『サンレッド、時の魔人と戦う』

作者・ユガミ博士

1

***神奈川県・川崎市***

ここ、神奈川県川崎市では日夜正義と悪の戦いが行われている。

???「スーパーでいいお肉が手に入ったことだし最近、暑い日が続くから、
  今日の夕飯は冷しゃぶにしましょう。」
???「いいですねぇ、みんな喜びますよ。」

スーパーで買い物をしてきたのは、世界征服を目論む悪の組織「フロシャイム」
の幹部で川崎支部の司令官ヴァンプ将軍とフロシャイムの戦闘員1号である。
2号もいるが今回彼は、非番だ。すると、そこへ光の玉がヴァンプ将軍の中へと
入った。そしてヴァンプ将軍から砂が飛び出し、上半身と下半身が上下逆に
なった怪人が現れた。

ウルフイマジン「望みを言え。そうすれば叶えてやる。」
ヴァンプ将軍「き、君は誰?フロシャイム(ウチ)の怪人じゃないよね!」
戦闘員1号「ヴァンプ様、もしかしてイマジンじゃないですか。フロシャイム
    便りに載っていた。」
ヴァンプ将軍「ああ、そういえば今月号の特集になっていたわねぇ。」
ウルフイマジン「おい、無視をするんじゃねぇ!さっさと望みを言え!」

ヴァンプ将軍達が話しているとイライラしてきたウルフイマジンが願いを
言うように怒鳴ってきた。

ヴァンプ将軍「う~ん、願い事ねぇ。・・・そうだ!」

果たしてヴァンプ将軍の願いとは・・・。

2

***サンレッドのマンション***

トゥルルルルル、トゥルルルル

ガチャ


サンレッド「はい、内田ですけど。」

電話に出たのは、川崎市を守る正義のヒーロー天体戦士サンレッド。彼は
恋人の内田かよ子と同棲している。

ヴァンプ将軍『ふっふっふ、サンレッド。時の魔人が貴様の命という時間を
    止めるであろう。いつもの公園で待っているぞ。』

そう言って、電話は切れた。

***いつもの公園***

サンレッド「毎回毎回、こりねぇなぁ。お前らは。」
ヴァンプ将軍「ふっふっふ、良く来たな。サンレッドよ。」
サンレッド「つーか、怪人は何処にいんだよ、何処に。」
ヴァンプ将軍「慌てるな、今から見せてやろう。」

ヴァンプ将軍の体から砂がこぼれ、その砂は狼の怪人ウルフイマジンとなった。

ウルフイマジン「てめぇがサンレッドか。貴様を倒せば契約は成立する。」

ヴァンプ将軍がウルフイマジンと交わした契約は「サンレッドを倒す事」
なのだった。

ヴァンプ将軍「ふっふっふ、彼はウルフイマジン。時の運行を乱す事が目的の
   怪人・イマジンの一体だ。」
サンレッド「ふ~ん。」

サンレッドは全く興味が無かった。その態度にウルフイマジンの堪忍袋の尾が
切れた。

ウルフイマジン「てめぇ、むかつくぜ。死ねー!」

ウルフイマジンは刀で斬りにかかったが、彼はミスを犯した。衝撃波を使わず、
直接斬りにかかった事である。

ガシッ!!

サンレッドはウルフイマジンの腕を掴み、刀を落とさせた後、そのまま逆間接
を腕ではさみ、腕ひしぎ十字を極めた。

ウルフイマジン「痛い痛い痛い、う・・・腕が!」
サンレッド「あ~何だって。」
ウルフイマジン「ぎゃぁぁぁ。」

サンレッドはヘラヘラ笑い、腕をますます締め付けた。その後、ヴァンプ将軍
共々、1時間正座をさせられ説教をうけるのであった。

3

その後・・・

ウルフイマジン「サンレッドめ、次こそは必ず倒す。」
ヴァンプ将軍「ウルフイマジン君。悪いけど、お醤油買ってきてくれる?」
ウルフイマジン「あ、分っかりました。」

契約完了する為、ヴァンプ将軍の元にいる事になったウルフイマジンは
すっかりフロシャイムに馴染んでいるのであった。

●ヴァンプ将軍→ウルフイマジンと契約する。
●戦闘員1号→ヴァンプ将軍とスーパーで買い物をする。
●ウルフイマジン→ヴァンプ将軍と契約し、サンレッドと対決するが敗北。
      その後、フロシャイムの元に留まる。
○サンレッド→ウルフイマジンと対決し、腕ひしぎ十字で勝利。

【今回の新登場】
●ヴァンプ将軍(天体戦士サンレッド)
悪の秘密結社「フロシャイム」の幹部。川崎支部の司令官をしている。料理が
得意な主夫で、人望が厚く、部下からもご近所からも慕われている。

●戦闘員1号(天体戦士サンレッド)
フロシャイムの戦闘員。女性にモテるらしく、二股をしていた事がある。
2号とは声が違う。

●ウルフイマジン(仮面ライダー電王)
「赤ずきん」に登場する狼がモチーフのイマジン。刀から衝撃波を出す事が
出来る。かなりキレやすい。今作ではヴァンプ将軍と契約した。

○サンレッド(天体戦士サンレッド)
神奈川県川崎市を守る正義のヒーロー。恋人の内田かよ子と同棲しているが
働いていないため、養ってもらっている(所轄、ヒモ)昔は「気象戦隊ウェザー
スリー」のウェザーレッドをしていた。


『サンレッドVS電王』

作者・ユガミ博士

4

***神奈川県・川崎市***
良太郎『ここにイマジンがいるんだね、モモタロス。』
良太郎M「ああ、オーナーの話じゃぁ、イマジンが悪さを企んでるだとよ。」

良太郎とモモタロスはオーナーから川崎にイマジンが悪さを企んでいるという情報を
聞き、やってきた。因みに良太郎の体は現在、モモタロスが使用している。よって、
良太郎の髪に赤いメッシュが入っている。

良太郎M「ん?イマジンの匂いだ!」

イマジンの匂いを嗅ぎつけた良太郎Mはそこへと向かった。

***川崎市内・公園***


ここは正義の味方天体戦士サンレッドと悪の組織フロシャイムが対決する公園である。
そこにはサンレッドとヴァンプ将軍、戦闘員1号と2号、ウルフイマジンに加えて
フロシャイムの怪人アーマータイガーである。

ヴァンプ将軍「く~くっくっく、サンレッドよ。“前門の虎と後門の狼”という言葉
 を知っているか?この言葉は絶対絶命の事を指す。サンレッドよ、貴様は終わりだ!!」
サンレッド「たく、毎度毎度・・・つーか、それならオオカミヤローは隠れて奇襲をかけりゃ
 いいだろがよ!!」
ウルフイマジン「うるせー、行くぜアーマータイガーさんよー!!」
アーマータイガー「よっしゃーうっす!!」

そこへ良太郎Mも駆けつけた。

良太郎『大変だ!あの人があぶない。」
良太郎M「だったら、行くぜ!変身!!」

デンオウベルト音声「ソードフォーム」

デンオウベルトを装着した良太郎Mは仮面ライダー電王へと変身した。

電王M「行くぜ行くぜ!!」

ドゴッ

電王M「は?」

5

変身を終えて、いざ向かうと既にサンレッドはアーマータイガーとウルフイマジンを
ボコボコにしていた。その様子に電王Mは唖然としていた。

電王M「・・・て、テメェ!何ぶっ倒してるんだよ。」
サンレッド「あ?誰だおめぇ?」
電王M「せっかく俺の最初から最後までクライマックスの大活躍が始まる筈
 だったのに、それを奪いやがって・・・。」
サンレッド「(また、面倒くさい奴が来たな。)ごちゃごちゃうるせーよ、
 泣かすぞ!」
良太郎『この人、ヒーローの台詞じゃない(汗)』
ウルフイマジン「う・・・ん!?」

サンレッドと電王Mが口論していると、気絶していたウルフイマジンが目を覚ました。

ウルフイマジン「は、貴様は電王!ここで会ったが百年目、サンレッド共々始末してやる。」

ウルフイマジンは武器を手に、襲い掛かった。しかし・・・

サンレッド&電王「「邪魔だー!」」
ウルフイマジン「ぐはぁぁぁ!」

ウルフイマジンはサンレッドと電王に思いっきり殴られ、また気を失った。

サンレッド「あースッとしった。おめぇ、中々いいパンチしているじゃねぇかww」
電王M「テメェもな。」

電王Mは変身を解き、良太郎の体からモモタロスが飛び出した。

モモタロス「俺はモモタロス。で、こっちは良太郎だ。」
サンレッド「俺はサンレッドだ。にしても、こいつガキじゃねぇか。」
良太郎「(本当は子供じゃないんだけど・・・)」

現在、良太郎の体は時の影響で体は子供化している。

サンレッド「おい、パチンコやるか?いい台がある店を知っているから
 行かねぇか?」
モモタロス「パチンコか・・・一度やってみたからなぁ。いいぜ。」
良太郎「ちょ、ちょっとモモタロス(汗)」

サンレッド達は倒されたフロシャイム達を残して行ってしまった。

ウルフイマジン「こ、この次は負けねぇぞ・・・ガク。」

この物語は正義と悪の壮大な戦いを描いた物語である。

6

○良太郎&モモタロス→川崎にいるウルフイマジンの噂を聞き、川崎へとやってくる。
○サンレッド→アーマータイガーとウルフイマジンを倒し、電王Mと仲良くなる。
●ウルフイマジン→電王Mとサンレッドに倒される。
●ヴァンプ将軍&戦闘員1号、2号→サンレッドに倒される。
●アーマータイガー→ウルフイマジンとタッグを組むが、サンレッドに倒される。

【今回の新登場】
●戦闘員2号(天体戦士サンレッド)
フロシャイム川崎支部に所属する戦闘員の1人。

●アーマータイガー(天体戦士サンレッド)
フロシャイム川崎支部に所属する虎型怪人。必殺技は「タイガー殺法。」
同じ支部に所属するライオン型怪人ヨロイジシとはライバル関係にある。


『ケロロVSイスカンダル ガンプラ争奪バトル!』

作者・ユガミ博士

7

***東京・秋葉原***

秋葉原―かつては家電製品が多く販売された為、電気街として知られていたが、
現在はアニメや漫画、ゲーム等のサブカルチャーの街として日本有数の観光地
となっている。また異星人が地球へと普通に来る様になったこの時代、街中に
異星人がいても珍しくもなくなっている。その中、秋葉原を歩く3人組がいた。

イスカンダル「おお~、ここが噂に聞く秋葉原という街か。」
栗三郎「ほっほっほ、気に入ったかな。征服王。」
イスカンダル「うむ、まことに気に入ったぞ。」

征服王イスカンダル、コスモス荘の住人である栗之華栗三郎、栗之華栗華
の3人だ。今回、ゲーム好きの栗三郎のお供として栗華がついていくのだが、
秋葉原を見てみたいという事でイスカンダルも一緒にきたのであった。

栗華「異星人がこれだけ地球へ訪れているというのは驚いたのではありませんか?」
イスカンダル「10年前の聖杯戦争の時に聖杯から知識として、宇宙や異星人の
 存在は与えられたが、御主達もそうだが、実に多種多様で面白い。」

イスカンダルは異星人を見た感想を話す。以前から地球は度々、宇宙からの
侵略者の脅威に晒されいたが、生憎イスカンダルが参加した第4次聖杯
戦争中の冬木市では知識で知っていても、実際に目にする事は無かった。
そして一行は、ゲームショップへと入っていた。

8

ショップの中はゲームソフトだけでなく、

プラモデルやアニメのDVDも売られていた。

イスカンダル「おお、『アドミラブル大戦略』ではないか。」

アドミラブル大戦略とは、イスカンダルが第四次聖杯戦争中に購入した
シュミレーションゲームである。どうやらこのゲームは今でもシリーズが
続いているようだ。

イスカンダル「ん?こ、これは・・・!」

イスカンダルはショーケースに飾られている一体のプラモデルに衝撃にような
ものを感じた。そのプラモデルは「GP-02サイサリス」かつてガンダム試作2号機
として製造され、アナベル・ガトーが強奪した機体のプラモだった。

栗華「どうかしましたか?イスカンダルさん。」
イスカンダル「おお、この重厚なボディ、この姿こそ我が故郷マケドニアの魂を
 現しているようだ。よし、このプラモデル余の物としよう。」

イスカンダルは購入する事を決め、GP-02の箱を手にしようとした。だが、そこに
もう1本手を伸ばす者がいた。その伸ばした手は一体誰なのか?そのいたのは・・・

ケロロ「ゲコ~」

ケロロだった。

9

ケロロがなぜ、秋葉原にいるのか?ケロロが好きなアニメ「ゲロロ艦長」の
ゲロロ艦長秋葉原限定フィギュアを購入しにきたのである。そのついでに
ガンプラを買いにきたというわけだ。そして偶然、ケロロも「GP-02サイサリス」
を買おうとしたのだ。(因みにケロロは地球人スーツを着用している)

ケロロ「これは我輩が先に手に入れようとしたのであります。」
イスカンダル「手に取るのは余が先だ。ここは諦めてもらおう。」

ケロロもイスカンダルもどちらも譲る気はないようだ。

栗三郎「まてまて、ここは店の中じゃ。迷惑をかけるであろう。一旦、外に
   出よう。」

栗三郎の提案で店を出たイスカンダルとケロロは対峙した。

イスカンダル「どうあっても、諦めんようだのう。」
ケロロ「あのガンプラは我輩の物であります。」
イスカンダル「征服王たる余から略奪をするか。面白い、ならば勝負だ!」
栗華「(まだ購入していないはずですが・・・)」
ケロロ「勝負の内容は?」
イスカンダル「本来ならばお互い、武を競う所だが、この街中では仕方あるまい。
  そこで勝負の内容はシンプルにこれだ!」

バッとイスカンダルが見せたのは、チョキの形をした手だった。

イスカンダル「じゃんけんだ。」

ズルっと、栗三郎は思わずすべってしまった。

栗三郎「じゃんけんで勝敗を決めるのか?」
イスカンダル「何を言うか、じゃんけんこそシンプルに勝敗を
 決める勝負方法だ。」
ケロロ「異論は無いであります。いざ勝負!」
イスカンダル「うむ、では行くぞ!」
ケロロ&イスカンダル「「じゃんけーん、ポン!」」

結果、お互い、グーとグーであいこ。その後、じゃんけんを続けるが、何と
10回連続あいこと決着はなかなかつかなかった。

イスカンダル「やるのう、御主。その強運我が軍門に欲しい逸材だ。」
ケロロ「そちらこそ。でもこれで最後にするであります。」

イスカンダル&ケロロ「「じゃんけーん、ポン!」」

果たして勝敗は・・・

10

イスカンダルがパーで、ケロロはチョキ。ケロロの勝利である!

ケロロ「ヤッフー、我輩の勝利であります。」
イスカンダル「く、余が敗北とは。しかし、見事な勝負であった。」
ケロロ「こちらこそであります。」

ケロロとイスカンダルはお互い称えあい、固い握手をするのであった。

ケロロ「では、さっそくガンプラを・・・」
店員「あ、そのガンプラなら今、売り切れましたよ。」
ケロロ「が~ん!そ・・・そんな・・・。」

店の中に戻ったが、「GP-O2」は売り切れてしまっていた。

イスカンダンル「ま、そういう事もあるわな。」

これが後にブレイバーズで共に戦う征服王イスカンダルとケロロ軍曹の出会いだった。

○栗三郎→ゲームを買いに秋葉原へ
○栗華→栗三郎のお供で秋葉原へ
○イスカンダル→ガンプラを手に入れようと、ケロロとじゃんけん勝負し、敗北。
○ケロロ→ガンプラを手に入れようと、イスカンダルとじゃんけん勝負し、勝利。
 しかし、ガンプラを手に入れる事はできなかった。

【今回の新登場】
○栗之華栗三郎=Dr.マロンフラワー(住めば都コスモス荘)
コスモス荘1号室に住む長髪の老人。その正体は宇宙中のゲームセンターを
荒らした元A級宇宙犯罪人である科学者。ゲーム好きで美少女ゲームと
アーケードゲームが特に好き。

○栗之華栗華=クリーカ(住めば都コスモス荘)
コスモス荘1号室に住む栗三郎の孫。その正体はDr.マロンフラワーをサポート
するからくり人形。


『笑激の邂逅!セーラームーンVS月光刑事』-1

作者・ティアラロイド

11

***東京都内某所 帝国財団美術館***

真夜中の暗い美術館内に突如として警報音が鳴り響く。
慌てて展示場に駆けつける警備員たちであったが、
灯りがついた途端、その表情はたちまち驚愕と共に凍りついた。

警備員「…や、やられた~! 神風強盗ダルクだ…!」

そこに掲げられていたはずの、時価数億円はするといわれる
世界至宝の絵画『モナベシの微笑み』が影も形もなく消えており、
代わりに犯行声明が書かれたカードが貼り付けられていたのだった。

そのカードの送り主の名は、神風強盗ダルク!!

***警視庁***

聖居・桜田門の近くにある警視庁の本庁ビルの一室。
窓には暗幕がしっかりと張り巡らされており、光は一切部屋の中には差し込まない。
会議用の四角卓テーブルの片方には、警視総監・加賀美陸、そしてその傍らには
警視庁副総監・東一門、その二人の向こう側の席には、警察の会議室には
不似合いな女子高生らしき少女が緊張して面持ちで座っている。

陸「神風強盗ダルク…。2ヶ月前に刑務所を脱獄して以来、
 すでに数十件に及ぶ美術品窃盗を重ね、その被害総額は
 数百億円の域に達しようとしている。」
まろん「……」

そう…ここに座っているのは、かつて美術品に憑依した悪魔を回収しながら
巷を騒がせていた怪盗ジャンヌ=日下部まろんである。
度重なる神風強盗ダルクの犯行に頭を悩ませていた警察は、
ダルクと容姿や行動様式が極めて似ている(というか完全にパクられている)
怪盗ジャンヌことまろんに捜査協力を要請したのであった。

東「このままでは日本警察の面子は丸潰れだ。そこで是非とも
 君の力を借りたい。」
まろん「でも、私は…」
東「断れると思っているのかね? 今回の捜査協力と引き換えに、
 過去の怪盗ジャンヌの犯した数々の窃盗および建造物不法侵入の件は
 全て不問に付すと言っているのだ。」
まろん「……」
東「…それに、確か君の学校での親友の父親は桃栗署の警部だったね。
 いいのかな? 君の返答一つでお友達のお父さんの将来に傷が付いても――」
まろん「…そんな! 都は関係ありません!!」

協力要請を受諾しなければ、親友である東大寺都の父親・東大寺警部を左遷させるぞという
東副総監の遠まわしの脅し文句に対し、まろんは食って掛かる。

陸「まあまあ副総監、ここでそんな高圧的なものの言い方をしては
 まとまるものもまとまらなくなるじゃないか」
東「は、はあ…」
陸「どうかね日下部まろん君。頭を下げろといわれれば、この通り頭も下げる。
 ここはどうか、我々の頼みを引き受けてはもらえないかね?」
まろん「うっ…!?」

穏やかな表情でまろんに語りかける加賀美総監。しかしその両目には、
にこやかな笑顔とは正反対に、頼みを強制的に断れなくする鬼気迫る
眼力のような力が働いていた!

12

***火川神社***

レイ「…で、引き受けちゃったの?」
まろん「うん…」

困り果てたまろんは、怪盗シンドバッド=名古屋稚空と共に
火川神社にいるうさぎたちのところへ相談に訪れたのだった。

稚空「いかにも警察らしい汚いやり口だな。そんな脅し
 突っぱねればよかったんだよ!」
まろん「でも…もし断って、都のお父さん――東大寺警部に
 迷惑がかかったりしたら…」
まこと「神風強盗ダルクって、確かジャンヌのコスプレをしてた
 変態のオッサンだろ?」
美奈子「それを本家の怪盗ジャンヌに捕まえさせようだなんて…」
まろん「ごめん、それ以上言わないで…」

自分そっくりの紛い物が中年の変態男だったという、思い出したくもない
事実を思い出さされ、ますます沈痛な表情になるまろん。それを見て重い
空気に包まれる周囲一同…。だがその暗いムードを吹き飛ばしたのが、
うさぎの明るい一言だった。

うさぎ「だぁいじょうぶだってまろんちゃん! このうさぎ様が
 ついているからド~ンと構えて安心しなさい!」
まろん「ありがとう、うさぎちゃん」
亜美「でもうさぎちゃん、神風強盗ダルクが次に狙う
 ターゲットが分からない事には、私たちも動きようがないわ」
うさぎ「…うっ! そうかぁ……」
レイ「まったくもう、何も考えないうちから大きな口叩くんじゃないわよ」

レイが呆れ顔で言う。

うさぎ「なによ~! レイちゃんのいぢわる~!!」
稚空「だけど実際問題、水野さんの言うとおり、ダルクの次の動きが
 掴めなければ、俺たちにもどうしようもないのは事実だ」
亜美「ここはブレイバーズの情報部にも協力してもらうしかないかしら…」

無言で考え始める一同。だがそこに突然、強い突風とプロペラの回る騒音が鳴り響いた。

うさぎ「な、なにっ!? なんなの!?」

13

神社の境内に強引に降り立つ一機のヘリコプター。
中から降りてきたのは二人の中年のスーツ姿の男だった。

聖羅無々「日本に三人の名刑事あり! 陸に海パン刑事!
 海にドルフィン刑事! そして空にはこの私、月光刑事!」
聖羅美茄子「同じく、相棒の美茄子刑事です」
稚空「警察の人間か?」
聖羅無々「はじめまして日下部まろんさんに名古屋稚空君。
 そしてセーラー戦士の皆さん。警視庁特殊刑事課の月光刑事です。」
レイ「特殊刑事課…?」
まこと「あたしたちのことは全部調査済みって訳かい?」
聖羅美茄子「フフフッ…当然だろう。今や警察も君たちも
 共に地球の平和を守る仲間同士。

 情報の共有はごく自然なことだと思うがねえ」
稚空「ごく自然ねえ…」

稚空は、月光刑事を名乗る二人の男を訝しむように見つめる。

聖羅無々「これまでの地道な捜査が実を結び、すでに神風強盗ダルクの
 次なるターゲットは判明している!」
聖羅美茄子「神風怪盗ジャンヌに怪盗シンドバッド、
 そしてセーラー戦士の諸君、君たちにも今回の作戦には
 協力してもらう!」
うさぎ「泥棒さんを捕まえるんでしょ? なんだか面白そう♪」
レイ「まあ、乗りかかった船だしね」
美奈子「もうこの際やったろうじゃない!」

ほぼ全員の了承を取り付けたところで、空を見上げる聖羅無々。

聖羅無々「今日は満月の夜になりそうだな…」
うさぎ「満月…?」

聖羅無々がふと漏らした一言が気になるうさぎ。

聖羅無々「では諸君、今夜9時ジャスト、

 藍羽財団CEO宅玄関前に集合してくれたまえ!」
聖羅美茄子「諸君の働きに期待している!」

そう言い残すと、二人の刑事たちは再びヘリへと乗り込み、飛び去っていった。

うさぎ「行っちゃった…」
亜美「………」
まろん「どうしたの、水野さん?」
亜美「…何かあの刑事さんたちの、うさぎちゃんと美奈子ちゃんを見つめる視線が
 異様な気を発していたような気がするの」
うさぎ「…えっ!?」
亜美「…あ…え…えっと…きっと気のせいだわ。き、気にしないで」

しかし、亜美の感じたその妙な予感は不幸!?にして的中していたのである。


***ヘリの機内***

先ほど飛び去ったヘリの操縦席では、セーラー服を着た怪しげな人影が…!?

???「あれがセーラームーンにセーラーヴィーナス…!」
???「どちらが真の美少女戦士と呼ばれるに相応しい存在か、
 思い知らせる日がついに来たようね。うふふ…ふはは…あはははは!!!!!!!!!!」

愛と正義のセーラー服美少女戦士セーラームーンに、最大の危機が迫る?

14

●神風強盗ダルク→刑務所を脱獄。再び高価な美術品の窃盗を繰り返す。
○加賀美陸→日下部まろん=神風怪盗ジャンヌに、半ば強要する形で神風強盗ダルク逮捕への協力を依頼。
○日下部まろん→警視庁から神風強盗ダルク逮捕への協力を要請される。
○名古屋雅空→警視庁から神風強盗ダルク逮捕への協力を要請されたまろんに付き合う。
○月野うさぎ→警視庁から神風強盗ダルク逮捕への協力を要請されたまろんから相談される。
○水野亜美→警視庁から神風強盗ダルク逮捕への協力を要請されたまろんから相談される。
○火野レイ→警視庁から神風強盗ダルク逮捕への協力を要請されたまろんから相談される。
○木野まこと→警視庁から神風強盗ダルク逮捕への協力を要請されたまろんから相談される。
○愛野美奈子→警視庁から神風強盗ダルク逮捕への協力を要請されたまろんから相談される。
○聖羅無々→日下部まろんとセーラー戦士達に接触。セーラームーンに並々ならぬ対抗意識を燃やす??
○聖羅美茄子→日下部まろんとセーラー戦士達に接触。セーラーヴィーナスに並々ならぬ対抗意識を燃やす??

【今回の新規登場】
●塚本容疑者=神風強盗ダルク(こちら葛飾区亀有公園前派出所)
 神風怪盗ジャンヌのコスプレをして、高価な美術品を強奪していた
 連続窃盗犯。その正体はオカマで中年の変態男。麻生瑠璃華こと
 プロファイリング刑事と亀有公園前派出所の面々の活躍により逮捕された。

○聖羅無々=月光刑事(こちら葛飾区亀有公園前派出所)
 警視庁特殊刑事課会員番号4番。夜間戦闘機「月光」に乗り行動する。
 セーラームーンの格好をしており、他にもさまざまにコスチュームチェンジを
 することで特殊能力を発揮することになっている(但し、余り役に立ったことはない)。

○聖羅美茄子=美茄子刑事(こちら葛飾区亀有公園前派出所)
 月光刑事のパートナー。こちらはセーラーヴィーナスの格好をしている。
 プリクラやルーズソックスのコギャル文化に詳しく、武器は鉄球。


『笑激の邂逅!セーラームーンVS月光刑事』-2

作者・ティアラロイド

15

***藍羽邸***

その日の夜、日下部まろん、名古屋稚空、そして月野うさぎたちは、
ブレイバーズ主要スポンサーに名を連ねる、藍羽財団CEO・藍羽ルリの屋敷に
集合していた。

うさぎ「あーあ、今頃地球防衛組とかザウラーズの子達とかは
 みんな南の島でバカンスなんでしょ。うらやましい」
美奈子「でも参加対象者は中学生以下だったみたいだし。
 ほら、あたしたちは高校生だから」
レイ「どうせちびうさちゃんがいたら付き添いの名目で
 自分も南の島にいけたのに~っ!とか思ってたんでしょ?」
うさぎ「あー!中学生に戻りたい~~!」
亜美「もう!うさぎちゃん!」
まこと「ごめんな、まろんちゃん。みんなこんな調子で」
まろん「ううん、気にしないで。お願いしたのはこっちの方だし」
稚空「……屋敷の人間が来たぜ」

屋敷の主である藍羽ルリと、それに仕える執事の鏡誠が
うさぎたちを丁重に出迎える。

ルリ「皆さん、本日はよくお集まりくださいました」
うさぎ「……(この娘、可愛い…)」
亜美「どうもはじめまして。藍羽会長でいらっしゃいますね」
鏡「皆さん、どうぞこちらへ。宝石の部屋までご案内いたします」

ルリと鏡に案内されるうさぎたち。
目的の部屋まで歩いている途中、美奈子はまことの様子が
おかしいことに気がついた。

まこと「………(///)」
美奈子「ちょっとまこちゃん、どうしたの?」
まこと「あの執事の人、先輩にソックリだ…」
美奈子「あちゃ、また始まったか…」
レイ「ところで警視庁の特殊刑事課の人たちは?」
ルリ「警察の方は後から到着されるそうです」
亜美「後から…??」
鏡「こちらの部屋です」

部屋の中へと通されたうさぎたちは、
中央に置かれている宝石を目にした。

鏡「こちらが今回、神風強盗ダルクから予告状が送られた
 55カラットのダイヤ、時価30億円相当する"ドラゴンの涎"になります」
うさぎ「へぇ~これが…」
ルリ「あ、待ってください!!」
うさぎ「…え!?」

不用意に宝石が収納されたガラスケースに触れたうさぎは、
次の瞬間、高圧電流に感電してしまった!

うさぎ「うぎゃぎゃぎゃぎゃあわわわ!!!!!!!!!」

急いで鏡がリモコンで電流をストップする。

亜美「うさぎちゃん、大丈夫!?」
うさぎ「はあ…はあ…死ぬかと思ったわ!」
鏡「むやみに触れるな。迂闊に触ると高圧電流が
 流れる仕組みになっている」
うさぎ「あのね!そーゆー大事な事はもっと早く言ってくれる!」
美奈子「このSSを読んでるよい子のみんな、このお話はギャグだし、
 うさぎちゃんだから電流に触れても無事だったのよ。くれぐれも
 真似しちゃダメだからね♪」
稚空「誰に話してるんだ…??」

16

ルリ「どうですかまろんさん、これまで神風怪盗ジャンヌとして
 長く活動してこられた貴女の目から見て、この部屋のセキュリティは?」
まろん「そうですね、高圧電流のトラップに、
 周囲は常に武装したメイドの皆さんで厳重に警戒している。
 一見隙の無い警備体制ですが、もし私だったら、
 わざと罠にかかったとみせかけて敵を油断させ、
 その隙にターゲットの物に接触しますね」
ルリ「なるほど…」

まろんとルリが警備体制について話し合っている最中、
突然窓から煙幕弾が投げ込まれた!

うさぎ「な、なに!?」
まろん「これは!? ゲホッ…」
ルリ「いけない、ドラゴンの涎が!」
鏡「お嬢様、お下がりください!危険です!」

たちまち煙に巻かれる一同。

ダルク「オホホホホ!!!!!」

ようやく煙が部屋から晴れたと思ったら、
全員の目の前には、"ドラゴンの涎"を手にした
神風強盗ダルクの姿があった!

まろん「あなたが神風強盗ダルク!?」
ダルク「オホホホホ!! 警備装置なんてアタシには無意味よ!
 "ドラゴンの涎"確かに頂いたわ! ではさらば!」
鏡「いかん! メイド隊、奴を追うんだ!」
稚空「まろん、変身だ!」
まろん「わかった! 強気に本気、無敵に素敵、元気に勇気!
 怪盗ジャンヌ、神に遣わされ只今参上!」

それぞれ怪盗ジャンヌと怪盗シンドバッドに変身したまろんと稚空は、
窓から外へ飛び降り、逃げた神風強盗ダルクを追った!

うさぎ「あ、みんな行っちゃった…」
レイ「何してるのうさぎっ! あたしたちも変身して追わなきゃ!」
うさぎ「え?…あ、うん! ムーン・ゴズミックパワー・メイクアップ!!」

17

一足遅れて屋敷の外へと出るセーラー戦士たち。

ムーン「みんなどっちの方向に行ったのかしら?」
ヴィーナス「あ!? あれを見て!」

セーラーヴィーナスが指差した方向、その夜空には、
一体の旧式らしき戦闘機がこちらめがけて降りてきた。

マーキュリー「あの背中と胴に付けられた射銃…。まさか、
 あれは太平洋戦争末期に活躍した旧日本軍の夜間戦闘機・月光よ!」
ジュピター「じゃあアレに乗ってるのって…?」
ムーン「月光刑事さん!?」
マーズ「着陸するわよ!」

セーラー戦士たちの目の前に着陸する夜間戦闘機・月光。
中から降りてきたのは、予想通り聖羅無々と聖羅美茄子の二人だった。

無々「待たせたな諸君!」
ムーン「神風強盗ダルクが"ドラゴンの涎"を盗んで行っちゃったの!」
マーキュリー「ジャンヌたちはすでに賊の後を追いました。
 私たちもすぐに追いかけないと!」
無々「慌てるな。直ちに我々も出動準備にかかる!」

そう言うと、二人の刑事たちはアタッシュケースから何やら
スポットライトやラジカセ等の小道具を大量に取り出して
セットし始めた。

ムーン「あのぉ…何やってるんですか?」
美茄子「その前にやらなければならないことがある」

無々はスーツの胸元からスティックを取り出し、
空高く掲げて叫んだ。

無々「ムーンライトパワー!」
ムーン「えっ…まさか!」
マーズ「この人たちも…!」
ヴィーナス「セーラー戦士なの!?」

18

しかし…。
美茄子がセットした薄い白布のカーテンの衝立の裏側へと
回った無々は、スポットライトが当たる中、ラジカセから流れる
どこかで聞いたようなBGMと共に着替えを始めた!?

無々「メイクアップ!!」
ムーン「あの…ちょっと…なにやってんすか…?」
美茄子「説明しよう! 月光刑事はコスチュームを替えることにより
 7つの特殊能力を発揮するのだ。では私も…」

美茄子も無々と一緒に着替え始める。
そして着替えを終えて出てきた姿はなんと、
素足に脛毛がたくさん生えてる中年のオヤジ二人が
セーラームーンとセーラーヴィーナスのコスプレをした姿だった!

月光刑事「月の光は私のエナジー! 月よりの使者、月光刑事(デカ)!」
美茄子刑事「同じく美茄子刑事(デカ)! 只今見参!」

ムーン「ひいいいい~っっっ!!!!!!!???????」
ヴィーナス「げえええええ~っっっ!!!!!!!???????」

目が飛び出し、あんぐりと口を開けたまま固まってしまっている
本家セーラー戦士たち。空しく冷たい風が枯葉と共にその場を横切る。

月光刑事「世間を騒がす犯罪者は、月に代わってお仕置きよ!」
ムーン「ちょっとぉっ!! 人の決め台詞勝手に取らないでくれる!!」
マーズ「あのー、つかぬことをお伺いしますが、
 もしかしてマーズ刑事とかジュピター刑事とかも
 いたりするんですか…?」
美茄子刑事「いや、警視庁特殊刑事課の月光刑事班に所属するのは
 我々二人だけだ」

マーズ「ホッ…」
マーキュリー「ホッ…」
ジュピター「フゥ~…」

ムーン「ちょっとみんな! なに自分たちだけ安心してんのよ!」
ヴィーナス「そもそもなんでいい歳こいたオッサンが
 アタシたちのコスプレなんかしてるわけ!?」
月光刑事「この方が犯人追跡の際に動きやすいからだ。
 それにパンチラを見せることでこれまで数々の犯人を悩殺してきた!」
ムーン「おえぇぇぇ…(吐き気)。それって、
 ただ気持ち悪くなって倒れただけなんじゃ…(汗」

ついに最悪の出会いを迎えてしまった本家セーラー戦士たちと
警視庁特殊刑事課・月光刑事と美茄子刑事。
果たして、彼女たちの運命やいかに! 次回に続く…ww。

19

○セーラームーン→藍羽邸を警備。変身後の月光刑事と衝撃の邂逅を迎える。
○セーラーマーキュリー→藍羽邸を警備。
○セーラーマーズ→藍羽邸を警備。
○セーラージュピター→藍羽邸を警備。
○セーラーヴィーナス→藍羽邸を警備。変身後の美茄子刑事と衝撃の邂逅を迎える。
○怪盗ジャンヌ→藍羽邸を警備。神風強盗ダルクを追う。
○怪盗シンドバッド→藍羽邸を警備。神風強盗ダルクを追う。
○藍羽ルリ→月野うさぎ、日下部まろんたちを出迎える。
○鏡誠→月野うさぎ、日下部まろんたちを出迎える。
○月光刑事→本家セーラームーンに自身の変身を披露。
○美茄子刑事→本家セーラーヴィーナスに自身の変身を披露。
●神風強盗ダルク→藍羽邸に侵入。ドラゴンの涎を持ち去る。

【今回の新規登場】
○藍羽ルリ(セイクリッドセブン)
藍羽財団のCEOであるお嬢様。頭の赤い大きなリボンがトレードマーク。
丹童子アルマを「セイクリッドアルマ・リベレイター」に変身させる
善石の力を持ったセイクリッドテイカーの1人であり、力を使う度に高価な宝石を消費する。

○鏡誠(セイクリッドセブン)
藍羽ルリに仕える執事。中学2年生の時点でハーバード大学を飛び級卒業したほどの秀才。
機動兵器「AES-02 エンゲージメントスーツ」に搭乗し、悪石と戦う。
ルリがアルマの通う学園を買い取った際、自身は同校の生徒会長に就任した。


『笑激の邂逅!セーラームーンVS月光刑事』-3

作者・ティアラロイド

20

マーキュリー「とにかく神風強盗ダルクを追いかけなきゃ!」
マーズ「行くわよ、みんな!」
ムーン「あ、待って! 置いてかないで!」

神風強盗ダルクを追って走り去っていくセーラー戦士。
だがしかし、セーラームーン一人だけが月光刑事に
鞭で片足を絡めとられて地面にすっころぶ。

ムーン「――いたあっ!! ちょっと!なにすんのよ!!」
月光刑事「闇雲に追いかけても、これまでのように逃げられるだけだ」
美茄子刑事「まずは変身だ!」
月光刑事「ムーンライトパワー!」

月光刑事と美茄子刑事は再び着替えを始めた。
そして今度は看護婦の姿に!

月光刑事「ラブリーナース月光刑事!」
美茄子刑事「プリティーナース美茄子刑事! 見参!」
ムーン「………あの~なんでナースなの…?」
月光刑事「しっ!静かに!」
ムーン「…え?」

美茄子刑事は聴診器を取り出し、地面に当てて耳を澄ます。

美茄子刑事「南南西の方向に猛スピードで遠ざかっていく車があります」
月光刑事「犯人の車だ!」
ムーン「すごいじゃない!…てか、それだったら
 最初からその格好に着替えなさいよ…(汗」
月光刑事「再び変身だ!」
ムーン「またあ~!? こんなことしてる間に
 逃げられちゃうんじゃ…」
月光刑事「ムーンライトパワー!」

再び丸いスポットライトの当たるスクリーンの向こう側で、
中年のオヤジ二人が並んで着替えをするシュールな光景が展開される。

美茄子刑事「やだあ~!パンスト伝線してるぅ~!」
月光刑事「うそぉ~!美茄子チョーかわいそう!」

ムーン「………(なんなのこの人たち)」

ようやく着替えが終わって出てきたその姿は、
SMボンデージスタイルの姿だった!

月光刑事「女王様月光刑事!」
美茄子刑事「女王様美茄子刑事! 見参!」
ムーン「一応聞きますけど……今度はなんでその格好に?」
月光刑事「この姿の方が夜目が利くのだ」

夜間戦闘機・月光へと颯爽乗り込む月光刑事と美茄子刑事。
しかしこの月光は定員が二人乗りだったため、
セーラームーンは急遽、機体の下腹部に取り付けられた
狭いカプセルのような場所に無理やり押し込まれることに…。

ムーン「なによこれぇぇ!! 狭~い!! 息苦し~い!!」
美茄子刑事「少しの間だけ我慢しろ。前回より強度は
 アップしてある! 落ちる心配は無い!」
ムーン「…前回!?…落ちる!? いったい何の話よっ!!
 やだあああ!!! 出るぅ~!! ここから出してえええ!!!!(泣」
月光刑事「では発進!」
ムーン「ひええええええええ!!!!!!」

こうしてセーラームーンが必死に泣き叫ぶ中、
無情にも月光は夜の大空へと飛び立った。

21

ムーン「はあ…はあ…はあ…。ホントに死ぬかと思ったわ…!」

ようやく先行していたマーキュリーやジャンヌたちに追いつき、
東京湾近くで合流したセーラームーンと月光&美茄子の両刑事。
ハードな魔の夜間飛行から解放されたセーラームーンは、
着陸した月光から降ろされた途端、すぐその場にしゃがみこんだ。
そしてセーラーヴィーナスがセーラームーンの背中をさすっている。

ヴィーナス「大丈夫?…セーラームーン」
ムーン「あれがとう。……つーか!ヴィーナスちゃんもみんなも、
 よくもアタシ一人だけ置いてけぼりにしてくれたわねえええ~!!」
マーキュリー「ご、誤解よ、セーラームーン…!(汗」
ジュピター「決して変態さんと関わりたくないからって、
 セーラームーン一人に押し付けようとしたわけじゃないよ…!(汗」
ムーン「…ホントにぃぃ~??」
マーズ「ホントよホント! あんまり疑り深いと美容に悪いわよ…(汗」

セーラームーンはジト目でマーズたちを見つめるが、
マーズたち4人は必死にそれを誤魔化す。

ジャンヌ「ところでセーラームーン、そちらの方たちは…?」
シンドバッド「もしてして神風強盗ダルクの仲間か!?」
ムーン「あ~言いにくいんだけど、この人たちはね…」

まるで腫れ物に触るような目つきで尋ねるジャンヌに、
セーラームーンは彼ら二人が月光刑事と美茄子刑事だと説明する。

ジャンヌ「えええええっ!!?」
ジュピター「まあ、当然の反応だよな…」
美茄子刑事「月光刑事、あれを見てください!」

双眼鏡で東京湾を監視していた美茄子刑事が叫ぶ。
ゴムボートで逃走中の神風強盗ダルクが、迎えのクルーザーに
乗り移ろうとしているのだ!

月光刑事「おのれ、仲間がいたのか!」
美茄子刑事「セーラームーン、あの湾上に突き出た作業用クレーンから
 賊のクルーザーめがけて飛び乗れ!」
ムーン「あんな高いところから!? 冗談言わないでよ!」
月光刑事「特別ボーナス2倍出そう!」
ムーン「そんなもの出ようが無理なものは無理ぃぃ~っ!!」
ジャンヌ「なら私がやるわ!」

ジャンヌはクレーンの頂上めがけてジャンプし、
そこから海上のクルーザーめがけて飛び降りる!

ジャンヌ「たあああああっっ!!!!!」

しかし目標のクルーザーからマシンガンが掃射され、
哀れジャンヌは海上へと落下する。

ジャンヌ「――!? キャアァァー!!」

22

シンドバッド「――ジャンヌ!?」

シンドバッドは海へと飛び込み、海上漂うジャンヌを救助する。

シンドバッド「ジャンヌ、大丈夫か!?」
ジャンヌ「ありがとう…少し掠っただけ。
 それよりも神風強盗ダルクは!?」
シンドバッド「機関銃で武装しているとは、奴ら只者じゃない。
 いったい何者なんだ…」


***東京湾上・クルーザー内部***

"ドラゴンの涎"を抱え込んだまま、ゴムボートから
クルーザーの中へと逃げ込んだ神風強盗ダルクを迎え入れたのは、
秘密結社エゴスの戦闘員カットマンたち。
そしてエゴスの教祖サタンエゴスの神子・エゴス怪人の一人である
ゼニゲバ怪人である。

やはり神風強盗ダルクの脱獄の手引きから始まる
一連の事件の黒幕は、今回もGショッカーだったようである。

ゼニゲバ怪人「ご苦労だったな神風強盗ダルク。
 それで、例のブツは?」
ダルク「これよ…」

神風強盗ダルクは懐から"ドラゴンの涎"を取り出し、
それをゼニゲバ怪人に渡した。

ゼニゲバ怪人「ククク…さすがはアジア一の輝きを放つと言われる
 秘宝"ドラゴンの涎"よ。これでアクセサリーを作れば、
 きっとサロメの奴も喜んでくれるだろう」


***東京湾岸***

ムーン「どうしよう、このままじゃ神風強盗ダルクに逃げられちゃう!」
マーキュリー「大丈夫よセーラームーン!
 ――シャボン・スプレー・ブリージング!!」

セーラーマーキュリーはシャボン・スプレーの冷却効果で、
東京湾一面をたちまち凍結させた。

ムーン「さすがマーキュリーちゃん!」
マーズ「追うわよ!」

はたしてセーラームーンたちは神風強盗ダルクを
無事に逮捕することが出来るのか!?
次回へと続く!

23

○セーラームーン→神風強盗ダルクを追跡。月光&美茄子両刑事に振り回される。
○セーラーマーキュリー→神風強盗ダルクを追跡。
○セーラーマーズ→神風強盗ダルクを追跡。
○セーラージュピター→神風強盗ダルクを追跡。
○セーラーヴィーナス→神風強盗ダルクを追跡。
○怪盗ジャンヌ→神風強盗ダルクを追跡。
○怪盗シンドバッド→神風強盗ダルクを追跡。
○月光刑事→神風強盗ダルクを追跡。
○美茄子刑事→神風強盗ダルクを追跡。
●神風強盗ダルク→ゼニゲバ怪人と合流。
●ゼニゲバ怪人→神風強盗ダルクと合流。

【今回の新規登場】
●ゼニゲバ怪人(バトルフィーバーJ)
「エゴスの集金人」を自称するエゴス怪人で、国防省が管理する時価500億円の金塊強奪を目論む。
バトルフィーバーが護衛する、金塊輸送車を狙った。 調子のいい性格で、ヘッダーらに内緒で
サロメには自作の金のネックレスをプレゼントしようとした。また、やや間が抜けており、
金持ちであることを強調する癖がある。 武器は「コイン杖」と、体中についている
寛永通宝を模した「ゼニガタ爆弾」。敗退寸前、弟ロボに遺産の相続を命じた。


『笑激の邂逅!セーラームーンVS月光刑事』-4

作者・ティアラロイド

24

前回、まんまと藍羽邸から宝石"ドラゴンの涎"の強奪に成功し、
ゼニゲバ怪人の指揮するクルーザーへと逃げ込んだ神風強盗ダルクだったが…

***東京湾上・クルーザー内部***

ゼニゲバ怪人「これさえ手に入れば、もはや貴様には用は無い!
 ここで東京湾の底へと沈むがいい!」
ダルク「だ、騙したのね…!?」

ゼニゲバ怪人は土壇場で神風強盗ダルクを裏切り、
用済みとして始末しようとする。
一斉に銃をダルクに向けて構える戦闘員カットマン。
だが…

ダルク「オホホホ!! そんなこったろうと思ったわ!
 これをよく見なさい!」

神風強盗ダルクは上着の羽織を脱ぎ捨てると、
胴体に自爆用のダイナマイトを何本も巻きつけていたのだ!
それを見て動揺するカットマンたち。

ゼニゲバ怪人「お、お前たち慌てるな!
 こんなのは全てハッタリだ! コケ脅しだ!
 猿芝居に騙されるんじゃないぞ!」
ダルク「…ゼニゲバ怪人、実は私、一目見たときから
 貴方の事が大好きだったの」
ゼニゲバ怪人「ハァー?」
ダルク「他の女に渡すくらいなら、
 ここで貴方を殺して私も死ぬわああああっ!!!!!!」
ゼニゲバ怪人「ば、バカな真似はやめろ!
 落ち着かんかあーっ!!」

揉み合いになる船内。
そこに乗り込んできたセーラームーンの一喝が響き渡る!

ムーン「おまちなさい!!」
ゼニゲバ怪人「何者!?」
ムーン「満月の美しき夜に盗みを働き、世間を騒がせるとは許せない!
 この愛と正義のセーラー服美少女戦士、セーラームーンが
 月に代わっておしおきよ!!」

               __      _ ,ィ.二 ヽ
              /´__ >ー_'二 - ┴L. } }
                 { 〈 /´  - '      、 Y ノ!
                z'´j   , - ¬,  ,   ヾ. !
             /    、 {ーx '-ァ イ_ ノ  、} ',
             {/,  、 ヽ.トLj/z=‐くィ_ チ|   ',
             l ヽ. 、_7ヨハ.ヽ  {しリ | Y li   !
      , ィ       |  ト-:ハ. 弋り i:. ゞ' ,, jソ l',  l
      {. {      l  /  ヽヌ ''  r ヘ.  /┘  ! ,  ヽ
 r - ――ゝ \   / //  _└'>  二 イ __  ヽヽ  |
   ̄ ̄フ --  ヽ/ //   l }  _ハr:ッ'´/ ̄`ヽ, l| ',
     {   ,'  ∨ / r‐、/ ':T TT//イ´, -- 、  ',l ', ヽ
    // ̄ ヽ  ヽ! } ‐' ´_`!少'/  {´_    ヽノヽ ヽ  ',
   .〈/     /ヽ  \! i ´ /〉ィ´ }/´ ̄  ヽ._/ | ', ヽ.|
        /' ,-',   ヽ __ ノ_, -'´     /  |_}  !  l ヽ
         / /{ ハ.   / /「´     , -'´   /     ヽ. ヽ ',
       / {. ヽ_V l l|   , - '、 ___./      |  ! |
     /    lー-- ' ヽ {. '、 ヽ -'´     /- ― ┐   ヽ ヽ ヽ

ダルク「キィーッ!! しつこい奴!」

25

マーキュリー「東京湾一面は凍らせたわ!
 もうどこにも逃げられないわよ!」
ゼニゲバ怪人「バカめ! こんな時の場合の備えを何もしていないと
 でも思ったか!? クルーザーを飛行モードにチェンジさせろ!」
カットマン「了解!」
マーズ「なんですって!?」

ゼニゲバ怪人の号令と同時に、クルーザーの両脇から
飛行翼のようなものが生え、なんと飛行モードへと変形して
東京湾から飛び立った!

ムーン「この飛行機を止めなさい!」
ゼニゲバ怪人「イヤなこった!」
ダルク「ダ~リン! 私と共に天国への逃避行よ!」
ゼニゲバ怪人「やめろ気持ち悪い!!」

クルーザーの狭い船内の中で
セーラー戦士、神風強盗ダルク、エゴスの
三つ巴による取っ組み合いが始まった!
迂闊に炎や雷を使用するとダルクのダイナマイトに引火するため、
必殺技や火器の使用は控え、ほとんどが素手でのバトルである。

ゼニゲバ怪人「全員振り落としてくれる!
 え~い!どけぃっ!!」

ゼニゲバ怪人は操縦桿を握ると上に横へと乱暴に操縦し始めた。
その振動で、マーキュリーたち4人やカットマンたちが続々と
船から空中へと振り落とされていく。

マーキュリー「きゃあああ!!」
ヴィーナス「いやあああっ!!」
ムーン「マーキュリーちゃん!! ヴィーナスちゃん!!」

そんな時、月光刑事たちの操る夜間戦闘機・月光が、
飛行クルーザーに追いついて来た。

月光刑事「攻撃開始!」

夜間戦闘機・月光の機銃掃射が、
飛行クルーザーのエンジン部分に命中した!

ゼニゲバ怪人「いかん!エンジンをやられたか!?
 ――ぐおおっ!??」
ムーン「Gショッカー! 早く船を着陸させなさい!!」
ダルク「ダ~リン、愛してるわ♪」

セーラームーンがヘッドロックでゼニゲバ怪人の頭を脇に抱えて締め上げ、
神風強盗ダルクが腹の脇からゼニゲバ怪人に気持ち悪く抱きついている。

ゼニゲバ怪人「いい加減にやめんか貴様らあっ!!
 本機はたった今操縦不能に陥ったのだ!!」
ムーン「…な、なんですってええ!!!???」
ダルク「えええええっっ!!!!」

26

***東京・桜田門 警視庁・総監執務室***

東「総監、このような夜遅くまでご苦労様です」
陸「うむ…」

警視総監・加賀美陸はその日の夜、
警視庁本庁舎の総監室の窓から中秋の名月を愛でていた。

陸「一句浮かんだよ。"鈴虫や 音色も多いや 月の友"…」
東「お見事です、総監!」

その時、警視庁の総監室めがけて一直線に、
何か飛行体のようなものが突進してきた!

陸「…おや、副総監、アレはなんだろうね?」
東「…そ、総監っ! アレは!?」


::::::::::::::::::::::::......   ........::::::::::::::::::::::::::: ;;;;;;;::::::::::::::::::
           γ ⌒ ⌒ `ヘ
          イ ""  ⌒  ヾ ヾ    ドガァァァァァァァァン.....
        / (   ⌒    ヽ  )ヽ
        (      、 ,     ヾ )
 ................... .......ゞ (.    .  ノ. .ノ .ノ........... ........
 :::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ、、ゝ.....|  |..., , ノソ::::::::::::::.......::::::
  _ _i=n_ ._ [l_ .._....,,. .-ー;''!  i;;;~-ヽ_ii_i=n_ [l h__
  /==H=ロロ-.γ ,~ー'''l ! |'''ーヾ  ヾ 「!=FH=ロロ
  ¶:::-幵-冂::( (    |l  |    )  )=HロΠ=_Π
  Π=_Π「Ⅱヾ、 ⌒~"""''''''⌒~'"´ ノ;;'':::日lTΠl:::....
 Д日lTl,,..:''''"   ""'''ー-┬ーr--~''""   :::Д日lT::::
 FH=n.:::::'            |   |         :::FL日l」:::::
 ロΠ=:::::.:.        ノ 从 ゝ        .::田:/==Д::
 口=Π田:::.                   .::::Γ| ‡∩:::::
 Γ| ‡∩Π::....                ...:::Eヨ::日lTlロ::::
 Д日lTlロ_Π::::.......            ...::::::::田:凵Π_=H:::
 =Hロ凵Π=_Πロ=HロΠ:::.................:::::::::::口ロロH「l.FFl

警視庁本庁舎が無残にも煙を出して炎上する様子を、
上空から目視で確認する月光&美茄子両刑事。

月光刑事「これにて一件落着だ!」

27

***警視庁・ブレイブポリス庁舎***

ドリルボーイ「加賀美総監と東副総監が入院!?」

昨夜発生した警視庁本庁舎炎上崩壊事故の概要と、
今後の指示がブレイブポリスにも伝えられた。

テッカード「幸い壊れたのは総監室とその周囲の一部だけで、
 総監自身も大した怪我ではなく、一週間程度で退院されるようだ」
マクレーン「ただ加賀美総監を咄嗟に庇った東副総監が
 思ったよりも重症で、入院期間もかなり長引きそうなので、
 ボスがブリアン島のキャンプに行っていて留守中ではあるが、
 我々ブレイブポリスは再び正木警視監の指揮下に入ることになる」
パワージョー「なんだかんだ言って東副総監も結構苦労人だよな。
 正直同情するぜ、あの人によ…」


***都内・某総合病院***

うさぎ「ホントひどい目に遭ったわ…」
まろん「元気出してうさぎちゃん」

全身包帯が巻かれた哀れな姿で入院していた月野うさぎを、
水野亜美たち4人や日下部まろんが見舞いに訪れている。

あの後、神風強盗ダルクは逮捕され、
ゼニゲバ怪人は姿を晦ましたものの、
無事に"ドラゴンの涎"を取り戻すことに
成功したのだった。

レイ「壊れた警視庁庁舎の修繕費やうさぎの入院費用だって
 全部藍羽財団がもってくれたんでしょ。よかったじゃない」
うさぎ「………」

レイの慰めにも、うさぎはベットの上で
ずっと脹れ面のまま不満の意を示している。
そこへ突然、宅配便の配達員が大きな箱を持って現れた。

配達員「こんちわー! 宅配便でーす!
 月野うさぎさんの病室はこちらですか?」
亜美「…あ、はい」

亜美が応対して代わりに荷物を受け取る。

まこと「亜美ちゃん、いったい誰からなんだい?」
亜美「えっと…差出人の名前は…加賀美陸?? 警視総監だわ!」
美奈子「えーっ!?」

驚く一同。すぐにダンボール箱の中身を空ける。
中には月光刑事や美茄子刑事の他、海パン刑事、ドルフィン刑事など
警視庁特殊刑事課の面々の姿を模したフィギィアが
何十箱もびっしりと敷き詰められていた!

美奈子「いやあああ!?」
まこと「な、なんだよこれはいったい!?」
亜美「手紙が添えてあるわ!」

亜美が中に添えてあった封筒を空け、
中に入っていた手紙を恐る恐る読んでみる…。

亜美「えーと…月野うさぎ様、今回の事件解決に対する特別ボーナスとして、
 特殊刑事特製フィギィアをお送りします。他では絶対に手に入らない貴重品です。
 大切にしてください。部屋に飾ってくれなきゃおしおきよ……
 ……(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル」

その場にいた全員が硬直した…。

レイ「うさぎ、これ全部あげるわね」
うさぎ「えっ…!?」
亜美「だってほら、今回は全部セーラームーン一人の
 お手柄みたいなものだし…」
うさぎ「ちょっと亜美ちゃんまで…!」
まろん「ごめんうさぎちゃん、もう時間だから私帰るね!」

まろんと亜美たちは一斉にその場から逃げ出した。
そして病室には、ベットに横たわったままのうさぎと、
特殊刑事課特製フィギィアが敷き詰められたダンボール箱だけが残されたのだった…。

うさぎ「あれだけ死ぬ思いをしたのに、その結果がこの仕打ちなのおお!?
 もう泥棒を捕まえるだなんて懲り懲りよおおおお!!!!!!


28

○月野うさぎ→神風強盗ダルク、ゼニゲバ怪人と戦闘。
 その後飛行クルーザーごと警視庁に突っ込み、負傷して入院する羽目に。
 さらに加賀美陸から特殊刑事特製フィギィアを送りつけられるなど散々な目に遭う。
○水野亜美→神風強盗ダルク、ゼニゲバ怪人と戦闘。
○火野レイ→神風強盗ダルク、ゼニゲバ怪人と戦闘。
○木野まこと→神風強盗ダルク、ゼニゲバ怪人と戦闘。
○愛野美奈子→神風強盗ダルク、ゼニゲバ怪人と戦闘。
○日下部まろん→入院した月野うさぎを見舞う。
○月光刑事→エゴスの飛行クルーザーを撃墜し、神風強盗ダルクを逮捕。
○加賀美陸→神風強盗ダルク逮捕のどさくさに巻き込まれ、大怪我を負う。
 その後、何の意図か月野うさぎに特殊刑事特製フィギィアを大量に送りつける。
○東一門→神風強盗ダルク逮捕のどさくさに巻き込まれ、大怪我を負う。
 入院は思ったより長引く模様。
○テッカード→加賀美総監及び東副総監負傷に関して、今後の当面の指示が届く。
○マクレーン→加賀美総監及び東副総監負傷に関して、今後の当面の指示が届く。
○パワージョー→加賀美総監及び東副総監負傷に関して、今後の当面の指示が届く。
○ドリルボーイ→加賀美総監及び東副総監負傷に関して、今後の当面の指示が届く。
●ゼニゲバ怪人→セーラー戦士と戦闘。飛行クルーザーごと警視庁に突っ込む。
 弟の悪魔ロボットを呼んでいないので、まだ死んでいないと思われる。
●神風強盗ダルク→セーラー戦士と戦闘。飛行クルーザーごと警視庁に突っ込む。その後逮捕される。


『サンレッド、魔法の国の戦い』

作者・ユガミ博士

29

***甘城ブリリアントパーク***

東京都西部のベッドタウンである甘城市にある経営が苦しいテーマパーク
「甘城ブリリアントパーク」実はキャストの大半が魔法の国メープルランドから来た
妖精なのだが、そのテーマパークの支配人代行をひょんな事から引き受けた高校生、
可児江西也は、サポートを務める千斗いすずと共に今日も支配人代行として業務を行っていた。

西也「何、『スプラッシュ・オーシャン』のキャスト全員が風邪で寝込んだだと!?」
いすず「ええ、一週間は安静にしてないといけないそうよ」

パーク内にあるプール「スプラッシュ・オーシャン」では、キャスト達によるショーを
行っていたのだが、このままでは一週間もショーが出来ず経営に響いてしまう。

トリケン「それでしたら、私に打ってつけの知人がいるのですが、ご紹介致しましょうか?」
西也「本当か?すぐに紹介してくれ」

見た目がトリケラトプスの営業及び広報担当であるトリケンから、打ってつけの人物がいる
と聞かされ、西也は紹介してもらう。

後日、甘城ブリリアントパークの事務所に呼ばれたのが・・・・。

ヴァンプ「私、世界征服を目標に活動している悪の組織フロシャイムで
 川崎支部の司令官をしていますヴァンプと申します。そして、こちらが
 私たちの宿敵である天体戦士サンレッドことレッドさんです」
サンレッド「・・・・って、何で俺を連れて来たんだよ!!」
西也「(・・・・・何だ、こいつ等(汗))」

トリケンが紹介してきたのは、川崎を舞台に戦っている天体戦士サンレッドと
悪の組織フロシャイムだった。トリケンはフロシャイムの怪人モスキーと
とあるイベントで知り合ってから友人となっており、今回紹介したのである。
(どんなイベントかは察して下さい・・・・)西也はヴァンプ将軍の悪の組織
らしからぬ丁寧な物言いや、サンレッドのヒーローなのにTシャツという
ラフな格好に、彼は戸惑う。

ヴァンプ「まぁまぁ、レッドさん。困っている人を助けるのはヒーローとして、
 当然の事ですよ!」
サンレッド「・・・・毎回、思うが悪の組織のセリフじゃねえだろ」
西也「(・・・・胡散臭い連中だが、ここは仕方がない)当パークの支配人代行を
 務めさせていただいています可児江西也です。今回、ご協力に感謝します」

サンレッドとヴァンプ将軍のいつものやり取りに、

西也は内心、不審に思いつつも営業スマイルで挨拶をする。

ヴァンプ「今回プールで戦うので、レッドさんにはゲイラス君とガメス君に戦ってもらおうと
 思います」
ゲイラス&ガメス「「よろしくお願いします!」」

ヴァンプはプールで戦うという事で、フロシャイム川崎支部に所属するイカ型怪人のゲイラスと
カメ型怪人ガメスを西也達に紹介する。そしてゲイラスとガメスの能力等が説明された。

西也「見た目も水に関係する怪人ですし、空を飛べるとなるとお客様にも喜ばれるかも
 しれませんね」
サンレッド「まっ、何だっていいけどよ。ショーじゃなくても、俺が勝つだろうけどな」ヘラヘラ

ゲイラスとガメスの飛行能力を聞いて、西也もショーを見に来た来場者にも
好評を得るだろうと考える。サンレッドはヘラヘラといつもの調子で言った。
その後、打ち合わせをしてサンレッド達は川崎へと帰り、その日は終わった。

30

西也「何!?来られない」
ヴァンプ「はい・・・申し分けありません。ゲイラス君はご親戚のお葬式で、ガメス君は
 腕を骨折しちゃったみたいで」
サンレッド「てめぇ、ヴァンプ!他の怪人(やつら)はどうした!」
ヴァンプ「他の皆も、それぞれ予定があって来れないんです」
いすず「どうするの?もうすぐ開演よ!」

開演当日。西也達はヴァンプから、ゲイラスとガメスがそれぞれの事情で
出演する事が出来ないと聞かされる。時間も迫っており、このままでは
中止にしなかればならない。

ウサコッツ「ヴァンプ様!ボク達アニマルソルジャーが代わりに出るよ!」
いすず「(カワイイ////)」
デビルねこ「でも、僕ヒザを痛めちゃっているから上手く動けないよ」
西也「(見た目、ヌイグルミなのに、膝を痛めたって何だ!?オヤジか!)」

ヴァンプに付いてきたアニマルソルジャーのウサコッツが自分達が代わりに
出演すると立候補する。西也は見た目はカワイイぬいぐるみなのに色々な
持病を抱えているデビルねこに内心、呆れた。

Pちゃん改「・・・・・・」ウィィィン
デビルねこ「Pちゃん、ショーだからミサイルは使わないよ!(汗」
西也「怖いわ!」

アニマルソルジャーの一員であるPちゃん改は、やる気を見せたいからか
口からミサイルを出そうとするので、デビルねこが止める。ミサイルが
出ようとしていたので、流石の西也も思っていた事を口に出した。

バーン!

???「話は聞かせてもらった!!」
ウサコッツ&デビルねこ「ム、ムキエビ先輩!!」

事務所の扉をいきよい良く開けて現れたのは、フロシャイム川崎支部に
所属する怪人の一体、ムキエビ先輩だった。突然の登場にウサコッツや
デビルねこは驚く。

ヴァンプ「ムキエビさん、何故ここに?」
ムキエビ「何で俺を呼んでくれないんですか、ヴァンプ様!俺はムキエビ
 だけど、海老は海老!水棲系の怪人でしょ!」
一同「(いや、只のムキエビだよ)」

自分も水に関係がある怪人だから、今回のショーに登場できると訴える
ムキエビ先輩だが、一同はムキエビ先輩の言い分に心の中で突っ込む。

西也&サンレッド「「いいから、さっさと戦う奴を決めろー!!」」

この事態に西也とサンレッドは我慢に限界が来たので、大声で怒鳴る。
そして、結局どうなったのかと言えば・・・・・。

ヴァンプ「ふはははは、行くのだ!我がフロシャイムの誇る怪人達よ!」
モモタロス「で、久々の出番がこれかよ!」
キンタロス「まぁ、ワイらは見た目怪人やからな・・・」
リュウタロス「モモタロス、五月蠅い!」
ウラタロス「ちゃんとやって、先輩」
ウルフイマジン「・・・・何で、こいつらと一緒にこんな事をしているんだ」

ショーには、ゲイラス達の代わりに呼び出されたのは、モモタロス達
電王の仲間のイマジン達だった。ヴァンプと契約しているウルフイマジンと
一緒になって、サンレッドとステージ上で戦うのだが、とりあえずショーは
好評を得るのであった。

31

○可児江西也→トリケンにサンレッドとヴァンプ将軍達を紹介してもらい、ショーの出演を依頼する。
○千斗いすず→西也に『スプラッシュ・オーシャン』のキャストが全員、風邪で出演出来ない事を報告する。
○トリケン→西也にサンレッドとヴァンプ将軍達を紹介する。
○サンレッド→ヴァンプ将軍と一緒に甘城ブリリアントパークに訪れ、ショーに出演する。
●ヴァンプ将軍→サンレッドと一緒に甘城ブリリアントパークに訪れ、ショーに出演する。
●ゲイラス→ショーに出演する筈だったが、親戚の葬儀に参加する為、出演出来なくなる。
●ガメス→ショーに出演する筈だったが、腕を骨折してしまい出演出来なくなる。
●ウサコッツ→ゲイラスやガメスの代わりにショーに出演しようとする。
●デビルねこ→ゲイラスやガメスの代わりにショーに出演しようとするが、持病の事を話す。
●Pちゃん・改→ゲイラスやガメスの代わりにショーに出演しようとする。
●ムキエビ→ゲイラスやガメスの代わりにショーに出演しようとする。
○モモタロス→ゲイラスやガメスの代わりにショーに出演する。
○ウラタロス→ゲイラスやガメスの代わりにショーに出演する。
○キンタロス→ゲイラスやガメスの代わりにショーに出演する。
○リュウタロス→ゲイラスやガメスの代わりにショーに出演する。
●ウルフイマジン→モモタロス達と一緒に、ゲイラスやガメスの代わりに仕方が無くショーに出演する。

32サンレッド、魔法の国の戦い:2015/10/20(火) 16:44:38【今回の新規登場】
○可児江西也(甘城ブリリアントパーク)
 甘城ブリリアントパーク支配人代行を務める甘城高校の生徒。頭脳明晰、
 運動神経抜群、ルックスにも優れているがナルシスト。かつては「児玉誠也」
 という子役タレントとして一世を風靡した。ラティファにより、「相手の心を読む
 魔法」を与えられている。高所恐怖症。

○千斗いすず(甘城ブリリアントパーク)
 西也のクラスに転校してきた亜麻色の髪が特徴の美少女。魔法の国「メープルランド」出身で
 メープルランドでは近衛隊所属の第一騎士「イースズルハ・セントルシア」で、マスケット銃
 「シュタインベルガー」を所持している。元々支配人代行として派遣されたが、西也が支配人代行に
 就任してからはサポート役を務め、新年度からは秘書室長として西也を補佐する。
 家系の先祖に河童がいる影響か胡瓜が好物で、入浴に無償の喜びを感じている。

○トリケン(甘城ブリリアントパーク)
 トリケラトプスの様な見た目が特徴の甘ブリの営業部長兼広報部長。魔法の国レックスランド出身で
 物腰や口調は丁寧だが、すぐに前屈みになる。元々はパーク内エリア「ワイルド・バレー」の
 アトラクション「プラネット・ダイナソー」のキャスト。アダルトビデオに異常に詳しい。
 人間体は中肉中背の眼鏡を掛けた営業マン風の男性で、日本名は「取手」

●ゲイラス(天体戦士サンレッド)
 フロシャイム川崎支部に所属するイカ型怪人。両腕は複数の触腕が捻じれた様な形状を
 しており、開くと蝙蝠のように被膜が広がって空を飛ぶ事が出来る。冷蔵庫の様な重い物も
 持ち上げる程の怪力。「フロシャイム翼の会」「フロシャイム海の会」のメンバー。
 必殺技はブラックプレッシャー

●ガメス(天体戦士サンレッド)
 フロシャイム川崎支部に所属するカメ型怪人。よくギョウに振り回されたりしているが
 慕っている。空を飛べる事が出来る為、「フロシャイム翼の会」「フロシャイム海の会」の
 メンバー。またサンレッドの声マネが上手い。必殺技はメガトンセントーン、ガメスウィング

●ウサコッツ(天体戦士サンレッド)
 フロシャイム川崎支部に所属するウサギのぬいぐるみ型怪人で、アニマルソルジャーの
 リーダー格。自分自身は可愛くないというが、外見や行動が可愛い為、若い女性や子供に
 好かれている。アニマルソルジャー以外では同期であるらしいカーメンマンやメダリオと良く
 一緒にいる。サンレッドの膝の上がお気に入りの場所。必殺技はデーモンクロー

●デビルねこ(天体戦士サンレッド)
 ネコのぬいぐるみ型怪人で、アニマルソルジャーの一員。よく語尾に「~なの(の)」と付けて話すが糖尿病、四十肩、生活習慣病、円形脱毛症、加齢臭など多くの持病を抱えており、ウェストポーチにはたくさんの薬を常備している。また重度のヒザの関節痛も患っている。必殺技は頭突き

●Pちゃん・改(天体戦士サンレッド)
 ヒヨコ(カモ)のぬいぐるみ型怪人で、アニマルソルジャーの一員。自身の改造が趣味で
 登場する度に改造がエスカレートしていき、その戦闘能力はフロシャイムの中でも群を
 抜いている。また自分だけ得するような行動を執るなど、見た目とは裏腹に独善的で
 ずるい性格をしている。必殺技は破壊光線、核兵器

●ムキエビ(天体戦士サンレッド)
 フロシャイム川崎支部に所属する殻を剥いた海老の怪人。フロシャイムのバイオ実験で
 生まれており、命を持たない為殺す事が出来ない。非常に自己主張が強く思い込みの
 激しく気性の荒い性格をしており、相手の都合お構いなしに自分のペースで話を進める。
 川崎支部にはヴァンプ将軍よりも前からおり、地位が上のヴァンプ将軍も敬語で話しており
 かなり古参であるために無下に扱う事も出来ず鬱陶しい存在。必殺技はデススプリンガー