっていた
ETF司令船は、ホログラフのように輪郭がぼやけ出し、
宇宙空間の暗闇に溶け込むように姿を消して行った。

70

ドラゴンカイザー「逃げられたか…」
テンペラー星人の声「ワァッハッハッハッッハッハッハ」
ドラゴンカイザー「!?」
 
突然周囲に響き始める何者かの笑い声。
それはなんと、倒したはずのテンペラー星人のものであった!
驚くドラゴンカイザーが見上げると、円盤船が一機浮かんでいる…

  ::|     ||
  ::|  〃!r(0()0)ト、
  ::|  ,\\ミ三/ /、
  ::| く゚。:::ヾ^-v-ツ:。゚>
  ::|  ヽヾ゚o>l::l<oツ
  ::|(o)ニニ):::シ[:]ミ::(ニ(o)
  ::|r--一'::::::ミ〈:〉'::^一--、
  ::|ヾ゚。ll゚。ll/:<:::::>:ヽll。゚ll。ノ
  ::|/:::\ll/:::<:::::::>::lヽ./⌒ヽ.
  ::|ヽ::::/=!::::く:::::::>:::!=(へv、::l
  ::|/⌒\ヽ::::ヽ:/:::ノヘl ヽ^:::ノ
  ::|::::,vへ):::\:::/:ム:l|-| ̄
  ::|ヽ:::^ノミ:::::`´:::::シミl-|
  ::||- ̄<^)ミr-一-、(^>-|

テンペラー星人「驚いたかね。敵を騙すには味方からと言うからな。
 貴様が倒したのは、ワシのダミーに過ぎないのだ!」
ドラゴンカイザー「何だと!?」
ウルトラ四兄弟「ヘアァァーッ!」

駆けつけたウルトラ兄弟が一斉に円盤めがけて光線を放つが、
残り少ないエネルギーでは勢いがなく、簡単に避けられてしまう。

テンペラー星人「おかげで幸運にも、いいデータが収集できたがな。
 この次に会う時は、もっと遥かに強力なエネルギー生命体必殺光線を
 お目にかけよう。ウルトラ兄弟よ、貴様らも首を洗って待っていろ。
 ワハハハハハ、ワァーーーハハハハッ!!」

彼らを嘲笑うかのように、円盤船は高速ワープで何処かへ飛び去ってしまう。
辺りにはまだ極悪宇宙人の残した笑い声の残響が聞こえていた…

ドラゴンカイザー「恐ろしい相手だ…」
ウルトラマン「それが、テンペラー星人です」
ウルトラセブン「しかし大したものだ、俺たちが助けに入る
 までもなかったな」
ウルトラレイカー「いいやウルトラセブン。貴方たちの宇宙の勇者に
 恥じない行動、私たちは決して感謝を忘れない」

浮遊している残骸物の数が凄まじい激戦を物語る戦場で、
傷ついた体をおさえながら、共に戦い抜いた者たちが健闘を称え合う。

ゲシュペンストMkⅡ「皆の怪我も相当なものだ。一度ホープ星に降りて、
 仲間と合流しよう。通信装置をやられたので地表と連絡できないしな…」
エース「ホープ星も怪我人だらけだろうし、銀十字軍にも来てもらおう」
ジャック「そうだな…それがいい」
ゴッドマックス「我々はボディの修理にサイバトロン基地ムーンベース2に向かうよ。
 幸いここから近い。君やギャバン隊長たちも、母船やその機体の修理が
 頼めるから後で来るといい。用意しておくよう伝えておくから」
ゲシュペンストMkⅡ「それは助かります。では後で必ず」
ドラゴンカイザー「ああ、待っているよ。じゃあ」

カイザーズと別れたウルトラ兄弟は銀十字軍救護要請のウルトラサインを出すと、
XNガイストにゲシュペンストMkⅡを格納したギリアムを伴ってホープ星へ向かった。


○エクスカイザー/ドラゴンカイザー→テンペラー星人(ダミー)と戦闘。
 傷ついたキングローダーを修理するため、サイバトロン基地ムーンベース2へ。
○ウルトラレイカー→傷ついたボディを修理するため、サイバトロン基地ムーンベース2へ。
○ゴッドマックス→傷ついたボディを修理するため、サイバトロン基地ムーンベース2へ。
○ギリアム/ゲシュペンストMkⅡ→ホープ星へ向かう。
○ウルトラマン→ギリアムとホープ星へ向かう。ウルトラサインを出し銀十字軍を呼ぶ。
○ウルトラセブン→ギリアムとホープ星へ向かう。
○ウルトラマンジャック→ギリアムとホープ星へ向かう。
○ウルトラマンエース→ギリアムとホープ星へ向かう。
●テンペラー星人→ダミーをエクスカイザーと戦わせ、自らはデータを収集する。
●ザラブ星人→ゴズマ軍の敗北を知り撤退。
●ガッツ星人→ゴズマ軍の敗北を知り撤退。
●ナックル星人→ゴズマ軍の敗北を知り撤退。


『立ち上がれ!宇宙の友よ』エピローグ-2

作者・シャドームーン

71

***惑星ホープ***


ゴズマードを発進させ、逃亡を試みるスーパーギルーク。
かのドラキュラ伯爵を思わせる赤い裏地の黒いマントを羽織り、
頭髪はなく、白く生気のない顔に黒く縁取られた鋭く、冷淡な瞳。
「魔界の男爵」とでも形容するに相応しい最高司令官の表情は、
未だ余裕を感じさせる不敵な面構えを崩していなかった。

スーパーギルーク「ゴズマードよ、奴らを焼き払えッ!!」

ゴズマードの砲身が地上にいるフラッシュマンたちに照準を合わせ、
強力な光線を嵐のように浴びせかける。

スーパーギルーク「ハァッハハハ、虫ケラどもが。…む?」

ギルークが地上に気をとられている隙に、ゴズマードのコンソールパネルが
ゴズマ戦闘機の着艦を示すサインを出していた。
コックピットに飛び込んで来たその侵入者は―――

レッドフラッシュ「スーパーギルーク、覚悟!!」
スーパーギルーク「ぬおおおおおお!?」

グサアッ!
 
レッドフラッシュのプリズム聖剣が、スーパーギルークの心臓付近を見事に貫いた。

スーパーギルーク「お…のれ…チェンジドラゴンと同じ手で来おったな…」
レッドフラッシュ「宇宙の恨み、思い知れゴズマ!」
スーパーギルーク「ぐうう…バカめ、この俺がこの程度で倒せると思うかッ!」

バリバリバリ…

レッドフラッシュ「ぐわああああっ!」

呻き声を発しながらも、悪鬼の形相でレッドフラッシュを睨みつけるその眼から、
怪光線を発射して反撃に出るスーパーギルーク。至近距離で光線を浴びた
レッドフラッシュがたまらず苦しみながら剣を抜き倒れた。

グリーンフラッシュ「おい、墜落するぜ!」
イエローフラッシュ「ジン!!」

コントロールを失い高度を下げて行くゴズマード。ふらつく足どりでよろめきながらも、
スーパーギルークはなんとか操縦桿を握り地上激突スレスレで機を着陸させた。
煙を上げるゴズマード。どうやら修理が必要のようだ。
ハッチが開き、胸を押さえながらスーパーギルークが外へ出て来た。
身構えるフラッシュマン、シーマ、そしてレイナたち。

スーパーギルーク「うぬら、皆殺しにしてくれるわッ! スペース・バスター!!」

ゴオオオオオオオオ―!

怒るスーパーギルークが右手に持つステッキを頭上に掲げる。
するとそこから発生した光る渦の向こう側から、炎に包まれた隕石弾が
次々に降り注いだ。爆炎がおさまった後には、抉られたいくつもの小規模な
クレーターと散々に打ちのめされたフラッシュマンたち。

72

グリーンフラッシュ「……う……」
ブルーフラッシュ「お、おい…皆、生きてるか…?」
イエローフラッシュ「ええ、…なんとか…ね…」
シーマ「ギルーク…!」
スーパーギルーク「フハハハ、流石に皆しぶとい。ではとどめにもう一発――」
レッドフラッシュ「やめろスーパーギルーク!!」
スーパーギルーク「うぐ、貴様まだ!!」

背後からレッドフラッシュにプリズムシューターで狙撃され、スーパーギルークは
火花を上げてステッキを落としてしまう。しかしレッドフラッシュの追撃は避け、
凄まじい力で彼を掴み上げると、ゴズマードから叩き落とした。
放り出されたレッドフラッシュにすかさず駆け寄る仲間たち。

スーパーギルーク「こうなれば…何としても貴様らレジスタンスの首だけでも
 星王バズー様に献上申し上げる!! ぬあああああーーっ」

思い詰められた最高司令官が最後の力で、辛うじて人に近い姿を捨てた。
驚く彼ら一堂の前に、より禍々しい宇宙獣士に変身したギルークが剣と化した
二本の腕を振りかざし、黒と白の左右非対称に彩られた両足で降り立った。

ギラス「宇宙獣士、ギラァース!」
レッドフラッシュ「スーパーギルークが宇宙獣士に!?」
レイナ「なんて邪悪な姿なの…」
ギラス「ウオオオオ――ッ!!」
ロッドドリル「よっしゃあ来やがれっ!」

荒ぶる鬼神の如く唸りを上げてギラス二刀流で襲いかかる、最強の宇宙獣士・ギラス。
その圧倒的なパワーの前には、フラッシュマンたちのどんな攻撃も通用しない。
クロノス星の機械生命体であるドリルたちですら、自慢のボディを切り裂かれていた。
挑みかかっては斬られ、離れれば容赦のない強力光線が彼らを薙ぎ払っていく……
力の差を見せつけられ倒れていく彼らの中でも、王女シーマは果敢に立ち向かっていた。
だがやがて力尽き、崩れるように倒れた彼女にギラスがとどめを刺そうとする。

シーマ「うう……」
レッドフラッシュ「く…シーマ王女!」
ギラス「裏切り者よ…まずはうぬの首からもらうぞ」

仰向けに倒れているシーマを踏み付け、彼女を斬首しようと右手を振り上げるギラス。
文字通り“手刀”となっているその腕は死刑執行人そのものである。
突然、二つの光る球体がギラスに体当たりしてシーマから離れさせた。

ギャバン「チューウ!」
スピルバン「トゥー!」

バランスを崩した宇宙獣士にギャバンとスピルバンが同時に攻撃をかけた。
しかしギラスは難なく二人の斬撃を交差させた剣手で受け止めると、
レッドフラッシュを苦しめた眼から発射する怪光線を彼らに浴びせかけ、
さらに交差した刃から強烈な電撃を放った。
ギャバンとスピルバンのスーツに電撃が命中し、爆発を起す。

ギャバン「ぐわっ!!」
スピルバン「うわあー!!」
ロム「…おのれ!」
ジェット「だめだロム! ここは俺が…!」

彼らを追って駆けつけたロムが身構えるが、バイカンフーとして戦闘を終えたばかりで
体力が限界を超えている今の状態では結果は明らかであった。

レイナ「やめて兄さんっ! 無茶よ!」
ギラス「そう言えばうぬらにも散々邪魔をされたな…」
ギャバン「…まだ行けるか?」
スピルバン「はい…負けるものか!」

宇宙獣士ギラスのあまりの強さに、戦慄を覚える戦士たち。
両手を振り上げさらに苛烈な攻撃を彼らに加えようとしたその時、空から一羽の
黄色いセキセイインコが現れた。その鳥はまるでギラスの攻撃を妨害するように
奴の周囲を何度も飛び交う。

73

ギャバン「(ミミー! やめろ、そいつから離れるんだ!!)」
ミミー「(嫌よ! 私は貴方の女房…貴方を守るのが私の役目。死ぬなら私も…!!)」
ギラス「ぬう、うがぁっ! 何だ、この鳥は。ええい、うっとおしい!」

鳥を追い払う動作で腕を振り回すギラス。その様子を注視していたレッドフラッシュが、
この屈強な宇宙獣士に唯一点だけ、完璧ではない箇所を見つけていた。
そう、スーパーギルークの姿に彼が負わせたプリズム聖剣の刺し傷である。
ギラスはかつてチェンジマンに敗れた時と同じ徹をすでに踏んでいたのだ!

レッドフラッシュ「あの傷を狙うんだ!」

レッドフラッシュの号令でフラッシュマン全員が5人の剣を合わせ合体、
一本の巨大な投げ槍となる。そして、まだ鳥に気をとられている
ギラスの胸の傷に狙いを定め、レッドフラッシュが『スーパースピア』を投げつけた。

ドズゥッ!

ギラス「ギャアアアアアッ!!」
ギャバン「チュウー!」
スピルバン「タァァー!」

ズバァ―ン

見事に命中したスーパースピア。絶叫する宇宙獣士にその間を逃さず接近した
ギャバンとスピルバンの連続斬りが決まり、ギラスの二刀流が切断されて宙を舞った。
斬られた両腕、槍が突き刺さった胸から膨大な火花を噴出させ、
悪鬼の断末魔のように恐ろしい咆哮を上げるギラス。
フラッシュマンたちがレッドフラッシュの武器レッドバルを中心に集まり、
それぞれの銃を重ねて5つの銃身を備える大型ガトリング砲を完成させた――

レッドフラッシュ「イエローフラッシュ、サーチ!」
イエローフラッシュ「… … オーケー!」
レッドフラッシュ「ローリングバルカン!!!」

ギュインギュインギュイン…ドゴォ―――オンッ!!

ギラス「グオオオオオ…我がギラス星に…永久に栄えあれ!!」

ドガァーァァン!!

高速回転する銃身から、鮮やかな5色のエネルギーが撃ち出され、
ついに最強を誇った宇宙獣士ギラスは粉々に粉砕された…。

レイナ「…凄い、やったわ!」
シーマ「……。ギルーク……」
ブルーフラッシュ「ふう~……きっつう~。ん? どうしたんだよダイ、
 きょろきょろしちゃってさ」
グリーンフラッシュ「いや…まさか、な」
ピンクフラッシュ「まさか何よ?」
グリーンフラッシュ「ここでクラーゲンが現れて、ギラスが巨大化復活!
 …とか絶対しねぇだろうな」
レッドフラッシュ「心配ない。メスの連中は今この星にはいない」
グリーンフラッシュ「ならいいいんだけどよ。俺たちにはもうフラッシュキングも、
 フラッシュタイタンも無いんだぜ。この先…どうなるんだろうな」
ブルーフラッシュ「………」
イエローフラッシュ「もう、今はそんな事考えてもどうにもならないでしょ。
 私たちは、今すべき事を…力の限り、やるしかないのよ…」

沈む仲間を励ますつもりで喋ったサラだが、当の本人が一番地球に残してきた
ものを常に気にかけていた。大破したフラッシュキングとグレートタイタン、
地球で過ごした家・ラウンドベース。そして家族………。
反フラッシュ現象という、忌わしき運命を克服するその日まで、
彼ら5人の宇宙の孤児たちの旅は続く。

ギャバン「…何か来るぞ! 気をつけろ!」
グリーンフラッシュ「なっ、クラーゲンか!?」
シーマ「いいえ。あ、ああ…! あれは……!!!」

74

◇    ◇

一方その頃。 ホープ星に向かったギリアムとウルトラ兄弟は、突如出現した
謎の黒い霧に進路を阻まれ星への降下を遮られていた。
その黒い霧は、やがて形を成し始め――巨大な剣らしきものを握っている、
黒い甲冑を纏った巨人の姿へと変わって行く!

ギリアム@XNガイスト「あ…あれはまさか、サタンゴース!!」
ウルトラマン「サタンゴースだって!?」
ウルトラセブン「これが…大魔神サタンゴース…」
ジャック「――危ない! 散るんだっっ!!」

サタンゴース?「……………」

サタンゴースの影法師と表現すべきか、その黒い霧が形造った巨人は、
無言のまま巨大な剣を振り回し、彼らを追い散らすような動作を見せた。
幻影とも影ともつかぬそれは、両目だけが赤い眼光を放っていた……。

ウルトラセブン「デュアーッ!」

セブンの放ったアイスラッガーが勢い良く飛び巨人の額に命中するが、
彼の予想通り手応えはなく、スラッガーがブーメラン軌道を描いて戻る。

ウルトラセブン「やはりこれは、実体ではないようだな」

◇    ◇

シーマ「星王バズー!!」
スピルバン「あれが…」
ギャバン「こりゃまた随分いきなりのお越しだな」

見上げる彼らの頭上に、突如出現した巨大な人型のホログラフィ――
人型といっても両手両足はなく、半機械人のような男の頭と胴体だけが
不気味に発光するオブジェの付いた球体の上に乗っているのである。

星王バズー「ゴズマに盾突く愚か者、及び裏切り者どもよ……
 おぼえておくがいい!!! カァーーーーッ!!」

レッドフラッシュ「うわーっ!」
シーマ「きゃあーっ!?」
ロム「いかん、皆つかまれ!!」

威厳に満ちたその声が、聞く者を圧倒する。バズーは突然口を開け、
大きく息を吸い込み始めた。吸い込まれていく瓦礫や残骸に混じり、
ゴズマードと砕け散ったギラスの破片も、ブラックホールのような暗闇に
包まれた星王の口内に吸い込まれて行った……。
束の間の悪夢のような来訪が去ると、ホープ星に陽の光が戻っていく。
互いに支えあう戦士たちの元に、スターコンドルやグランナスカに避難
していた生き残ったホープ星の人々が集まっていく。

同じ頃、黒い霧の巨人が消えたことでギリアムたちが地上へ降りて来た。
合流した彼らは双方の戦いを語り、互いの労を労うのだった。


***Gショッカー無幻城・???の間***


深い深い闇の奈落を、かつてギラス星一の武人と呼ばれた男が落ちて行く。
二度目の〝死〟により砕け散った肉体は、すでに何者かの手によって
完璧に復元されていた……。男は意識がない様子で、宇宙空間を
漂っているかのようにゆっくりと、静かに…奈落の底へと堕ちて行く………

???「…メヨ …メルノダ…ギルークヨ…」
ギルーク「誰だ…俺を呼ぶのは? 俺は再び戦に敗れた……
 また…闇の中へ還るだけだ…できることなら今度はもう…静かに…」

『〝ナラヌ!!〟』

ギルーク「――! その声は…!」

星王バズーの声「ギルークよ! 余の許しなく、勝手に眠ることは許さんぞ」
ギルーク「せ…星王バズー様!!」
サタンゴースの声「お前にはまだまだ働いてもらわねばならん」
創世王の声「そして次はお前が目指すがよい。我が王座を!」
ギルーク「おお…至高邪神様、では私めに次期創世王を目指せと…?」
ショッカー大首領の声「その通りだギルークよ。お前の力と忠誠心はこのまま
 闇に葬るには惜しい。新たなる体で…Gショッカーの頂点を制してみよ!」

カア―…

突然奈落の底から暗闇を照らし出す光。その光の中から、いくつもの触手が
伸びて来てギルークの肉体に改造手術を行っていた――
宙刷りになっている彼が見た者、それは巨大な岩のような顔であった。

クライシス皇帝の声「汝に新しい肉体と力を授けよう…お前はより強大に
 生まれ変わり、全能力を持ってGショッカーの宇宙制覇のために働くのだ!」
星王バズーの声「フフフ…そして、見事それを成し遂げた暁には、
 改めて名乗るがよい。新たなギラス星の王を!!」
ギルーク「お…お…では私に我が母星ギラス星を再興して下さると……!!
 星王バズー様…いや至高邪神よ…このギルーク、全身全霊を持って……
 貴方の望みを必ずや叶えてみせましょうぞ…フフフフ…フッフフフ、フハハハハ…ハ」

エネルギーを送り込むかのように、彼の全身が閃光に包まれて行った時、
一瞬だけ……宇宙獣士ギラス以上に禍々しいシルエットが浮かび上がった……。

75

○一条寺烈/ギャバン→宇宙獣士ギラスに変身したギルークに挑む。
○ミミー→ギャバンたちを救うため、インコの姿でギラスの気を反らそうとする。
○ジン/レッドフラッシュ→宇宙獣士ギラスに変身したギルークをローリングバルカンで撃破。
○ダイ/グリーンフラッシュ→宇宙獣士ギラスに変身したギルークをローリングバルカンで撃破。
○ブン/ブルーフラッシュ→宇宙獣士ギラスに変身したギルークをローリングバルカンで撃破。
○サラ/イエローフラッシュ→宇宙獣士ギラスに変身したギルークをローリングバルカンで撃破。
○ルー/ピンクフラッシュ→宇宙獣士ギラスに変身したギルークをローリングバルカンで撃破。
○シーマ→宇宙獣士ギラスに変身したギルークに挑む。
○城洋介/スピルバン→宇宙獣士ギラスに変身したギルークに挑む。
○ロム→宇宙獣士ギラスに変身したギルークに挑むが、体力限界。
○レイナ→宇宙獣士ギラスに変身したギルークに挑む。
○ロッドドリル→宇宙獣士ギラスに変身したギルークに挑む。
○トリプルジム→宇宙獣士ギラスに変身したギルークに挑む。
○ブルージェット→宇宙獣士ギラスに変身したギルークに挑む。
○ギリアム→黒い霧が成したサタンゴースに進路を阻まれる。ホープ星に降り立ち仲間と合流。
○ウルトラマン→黒い霧が成したサタンゴースに進路を阻まれる。ホープ星に降り立ち仲間と合流。
○ウルトラセブン→黒い霧が成したサタンゴースに進路を阻まれる。ホープ星に降り立ち仲間と合流。
○ウルトラマンジャック→黒い霧が成したサタンゴースに進路を阻まれる。ホープ星に降り立ち仲間と合流。
○ウルトラマンエース→黒い霧が成したサタンゴースに進路を阻まれる。ホープ星に降り立ち仲間と合流。

●スーパーギルーク/宇宙獣士ギラス→宇宙獣士に変身して全員を圧倒するも、ローリングバルカンで
  故郷を想いながら倒されてしまう。至高邪神の手で再生手術を施され、パワーアップ。
  大星団ゴズマの次期創世王候補に昇格した。
●星王バズー→ホログラフィ姿でホープ星に出現、敗れたギルークの破片及びゴズマードを回収して消える。
●サタンゴース→幻影のような姿でホープ星に出現、ギリアムとウルトラ兄弟をけん制して消える。
●他の至高邪神→ギルークに再生改造を施し、ゴズマの次期創世王候補の資格を与える。


『立ち上がれ!宇宙の友よ』エピローグ-3

作者・シャドームーン

76

***サイバトロン基地ムーンベース***


ここは地球側の月に建設された、サイバトロン戦士たちの地球との中継基地。
元々は彼らの故郷セイバートロン星にある二つの月に、ムーンベース1,2があったのだが、
ユニクロン戦争の折、ユニクロンの襲撃によってその基地は破壊されてしまった。
現在―未曾有の混乱が続く宇宙情勢の中、黄泉帰りの影響で復活したデストロン兵士
や未だに各星系で群雄割拠に明け暮れている歴代破壊大帝らの攻撃に備えるため、
この基地はムーンベースの名に因んで建設された。主な任務は、地球へ侵入を企てる
デストロン勢力の監視と、その防衛である。さらに、協力関係にある宇宙警備隊及び
宇宙警察など、主に太陽系方面で活躍しているヒーローたちの拠点としても使用されている。

ダッシュマックス「いてて…もっとそ~とやってくれよジイさん」
ホイルジャック「我慢せんかい。全く、お前さん方の戦い方は荒っぽいのう」
ダッシュマックス「そうはいっても敵さんが荒っぽいんだからしょうがねえだろが!」
ドリルマックス「まあな。今度ばかりは手強いタフな奴らが嫌になるくらいいたからなあ…」
グリムロック「何で俺を呼んでくれなかった! グリムロック、強い奴と戦いたい~~!!」
ホイルジャック「こりゃ静かにせんかグリムロック!」

ティラノサウルスのようなメカ恐竜が、残念そうにドタドタ足を鳴らしている。
ダイノボット部隊リーダー・グリムロック。オツムのほうは今ひとつ足りないが、勇猛果敢で
力持ち、三度のメシより戦いが好きで仲間想いの楽しい奴だ。
その彼を怒鳴りつけたのが、彼らダイノボットチームを恐竜の化石をヒントに誕生させた、
サイバトロン技術者ホイルジャックである。あのユニクロン戦争で命を落とした一人であり、
黄泉帰り現象のおかげで現役に戻れた幸運なサイバトロンだ。

ゴールドバグ「さ、これでよし。ドラゴンジェットのほうはどう?」
パーセプター「異常なし。こっちは点検OKだよ」
エクスカイザー「ありがとう。いつもすまないね、バンブル君」
ゴールドバグ「おっと、オイラのことはゴールドバグって呼んでね!」
エクスカイザー「そうかつい…悪かったねゴールドバグ君」
ゴールドバグ「いいってこと!」

マックスチームの修理をするホイルジャックらの横で、キングローダーとドラゴンジェットの
整備をしているサイバトロン科学者パーセプターと、その作業を手伝っている
情報指揮官ゴールドバグ。奥の医療区画では、ホープ星の激戦で傷ついたヒーローたちの
手当てを看護員ラチェットと、ウーマンサイバトロンのアーシーが担当している。
救急車に変形するラチェット医師も、黄泉帰ることができた戦死者の一人であった。

アーシー「はい、いいわよ。貴方がこんなに傷ついて帰るなんて珍しいわね」
烈「サンキュー。何しろ強敵でね。勝てたのが奇跡みたいなもんさ」
洋介「確かに。彼らがいなければどうなっていたか…」
ダイアナ「皆とってもいい人たちね…スピルバン」
洋介「ああ。そして哀しい人たちだ…俺たちと同じ」

フラッシュマン5人とマグ・ゲーター・シーマ王女は、新たにレジスタンスに加わると約束
してくれたロムたちマシンロボ軍団と共に、Gショッカーに占領された次なる星を救うため
出発する事となった。スピルバン一行は、幼い頃に故郷を遠く離れ家族と生き別れに
なったことなど似たような境遇にあるフラッシュマンとは深い友情を交わしていた。
城洋介は彼らと別れ際に交わした会話を思い出していた。

77

◇    ◇

ジン「それでご家族をバード星に…」
ダイ「ワーラーって奴らも酷でぇ事しやがるぜ。許せねぇな」
ゲーター「バード星にはわいの家族もえろうお世話になっとります!」

ゲーターはポケットから家族の写っている写真を取り出し見せた。

ゲーター「左からゾーリー…わいの女房ですねん。別嬪でっしゃろ!?
 真ん中にいるのが息子のワラジーと娘のクックや。あ、それから一番
 右端で大目玉パチクリしとるんがギョダーイいいまんねん。
 臆病なヤツやさかい、しょ~もないことでやたら驚く困ったヤツやけど、
 根はほんまにいいヤツなんでよろしゅうたのんます!」
ベン博士「そうですか…貴方も大切なご家族を残して危険な旅を…
 それはさぞ心配なことでしょう」
ゲーター「わてら、地球の人々にも宇宙の人々にも本当にようして
 もらいましてなァ…ご恩を返せるのは今しかないと思っとりますんや。
 家族と一緒に安全な場所でただ守ってもろうとるんじゃ、父親として
 子供らに会わす顔がない! 父ちゃんは男やっちゃう姿を、息子たちに
 しっかり見せてやるためにも、ガンバリまっせ!」
サラ「私のミランも今はそこに行ってるのよ♪」
ルー「おやおやそうですか(怒)」

洋介「それじゃ俺たちもそろそろ行きます。お元気で…」
ジン「こちらこそ。地球へ行ったら俺たちのぶんまで頑張って下さい」
ブン「うへへへ…これからはレイナさんも一緒かあ~」
ヘレン「きっとまた、地球で会いましょうね」
サラ「…うん。必ず行くわ。いつか必ず…!」
ロム「この剣狼が導くままに…お互いの旅の無事を祈ろう。良き旅を」

旅立つスターコンドルを見送るスピルバンたち―――
孤独な宇宙を旅する孤児となった者同士の、束の間の出会いであった。
彼らにもいつか、自分と同じように家族と再会できる日が来るだろうか?
いや、きっと来る。そう強く願う時空戦士3人。

◇    ◇

大型機の修理ドックでは、ギリアムがXNガイストの出力調整を急いでいる。
『システムXN』の調整だけは、それを知り抜いた彼にしかできないのだ。
外装及びゲシュペンストMKⅡの修理は、サイバトロンが手伝ってくれている。

ギリアム「ふう…。少しまずいことになったな…」
ダン「ギリアム少佐――」
ギリアム「ダ…モロボシさん、何か?」

突然声をかけて来たのは、ウルトラセブンの今一つの姿―『モロボシ・ダン』
気がついたギリアムが、作業を置いてドッグ下に降りてきた。

ダン「あ、いや…お仕事の邪魔をしてしまいましたか」
ギリアム「いえかまいません。丁度作業に詰まってしまいましてね。
 一息入れようかと思っていたところです。ところで何か御用でも?」
ダン「貴方は先ほどの戦闘中…僕を…いや私を“ウルトラセブン”
 とは呼ばずに“ダン”と言いましたね」
ギリアム「ああ…。あの時は咄嗟のことで、つい貴方を地球人名で
 呼び捨てにしてしまったのです。その非礼はお詫び致しましょう。
 どうか気を悪くされたのなら、許して欲しい」
ダン「いえそうではありません。あの姿の僕を見て、何故“ダン”という名が
 貴方の口から出たのか…それが気になっただけです。失礼だが、以前何処かで
 お会いしましたか? 私の記憶が確かなら、貴方に会うのは初めてのはず…」
ギリアム「…………」

78

ギリアムは、しばらく無言で考え込んでいたが―――
やがて普段通りの冷静な表情に戻り、軍人らしい凛とした口調で答えた。

ギリアム「私は地球連邦軍情報部に所属しています。職務柄、これまでに
 地球侵略を企てた宇宙人や秘密組織に関する記録に触れる機会は多い。
 当然、彼らから地球を守って来た人類の味方についても……。
 モロボシさん、貴方がウルトラ警備隊の隊員として、MAC隊長として、
 そしてウルトラセブンとして長年地球のために尽くしてくれたこともよく知っている。
 その貴方が、地球で親しくしていた方々の記録を調べている時に、ついつい
 私も気づかないうちに感情移入してしまったのでしょう。それであの時、
 苦戦している貴方を見て“ダン”と言ってしまったのです。それだけのことです…」

長髪で片目しか見えていないが、真っ直ぐな眼差しで語るギリアムの表情に、
何かを背負っていることがダンには見て取れた。
多くの人間を見て来た彼には分かるのだ。この男が背負っているものの重さが……。

ダン「そうですか――」

彼はそれ以上の追求はせず、軽く礼をしてドックから出て行った。

ダン「あの黒いロボット…それにギリアム。ギリアム・イェーガーか…」
ハヤタ「彼がそんなに気になるか、ダン」
ダン「ハヤタ兄さん」

考え事をしながら通路を歩いていたダンを、不意にハヤタが呼び止めた。
二人とも、過去にタロウの招きで地球に行った時に着ていた、
それぞれのウルトラサインがあしらわれた革のベストを着用している。

ハヤタ「実はな…私も彼には以前会ったことがあるような気がしてならないんだ」
ダン「えっ……?」
ハヤタ「不思議な男だなあ、彼は。何処から来たのか…」
ダン「ええ。私もそれをずっと考えていたんです」
郷「どうしたんです? そんな深刻な顔をして」
北斗「そうですよ。兄さんらしくないなあ~」


***ムーンベース司令室***


三つの大型モニターが置かれた司令室に、全員が集まっていた。
いよいよベン博士たちがバード星へ出発する時が来たのだが、ここでシステムXNに
問題が発生してしまった。ギリアムが何度も調整を試みたが、不安定な状態は
改善せず、このまま発動すれば何処の次元へ行ってしまうか分からないという。
現状でアギュイエウスの扉を潜ることは非常に危険と判断され、
XNガイストは通常航行でバード星まで向かうこととなった。

ギリアム「申し訳ない。肝心な時だというのに…」
ベン博士「いいえとんでもない。お世話をかけるのはこちらなのですから、
 どうぞお気になさらないで下さい。宇宙の旅には慣れてます」
洋介「父さん母さん、どうかご無事に。ギリアムさん、宜しくお願いします」
ギリアム「ご家族は俺が責任を持ってお連れするよ。君らもしっかり頼むぞ」
スカイリンクス「何なら我輩がお乗せしましょうか!? スカイリンクス航空では
 全席ファーストクラス、快適な宇宙の旅をお約束致しますよ!」
ホットロディマス「それがいい。途中でデストロンやETFの戦闘に遭遇でも
 したら大変だからな。スカイリンクス、君に彼らの護衛を頼もう」
スカイリンクス「ロディマス司令官の御命令とあらば! 皆さん大船に乗った
 つもりで安心して我輩に任せて下さい!」
ギリアム「それは助かります司令官。ですが私も任務ですので同行させて
 頂きます。システムXNをバード星の研究所で少し見てもらいたいことですし」
ホットロディマス「分かった、では決まりだな。スカイリンクス、頼んだぞ」
ブラー「アタシアタシアタシ! 頼りになる男ったらアタシしかいないでしょ
 いないでしょいないでしょ!?」
チャー「コラやめんか。お喋りのお前がいたんじゃ皆さんがウンザリするわい!」
ホットロディマス「ハハハ、確かにブラー、君は頼りになる男さ。だからいざって時に、
 この基地にいてくれなきゃ困る。分かったな?」

ホットロディマスは現在このムーンベースの司令官を任されていた。
まだ若いがサイバトロン初代総司令官コンボイから、リーダーの証マトリクスを
受け継ぎ二代目総司令官ロディマスコンボイとして活躍した人物だ。
コンボイの復活により、マトリクスを彼に返還して今はホットロディマスに戻っているが、
その経験を買われ現在でも、セイバートロン星から全軍の指揮を執っている
スターコンボイ総司令官に次ぐ存在として一目置かれている。

79

***ムーンベース発進スペース***


スカイリンクス「当スカイリンクス航空はまもなく発進致します!!
 お乗り遅れのお客様はございませんか?」

いよいよ出発の時は来た。スピルバンの家族が乗る“空飛ぶ山猫”スカイリンクスと、
同行するギリアムのXNガイスト、そしてバード星に護送されるベムサソリを乗せた
ギャバンのドルギランが発進しようとしている。
ウルトラ4兄弟も途中まで護衛を兼ねて見送ってくれることになった――

ベン博士「スピルバン、これを渡しておこう。きっと役に立つはずだ」
洋介「父さんこれは…?」
ベン博士「レーザースナイパー用のカートリッジだ。こんな研究はできれば
 したくなかったが、平和のために役立てて欲しい。
 中のエネルギーパックには私なりに手を加えておいた……」
洋介「分かりました、受け取っておきます」
ヘレン「お父様、お母様、お元気で……」
ダイアナ「ママ…平和になったらすぐ会いに行くから、待ってて…」
ベン博士「体に気をつけてな。立派に役目を果たしなさい」
烈「心配ないさ。俺とミミーもいるからな!」
洋介「烈さん…ありがとうございます!」
烈「フフ、最初に戦闘服を解除した君らを見た時は驚いたがな…
 俺たちの仲間に瓜二つの友人に、この広い宇宙で巡り会えたのも
 何かの縁さ。任しておきなって!」
ミミー「もうっギャバンたら、いつも調子いんだから…うふふ」

その時、バード星からの緊急通信が入った。コム長官からの司令を伝える
マリーンからの連絡である。シャイダーたちの窮地を知ったギャバン隊長と
ミミーは急遽地球へ救援に向かうことになり、協力を申し出たスピルバン
たちも一緒に同行する。

エクスカイザー「ベムサソリの護送は我々が引き受けよう。
 ギャバン隊長、君は急いで地球へ行ってくれ」
ギャバン「カイザーズの皆…すまん、恩にきるぜ!」
エクスカイザー「ところで、君たちはそのまま地球防衛の任務に着くのか?」
洋介「ええそうです。たった今、コム長官の許可を頂いたばかりですが…」
エクスカイザー「そうか。ではこれを…預かってくれないか」

エクスカイザーは通信用と思われるブレスレットを差し出した。
彼のシンボルである、獅子の顔があしらわれている。

洋介「これは?」
エクスカイザー「カイザーブレス。通信機だ。もし…何処かで、“星川コウタ”
 という名の少年に出会うことが会ったら、それを渡して欲しいんだ。
 私の地球にいる大切な友人でね。以前渡したものは、もう動かなく
 なっているだろうと思って…。もちろん探してくれと頼んでいるわけじゃない。
 ただ…Gショッカーが蔓延る今、もし何かの事件に彼や彼の友人たちが
 巻き込まれはしないかと心配なんだ。だから万が一…そういう出会いが
 訪れた時、そんなことがあればそれを渡してくれないか」
洋介「何だそういうことですか! お安い御用ですよ!
 コウタくん…ですね? いいですとも。こう見えても、地球には
 小学生くらいの子供たちが不思議とよく集まって来るお店の
 知り合いがいますから。もし会えたら必ず渡すとお約束しましょう!」
エクスカイザー「そうか…ありがとう。君たちの不思議な縁…というものに、
 私も些か興味を引かれてね。彼の特徴と…住まいは…」
ダイアナ「な~んだ、住所まで分かってるんじゃない。
 オッケイ、あたしがその子を訪ねて渡して来てあげる!」
エクスカイザー「い、いや…。君たちにも大切な仕事があるだろうし、
 そこまで迷惑をかけるわけには…」
ダイアナ「遠慮しないの! 私たちもママを貴方に守って頂くんだから、
 おあいこ…でしょう? ね、任せといて!」
エクスカイザー「…ありがとう」

80

程なくムーンベースから、スカイリンクスとカイザーズ、同行するギリアムの乗る
XNガイストと見送りのウルトラマンたちが飛び立って行った。
ドルギランとグランナスカは、地球へ向けて進路をとる。

『――宇宙を一つに!』

そう叫び見送るムーンベースで働くサイバトロン戦士たちが、気づかぬまま…
計器類の影に「潜んでいた」コンパクトカメラが動き出した。

トレーダー「チェ~ンジ、トレーダーでおます! ゲヘヘヘ…貴重な品物の
 情報を聞かせてもらいましたでぇ。システムXNか…こりゃあ珍しいお宝や!
 ダイノガイストはんにお知らせして、手に入れてもらいまひょか~!」

カメラが変形したミニロボットが、そのボディから分離して赤く光る玉になって
飛び出した。宇宙商人トレーダー。奴もまたガイスターやドライアス軍の
シュラ&ゾル同様に、悪のエネルギー生命体なのだ。

コンドル「カーーーー!」
トレーダー「おわーっ! な、何や!?」

トレーダーを追い抜き飛び立つその影は、デストロン軍団空中攻撃兵コンドル!
幾度となく諜報活動を行い、情報収集に余念の無いカセットロン軍団兵が、
今日もまた主に報告すべき情報を記録して去って行く…。


***惑星ジャール***


辺境の星、ジャール。悪の超ロボット生命体デストロンが、現在本拠にしている地である。
歴代破壊大帝の台頭により、デストロン軍団はいくつかの勢力に分裂していた。
そのような渦中においても、多数のデストロン兵士から支持を受ける絶対的なリーダーが
一人いる。“真の破壊大帝”と言っても過言ではないその男は―――。

コンドル「カーーー!」
サウンドブラスター「コンドルガ、モドッテキタ」
G1メガトロン「いやいやご苦労だったな。サウンドブラスター!
 早速テープを再生しろ」
サウンドブラスター「ハイ…メガトロンサマ」

デストロン初代破壊大帝メガトロン!
あのユニクロン戦争でコンボイと相討ちになり、戦死したとも囁かれた人物だ。
ユニクロンに目をつけれた彼は、新破壊大帝ガルバトロンとして再びリーダーの
座に帰り咲くが、謀略により再び長期間行方不明となっていた。
しかし永遠の宿敵コンボイがスターコンボイとして復活した時、彼もまた謎の
帝王ダークノヴァによりスーパーメガトロンとして復活していた。
そしてダークノヴァの呪縛より解放された現在…

G1メガトロン「グフフフ、システムXNか。いいことを聞いたぞ……
 これを我がモノにすれば、サイバトロンはおろかこのワシに従わぬ
 他の破壊大帝どもを永遠に消し去ることができるわけか。
 コンボイめが悔しがる様が目に浮かぶわ、フハハハハ!」

再生が終わり、デストロン情報参謀サウンドブラスターがカセットレコーダーから
ロボットモードに戻り居並ぶデストロン兵士の列に整列した。
ガルバトロン時代より付き従うサイクロナス、親衛隊スウィープス、アストロトレイン、
ブリッツウイング、ビルドロン師団にスタントロン軍団など、彼に忠誠を誓う軍団員は
主に古参のデストロン兵士が多い。

G1メガトロン「者ども聞け! ワシの不在の間に、勝手に破壊大帝を称する
 大バカ者が増えたようだが、デストロン軍団を率いる真のリーダーはこのワシ
 唯一人! さらに聞くところによると、勝手にワシの名を名乗る輩も何人か
おるらしいが言語道断!! よいかキサマら…後にも先にも、“メガトロン”
及び“ガルバトロン”を名乗っていいのはワシだけだ!! よくおぼえておけ!!」
デストロン軍団「ウオーーーー!!」
サウンドブラスター「ハイル・メガトロン!」
サイクロナス「ハイル・メガトロン!」
スカージ「ハイル・メガトロン!」
G1メガトロン「デストロン軍団、ワシに続けーーーーっ!!
 これよりバード星方面へ向かい、システムXNを奪うのだッ!!!」
デストロン軍団「トランスフォーム! メガトロン様に続けーーっ!」

初代破壊大帝メガトロンに率いられた軍団が、一斉に惑星ジャールを飛び立って行く。
――が、何故かスウィープスの一人が出陣に遅れをとっていた。

スカージ「コラ! 貴様、何をしてる! 早くせんか!!」
スウィープスA「…ハッ! (…クククク…)」

81

○一条寺烈&ミミー→シャイダーたちの救援に地球へ向かう。⇒地球編>286
○城洋介&ダイアナ&ヘレン→シャイダーたちの救援に地球へ向かう。⇒地球編>286
○ベン博士→スカイリンクスに乗り込み、バード星に出発。
○フラッシュマン5人→Gショッカーの占領下にある次の星を解放するべく旅立つ。
○シーマ&ゲーター&マグ→Gショッカーの占領下にある次の星を解放するべく旅立つ。
○ロム&レイナ&ドリル&ジェット&ジム→レジスタンスに加わり、彼らと旅立つ。
○ハヤタ→ギリアムと彼の愛機に既視感を覚える。途中までスカイリンクスを見送る。
○ダン→ギリアムと彼の愛機に既視感を覚える。途中までスカイインクスを見送る。
○郷秀樹&北斗星司→護衛を兼ねて途中までスカイリンクスを見送る。
○エクスカイザー→城洋介とダイアナに、コウタに新しいカイザーブレスを渡すように依頼する。
 ギャバンの代わりにバード星までベムサソリの護送を引き受ける。
○レイカー兄弟→ギャバンの代わりにバード星までベムサソリの護送を引き受ける。
○マックスチーム→ギャバンの代わりにバード星までベムサソリの護送を引き受ける。
○ギリアム→バード星へ向かう。
○ホットロディマス→スカイリンクスにベン博士らをバード星まで送るように指示。
○スカイリンクス→ベン博士らを乗せてバード星へ出発。
○ホイルジャック→マックスチームを修理する。
○パーセプター→キングローダー及びドラゴンジェットを修理する。
○ゴールドバグ→パーセプターを手伝う。
○ラチェット→ギャバンらの手当てをする。
○アーシー→ギャバンらの手当てをする。
●G1メガトロン→コンドルが持ち帰った情報によりシステムXNの存在を知り、
  これを強奪するべく軍団を率いて惑星ジャールを飛び立つ。
●サウンドブラスター→G1メガトロンに従う。
●サイクロナス→G1メガトロンに従う。
●スカージ→G1メガトロンに従う。
●コンドル→ムーンベースに潜みシステムXNの情報を入手。G1メガトロンに報告する。
●トレーダー→ムーンベースに潜みシステムXNの情報を入手。ダイノガイストに情報を流す。

82

【今回の新規登場】
○騎士ホットロディマス(トランスフォーマーザ・ムービー、トランスフォーマー2010、ザ☆ヘッドマスターズ)
 ユニクロン戦争で戦死したコンボイの後を継いだ、新総司令官ロディマスコンボイの前身。
 元来気ままで明るい若者で、総司令官の重責から悩み、苦悩しつつも必死にその任を 
 務めリーダーに相応しい資質を身に付けていった。後にコンボイが復活した際にマトリクスを
 彼に返し元のホットロディマスに戻った。現在は月面基地ムーンベースの司令官を務めている。
 ドラッグカー風のスーパーカーに変形する。

○女性戦士アーシー(トランスフォーマーザ・ムービー、トランスフォーマー2010、ザ☆ヘッドマスターズ)
 スーパーカーに変形する心優しく勇敢なウーマンサイバトロン。
 活発で行動力に優れ、射撃の腕前は正確無比。
 
○情報員ブラー(トランスフォーマーザ・ムービー、トランスフォーマー2010、ザ☆ヘッドマスターズ)
 異様な早口でまくしたてるように喋る、ちょっと変わった神経質な戦士。
 しかし任務は着実にこなす優秀なサイバトロンである。
 青いスーパーカーに変形する。
 
○戦士チャー(トランスフォーマーザ・ムービー、トランスフォーマー2010、ザ☆ヘッドマスターズ)
 経験豊富なベテラン戦士。知恵袋的存在として常にロディマスを支えてきた。
 昔の体験談を語り始めると止まらないが、長いので皆にはあまりまともに聞いてもらえず。
 ピックアップトラック型スーパーカーに変形する。
 
○星間輸送兵スカイリンクス(トランスフォーマーザ・ムービー、トランスフォーマー2010)
 自称・空飛ぶ山猫。自信家であり、一人称は「我輩」。スペースシャトルから
 ドラゴンのような形態に変形、さらに上下に分かれて始祖鳥型と山猫型に分離でき、
 戦闘能力・ 知能ともにかなり高い。コンボイの遺体を復活させるため、クインテッサ星人の
 一人を乗せて宇宙ペスト事件解決に大活躍したことも。

○情報指揮官ゴールドバグ(トランスフォーマーザ・ムービー、トランスフォーマー2010、ザ☆ヘッドマスターズ)
 初代コンボイ司令官の部下として、最初に地球へやって来たサイバトロン戦士の一人、
 情報員バンブルが負傷した際にスロットルボットとして生まれ変わった姿。
 人なつっこい性格で、愛すべき友人として地球人のスパイクたちと交流を結んだ。

○技術者ホイルジャック(戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー、トランスフォーマーザ・ムービー)
 サイバトロンの発明家にして明るく陽気な性格。ダイノボット部隊や、凍結装置イモビライザーなど
 数々の発明をするもののトラブルの種になることが多い。ユニクロン戦争時のサイバトロンシティ
 防衛戦で命を落としたが、黄泉帰り現象の影響により現役復活。

○科学者パーセプター(戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー、トランスフォーマーザ・ムービー
  トランスフォーマー2010、トランスフォーマーV)
 サイバトロンの科学者だが、ホイルジャック同様に発明家の側面もある。
 望遠鏡にもなる顕微鏡に変形。理屈っぽく回りくどい性格が玉に傷。
 後にビクトリーレオ誕生のビクトリー計画の中心人物としても活躍した。

○看護員ラチェット(戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー、トランスフォーマーザ・ムービー)
 サイバトロンの医師。救急車に変形する。ユニクロン戦争でメガトロンの襲撃により、
 他の仲間と共に無惨にも殺されてしまう。黄泉帰り現象の影響により現役復活。

○ダイノボット指揮官グリムロック(戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー、トランスフォーマーザ・ムービー
  トランスフォーマー2010、ザ☆ヘッドマスターズ)
 ホイルジャックが製作した、ダイノボット部隊のリーダー。ティラノサウルスに変形する。
 強靭なパワーを有する猛者だが知能は低く、当初は最も強い自分こそがリーダーに
 相応しいとコンボイに従うのを嫌い騒動を起すこともあった。根は単純で仲間思い。
 戦いと戦いの話がなにより好きだが、一度だけある事件により天才になってしまい、
 その頭脳でテックボット部隊を製作するという快挙を成し遂げた。

83

●破壊大帝G1メガトロン=G1ガルバトロン=スーパーメガトロン(戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー、
  トランスフォーマーザ・ムービー、トランスフォーマー2010、ザ☆ヘッドマスターズ、リターン・オブ・コンボイ)
 ワルサーP38に変形するデストロンの初代破壊大帝。G1コンボイこと初代サイバトロン総司令官の
 永遠にして宿命のライバル。知力・体力・カリスマ性そして狡猾さにおいては右に出る者はいない。
 ユニクロン戦争時にコンボイとの一騎打ちで瀕死の状態となるが、ユニクロンにより新破壊大帝
 ガルバトロンとして生まれ変わった。その後紆余曲折を経て行方不明となるも、帝王ダークノヴァによりスーパーメガトロン、さらにウルトラメガトロンとして復活しスターコンボイと激闘を繰り広げた。現在はダークノヴァの支配から解かれ、元の姿に忠実なボディを再構築したらしい。
 ここでは同名を名乗るデストロンリーダーたちと区別するためG1メガトロンと表記する。

●情報参謀サウンドブラスター(戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー、トランスフォーマーザ・ムービー
  トランスフォーマー2010、ザ☆ヘッドマスターズ)
 デストロン情報参謀サウンドウェーブが、ブロードキャストとの一騎打ちで戦死したのち、
 生まれ変わった姿。G1メガトロンへの忠誠心は昔から変わらず厚い右腕である。
 ダブルラジカセに変形。部下のカセットロン達を使い、偵察や奇襲を行う。
 部下のカセットロンたちからも非常に慕われている。

●航空参謀サイクロナス(戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー、トランスフォーマーザ・ムービー
  トランスフォーマー2010、ザ☆ヘッドマスターズ)
 反逆者スタースクリームに代わるデストロン軍団の新航空参謀。G1メガトロンがガルバトロンに
 再生された時、同時にユニクロンによって再生されたデストロン兵士の一人。
 「我がまま意のままガルバトロン」に忠実に従い、苦労の絶えない中間管理職的立場である。

●スウィープス参謀スカージ(戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー、トランスフォーマーザ・ムービー
  トランスフォーマー2010、ザ☆ヘッドマスターズ)
 サイクロナスの率いる親衛隊「スウィープス」のリーダー。G1メガトロンがガルバトロンに
 再生された時、同時にユニクロンによって再生されたデストロン兵士の一人。
 卑怯な性格だが、臆病でゴマすり屋である。ホバークラフト型の宇宙船に変形。

●空中攻撃兵コンドル(戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー、トランスフォーマーザ・ムービー
  トランスフォーマー2010、ザ☆ヘッドマスターズ)
 サウンドブラスターが指揮する デストロン軍団カセットロン部隊のメンバー。
 小型で小回りが利き、諜報・隠密・偵察活動には欠かせない万能兵士。
 カセットテープからコンドル型へ変形する。

●宇宙商人トレーダー(勇者エクスカイザー)
 宇宙海賊ガイスターと取引をしている悪徳宇宙商人。
 彼らと同じくエネルギー生命体である。
 常に算盤をはじいてダイノガイストと値段交渉をするも、
 凄みを効かせた彼の迫力に大概言い値で買わされている。


『エスケープ・ラン』

作者・ユガミ博士

84

***ペンタゴナ・ワールド・惑星コアム***
地球では、連邦政府の乗っ取りを画策していたティターンズの野望を剣桃太郎を
始めとする良識ある政治家達とヒーローの活躍により阻止する事が出来たその頃・・・。
その他の地域ではどのような戦いが行われていたのか。今回ペンタゴナ・ワールド
の戦いを見てみよう。ペンタゴナではかつて支配者として君臨していたポセイダルが
黄泉がえりにより復活。再び軍を編成し、ペンタゴナ各地を襲っていた。さらに
Gショッカー地下帝国軍の新生7大将軍の1人に迎えられ、HM(ヘビーメタル)だけで
なく、鳥型戦闘獣を戦力に加えている為、各地では苦戦を強いられていた。

ビギューン、ビギューン

ポセイダル軍のHM・グロイアが惑星コアムの都市を襲撃していた。

キャオ「くっそー、ポセイダルの奴!」

リーゼントが特徴のミラウー・キャオがポセイダル軍の攻撃に憤慨する。

ダバ「やらせるか!」

かつて反乱軍を率いたダバ・マイロードは愛機エルガイムに乗り込み、
ポセイダル軍から人々を守る為、戦っていた。

アム「ターナへは怪我をしている人を優先してー!」
レッシィ「慌てずに乗り込むのよ!」

ダバの仲間であるファンネリア・アムとガウ・ハ・レッシィはキャオと共に
都市に住む民間人を脱出させるため、避難活動を行っていた。

治安部隊隊員A「うわぁぁぁ!」

都市に配備されている治安部隊隊員の1人が攻撃を受け、倒れてしまった。

リリス「ダバ、攻撃が来るわ!」
ダバ「分かっている。(クワサンの為にも、負けるわけにはいかない!)」

向かって来る敵にダバはすかさず、セイバーで切りつけた。
さて、この戦いを敵戦艦から見る者がいた。

85

ギワザ「ふむ、戦況はまずまずのようだな。」

ポセイダル13人衆の第3席、ギワザ・ロワウはワイングラスを片手にブリッジから
戦況を眺めていた。

ギワザ「(ふふ、ポセイダルよ。私は必ず、貴様より上を目指して見せる。
 Gショッカーの世紀王候補をとなり、バトルファイトを勝ち抜き、創世王へと
 なってみせよう。そうなれば、このペンタゴナだけでなく、全宇宙が私の者となるの
 だからな。)」

ギワザはワインを一口飲み、静かに野望の炎をたぎらせるのであった。

戦闘獣オベリウス「ぎゃぁおぉぉ!」

戦闘獣オベリウスの破壊光線が都市を破壊していく。

???「うわぁぁ。」
???「大丈夫か!?」
???「ああ、何とかな。しっかし、やっかいな星に来ちまったな。」
???「とにかく、今はあの戦艦を目指そう。」

フードをかぶった謎の2人組はワークスを目指して、歩き出した。
彼等の正体は?

ダバ「く、何とかあの戦闘獣を何とかしないと!」

だが、オベリウスのミサイル攻撃がダバの乗るエルガイムへと向かって、
攻撃してきた。

リリス「きゃぁぁぁ!」
ダバ「く、ここまでか!」

コックピットに乗るダバとリリスにピンチが降りかかる。だが、そこへ・・・。

ビューンビューン

後方からのビーム攻撃によって、ミサイルは撃ち落された。

ダバ「今の攻撃は!?」

ダバが後ろを振り向くと、こちらへと向かって来る、緑のSL機関車と赤い
戦闘機がやってきた。

ダバ「あの機体は、もしかして・・・。」
ブルース『お久しぶりです。ダバ・マイロード。』
アイザック『ミト王子の依頼により、この戦闘に助太刀いたします。』

通信を開くと、緑の機関車―J9Ⅲ号からI.Cブルースが、赤の戦闘機―
ブライスターからアイザックが通信を送ってきた。J9とJJ9はGショッカー
から守る為、エドン国を離れられないミト王子により同じくGショッカーの
脅威に晒されているペンタゴナやグラドス等を助けて欲しいと依頼されたのだった。
(なお、銀河烈風隊はエドン国の治安維持を任されたため、残っている。)

ブルース「避難民の脱出は我々、JJ9が行おう。まだ残っている人達はJ9Ⅲ号に
 乗ってくれ。」
アイザック「了解だ。戦闘は我々、J9が引き受けよう。ブライシンクロンマキシマム!」

ブライサンダーはブライガーへと変形し、ダバ達の戦場へと加わった。

キッド「喰らえ、コズモワインダー!」

ブライガーの2丁のコズモワインダーで敵HMを撃ち倒してく。

86

一方、J9Ⅲ号が加わった事により避難もだいぶ進んでいた。

ジミー「まだまだスペースはあります。押さないで。」
スージー「怪我している方はこちらへ。」

JJ9のメンバーであるジミーやスージー達が避難民をJ9Ⅲ号へと入れていく。
だが、そこへ思わぬ存在がやって来た。

バーツロイド「脱出なぞ、させないぞ!」
ロック「な、何だ!コイツ等。」
DDリッチマン「ドロイドですよ、確か宇宙人犯罪者であるアリエナイザー達が
 よく使う人型兵器です。」

武器商人であるDDリッチマンはドロイドの事を説明する。
どうやらギワザはエージェント・アブレラからドロイドを購入していたらしく、
都市の住民を捕らえる為、投入してきたようだ。バーツロイドはアーナロイドを
出現させ、住人を捕らえるように命令する。アーナロイドは左手の銃で攻撃を
始めた。

???「うぉっと!」
???「トモカ!」
???「大丈夫だ、コウ。」

先程のフードを被った2人組の1人に当たりそうになり、被っていたフードが
外れた。そして、もう1人もフードを外す。トモカと呼ばれた人物は小さな眼鏡
が特徴の痩せ型の男性。もう1人のコウという少年は赤い髪と少女のように
美しい顔立ちが特徴。よく見ると、背中に剣を担いでいた。

コウ「よくも!」

コウは剣を取り出すと、凄まじい覇気を出しながら少年とは思えない動きで、
次々とアーナロイドを切り倒していく。

トモカ「コウ!・・・ち、しょうがねぇなぁ。」

トモカという男性も懐からトランプを取り出し、アーナロイドに向かって
投げると、こちらも切り倒していった。

ロック「ひゅー、やるじゃない。」

ロックも拳銃でアーナロイドを撃ち倒していく。

バーツロイド「調子に乗るなー!」

バーツロイドがロックへと攻撃をしようと迫るが・・・。

ズキューン

バーツロイド「ぐわぁ!」
???「・・・バラノイアかと思ったが、違ったか。」

J9Ⅲ号の屋根からバーツロイドを狙撃したのは色々なマシンがちぐはぐに
くっついているようなロボットだった。

ロック「あいつは・・・?」
ジミー「ロックさん、避難完了しました。」
スージー「皆さんも早く中に。」

戦っていた間、避難も完了し、いつでも発進が可能な状態になっていた。
その事を聞き、戦っていたロック達はJ9Ⅲ号に乗り込み、都市から脱出した。

87

J9Ⅲ号が脱出した所を見届けると、ダバやJ9達も撤退を始める事にした。

ロック「よーし、最後に戦闘獣を倒していきますか。ブライソードビーム!」
リリス「ダバ、バスターランチャーよ。」
ダバ「バスターランチャー、シュート!」

ドゴォーン

ブライガーのブライソードビームとエルガイムのバスターランチャーの2大
攻撃を受け、戦闘獣オベリウスは破壊された。

ギワザ「く、ダバ・マイロード達は!?」

攻撃が晴れると、ダバ達は既に撤退をして、その場にはいなかった。

ギワザ「く、この次は覚えていろよ!」

ギワザは苦々しく顔を浮かべ、モニターを見るのであった。

***J9Ⅲ号***

さて、無事合流を果たしたダバ達は改めて、J9とJJ9チームとの再会を喜んだ。
そして、ドロイドと戦ったコウ、トモカ、そしてちぐはぐなロボットと会った。

ダバ「先程はありがとう。僕はダバ・マイロード。よろしく。」
コウ「俺はコウ、コウ・ヤガミだ。」
ピート「女の子なのに、俺とか使うんだな。」
コウ「俺は男だ!」
トモカ「よせよ、コウ。俺はトモカ・タイガ。ま、気軽にトモカでいいぜ。」

女に間違われ、コウは激昂するがトモカがそれを諌めた。

ダバ「そういえば、君達の名はここらでは珍しいな。」
トモカ「ま、俺達はこの星系の生まれじゃあねぇからな。」
ブルース「というと生まれは?」
コウ「・・・信じられないかもしれないが、実は俺達は。」

そこでコウは自分達が遥か未来の世界から来た事を教えてた。コウ達によると、
地球は人が住める星ではなくなり、時の女王・フセの予言により、惑星が衝突
するという事を聞き、人々は脱出。以後、100万の昼と夜が流れ、天界と呼ばれる
場所へと訪れた100代目のフセは地球を再生しようと試みるものの、思わぬ事態で
天界のバランスが崩れ、宇宙が崩壊しようという危機にまで陥り、生き残った人々は
天界の周りの8つの衛星に移り住み、フセの事を二度と話さず暮らしていた。
そんな中、コウ達はフセの遺志を継ぎ、地球を再生させる使命を持っており、様々な
苦難があったが、地球は再生。しかし、その過程でコウやトモカ、その他の仲間は
それを見届ける前に死んでしまったのである。そして、気がつけばコウ、トモカは
この惑星におり、調べてここが過去の世界であり、別の宇宙だという事を知ったのであった。

ブルース「そんな事が・・・。」
ロック「随分、スケールのデカイ話だぜ。」
アイザック「おそらく、黄泉がえりと時空転移が同時に起こったのだな。」
ダバ「君達はこれから、どうするんだい。出来れば、このまま残って、ポセイダル
 と戦って欲しいのだけれど。」
コウ「・・・分かった。しばらくやっかいになる。」
トモカ「まぁ、行く当ては無いけどな。」

コウ、トモカは他に行く当てが無いので、しばらくダバ達と行動を共にする事を決めた。

ダバ「君は?」
バラリベンジャー「・・・俺はバラリベンジャー。バラノイアを追っている。」
アイザック「ん?バラノイアというと、あのマシン帝国の事か?」
バラリベンジャー「ああ、俺はバラノイアのマシン獣だ。」

バラリベンジャーとは、廃棄されたマシン獣やバーロ兵が皇帝バッカスフンドへの
恨みから、一つになったマシン獣で、その行動目的はバッカスフンドへの復讐。
しかし、車にひかれそうになった猫を助ける等、他のマシン獣とはどこか違っており、
その事からオーブルーこと三田裕司と友情が芽生えたが、バラノイアに洗脳され、
その命を散らしたのであった。彼も黄泉がえり、時空クレバスでペンタゴナへと訪れ、
バラノイアを追っていたのであった。

バラリベンジャー「バラノイアがいなかった以上、ここにいる意味は無い。失礼する。」
ロック「待てよ。」

バラリベンジャーが出て行こうとすると、ロックが止めた。

ロック「どうだい、アンタもしばらくここにいないか?」
バラリベンジャー「何?」
ロック「俺達は依頼で、宇宙各地をまわる事になる。そうすれば、アンタの敵も
  見つかると思うがねぇ。いいだろ、ブルース。」
ブルース「戦力には申し分ない。私は反対しないよ。」
バラリベンジャー「・・・何故、俺に手を貸す?」
ロック「ちょっとしたおせっかいさ。」
バラリベンジャー「分かった。しばらく、世話になろう。」

ロックも父親の復讐のために宇宙へとあがったので、人事とは思えないらしい。
バラリベンジャーはロックの申し出を受ける事にするのであった。

88

○ダバ・マイロード→エルガイムに乗り込み、ポセイダルと戦闘。
○リリス・ファウ→ダバと共にエルガイムに乗り込む。
○ミラウー・キャオ→住民の避難活動を行う。
○ファンネリア・アム→住民の避難活動を行う。
○ガウ・ハ・レッシィ→住民の避難活動を行う。
○J9チーム→JJ9チームと共にミト王子の依頼で、ダバ達を助ける。
○JJ9チーム→J9チームと共に、ミト王子の依頼で、ダバ達を助ける。
○コウ→黄泉がえりと時空転移でペンタゴナ・ワールドへ、ドロイドを倒す。
○トモカ→黄泉がえりと時空転移でペンタゴナ・ワールドへ、ドロイドを倒す。
△バラリベンジャー→バラノイアかと思い、戦闘に介入。ロックによりしばらくJJ9チームと行動を共にする。
●ギワザ・ロワウ→惑星コアムの都市を攻撃。
●戦闘獣オベリウス→惑星コアムの都市を攻撃。ブライガーとエルガイムにより撃破される。
●バーツロイド→アーナロイドを指揮。バラリベンジャーに倒される。
●アーナロイド→バーツロイドと共にJ9Ⅲ号を襲撃。

89

【今回の新登場】
○ダバ・マイロード(重戦機エルガイム)
本名はカモン・ワーラー三世で、ヤーマン族カモン王朝の王子。行方不明となった義妹で
許婚であるクワサン・オリビーの捜索と立身出世を望むキャオにつきあう形で故郷を後にし、
ポセイダル正規軍への入隊を志向したが成り行きから反乱軍に身を投じることとなる。
ポセイダルの治世への疑問から現体制の打倒を志向するようになり、ステラ・コバンの死後に
反乱軍を統べるシンボルとしてカモン王朝の継承者であることを明かしカモン・マイロードを
名乗るようになる。戦後は、新世界の建設に関わることなく、精神失調を来たしたオリビーを
介護するため隠棲する。しかし、新たな戦乱から再び、エルガイムに乗る。
乗機はエルガイム及びエルガイムMk-Ⅱ

○リリス・ファウ(重戦機エルガイム)
この世界ではほとんど絶滅した有翼人「ミラリー」(妖精)の数少ない生き残り。
見世物小屋で見世物にされていたところをダバに助け出され、行動を共にするようになった。
趣味は裁縫で、宇宙服まで自作。

○ミラウー・キャオ(重戦機エルガイム)
ダバの幼馴染で、世に出るつもりの無かったダバを連れ出し、共に旅をする。
お調子者だが優秀なメカニックで、一行のHM及び艦船のメンテナンスを手がける。

○ファンネリア・アム(重戦機エルガイム)
ミヤマ・リーリン一家に身を寄せており盗賊家業を働いていたが、ダバの一行を
襲った際にダバに惚れ、ダバらと行動を共にするようになる。ダバがエルガイムMk-Ⅱ
を手に入れると、エルガイムの専任パイロットになる。

○ガウ・ハ・レッシィ(重戦機エルガイム)
ポセイダル陣営の名家ガウ家の出身。家柄に加え実力も兼ね備えており、若くして十三人衆に
取り立てられ将来を嘱望されていたが、ダバに惹かれポセイダル軍を離脱。

乗機はヌーベル・ディザード等。

○ジミー見城(銀河疾風サスライガー)
J9Ⅲ号に乗り込んだカップルの男性。スージー張とは年齢の関係上、結婚できないため、
駆け落ちした。主にメカニックを担当。終盤、スージーと無事、結婚する。

○スージー張(銀河疾風サスライガー)
J9Ⅲ号に乗り込んだカップルの女性。ジミー見城と駆け落ちする。終盤、無事結婚した。

○DDリッチマン(銀河疾風サスライガー)
J9Ⅲ号を開発した武器商人。ビッグゲームのため、JJ9チームに提供する。
仕事の仲介役でもある。

○コウ・ヤガミ(神八剣伝)
赤い髪と瞳をして学生服を着ている。女性とよく間違えられるので、そのことをとても嫌い、
逆切れして暴走することも。父から託された珠がはめ込まれた刀・ムラサメを用いて戦う。
父のカジヤと共に氷天で暮らしていたが、氷天がオオワリ軍に攻め込まれた際、自身の母が
生きていることを知り、手がかりである珠とムラサメを手にし母を捜す旅に出る。
「宙」の珠を持つ。

○トモカ・タイガ(神八剣伝)
ギャンブラーで勝負師。親が破産したため、金品しか信用できない性格になったしまった。カード型電磁カミソリが武器。珠はサイコロにはめ込まれている。
機天で借金取りに追われていたところにコウたちと出会う。「水」の珠を持つ。

△バラリベンジャー(超力戦隊オーレンジャー)
廃棄されたマシン獣やバーロ兵が自分達を廃棄したバッカスフンドへの恨みから
誕生したマシン獣。バッカスフンドへの復讐のため、エネルギーを確保するべく
発電所等を襲っていた。しかし、子猫を助ける等、他のマシン獣とは違っており、
その事を切欠で三田裕司と友情が芽生えるが、バラノイアに洗脳されてしまう。
最後はオーブルーの乗るジャイアントローラーで倒され、塵となって消えた。

●ギワザ・ロワウ(重戦機エルガイム)
ポセイダル軍13人衆の第3席。実質的なリーダーで、ポセイダルではなく彼に忠誠を誓う者が
多い。野心家でポセイダルの座を狙っている。ネイ・モーハンを愛人にしていたが、あっさり
見捨てるなど冷酷な人物である。

●戦闘獣オベリウス(グレートマジンガー)
第1話に登場した鳥型戦闘獣。ミサイル攻撃や破壊光線を使う事が出来る。。


『正義の旗の下に その名はブレイバーズ!』-1

作者・大ザンギャックのブラジラ

90

***惑星エンペリアス・星間評議会首府***

旧銀河連盟の中心地であり、現在は三次元宇宙を統べる
星間評議会の首府都市が置かれているエンペリアス星。
評議会議事堂や行政府ビルなどの他、高さ1000mを超える超高層建築物が立ち並び、
その間を駆け抜ける幾つものハイウェイを無数のエアカーが飛び交っている。

そして今日も、星間評議会議事堂の大廊下では議員たちが忙しく行き交っている。

ヌマ・O「これはハーリン議員」
ハーリン「ヌマ・O長官」

大廊下ですれ違いざまに互いに声をかけたのは、宇宙警察機構のトップであるヌマ・O。
そしてエリオス星域選出の代表評議会議員を務めるハーリン王子である。

ヌマ・O「いかがですかな、その後評議会の動向は?」
ハーリン「ようやくなんとかまとまりそうです。地球ではティターンズと呼ばれる
 国粋主義者の一派が政権から放逐され、星間評議会からの特別使節を受け入れる
 用意が万端に整ったとの事」
ヌマ・O「一部の議員たちの中にはGショッカーやETFからの圧力に屈し、
 彼らに宥和的な方針を示す者もいたとか…」
ハーリン「非常に愚かなことです。ですが、宇宙各地で奮戦する防衛軍や
 レジスタンスの活躍の報告が、我々の側を後押ししてくれています」
ヌマ・O「それはコム長官以下銀河連邦警察の宇宙刑事たちによる
 功績も大であります」
ハーリン「勿論承知しています。おかげで評議会の取りまとめの方も
 カミュエル卿が上手くやってくれております」
ヌマ・O「…カミュエル卿? ジュリアス・カミュエル卿ですか。
 噂の若手エースの評議会議員ですな」

そこへ淡い桃色の腰まであるウェーブのロングヘアを棚引かせながら、
その面相は夜叉のような顔を象った鋼鉄製の仮面で覆った、
ドレス姿の女性が近づいてきた。

謎の女「ハーリン・議員、ヌマ・O長官、お二人ともこちらでしたか」
ハーリン「おお、これはランペルージ書記官」
ヌマ・O「委員会の結論が出ましたかな」

ランペルージ書記官と呼ばれた仮面の女は、仮面に仕込まれたボイスチェンジャーで
加工されたその声でゆっくりと話し始めた。

謎の女「今カミュエル卿が委員会に出席され、最高議長以下委員方に最後の説明に
 臨んでおられます。程なくよい報告が…」

***同議事堂内・委員会室***

星間評議会議長・ユーガー王子以下主要な委員たちが円卓の席についている中、
報告を続けるローブ姿の男。彼の名はジュリアス・カミュエル。
最近になって台頭してきた若手の評議会議員である。

委員A「地球という銀河の果てにあるような一介の辺境惑星に
 全宇宙の命運を託すというのかね!?」
委員B「そもそも地球など、ついこの間まで公式には現地住民との接触さえ
 制限されていた保護対象の未開惑星だったではないか。その星の出身者たちを
 Gショッカー対策の特務組織の中心に据えるとは、常軌を逸しているとしか
 私には思えん!」
ユーガー「………」

委員たちが紛糾する中、議長のユーガー王子は沈黙を続ける。

カミュエル「お言葉ですが委員の方々。皆様もご存知のとおり、
 宇宙の星々がこれまでも理不尽な暴力に蹂躙される歴史の中、
 地球はあのガバナス帝国を2度、そしてザンギャック帝国をも
 3度に渡って撃退しております」
委員A「そ、それは解ってはいるが…」
カミュエル「しかも地球はサイバトロンのトランスフォーマーたちとも
 かなり以前から友好関係にあり、かのガミラスの指導者デスラーすらも
 一目置いていると報告されております」
委員B「ガルマン・ガミラス帝国は、我々を三次元宇宙の正統な代表者とは認めず、
 未だ星間評議会にも加盟していない!」
カミュエル「なればこそ、今後の各方面の交渉を有利に運ぶためにも、
 地球を中心とする特務軍隊を新たに創設するのです」
委員A「君はガミラスなどの未加盟国の評議会加入促進のために、
 地球を利用しようと言うのかね?」
カミュエル「そこまでは申してはおりません。ただ"各方面の交渉"を
 有利に運ぶためとご理解ください」
委員B「む、むぅぅ……」カミュエル「それに地球には宇宙最強の戦闘能力を誇るとされる 超サイヤ人の存在も確認されており――」委員C「超サイヤ人だと!?」委員D「そんなものはくだらん伝説だ!」カミュエルの発した「サイヤ人」の一言が発端となって、騒然となる委員会室。
ここで議長席の隣に座る議長後見・トクガー15世が口を開く。

トクガー「いかがだろうか諸君。このまま我々がここで議論を続けていても、
 宇宙の危機は待ってはくれん。ここは議長採決に一任するということで」

91

***同議事堂内・最高議長執務室***

最高議長決定により地球への特別使節派遣がついに正式に決定した。
若き評議会議員ジュリアス・カミュエルは、最高議長ユーガー王子に呼ばれ、
これまでの労をねぎらわれていた。

ユーガー「ありがとうカミュエル卿。貴方のおかげで
 ここまで漕ぎ着けることができた」
カミュエル「殿下、私の力など微々たるものです。
 それよりもこれはまだ始まりに過ぎません」
ユーガー「承知している」
トクガー「そこでカミュエル卿、貴殿に戦略科学技術政策担当の高等弁務官に
 就任してもらいたい」
カミュエル「謹んで拝命いたします。微力ながら力を尽くさせて頂きます」
ユーガー「星間評議会の高等弁務官は、惑星国家における閣僚級の地位だ。
 これからも貴公を頼りにしている」


***星間評議会行政府・高等弁務官室***

謎の女「カミュエル卿、この度は高等弁務官ご就任おめでとうございます」
カミュエル「よしてもらいたい。私には性に合わん」

カミュエルは冷たく微笑してして応える。

謎の女「すでに特使と副使の人選は終了しています」
カミュエル「ご苦労だった」
謎の女「いよいよこれから始まるのですね?」
カミュエル「これから彼らには修羅の如き戦いの日々が待っていることだろう。
 しかし地球の戦士たちにはそれでも地を這ってでも戦い抜く孤高の戦士たちと
 なってもらいたいのです」

ついに本格的に動き出したヒーロー統合組織の設立計画。
果たして地球に向けて派遣される特使の顔ぶれとは!?
そしてそれを迎え入れる地球側は!?

次回へと続く!

92

○ハーリン王子→エリオス選出の星間評議会議員を務めている。
○ヌマ・O→ハーリン王子と会話。
○トクガー15世→星間評議会の最高議長後見職を務め、ユーガー王子を補佐している。
○ユーガー王子→星間評議会の最高議長を務めている。
△謎の仮面の女→ランペルージ性を名乗っている。果たしてその正体は?
△ジュリアス・カミュエル→星間評議会の高等弁務官に就任。

【今回の新規登場】
○楯隼人=ハーリン王子(未来ロボ ダルタニアス)
地球で暮らしていたエリオスの王子で、楯剣人の父。
性格は息子・剣人と違い、理知的で穏やかだが、江戸っ子である養父に育てられたためか
気風がよく庶民的な一面も持つ。宿敵であるザール星間帝国のドルメン大帝の死をきっかけとして、
エリオス帝室はあえて再興させず共和制とした新しい理想の国作りをする決意する事となる。

○スマ・O(特捜戦隊デカレンジャー)
鳥のような頭を持つホルス星人。環全宇宙の警察機構を統率する宇宙警察長官。
非常時には宇宙警察本部庁舎である黒いデカベースクローラーを指揮して前線に出ることもある。

○トクガー15世(最強ロボ ダイオージャ)
51の惑星を支配する星間国家連合イプロン系を治めるエドン国の国王。
エドワード・ミト王子の実父。

○ユーガー王子(宇宙魔神ダイケンゴー)
銀河連盟の主星エンペリアスの第三王子で、ライガー王子の弟。
兄とは正反対でおとなしく実直な少年だが、正義感は兄にも引けを取らない。
最終決戦では銀河連盟軍を指揮し、宇宙嵐に守られたマゼラン星への突破口を開くなど活躍した。

△謎の仮面の女(???)
星間評議会高官ジュリアス・カミュエルに仕える女性の首席秘書官。常に醜悪な悪鬼の顔が模られた鉄仮面で顔を隠しており、
その素顔は誰も見たことがない。仮面に備わっていると思われる変声機で、話す声も加工された音声を発する。
淡い桃色の腰まであるウェーブのロングヘアが特徴。外見や背格好からして年齢は16歳前後と推測される。
その漂う気品からして、どこかの国の皇女だったのではないかとも言われるが…?

△ジュリアス・カミュエル(闘争の系統オリジナル)
星間評議会の高官。平和主義者として知られ、穏やかなる指導者とも呼ばれる。
理解と行動力のある優れた手腕を持つ政治家・外交官として、星間評議会全体から信頼されており、
周囲からの人望は大変厚い。摂理の党団と呼ばれる政党を率いている。また優秀な科学者でもあり、
やがて時空クレバスを制御・利用するディオドスシステムや、不死の敵をも倒すアンデッドキャンセラー等、数々のテクノロジーをもたらすことになる。しかしその前身は全く謎に包まれている…。


『ギャンブル・ファイト』

作者・ユガミ博士

93

***ペンタゴナワールド・J9Ⅲ号***

ギワザ率いるポセイダル軍の軍勢から、人々を脱出させたJ9とJJ9チーム、
ダバ達や「天界」から時空を超えてやってきたコウ、トモカの2人。復讐者である
バラリベンジャーと合流した彼等は、避難民を安全な場所へと運ぶ為、宇宙を
走っていた。J9Ⅲ号の中では、I.Cブルースとトモカがポーカーを行っていた。
2人の周りにはJ9やJJ9等が集まっている。

トモカ「よーし、スペードの4カードだ!」
ブルース「ふふ、ストレートフラッシュ!」
トモカ「くそっ、また負けかよ。」
キッド「ははは、これで5連敗だな。」

トモカはブルースに挑戦して、今回で5連敗となっている。

ロック「あんたも、隅っこにいないでこっちに来たらどうだい?」
バラリベンジャー「・・・。」

ロックは隅の方で、銃の手入れをするバラリベンジャーに声を掛けるが
自分には関係ないと云わんばかりに、黙って手入れを続けた。

???「すいません。少しよろしいですか?」

そこへ避難民らしき男性が声を掛けてきた。その姿からディーラーだと
いう事が分かった。

ディーラー風の男「私、あの星でディーラーをしていたのですが、お2人の
 勝負に興奮しまして。是非、私とも勝負をしていただきたいのですが。」
ブルース「ふむ、私は構わないが・・・トモカ、君はどうする?」
トモカ「構わないぜ。まずは俺と勝負しよう(負けっぱなしだからな。今度こそ
 勝ってやるぜ)」
ディーラー風の男「Good!それではポーカーで勝負しましょう。」
アイザック「(この男・・・どこかで?)」

トモカはその男とポーカーを始めるだった。

94

ディーラー風の男「そうそう、ゲームを始める前に忘れていましたが、お互い
 魂を賭けるというのはどうでしょう?」
トモカ「魂~だ~?どういうこった、それは。」
ディーラー風の男「何、ギャンブラーの魂を賭けるという意味ですよ。」
トモカ「ふ~ん、まぁいいや。それで、いいぜ。」
ディーラー風の男「Good!では、始めましょう。」

トモカは深く考えず了承した後、勝負は始まった。それから、15分後・・・。

トモカ「(よっしゃー、来た!)フルハウスだ。」
ディーラー風の男「ふふふ、ファイブカード!」
トモカ「げぇ、負けちまった!」
コウ「残念だったな、トモカ。」
ディーラー風の男「さて、勝負に負けた事により、あなたから魂を
 いただきましょう。」
トモカ「?」

すると周囲の人間には見えないが、その男から人型の異形の存在が現れ、
トモカの魂をコインに変えるのであった。コインに変えられたトモカの
体は抜け殻となり、まるで人形のように動かなかった。

ボウィー「こいつは・・・!?」
コウ「トモカ!?貴様、トモカに何をした!」

コウは怒りを顕にして、剣を抜いた。

ディーラー風の男「ふっふっふ、その男は私との勝負に負けたので、
 約束通り魂をもらったのだよ。そう、私のスタンド古代エジプトの
 冥界の管理者の暗示をもつ「オシリス神」の能力によってねぇ。」
アイザック「そうか!思い出したぞ、貴様はダービーだな?」

アイザックはその男―ダービーの名前を告げた。

ダバ「知っているのか、あの男の事を。」
アイザック「奴の名はダービー。地球で10数年前、数々の修羅場をくぐり
 抜けたギャンブラー。そして「スタンド使い」だ。」
キャオ「スタンド使い?何だ、そりゃ。」

スタンド使い―生物の生命力、精神力が具現化した超能力「スタンド」の
能力者の事を指す。スタンドは精神の個性であり、1人1人異なる能力を
持っている。またスタンド使い同士でなければその能力を視認する事は出来ない。

アイザック「だが、貴様は10数年前エジプトを最後に勝負に負けて行方不明と
 なったと聞いたが、何故ここに?」

スタンドの説明をアイザックがした後、何故この場所にダービーがいるのか
疑問をぶつけた。

ダービー「私はあの時・・・承太郎達に負け、精神を取り乱した後気がつけば
 あの星にいた。しかも私がいた時代から10数年も経過していたのだ!どうやら
 私は気がつかない内に時空クレバスなるもので時空を超えたらしい。・・・
 私は地球へと戻る為、ギャンブルで金を稼いでいたが、そこで攻撃を受け、ここへ
 避難をしたわけだ。」
バーディ「なら、あなたの目的はこのJ9Ⅲ号を乗っ取って、地球へと帰ることかしら?」

バーディはダービーが勝負をしかけた理由を問いただす。

ダービー「確かにそれもあるが、そこのI.Cブルースと勝負をしたいというのは
 本当だ。私はギャンブラーだ。それゆえに強い人間と戦いたいのだよ。」

ダービーは高らかに理由を喋る。

コウ「お前、すぐにトモカの魂を返せ!」

ジャキン!

ダービー「残念だが、私を殺せば永久に魂は帰らないぞ!魂を戻すには
 ギャンブルで私に勝つしかない。」

コウは剣を突き立てるが、ダービーは冷静に余裕を持って話す。

ダービー「さぁ、次は貴様だI.Cブルース!私と勝負してもらおう。」
ブルース「いいだろう、その勝負に乗った!私は自分の魂を賭ける。」
ダービー「Good!では私はトモカの魂を賭けよう。」

第2戦が始まった。

95

再びポーカーを始めて5分後・・・

勝負は現在五分五分という感じだった。

ダービー「(ふふふ、如何にギャンブルの達人だろうと私のイカサマを
 見破れまい。)私は交換だ。」
ブルース「・・・私も交換だ。」

淡々と続けられるポーカー。周囲にいるメンバーを息を呑んで見守る。

ダービー「(奴の今の手札は、フルハウスが揃っている。ならば私は・・・)
 ファイブカードだ!」

実はダービーにはイカサマをするため、ペンタゴナワールドでスカウトした
部下がいる。ブルースの背後から手札を見て合図を送っていた。

ダービー「(さぁ、私の勝ちだ。)」
ブルース「・・・ロイヤルストレートフラッシュ!」

何と手札はフルハウスだったのに、ロイヤルストレートフラッシュを出した
のだった!

バーディ「やった、ブルースの勝利ね。」
ダービー「ば、ば、馬鹿なぁ~、貴様の手札はフルハウスの筈だ、いつ
 手札を変えた!」

ダービーは激昂する。

ブルース「私は普通にポーカーをしていただけだ。しかしあなたは何故、
 私の手札を確信していたようにフルハウスだと思ったのかね?」
ダービー「うっ!」
バラリベンジャー「・・・妖しい動きをする人間を捕まえておいた。これで
 いいか?I.Cブルース。」
ピート「こっちも捕まえたぜ。」
キッド「こっちもな。」

そう、ダービーがイカサマをしているのはとっくにブルースにばれていた。
そして、密かに仲間達に捕まえるように指示を出していたのだ。

ダービー「「(し、しまった~、はめられた!ま、また負けるのか・・・
 はっ、負けを認めてしまった~!)」

ダービーの顔は汗が滝のように吹き出し、顔面が蒼白になる。そして
心の中で負けを認めてしまい、トランクにあったコインからトモカだけでなく、
他にもコインにした人々の魂が元の体へと戻っていた。

トモカ「ん~?あれ、どうしたんだ皆。」
コウ「トモカ!戻っただな。よかった~。」

トモカも気がつくが、何があったのかよく分かってなかった。

ロック「で、こいつはどうする?殺すか。」
ブルース「銀河連邦警察に引き渡そう。厳重な処罰を受けてもらうさ。」

ブルース達は気絶したダービーを見て、これから処分を考えるのであった。

○トモカ→ダービーに勝負に負けてコインされる。
○I.Cブルース→ダービーに勝利する。
●ダービー→ギャンブル勝負を仕掛けて、トモカをコインにするも、ブルースに敗北。

【今回の新登場】
●ダニエル・J・ダービー(ジョジョの奇妙な冒険 第3部スターダストクルセイダーズ)
DIOに仕えるエジプト9栄神の1人。生粋のギャンブラーでDIOを守るよりも
ギャンブラーとして、承太郎一行に勝負を仕掛ける。イカサマを使用するが、
「気がつかない方が悪い」という信条がある。テレンス・T・ダービーの兄。
スタンド「オシリス神」はギャンブル勝負で負けたと心の中で思った時に、
その魂をコインに変える能力である。


『正義の旗の下に その名はブレイバーズ!』-8

作者・ティアラロイド

96

***銀河系辺境の外宇宙某宙域 ゴーカイガレオン・居住区***

かつて三次元宇宙を席巻した宇宙帝国ザンギャックから恐れられた
義賊"赤い海賊団"を前身とし、地球の歴代スーパー戦隊と力を合わせて
ザンギャック帝国軍を崩壊へと追い込んだ、35番目のスーパー戦隊、
海賊戦隊ゴーカイジャー。その拠点であるスペースシップ――
――ゴーカイガレオン号に意外な人物が訪問していた。

星間評議会高等弁務官ジュリアス・カミュエルの腹心である、仮面の女である。

仮面の女「………」
マーベラス「………」

船長席に腰掛けたマーベラスは、仮面の女から手渡された書簡に
ざっと目を通した後、それを無言のまま破り捨てた。

ロロ「貴様、何の真似だ!」

仮面の女の傍らにさっきからずっと控えている、
右目に眼帯をかけた少年――ロロが食って掛かる。

仮面の女「何か内容にご不満ですか?」
マーベラス「別に、何の不満もねえ…」
仮面の女「あなた方海賊戦隊を正式の星間評議会直属の私掠船として
 契約を結ぼうというのです。GショッカーやETFから奪った積荷は
 星間評議会があなた方から破格の値段で買取り、また星間評議会に加盟する
 星系であればどこの惑星においても物資の補給は全て無償の上勝手自由。
 これほどの好条件は他にないと思いますが?」
マーベラス「その上から目線の態度が気にイラねえ。
 悪いが俺たちは自由気ままにお宝を探して宇宙の海を旅するだけ。
 お上の犬になって働くつもりなんかないね」

今マーベラスが破り捨てた書簡は、星間評議会が発行した私掠船免状だったのである。
星間評議会はゴーカイジャーを公認の私掠船として雇おうというのである。

ロロ「ならず者の海賊の分際で! こちらが下手に出ていれば
 つけあがっているな!」
ルカ「何よ坊や、アタシたちとやろうっての!」
仮面の女「およしなさい、ロロ!」
ロロ「しかし姉さん!」
ジョー「ルカもやめておけ。子供なんかに大人気ないぞ」
ロロ「僕は子供じゃない!」
仮面の女「――ロロ!」

仮面の女に一喝され、不満ながら黙り込むロロ。

仮面の女「本日のところは出直します。次回までには
 よいお返事を期待しています」
マーベラス「何回来られても同じことだ」

仮面の女とマーベラスたちに一礼すると、ロロと一緒に帰っていった。
マーベラスたち6人の中で一人、伊狩鎧だけが何やら勿体無さそうに
床に散らばった書簡の切れ端を拾っている。

マーベラス「なんだ鎧、言いたいことがあるならハッキリ言え!」
鎧「マーベラスさん、今回の話、受けてもよかったんじゃないですか?
 今宇宙はGショッカーやETFの猛威に晒されているんですよ。
 地球や宇宙のヒーローたちが力を合わせて戦おうとしているこの時に、
 俺たちは何もしないなんて…」
ジョー「安心しろ鎧、マーベラスが本当にその事で
 何も考えていないとでも思うのか?」
鎧「それじゃあ!?」

ジョーにマーベラスの真意を諭され、鎧の顔が急に明るくなる。

マーベラス「ああ、わかっている。たとえGショッカーだろうが、
 ETFだろうが、どこのどいつだろうが、俺たちの進む前に立ちふさがる奴らは
 全力で叩き潰す! それがスーパー戦隊魂ってもんだろ!」

一方、帰路についている仮面の女のシャトルの中では――、

ロロ「あれが歴戦のスーパー戦隊のうちの一隊にして、
 宇宙の平和を守った海賊?? 大した奴らとは思えない。
 兄さんの方がもっと凄かったよ」
仮面の女「いえ、そうでもないわ。
 あのキャプテン・マーベラスという男、そしてその仲間たちも
 噂に違わずなかなか見所のある者たちのようです」
ロロ「姉さん…?」
仮面の女「もし私掠船契約の話にあっさり簡単に乗ってきていたら、
 かえって幻滅するところでした…」

97

△仮面の女→ゴーカイガレオンを訪問し、ゴーカイジャーに私掠船免状発給の話を持ちかける。
△ロロ・ランペルージ→仮面の女に付き従ってゴーカイガレオンを訪問する。仮面の女を「姉さん」と慕っている。
○キャプテン・マーベラス→仮面の女の訪問を受ける。星間評議会からの私掠船免状の話を断る。
○ジョー・ギブケン→仮面の女の訪問を受ける。
○ルカ・ミルフィ→仮面の女の訪問を受ける。
○伊狩鎧→仮面の女の訪問を受ける。

【今回の新規登場】
△ロロ・ランペルージ(コードギアス 反逆のルルーシュR2)
 ルルーシュ・ランペルージの「弟」として送り込まれた、ギアス嚮団の工作員。
 体感時間を停止させるギアスを持つ。しかしそれには心停止の副作用を伴う。
 ブリタニア軍から強奪したナイトメアフレーム・ヴィンセントを愛機とし、
 KMF戦でもギアスを併用することで高い戦闘能力を誇る。
 一見すると内向的でナイーブに見えるが、必要とあらば味方も殺す冷徹さを持っており、
 組織の同僚からは嫌われていた。追手のKMF部隊からルルーシュを逃がすため、
 ギアスを酷使した反動によって命を落とす。

○キャプテン・マーベラス=ゴーカイレッド(海賊戦隊ゴーカイジャー)
 ゴーカイジャーのリーダーであり、海賊船・ゴーカイガレオンの船長。
 常にスリルとロマンを求めて冒険する破天荒な性格で、時にメンバーを振り回すことも。
 その首にはザンギャック帝国から無制限の懸賞金をかけられている。

○ジョー・ギブケン=ゴーカイブルー(海賊戦隊ゴーカイジャー)
 ゴーカイジャーの副長であり、常に武器の手入れと鍛錬を欠かさないクールな青年。
 口数は少ないがマーベラスを誰より信頼しており、彼の多少強引な命令にも従う。
 マーベラスと出会う前はザンギャックの特殊部隊に在籍していた。

○ルカ・ミルフィ=ゴーカイイエロー(海賊戦隊ゴーカイジャー)
 元女盗賊で、誰よりも宝探しに熱心な女性でお金にうるさい守銭奴。
 潜入・探査能力に優れている。ゴーカイジャー入りする前は貧しい生活を送っていたようで、
 過去に妹を病気で亡くしており、それに関する事にはとても敏感である。

○伊狩鎧=ゴーカイシルバー(海賊戦隊ゴーカイジャー)
 スーパー戦隊をこよなく愛する地球人の青年。ある出来事がきっかけで、
 アバレキラー/仲代壬琴からゴーカイシルバーのレンジャーキーと
 変身アイテムであるゴーカイセルラーを託される。打倒ザンギャックの決意を
 マーベラスに認められ、6人目の海賊(見習い)となった。
 専用マシンはタイムレンジャーの大いなる力である豪獣ドリル。


『黄金の勇者』

作者・ユガミ博士

98

***外宇宙***

ダービー兄とペンタゴナの難民を銀河連邦警察とエドン国に引き渡した後、
再び外宇宙をまわるコズモレンジャーJ9、JJ9チーム、ダバ達の乗るターナ。
そこに救難信号をキャッチした。

キャオ「ダバ、この近くで救難信号をキャッチしたぜ。」
ダバ「誰が救難信号を?」
キャオ「これは・・・エイジだ!グラドスにいるエイジのレイズナーが信号を
  出している!」
ダバ「エイジが!」

前大戦で共に戦った惑星グラドスのエイジがこの近くの宙域にいると知り、
すぐさまJ9とJJ9に連絡を取り、共に救難信号を発している宙域へと進路を進めた。

***救難信号を発している宙域***

救難信号を発している宙域へと駆けつけると、そこではエイジの乗るSPT
(スーパー・パワード・トレーサー)レイズナーとSL機関車の周りを複数の
黄金や白銀のロボットがグラドス軍と戦っていた。

スカイゴルドラン「超電磁ストーム!」ゴォォォォォ
レオンカイザー「カイザーガン!」ビシューン
ゴッドシルバリオン「バーニングトライランサー!」
アイザック「あれは・・・レジェンドラの勇者達も一緒か。」

ブライサンダーに乗るアイザックが黄金のロボット-レジェンドラの勇者
であるスカイゴルドラン、ゴッドシルバリオンの事を口にする。

ブルース「聞こえるか、エイジ、レジェンドラの勇者達よ。JJ9のブルースだ。
   これより君達の援護を行う。」
エイジ「ブルースさん・・・援護に感謝します。」
タクヤ「ダバさんのターナだ!」
カズキ「J9のブライサンダーもいるね。」
ダイ「助かった~!」

通信を聞いたレイズナーに乗るエイジやSL機関車の姿をした勇者
アドベンジャーに乗る勇者達を目覚めさせた3人組の小学生、
タクヤ、カズキ、ダイが増援に来てくれた事に喜ぶ。

アイザック「ブライシンクロンマキシマム!」
ブルース「テイクサスライドオン!」
ダバ「エルガイムMk-Ⅱ出撃する!」

ブライサンダー、J9Ⅲ号はブライガー、サスライガーへと変形し
ターナからダバの乗るエルガイムMk-Ⅱ、アムの乗るエルガイム、
レッシィの乗るヌーベルディザードが出撃した。

ダバ「イーター達は一緒じゃないのか?」
タクヤ「悪太達なら、途中で逸れちまったんだ。」

イーター・・・もとい仲間のワルター・ワルザックと彼が乗る海賊戦艦
キャプテンシャークは戦いの中で逸れてしまったという。
そしてブライガー、サスライガー、エルガイムMk-Ⅱ達はグラドス軍の
無人機スカルガンナーと戦闘を開始した。

99 
ゴステロ「ひゃ~はっはっはっは、久しぶりだなぁエ~イ~ジ~!」
エイジ「ゴステロか!」

そこへエイジの宿敵であるゴステロの乗るMF(マルチフォーム)
ダルジャンがエイジの乗るレイズナーの前に現れた。

ゴステロ「お前の顔を見ていると、俺様の脳がはち切れそうだぜ!」
エイジ「貴様をまた地獄へ送りかえしてやる!」

ダルジャンが持つ左手の鉤爪をレイズナーで攻撃をする。

タクヤ「エイジさん!スカイゴルドラン、エイジさんを助けるんだ。」
スカイゴルドラン「了解だ、主!」

エイジを助けるように指示を受けたスカイゴルドランは肩の
ショルダーバルカンをダルジャンに向けて放つ。

ゴステロ「くっ・・・邪魔をするんじゃねぇ!」
スカイゴルドラン「うぉ!」

邪魔をするなとゴステロは、スカイゴルドランに鉤爪攻撃を叩き付ける。

キッド「喰らえ、ブライスピア!」
ロック「ブラスターシュート!」
ダバ「パワーランチャー!」

スカイゴルドランを助けようとブライガー、サスライガー、
エルガイムMr-Ⅱが援護攻撃を行う。

ゴステロ「ぐわぁ、脳が痛ぇ!」
アイザック「エイジ、君達のダメージがひどい。ここは戦線離脱をしよう。」
エイジ「はい・・・行くぞ、ゴステロ!レイ、V-MAX発動!」
レイ「レディ・・・」

レイズナーに搭載されているOS「レイ」は緊急脱出システム「V-MAX」
を発動し、ダルジャンに向かって突撃した。

ゴステロ「ぎゃぁぁぁぁぁ、脳が痛ぇ~!」
ブルース「諸君、今の内に戦線離脱だ。」

ダルジャンが攻撃を受けた隙にダバ達とエイジはターナに収納され、
ブライガー、サスライガー、レジェンドラの勇者と共に戦線を離脱した。

ゴステロ「待て、エイジ!」
ハザード@通信『何をしている、ゴステロ!』

追いかけようとするゴステロに、木星圏にいるハザード・パシャから
通信が入る。

ハザード@通信『油を売っていないで、貴様は火星へと向かうという
    任務を果たさぬか!』
ゴステロ「(チッ・・・)了解だ。」

内心舌打ちをしながら、ゴステロは己の戦艦へと戻るのであった。

100

***ターナ・ブリッジ***

ダバ「グラドス軍が、火星へと向かっているだって!」
エイジ「ああ、俺はグラドス本星でゲイル先輩やル・カイン達、そして
  宇宙でGショッカーと戦うレジスタンスと共に戦っていたんだが、
  ゴステロが他の星の勢力と組んで火星へと向かっていると聞いて、
  それを知らせる為に向かっていたんだがそこでゴステロに襲われてしまった。」
ダイ「そこに僕達と鉢合わせして、戦っていたんです。」

アドベンジャーから移ったタクヤ達と収容されたエイジから、事情を聞く
一同。

キッド「どうする、アイザック?」
アイザック「よし、ならばエイジ達を火星へと送り届けよう!」
エイジ「本当か!?」
タクヤ「やり、そういえば地球に全然帰ってなかったからなぁ。」
ダイ「家族も心配しているだろうし。」
カズキ「地球まで頼むよ、アドベンジャー。」
アドベンジャー「了解しました、主よ。」

アイザックが火星へと向かうという方針に、地球を離れていたタクヤ達も
地球へと戻れると喜ぶ。

ダバ「その事だけど、僕達ターナはレジスタンスに合流させてくれないか?」

そこに、ダバからここを離れ宇宙で活動するレジスタンスと
合流させてほしいと提案してくる。

ブルース「確かに。君達は外宇宙で活動した方が都合よさそうだね。」
アイザック「それでは、外宇宙は君達に任せる。」
タクヤ「もし悪太達に出会ったら、よろしく伝えてもらえますか?」

提案を受け入れ、アイザック達はダバ達と分かれて、J9とJJ9、
レジェンドラの勇者達はエイジと共に火星へと向かうのであった。

 

101 
○コズモレンジャーJ9→エイジ、レジェンドラの勇者達を助け、火星へと向かう。
○JJ9チーム→エイジ、レジェンドラの勇者達を助け、火星へと向かう。
○ダバ・マイロード→エイジ、レジェンドラの勇者を助ける為にエルガイムMk-Ⅱ
            で出撃。J9達と別れて、レジスタンスの元へ向かう。
○原島拓矢、時村和樹、須賀沼大→エイジを助けるため、レジェンドラの勇者達
         を出撃させる。そしてJ9達と共に火星へ向かう。
○黄金剣士ドラン→スカイゴルドランとなり、エイジを援護する。
○黄金忍者空影→スカイゴルドランに合体する。
○黄金将軍レオン→レオンカイザーとなり、タクヤ達を守る。
○鋼鉄武装アドベンジャー→火星へと向かう。
○白銀騎士団→ゴッドシルバリオンに合体し、タクヤ達を守る
○アルバトロ・ナル・エイジ・アスカ→火星へと向かっている所、ゴステロに襲われる。
○レイ→「V-MAX」を発動する。
●ゴステロ→火星へと向かうエイジを襲うが、機体にダメージを負う。
●ハザード・パシャ→火星へ向かうように通信をゴステロに送る。

 
【今回の新規登場】
○原島拓矢(黄金勇者ゴルドラン)
通称「タクヤ」レジェンドラの勇者を目覚めさせた小学6年生で、一人称は
「オイラ」お調子者で自分達の楽しみの為なら手段を選ばず、悪知恵が
働く超がめつい性格をしている。よく古いギャグを口にする。
ドランからバッジ型冒険アイテム「ゴルドシーバー」を託される。

○時村和樹(黄金勇者ゴルドラン)
通称「カズキ」レジェンドラの勇者を目覚めさせた小学6年生で、一人称は
「オレ」背が高く大人びており、シビアな発言をする。SF愛好家で、夢は
自分の発明品を実用化する事。美人でナイスバディな年上の女性が好み。
ドランから冒険型アイテム「ゴルドライト」を託される。

○須賀沼大(黄金勇者ゴルドラン)
通称「ダイ」レジェンドラの勇者を目覚めさせた小学6年生で、一人称は
「僕」ちょっと太めだが、スポーツが得意で動物好きなロマンチストな少年。
オバケや怖い物が苦手で、他の2人のストッパーになる事が多いが、
一旦主張しだすと、絶対曲げない強い芯を持つ。ドランから「ゴルドスコープ」
を託される。

○ドラン=ゴルドラン(黄金勇者ゴルドラン)
石ノ輪遺跡跡の土の中から最初に目覚めたレジェンドラの勇者。
黄金のスポーツカーから変形する黄金剣士で、勇者達のリーダー格である。
ロボットの星で結婚し、4つ子の父親になるが妻に尻に敷かれるも冒険を続ける。
黄金竜ゴルゴンと合体し、ゴルドランとなる。

○空影=スカイゴルドラン(黄金勇者ゴルドラン)
ヨールー王の白に安置されていた聖杯の装飾から目覚めた勇者。
黄金の鳥から変形する黄金忍者で、孤独を好む一匹狼な性格をしている。
ゴルドランと大空合体してスカイゴルドランとなる。

○レオン=レオンカイザー(黄金勇者ゴルドラン)
ベバルの塔の最上部で鎮座していたパワーストーンから目覚めた勇者。
殿様気質で、悪気は無いが偉そうに指示を請う。黄金獣レオンと合体して
黄金大将軍レオンカイザーとなり、スカイゴルドランと合体してグレート
ゴルドランとなる。

○アドベンジャー(黄金勇者ゴルドラン)
アジプト・スミインクスのピラミッドから目覚めた勇者で、蒸気機関車から
変形する。勇猛果敢で単機で合体勇者並のパワーと巨躯を誇る。

○ジェットシルバー=シルバリオン/ゴッドシルバリオン(黄金勇者ゴルドラン)
白銀騎士団のリーダーで、サボンナ王国のジャングルの中から目覚めた勇者。
白銀のジェット機から変形する空の騎士で、他の白銀騎士団と合体して
シルバリオン、ゴッドシルバリオンとなる。

○スターシルバー(黄金勇者ゴルドラン)
アメリコーンのカーレース会場にて、トロフィーの装飾から目覚めた勇者。
白銀のパトカーから変形する星の騎士。

○ドリルシルバー(黄金勇者ゴルドラン)
ジャポネシアの街中において、ジャポネシアの家宝である髪飾りにつけられた
ギヤマンの玉から目覚めた勇者。白銀のドリルタンクから変形する大地の騎士で
質実剛健な性格をしている。

○ファイアーシルバー(黄金勇者ゴルドラン)
オリエンゾ急行を走る列車の貨物車両にて、路線が交差する場所で発見された
宝石を模して作られた指輪から目覚めた勇者。白銀の救急車から変形する
炎の騎士で、アメリカンな口調のお調子者。シルバリオンと合体して
ゴッドシルバリオンとなる。

○アルバトロ・ナル・エイジ・アスカ(蒼き流星SPTレイズナー)
地球人の父とグラドス人の母のハーフ。地球を狙うグラドスの危機を
伝えるため、SPT‐LZ‐00Xレイズナーでやってくる。生身でもトンファー
を使い戦う。

○レイ(蒼き流星SPTレイズナー)
エイジの父がケン・アスカが開発したOS。固有人格を持たせる事で
自律行動と「V-MAX」の発動させる役割を持つ。実は第2の人格とも
いえるOS「フォロン」を隠すためだった。

●ゴステロ(蒼き流星SPTレイズナー)
エイジの宿敵であるグラドスの軍人。エイジの姉ジュリアと婚約者である
アーマス・ゲイルに嫉妬しており、その恨みからエイジを付け狙う。
一度撃墜されるが、サイボーグとなって復活。ル・カイン直属の部隊
「死鬼隊」の一員となった。