『ステーション奪回作戦』-5

作者 ユガミ博士

699

***ヌーベルトキオシティ総合ステーション・パーティー会場***

終太郎「あれが、噂のマイトガインか・・・。」
レイカ「さぁ、外は万丈達に任せて脱出よ。」
両津「慌てずに付いてこいよ。」

パーティー会場に残っていた人々は両津達の誘導で、パーティー会場を脱出した。
だが、彼等は気づかなかった。その場からいなくなった人物がいる事を・・・。

***ヌーベルトキオシティ総合ステーション前***

さて、一方マイトガイン、ダイターン3、ジェイデッカー、スーパービルドタイガー
はティーゲル5656と対峙していた。

普通の人々(リーダー)「くらえ!」

ティーゲル5656はマイトガインに向かって、口元から火炎放射を放った。

万丈「させないよ。ダイターンファン!」

ダイターン3はマイトガインの前に立ち、扇型の盾ダイターンファンで防御
した。

舞人「ありがとうございます、万丈さん。」
ジェイデッカー「喰らえ、ジェイバスター!」
普通の人々(リーダー)「うわぁ!」

ジェイデッカーはすかさず、ジェイバスターで攻撃しティーゲル5656に
ダメージを与えた。

普通の人々(リーダー)「これならどうだ!」
スーパービルドタイガー「そうはさせん!」

普通の人々(リーダー)はティーゲル5656を前進させ、殴りにかかった。
しかし、スーパービルドタイガーがその前に立ち、ティーゲル5656を
止めた。ブレイブポリスの中でも一番の出力を誇るスーパービルドタイガー
はティーゲル5656と組んだ状態になる。

万丈「さて、この狭い街中ではサンアタックを使うわけにいかないし、
 どうしたものか・・・。」
勇太『それだったら、空中ならどうですか?お空の上なら街の皆にも
  迷惑をかけないし。』
舞人「それはいいアイディアだ。それならスーパービルドタイガーに
  高く空へと上げてくれ!」
勇太『分かったよ、舞人兄ちゃん!スーパービルドタイガー、あいつを
  空高く放り上げるんだ!』
スーパービルドタイガー「了解!うぉぉぉぉぉ!」

通信越しで勇太はスーパービルドタイガーに指令を下した。そしてスーパー
ビルドタイガーは出力を最大限にまで上げて空高く放り上げた。

ジェイデッカー「ジェイバスター!」

空高くまで放り上げられたティーゲル5656をジェイデッカーはジェイ
バスターで腕や脚部に向けて攻撃をした。

万丈「舞人君、僕に合わせてくれ。ダイターンザンバー!」
舞人「了解、行くぞガイン!」
マイトガイン「応、動輪剣!」

万丈はダイターン3に搭載されている武器ダイターンザンバーを取り出し、
マイトガインは動輪剣を取り出した。そして2機はティーゲル5656に
向かって空高く飛んだ。

舞人「縦一文字斬り!」
万丈「はぁぁぁ!」

マイトガインはティーゲル5656の頭上にまで飛び、落下しながら必殺の
縦一文字斬りで行った。一方、ダイターン3は上昇しながらダイターンザンバー
でティーゲル5656を斬った。

普通の人々(リーダー)「だ、脱出!」

2機の攻撃がトドメとなり、ティーゲル5656は爆発。普通の人々
(リーダー)は脱出した。

舞人「やりましたね、万丈さん。」
万丈「無敵動輪剣って所かな?」

そして2機は地上へと降り立った。

700

小沢「脱出した普通の人々はまだ近くに居る筈だ!かならず捕まえろ!」

小沢はティーゲル5656から脱出した普通の人々(リーダー)の捜索を
部下達に命令した。

桃華「お父様!」
梅雄「桃華!」

一方、脱出した両津達の所へ桃華が梅雄の元へとやってきた。

梅雄「心配をかけてしまったな。」
桃華「いえ、お父様がご無事で何よりです。」
ポール「旦那様、桃華様・・・うう。」

周りにいた人達も親子の再会に涙した。

ケロロ「あの~お取り込み中申し訳ないのでありますが・・・。」
両津「出来れば、お礼の方をいただけないでしょうか・・・。」

そんな感動の場面にケロロと両津はお礼をもらおうと梅雄の方へと近づいた。

夏美「やっぱり、それが目的だったのね。」
両津「両津、貴様という奴は・・・。」」
ケロロ「な、夏美殿!!」
両津「部長!!何故ここに!?」
大原部長「貴様の事だ、こうなる事ぐらい分かるわ!」

ケロロと両津の行動がお見通しの夏美と大原部長はこうなるだろうと現場に
来ていた。

夏美「ボケガエル~!」
大原部長「両~津~!」
ケロロ&両津「「に、逃げろ~!」」

ケロロと両津の行動に周囲の人間は微笑ましく笑うのであった。その後、
新部隊への協力を考えていた企業は舞人と万丈に協力する旨を伝えるので
あった。

***ヌーベルトキオシティ***

さてティーゲル5656から脱出した普通の人々(リーダー)は他の普通の
人々のグループに助けてもらおうと警察に見つからないように、逃亡していた。

カツ、カツ、カツ

すると角を曲がろうとしていた時に、誰かが近づいてくる音がした。角から
現れたのはカメレオンを思わせる甲冑を着た仮面の戦士―高見沢が変身した
仮面ライダーベルデだった。

普通の人々(リーダー)「貴様、誰だ?!」
ベルデ「・・・貴様を地獄に送る処刑人だ。」

ベルデは自分を酷い目に合わせた普通の人々(リーダー)に報復する為に
この場へやってきたのだった。

普通の人々(リーダー)「ひ、ひぃ。」
ベルデ「逃がすか。」

HOLDVENT

その場を逃げ出そうとする普通の人々(リーダー)に対して、デッキから
「HOLDVENT」を左腿に装着されているバイオバイザーに装填し、
ヨーヨー型の武器・バイオワインダーを装備した。そして、バイオワインダー
で足を絡めとり、捕まえた。

ADVENT

バイオグリード「キシャァァァ!」

さらにベルデは契約しているカメレオン型モンスター・バイオグリードを
ミラーワールドから召還した。

ベルデ「久しぶりの餌だ。特と味わいな。」
バイオグリード「キシャァァァ!」
普通の人々(リーダー)「うわぁぁぁぁ!」

その後、普通の人々(リーダー)がどうなったのかは敢えて書くまい。
そして、高見沢は誰にも気づかれる事も無く人質となったパーティー客達
の所へ合流するのであった。

701

○破嵐万丈→マイトガイン、ジェイデッカー、スーパービルドタイガーと共に
      ティーゲル5656を倒す。
○旋風寺舞人&マイトガイン→万丈、ジェイデッカー、スーパービルドタイガー
      と共にティーゲル5656を倒す。
○友永勇太→ジェイデッカー、スーパービルドタイガーに指示。
○ジェイデッカー→ジェイバスターで攻撃。
○スーパービルドタイガー→ティーゲル5656とパワー勝負し、空中へ放り上げる。
○西澤梅雄&西澤桃華→親子の再会する。
○ケロロ軍曹→お礼をもらおうとするが、夏美に怒られる。
○日向夏美→お礼をもらおうとするケロロ軍曹を叱る。
○両津勘吉→お礼をもらおうとするが、大原部長に怒られる。
○大原大次郎部長→お礼をもらおうとする両津を叱る。
●高見沢逸郎→仮面ライダーベルデに変身して、普通の人々(リーダー)に報復する。
●バイオグリード→ベルデに召還されて、普通の人々(リーダー)を始末する。

【今回の新登場】
●バイオグリード(仮面ライダー龍騎13RIDERS)
カメレオン型の二足歩行モンスター。保護色によって周囲の景色に紛れ込み、
最大600mも伸びる長い舌と、バネが仕込まれた逆関節の脚部による高い
ジャンプを武器としている。


『サムライと轟く鬼』-1

作者 ユガミ博士

702

***大江戸市・峰さやかの家***

刃「アチ~、なんだよこの暑さ。」
ゲロ左衛門「ゲコ~、この暑さはカエルには堪えるゲコよ。」
ナマコ男「ナマコにもずら~。」
さやか「暑いって言わないの!エアコンが壊れちゃったんだからしょうがないでしょ。」

刃達はエアコンが壊れてしまった事により、夏の暑さにうなだれていた。

武蔵「ふむ、ならば旅行にでも行くか?」
刃「旅行?」
武蔵「昨日、商店街の福引で父島ツアーというのが当たってのぅ。
 イサミ達も連れてこれからの戦いに備えて、気分転換となるじゃろう。」

父島とは小笠原諸島にある島の事である。

さやか「父島って事は海よねwwいいんじゃない?」
刃「よ~し、それじゃあそこに行こうぜ!」

刃達はイサミ達しんせん組と一緒に父島へ行く事になった。

***甘味処「たちばな」***

勢地郎「そうか、魔化魍がGショッカーに組していたとはねぇ。」
ヒビキ「今は魔化魍が一番活発になる季節ですし、今まで以上に色々な所 
  で出現するんじゃないかと思うすよ、Gショッカーと一緒に。」

九州から帰ってきたヒビキは「猛士」関東支部の事務局長である立花勢地郎
に九州での出来事を報告していた。

勢地郎「これは私達のような他の退魔を行う組織と連携が必要になってくる
  かもねぇ。・・・分かった、報告ご苦労。せっかく帰ってきた所悪いの
  だけど、ヘルプを頼んでいいかい?」

勢地郎は報告を聞いて、これからも魔化魍対策に自分達と同じように退魔を
行う組織―森羅や隠流、志波家等と協力する必要があるかもしれないと考えた。

ヒビキ「ヘルプと言いますと?」
勢地郎「うん、実はその影響があるのか分からないけど、小笠原の父島にバケガニ
  が出たらしい。」
ヒビキ「バケガニ!?なんで父島なんかに。」
勢地郎「うん、だからトドロキの奴に調査しに行ってもらったんだけどなかなか難航
  しているようだから応援に行ってよ。」
ヒビキ「分かりました。京介連れて父島へ行ってきます。」
勢地郎「頼むね。」

バケガニが普段なら出るはずの無い場所に出てきたという事に驚きながらも
ヒビキは父島へ行く事にした。

703

○鉄刃→父島へ行く事にする。
○峰さやか→父島へ行く事にする。
○宮本武蔵→福引で父島ツアーが当たり、父島へ行く事になる。
○ゲロ左衛門→暑さにうなだれる。
○ナマコ男→暑さにうなだれる。
○ヒビキ→九州の報告した後、父島へ行く事になる。
○立花勢地郎→ヒビキから九州での出来事を聞いた後、別組織との協力と
       必要性を感じた後、ヒビキに父島行きを要請する。

【今回の新登場】
○立花勢地郎(仮面ライダー響鬼)
「猛士」関東支部の事務局長。普段は甘味処「たちばな」の経営をしている。
香須実と日菜佳の父親。ヒビキ達からは「おやっさん」として慕われている。
常に物腰柔らかく笑顔を絶やさない。


『サムライと轟く鬼』-2

作者 ユガミ博士

704

***父島行きのフェリー***

武蔵が手に入れた父島ツアーで父島に行く事になった鉄刃一行。父島へ行く
メンバーは鉄刃、峰さやか、宮本武蔵、カゲトラ、庄之助、ゲロ左衛門、
ナマコ男、花丘イサミ、月影トシ、雪見ソウシである。因みにクモ男は留守番、
佐々木小次郎は撮影がある為欠席となっている。

武蔵「さて、刃よ。父島へ行くまで時間がある。その間、修行じゃ。」
刃「え~、船の中だぜ。」
さやか「恥ずかしいじゃない。」
ソウジ「さすがに船の中まで修行とかする人はいないじゃないかなぁ。」
武蔵「何を言っている、あそこに居るではないか。」
武蔵以外の全員「「「「「「「え!?」」」」」」」

武蔵が指差す方を見ていると、船の手すりで懸垂をしている男―ヒビキがいた。

武蔵「あの者のように、例え船の中であろうと出来る事はある。さ、修行じゃ。」
刃「ちぇ~。」

ヒビキの姿を見て、しぶしぶ船の中で修行する事になった。一方のヒビキは
というと・・・

京介「ヒビキさん、何やっているんすか?」
ヒビキ「お、京介。何って、体を鍛えているのさ。お前もどうだ?」
京介「・・・俺は遠慮しておきます。」

鉄刃とヒビキ、彼等が本格的に絡むのはまだ先である。そしてフェリーは
目的地父島へと到着した。

705

***父島***

父島へ着いた鉄刃一行。そして、ヒビキと京介。刃達はツアー1日目は海で
泳ぐ事となった。一方、ヒビキと京介はトドロキが泊まっているという民宿
へ行く事になった。

???「マイペンライ。サンダルはいらんかね。」

ヒビキ達の前に現れた初老の男性―船長がサンダルを売りつけてきた。
だが、サンダルの用意はしてきているので断る。そしてトドロキの
泊まっている民宿が何処か聞いてみると、知っているという事で連れて行って
もらった。一方、海へ泳ぎに行った刃達は各々楽しんでいた。

ナマコ男「気持ちいいズラ~!」

元々海の生物であるナマコ男は久しぶりの海に気持ちよさそうである。

イサミ「トシ、右よ!」
ソウジ「ああ、行き過ぎだよ。左、左。」
トシ「よ~し、ここだな!てりゃぁぁぁ!」

ドゴッ!

ゲロ左衛門「痛ー!俺はスイカじゃないゲロ~!」

イサミ達はスイカ割りで楽しんでいたが、目隠ししたトシは間違えて
ゲロ左衛門を叩いてしまった。

さやか「刃~!」

さやかに呼ばれて刃が振り向くと、水着を着たさやかがいた。

さやか「ど、どうかな?」
刃「いいんじゃねぇか?・・・似合っているぜ。」
武蔵「(若さとは良いのぅ。)」

刃は照れくさそうに水着の感想を言った。その場を見ていた武蔵は微笑ましく
見ていた。

706

***民宿***

一方、ヒビキと京介は船長の案内によってトドロキの泊まっている民宿へと
訪れた。民宿の玄関が閉まっているので、呼び出してみた。

ヒビキ「ごめんください・・・出かけているのかな?」
???「おじさん達、誰?」

ヒビキが呼びかけていると、庭の方から1人の少女―民宿の娘である
千寿が現れた。

ヒビキ「ここの娘かい?トドロキって人がここに泊まっている筈何だけど
  知らないかい?」
千寿「トドロキ兄ちゃんの事?もうすぐ帰ってくる筈何だけど・・・。」
???「あれー!?ヒビキさんに京介じゃないすか!」

そこへ現れたのは好青年の印象を持つ男性―トドロキであった。

京介「お久しぶりです。おやっさんからの要請でやってきました。」
トドロキ「それじゃあ、詳しい話をするので俺の部屋へ。千寿ちゃん、
   この2人は俺の友達だから俺の泊まっている部屋へ上がらせてもらうね。」
千寿「うん、分かった。」

トドロキはヒビキ達を自分の泊まっている部屋へ上げた。そして自分が調べた
事を2人に報告した。

ヒビキ「え?バケガニじゃないかもしれないだって。」
トドロキ「はい、よくよく調べてみるとバケガニどころか魔化魍ですら
   妖しいみたい何すよ。」
京介「どういう事ですか?」
トドロキ「目撃した人の話を聞いてみると、カニというよりもエビだった
    とか、巨大な刃物が見えたとからしい何すよ。」
ヒビキ「う~ん、それは妙だな。とにかく今後も調べてみよう。」

ヒビキ達はどこを調査するのか話し合っていると・・・

千寿「た、大変、海に怪獣がでたー!」

ヒビキ&京介&トドロキ「「「!?」」」

707

***父島・浜辺***

時間は少し遡る。泳ぎに来た観光客で賑わっていた浜辺。しかしその海に
不穏な影が近づいてた。

都「あら、何かしら?アレ。」
大迫「どうかしたのか?綾子。」

最初に気づいたのは父島唯一の医者であり校医である都綾子と教師を
している大迫太平だった。

ザパァァァン!

海の中から現れたのはカニ?エビ?いやどちらでもない。カニやエビのような
甲殻類の如き、その姿は古代甲殻類型デジモン・アノマロカリモンだった。

アノマロカリモン「ギャァァァオオオ!!」
観光客A「た、助けてくれー!」
観光客B「キャァァァァ!!」

アノマロカリモンの登場に浜辺は大混乱になった。

さやか「な、何よあれ!?」
イサミ「この前の蛇の仲間!?」
武蔵「いや、あんな化け物、鬼丸軍団の中にはおらなんだぞ。」
刃「けっ、何であれ黙って見ている訳にはいかねぇ。皆!行くぞ。」
刃以外の全員「「「「「「「「「「応!(ガウ!)(ピギャ!)」」」」」」」」」

刃はすぐ様クサナギを構え、イサミ達も新撰組の衣装へと変身した。刃や
イサミはクサナギや竜の牙でアノマロカリモンに斬りつけるがとても硬く
傷をつける事が出来なかった。他の面々も攻撃を加えるが結果は同様である。
さて、千寿から話を聞きつけたヒビキ達も浜辺へとやって来た。

トドロキ「何々すか、あの化け物!?」
京介「まさか、新種の魔化魍?」
ヒビキ「分からないが、おそらく父島に現れたバケガニというのはあいつの
  事だろう。・・・?あそこに少年や少女が戦っているぞ!」

ヒビキはそこでアノマロカリモンと戦っている刃や新撰組を見つけた。

ヒビキ「とにかく、このままじゃ彼等が危ない。行くぞ!京介、トドロキ。」
京介&トドロキ「「ハイ!」」

ヒビキと京介は変身音叉・音角を取り出し、トドロキは手首に着けた変身鬼弦・音錠
の鎖を引いた。

キィィィィン

ジャラァァァァン

それぞれ音角と音錠を鳴らし、額へと向けた。ヒビキと京介の体が炎に包まれ、
トドロキには雷が落ちた。

ヒビキ「はぁぁぁぁぁ、はぁ!」

炎が晴れ、雷が収まるとそこにいたのは鬼の姿となった響鬼、京介、轟鬼だった。
そして彼等は音撃棒・烈火、音撃弦・烈雷等を構えて刃達の元へと向かった。

708

響鬼「はぁぁぁ!!」
アノマロカリモン「ぎゃぁぁぁ!」
轟鬼「それぇぇぇ!」

響鬼は音撃棒・烈火でアノマロカリモンの体に大きく叩きつけた。アノマロカリモン
はダメージを受ける。轟鬼も音撃弦・烈雷で斬りつけた。

武蔵「(あの者達・・・もしや!)」
京介「大丈夫か、あんたら?」
刃「鬼・・・お前等、風神の手先か!」
京介「風神?何の事だ。」
武蔵「待て、刃!その者達は風神の手先等ではない。」

鬼の姿をしている京介達を見て、風神の手先かと警戒する刃だったが、武蔵
はそれを止めた。

武蔵「お前さん達は『猛士』の者じゃな。」
刃「武蔵、こいつ等を知っているのか!?」
武蔵「詳しい話は後じゃ。今はこの化け物をなんとかせねばあるまい。」

さて、響鬼達を加えてアノマロカリモンを攻撃するが以前にビクともしない。

アノマロカリモン「テイルブレード!」

アノマロカリモンも刃達に攻撃をしていく。

トシ「くそー、どうすりゃいいんだよ。」
ソウジ「せめて、弱点さえ分かれば・・・。」
イサミ「ん?あれは・・・。」

イサミは良く見るとアノマロカリモンの腕?の部分に黒いコードが絡まっている
のを発見した。その時イサミはもしかしたら、このコードが弱点なのかもしれない。
そう感じた。イサミは龍の牙で立ち向かうが、どうにも近づけない。その時、
アノマロカリモンの腕がイサミに向かって襲い掛かった。

轟鬼「危ない!」

轟鬼はイサミをかばった。それによってイサミは事無きを得る。

轟鬼「大丈夫すか?」
イサミ「ありがとうございます。あの黒いコードに攻撃に出来ますか?」
轟鬼「コード?」
イサミ「はい、私も良く分からないけど、あのコードを攻撃した方がいいと
   思うんです。」
轟鬼「・・・分かった。任せるっす!」

イサミの言葉に轟鬼はこの娘なら信じられると感じた。轟鬼は烈雷を持ち、
アノマロカリモンの間接部分に突き刺した。

轟鬼「おりゃぁぁぁぁぁ!」

轟鬼はそのままアノマロカリモンを持ち上げ、ひっくり返した。そして
腕に巻きついている黒いコードを切った。

アノマロカリモン「・・・ん!あれ、ここは何処だ?」
京介「様子が変わった?」

あれから暴れるのをやめたアノマロカリモンから事情を聞いてみると、
デジタルワールドから来たデジモンで、普通に暮らしていたが、いつの
まにか黒いコードに絡まれ、リアルワールド(人間界)に来ていたという。
とにかくこのままにしておくのは出来ないという事で忍風館に事後処理を
頼む事にした。

709

***民宿***

あの後、変身を解いたヒビキ達は落ち着いて話をするため、トドロキの泊まっている
民宿へとやってきた。そしてそこで、武蔵はかつて剣の修行中に諸国を旅していた頃
に人知れず魔化魍と戦う『猛士』の鬼の存在を知ったという。ヒビキ達もあの剣豪、
宮本武蔵が未だに生きている事に驚いた。

イサミ「さっきは助けてくれてありがとうございました。」
トドロキ「とんでもないっす。当然の事をしたまでですから。」

イサミはお礼の言葉をトドロキに送る。そして、ヒビキ達に刃達は風神という
邪悪な軍団と戦っている事を明かした。人に害を与える鬼の存在に憤りを感じ
ながらもヒビキはこの件を『猛士』に報告し、可能ならば刃達に協力する事を
約束し、彼等は父島を後にする。・・・余談だが、刃達のツアーはこの騒ぎで
急遽、中止となってしまった事を記す。

○鉄刃→アノマロカリモンと戦う。
○宮本武蔵→猛士の存在を刃達に話す。
○花丘イサミ→トシ、ソウジと共に新撰組に変身し、アノマロカリモンと戦う。
       黒いコードが絡まっている事を発見する。
○ヒビキ→仮面ライダー響鬼に変身し、アノマロカリモンと戦う。
○桐矢京介→変身し、アノマロカリモンと戦う。
○トドロキ→仮面ライダー轟鬼に変身し、アノマロカリモンと戦い、黒いコードを切る。
○船長→ヒビキと京介を民宿に案内する。
○千寿→浜辺にアノマロカリモンが出現した事を知らせる。
○都綾子&大迫太平→アノマロカリモンの影を見つける。
△アノマロカリモン→黒いコードで暴走し、父島の海に現れる。

【今回の新登場】
○トドロキ=仮面ライダー轟鬼(仮面ライダー響鬼)
本名は戸田山 登巳蔵(とだやま とみぞう)。持田ひとみの従兄。ザンキの弟子
として2年間師事してきたが、ザンキの引退と同時に正式に鬼として認知され、
コードネームのトドロキで呼ばれるようになった。元は警察官だった。詳細は不明
だがある事件をきっかけに魔化魍と鬼の存在を知り、ザンキに弟子入りした。
真面目一直線の性格のために時折気合いが空回りしてしまい、周囲にからかわれる
ことも多い。日菜佳に惚れられている。誰に対しても「○○っす」と低姿勢で話す。
団子好きらしい。

○船長(ガンパレードオーケストラ青の章)
商店も経営していて、永野英太郎にいろいろ物を売り付ける。みずほの父から
命の大切さを教わり、自暴自棄な発言をしたみずほを叱る。かつては父島と
内地を結ぶフェリーの船長だったが、妻と娘を事故で亡くし、世界一周の旅に出る。
その先でトレジャーハンターになる。

○千寿(ガンパレードオーケストラ青の章)
民宿の娘。父親は内地で行方不明となり、母親と二人暮らし。永野英太郎を
食べ物で釣り、民宿へおびき寄せている。永野英太郎をおっさん呼ばわり
してからかうのが好き。

○都綾子(ガンパレードオーケストラ青の章)
29歳の校医で島唯一の医者。佐久間や大迫を軽くあしらっていたが、
大迫の熱意に負け付き合う。

○大迫太平(ガンパレードオーケストラ青の章)
30歳。体育会系だが、唯一の教師のため全ての教科を担当する。綾子に惚れている。
体育会系である割にはノミの心臓で3年前に赴任してきた綾子への恋文を渡せずにいた。
現在、綾子と付き合っている。

△アノマロカリモン(デジモンシリーズ)
属性はデータ。世代は完全型。種族は古代甲殻類型。
古代生物研究所のデータバンクにウィルスが感染して生まれたアノマロカリス
をモデルにしたデジモン。食欲旺盛で、エサをよく溜め込む性質を持つ。
必殺技は「スティンガーニードル」


>>710~713 欠番


『黄泉がえるW/復活のミュージアム』

作者 ユガミ博士

714

***風都・鳴海探偵事務所***

―風の吹く街、風都。至る所に風車が回るこの街は一見、平和そうに見えるが
ガイアメモリという人を怪人・ドーパントへと変えてしまう恐ろしいアイテム
を使用した犯罪が起きている。だが、この街に涙を流させない為にこの俺、
左翔太郎は相棒と共にこの街を守る「仮面ライダー」として今日も戦い続ける―

鳴海探偵事務所に所属する探偵・左翔太郎はタイプライターを打ちながら、
ラジオを聴いていた。

ラジオの声『-今週のヒットチャート第1位、放課後ティーパーティで
 「ふわふわTIME」でした。続いて、ニュースです。昨夜未明、風都
 刑務所で原因不明の火災が発生し、収監されていた服役中の囚人数十名が
 脱獄した模様です。」
翔太郎「脱獄!?」
???「たいへん、翔太郎君、大変だよ!」

ドアから見た目中学生くらいの女性―鳴海探偵事務所所長である照井(旧姓・鳴海)
亜樹子がやってきた。

翔太郎「どうした、亜樹子?」
亜樹子「実はね、竜君から聞いたんだけど風都刑務所から集団脱獄したっていうの。」
翔太郎「ああ、今ラジオのニュースでやってた事件か。火災が原因らしいな。」
???「ニュースでは火災だと伝えているが、実際は違う。」

亜樹子の後に事務所へやって来た赤い革ジャンを着た男性、風都署超常犯罪捜査課の
課長にして風都を守るもう1人の「仮面ライダー」アクセルであり、亜樹子の旦那で
ある刑事・照井竜が入ってきた。

???「火災が原因というのはどういう事だい?照井竜。」

会話に加わったのは翔太郎の相棒であるフィリップだった。因みに腕には
飼い猫であるミックを抱えている。

照井「ああ、まずはこの写真を見てくれ。これは監視カメラに映っていた画像
 を引き伸ばした物だ。」

照井が取り出した写真には刑務所の中の写真だが、煙でほとんど分からなかった。
しかし、煙の中に「白い怪物」がそこには写っていた。

翔太郎「照井、こいつは・・・。」
フィリップ「ウェザードーパント・・・。」

ウェザードーパント・・・本名は井坂深紅郎。「ウェザーメモリ(天候の記憶)」
を所有するドーパントの専門医である犯罪者。照井竜の両親と妹を始めとする
多くの人々を殺してきた人物である。

翔太郎「どういう事だ?」
フィリップ「おそらく、黄泉がえりだね。黄泉がえりについては僕も「地球
 (ほし)の本棚」で検索をしてみたがどうにも分からなかった。」
亜樹子「嘘!フィリップ君でも分からないの?」
照井「それよりも、刑務所から脱獄した囚人は全員、ドーパントになった奴等だ。」
翔太郎「何!?」

照井の言葉に翔太郎は驚いた。

照井「あいつが脱獄させたのも、何か良からぬ事を考えているに違いない。
 その時はかならず奴を止める。」
翔太郎「その時は俺達も手を貸すぜ、照井。」

翔太郎達は新たな戦いを予感させながら、風都を守ると新たに誓うのであった。

715

***風都・某廃工場***

時間は遡り、脱走事件があった数時間後の廃工場。そこには全てではないが、
過去ガイアメモリによる犯罪を犯した囚人達が集められていた。

???「皆さん、無事に脱獄出来たようですね。」

そこに現れたのは山高帽にタキシードを着け、ステッキを持った紳士風の男性
井坂深紅郎である。

???「誰だ?おっさん。」

「アームズメモリ(兵器の記憶」を使い、強盗を繰り返していた倉田剣児が
井坂が何者か訪ねる。

井坂「初めまして。私は井坂深紅郎。ドーパントの専門医をしています。」
???「あなたが井坂深紅郎ね。噂で聞いた事があるわ。」

「トライセラトプスメモリ(三角竜の記憶)」でミュージアムの幹部になろう
とした元刑事の九条綾が噂で井坂について聞いていた事を語った。

九条「それで私達を脱獄させて何をさせようとするの?」
井坂「皆さんはご存知かと思いますが、ミュージアムは仮面ライダーによって、
 壊滅しました。しかし、ある組織の協力によりミュージアムは復活する事に
 なりました。」
九条「組織!?」
井坂「ご紹介しましょう。Gショッカーの科学者死神博士です。」

井坂に紹介され、現れたのは黒マントに白いスーツを着た老紳士―死神博士
であった。

死神博士「私が死神博士だ。君達を脱獄させたのはミュージアムの構成員に
 なってほしいからだ。ガイアメモリの力は我がGショッカーに有益となる
 事であろう。」
井坂「勿論、皆さんには組織の一員となってくだされば、それ相応の地位と
 皆さんのメモリを差し上げましょう。」

井坂はトランクケースを開けると、そこにあるメモリを見せた。

倉田「俺のメモリ!」
九条「私のメモリ!」

トランクにある自分達の使用したメモリにその場にいた囚人達は騒ぎ出した。

井坂「いかがですか?勿論、拒否をする事も可能ですよ。ですが、協力をしてくださる
 のであれば、メモリを手にしてください。」

囚人達はどうすべきか悩んでいると、九条が自身のメモリ「トライセラトプス
メモリ」をトランクケースから手にした。

九条「いいわ。どうせ拒否されても禄な事にならないだろうしね。」
倉田「俺もだ。このメモリでまた暴れてやるぜ。」

つづく倉田も「アームズメモリ」を手にしていき、他の囚人達も自分達の
メモリを手に取った。

井坂「全員、協力してくださるという事ですね。それでは今後の動きについて
 はおって連絡を致します。それまではGショッカーの指示に従ってください。」

その後、囚人達は戦闘員に従いその場を跡にした。

716

その場には井坂と死神博士が残った。

井坂「この度はご助力ありがとうございます。」
死神博士「いや園咲琉兵衛とはかつての友人だ。その彼が残したミュージアムを
 壊滅にしたままにしておくのはどうにもいかんからな。」
井坂「それと・・・例のバトルファイトの件ですが・・・。」
死神博士「うむ、これからの働き次第では私の方からバトルに参加できるように
 推薦をしておこう。」
井坂「お願いします。(ふふふ、バトルファイトが楽しみだ。)」

バトルファイトに参加すればより強大な敵と戦えるかもしれないという事に歓喜
を覚える井坂であった。

死神博士「うん?時間か。」

死神博士はマントを翻すと眼鏡を掛けた優しそうな老人となった。その姿こそ、
数ある姿の一つ、「光栄次郎」だった。

栄次郎「そろそろ帰らないと、孫達が心配するのでね。」

そう言うと、灰色のオーロラが出現し栄次郎は消えていった。

井坂「・・・世界の破壊者ディケイドですか。彼とも戦ってみたいですね。」

その言葉を発した後、井坂もその場を離れるのであった。

○左翔太郎、フィリップ→照井から井坂の復活と集団脱獄を知らされる。
○照井竜、照井亜樹子→翔太郎達に井坂の復活と集団脱走を知らせる。
●井坂深紅郎→新生ミュージアムを立ち上げる為、刑務所を襲う。
●倉田剣児→新生ミュージアムに参加する。
●九条綾→新生ミュージアムに参加する。
●死神博士→新生ミュージアムの立ち上げに協力する。
○光栄次郎→ディケイドの元へと戻る。

717

【今回の新登場】
○左翔太郎=仮面ライダーW(ボディサイド)/仮面ライダージョーカー(仮面ライダーW)
鳴海探偵事務所所属の自称“ハードボイルド”探偵。感情的になりやすい為、ハーフボイルド
と呼ばれている。フィリップと共に「仮面ライダーW」へと変身する。また、ロストドライバー
とジョーカーメモリで「仮面ライダージョーカー」にも変身できる。

○フィリップ=仮面ライダーW(ボディサイド)(仮面ライダーW)
翔太郎の相棒。あらゆる地球の記憶を検索できる「地球(ほし)の本棚」という能力を持っている。
実は園咲家の長男で本名は「園咲来人」。一般常識に欠いており、知らない事があると深く検索しようとする。ファングメモリを使用する事で仮面ライダーWファングジョーカーとなる。

○照井竜=仮面ライダーアクセル(仮面ライダーW/仮面ライダーアクセル)
風都署超常犯罪捜査課課長である刑事。当初家族を殺した井坂に復讐しようとしたが、次第に
仮面ライダーとして街を守るようになる。ミュージアム壊滅後、鳴海亜樹子と結婚した。

○照井(鳴海)亜樹子(仮面ライダーW)
鳴海探偵事務所所長。鳴海壮吉の娘で大阪育ち。20歳だが童顔で子供っぽい言動のため、
翔太郎や周囲にはしばしば女子中学生呼ばわりされる。ミュージアム壊滅後、照井竜と
結婚し、「照井亜樹子」となる。

○ミック=スミロドンドーパント(仮面ライダーW)
園咲家の飼い猫。元々はフィリップ(来人)が3歳頃、誕生日に贈られた猫。ミュージアム
健在時は園咲琉兵衛直属の用心棒兼諜報活動を行っていた。「スミロドンメモリ」で「スミ
ロドンドーパント」に変身する。家族以外には懐かない。

●井坂深紅郎=ウェザードーパント(仮面ライダーW)
井坂内科医院の院長。一見すると穏やかで物腰柔らかい印象であるが、裏世界での顔は
ドーパント専門の外科医で、ドーパントの能力に対する異常なまでの貪欲さを持ち、
それを満たすためには手段を選ばない狂気を秘めており、他人の心を見透かす不気味さを放つ人物。
照井竜の家族を殺した張本人。「メモリは直挿しに意味がある」というこだわりを持っている。
「ウェザーメモリ(天候の記憶)」でウェザードーパントとなる。

●倉田剣児=アームズドーパント(仮面ライダーW)
「アームズメモリ(兵器の記憶)」で現金輸送車の強奪を繰り返した強奪犯。園咲冴子の命令で
フィリップを誘拐しようとした。アバレッド伯亜凌駕そっくりの顔をしている。

●九条綾=トライセラトプスドーパント(仮面ライダーW)
風都署超常犯罪捜査課に配属されたニューヨーク帰りの刑事。だが、恋人をミュージアムに協力
していた悪徳刑事に殺された事から「原因を作ったのは風都という街」という考えに至り、復讐
心を持つようになる。「トライセラトプスメモリ(三角竜の記憶)」を手にした後は自身が
ミュージアムの幹部になろうとした。デカイエローである礼紋茉莉花にそっくりな容姿をしている。

○光栄次郎(仮面ライダーディケイド)
光写真館を営む老主人で、光夏海の祖父。光写真館が多くの世界を移動すること、怪人やキバーラが存在することなどに対し、特に驚きも見せずマイペースに順応し、門矢士たちの旅を温かく見守る。
コーヒーや料理の腕前は達者で、写真館を訪れる異世界の客にふるまう。


『最強最速の再会』-1

作者 凱聖クールギン

718

***太陽系・木星軌道周辺***

二つの赤い光球が、宇宙の闇をかき分けながら超光速で進んでいた。
ウルトラマンマックスとウルトラマンゼノン。
M78星雲の宇宙警備隊員であるこの二人のウルトラ戦士は、
地球圏に起きつつある異変を調査すべく太陽系のパトロールに来ていたのだが、
その途上、木星付近を潜航していた星籍不明の円盤群を発見、追跡を開始した。

マックス「…繰り返し警告する。我々は宇宙警備隊だ。
 直ちに全機停船し、こちらの臨検に応じなさい!」
ゼノン「どうやら応じる気はないようだな。
 ――攻撃して来るぞ!!」

停船警告を無視して逃げ続けていた円盤群は突如、
方向転換してビームを発射。マックスとゼノンを攻撃する。

ゼノン「止むを得ん。応戦するぞ」
マックス「了解!」

マックスのマクシウムカノンとゼノンのゼノニウムカノンが同時発射され、
円盤群は次々と撃墜される。
勝ち目がないと見た円盤群は攻撃を止めて再び退却を始め、
木星と火星の間にある小惑星帯アステロイド・ベルトの中へ逃げ込んだ。

ゼノン「逃がさん…!」
マックス「彼ら…一体何者なんだ?」

円盤群を追い、マックスとゼノンもアステロイド・ベルトへ突入した。

719

***小惑星ケレス***

アステロイド・ベルトの小惑星の中で最大の天体・ケレス星。
ここはかつて、マクーのサンドルバと宇宙刑事ギャバンが初めて干戈を交えた場所でもある。
わずかに大気が存在するものの、太陽の光が乏しいため常に薄暗く、
地表の大半を不毛の岩場が占めるこの星の切り立った渓谷に
巨大な円盤基地が密かに建てられていた。
追跡を逃れて生還した円盤群は次々と着陸し、格納庫の内部へと収納される。

マックス「これは…!?」
ゼノン「どう見ても地球人の文明ではないようだな」
マックス「ジュピトリアンの基地とも違う…。
 一体誰が、こんなものをここに…?」

基地の存在に驚きながらも慎重に接近するマックスとゼノン。
その時、二人と基地の間の地面から赤色の煙が噴き上がり、
地底から巨大星獣ゴルゴザウルスが姿を現した!

ゴルゴザウルス「ギャァァァ――ゥ!!」
マックス「ジャッ!! …これは、インベーダーの操る怪獣か!」
ゼノン「気を付けろ、もう一匹来る!」

空からはゴルゴザウルスの兄怪獣マヤザウルスが飛来。
二大怪獣で二人のウルトラマンを挟み撃ちにする。

マヤザウルス「キャォォォン!!」

高熱火炎を吐き、マックスを追い詰めるゴルゴザウルス。
ストロンチウム41を含む放射能ガスを吐き、ゼノンを苦しめるマヤザウルス。
太陽から遠く低温のケレス星では、ウルトラ戦士の戦闘力は地球よりも大幅に減退する。
点滅する二人のパワータイマー。怯んだマックスとゼノンに対し、
インベーダーは左右の兵装ビルから鎖を放って両手両足を拘束。
動きを完全に封じてしまった。

マックス「グッ…!」
ゼノン「罠か…!」

勝ち誇り、止めを刺そうと近付いて来る二大怪獣。
だがマックスは頭部のマクシウムソードを飛ばし、ゴルゴザウルスの角を切断。
ウルトラ念力でブーメランのように旋回するマクシウムソードは
マックスとゼノンを縛っていた鎖を全て断ち切り、持ち主の頭上へと戻った。

マックス「ジャッ!!」
ゼノン「ジュワッ!!」

手足の自由を取り戻した二人は指先から光線を放ち、
左右に建つ兵装ビルを破壊した。

720

再び二大怪獣に戦闘を挑む二人のウルトラマン。
ゴルゴザウルスの強靭な腕力に殴り合いで押されるマックスだが、
残像で腕が何本にも見えるほど高速のパンチ連打・アシュラマックスで反撃する。
ゼノンは俊敏な身のこなしでマヤザウルスにスピンキックを見舞うが、
硬いボディに弾き返され地面に倒れる。
インベーダーの基地からはもう一匹の援軍――、
ゴルゴザウルスの同族怪獣であるゴルゴザウルス二世が出撃し、
テレポーテーションで戦いに割って入った。

ゴルゴザウルス二世「キャォォォ――ン!!」

テレポートを繰り返し、マックスとゼノンを翻弄するゴルゴザウルス二世。
ゴルゴザウルスとマヤザウルスもすかさず攻勢に出る。
二対二の中に三体目が神出鬼没に割り込んで来るという状況に、
マックスもゼノンも対応を苦慮して劣勢に立った。

ゼノン「くっ…! まずはこの二匹を倒さなければ」
マックス「よし、分かった!」
マックス&ゼノン「ジャッ!!」

マックスはマックスギャラクシーを、ゼノンはゼノンギャラクシーを召還し右腕に装着。
同時に放たれた二発のギャラクシーカノンがゴルゴザウルスとマヤザウルスを捉え、
木端微塵に粉砕した。

ゴルゴザウルス二世「キャォォォ――!?」

一匹だけとなったゴルゴザウルス二世は堪らずテレポートで姿を消し、
二度と再び現れる事なく戦場から逃亡。
渓谷に築かれていたインベーダーの円盤基地も、
怪獣達の敗北を見届けると自爆装置を作動させ、一切の証拠を残す事なく爆破消滅した。

マックス「インベーダーがアステロイド・ベルトに潜み、しかも怪獣まで…。
 奴らは地球侵略を狙っていたんだろうか?」
ゼノン「とにかく、私は光の国へ報告するために一旦戻ろう。
 インベーダーが動いているという事は、ETFも地球に目を着けている可能性がある。
 マックス、君は地球へ降りて状況を更に詳しく調べてくれ。
 取り逃がした今の怪獣は、地球へ向かっているかも知れない」
マックス「分かった」

暗闇を深く湛えたケレス星の空に、小さく浮かぶ青い地球。
そこでは既に数々の怪獣達が動き出している様子が、
遠くアステロイド・ベルトから見上げたマックスにも容易に透視できた。

マックス「カイト――」

721

○ウルトラマンマックス→ケレス星でインベーダーの基地を発見し、ゴルゴザウルスを撃破。
 ゴルゴザウルス二世を追って地球へ向かう。
○ウルトラマンゼノン→ケレス星でインベーダーの基地を発見し、マヤザウルスを撃破。
 地球圏の異変を伝えるため光の国へ戻る。
●ゴルゴザウルス→ケレス星でウルトラマンマックスと戦い倒される。
●マヤザウルス→ケレス星でウルトラマンゼノンと戦い倒される。
●ゴルゴザウルス二世→ケレス星でウルトラマンマックス、ゼノンと戦うが、
 ゴルゴザウルスとマヤザウルスが倒されたためテレポーテーションで逃亡。
●インベーダー→ケレス星に密かに円盤基地を築いていた。地球侵略の尖兵か?

【今回の新規登場】
○ウルトラマンマックス(ウルトラマンマックス)
M78星雲・光の国から地球の文明を監視するためにやって来たウルトラ戦士。
自らを犠牲にしても戦う青年トウマ・カイトに「共振する個性」を感じ、
一心同体となって人類を守るために戦った。必殺技はマクシウムカノン。

○ウルトラマンゼノン(ウルトラマンマックス)
M78星雲・光の国出身のウルトラ戦士。
ゼットンに苦戦するウルトラマンマックスを救援に現れ、新兵器マックスギャラクシーを授けた。
身軽な体術を活かした格闘戦を得意とする。必殺技はゼノニウムカノン。

●巨大星獣ゴルゴザウルス(ミラーマン)
暗黒星雲からやって来た、マヤザウルスの弟怪獣。
口から吐く火炎と両腕の腕力、鋭い爪を武器とする。

●巨大星獣マヤザウルス(ミラーマン)
暗黒星雲からやって来た、ゴルゴザウルスの兄怪獣。
地球には存在しない物質ストロンチウム41を含む放射能ガスを口から吐く。
飛行能力を持ち、皮膚は高熱や超低温にも耐えるほど頑丈。

●宇宙怪獣ゴルゴザウルス二世(ウルトラマンタロウ)
小惑星から地球を狙っていた、ゴルゴザウルスの同族怪獣。
テレポーテーション能力を持ち、神出鬼没の動きで敵を翻弄する。
怪力の持ち主で、ウルトラマンタロウに敗れたものの腕を負傷させる健闘を見せた。


『黄泉がえるW/池袋最強の男』

作者 ユガミ博士

722

***ミラーワールド***

仮面ライダー龍騎「おりゃぁぁぁ!」

ドゴォォォン

鏡の中の世界・ミラーワールドで龍騎に変身した城戸信司はモンスターの気配を
感じ、必殺の『ドラゴンライダーキック』でモンスターを倒した。

***東京都内***

真司「よっと。とりあえずこれで大丈夫だな・・・って、ヤベ!遅刻するー。」

ミラーワールドから変身を解いて、元の世界に戻った真司だったがOREジャーナル
に遅刻しそうになっている事に気づき、大急ぎでその場を離れた。

***OREジャーナル***

大久保「バカヤロー!これで今月5回も遅刻しているんだぞ。いい加減にしろー!」
真司「スイマセン、編集長!」

OREジャーナルの編集長である大久保大介に怒鳴られ、真司は萎縮しながら謝った。

大久保「たく、東都新聞の記事を見たか?『すごい科学で守ります。』かぁー、
   一体何時になったらお前もこんな特ダネを持ってくるやら・・・。」

大久保はやれやれと肩をすくめて言った。『すごい科学で守ります』という記事は
まだ極東基地が三輪防人の指揮下にあった頃に起きたGショッカーとヒーローの戦い
の記事の事である。余談だが、東都新聞は大久保がかつて勤めていた大手新聞会社である。

大久保「はぁ、もういいや。それよりもこいつを調べてみるか?」

大久保はPCを操作して、OREジャーナル宛に送られてきた噂や都市伝説のメールを
真司に見せた。

真司「コイツは・・・!?」
大久保「USBメモリで人が怪物に変身する・・・噂だと風都って街にしか
 流通していなかったらしいが、最近だと東京や大阪、名古屋と主要な都市
 にまで拡がっているらしい。危険かもしれないが、やってみるか?真司。」
真司「ハイ、やらせてください。」

そして真司は都内でも目撃者の多いという池袋へと向かった。

723

***池袋***

???「待てや、こらぁぁぁぁぁ!」
中年男性「ひぃ、か、勘弁してくれー!」

一方、池袋の方では金髪でグラサンを掛けたバーテンダー風の男が中年男性を
追いかけていた。この男の名は平和島静雄。池袋最強と呼ばれる借金の取立て屋
である。現在、借金の返済を遅れている中年男性を追いかけている最中である。

真司「さて、池袋に着いたけど“ドーパント”は何処だ?」

その一方で池袋に着いた真司は怪物ドーパントが何処にいるのか探していた。
信司がUSBメモリ―ガイアメモリで変身する怪物がドーパントという名前で
ある事を知っているのか?それはこの世界が一度、ショッカーに支配された時
1号、2号を始めとする他の仮面ライダーと共に戦った時に知ったからである。
ドーパントが風都以外にも現れるというのならば、止めなければならない。
何故なら自分も仮面ライダーの1人だからだ。

静雄「まぁてやぁぁぁぁ!」
真司「おおっと!」

道を歩いていると、真司の目の前で中年男性を追いかける静雄が通り過ぎた。

真司「な、何だ?!」

これは唯事ではないと感じた真司は、その後を追いかけた。

724

***池袋・無人の駐車場***

静雄「ハァ、ハァ、・・・さぁ、さっさと借金を返せや!」

息を切らせながら中年男性に凄みを掛ける。

中年男性「こ、ここで捕まるわけには行かないんだー!」

すると男性はポケットから『V』と大きく描かれたUSBメモリのような物
を取り出し、それを首筋につけた。すると体の中にメモリは吸いこまれて、
男性の体はみるみるの内に全身が青く、筋肉が盛り上がったような姿の怪物
“バイオレンス・ドーパント”に変身した。

静雄「・・・何だ?その姿は。」

静雄は眉を上にあげて一瞬、怪訝な顔をするがそれ程、驚きはしなかった。
その理由は自分の知り合いにもいわゆる「化物」の部類にはいる知り合いが
いるからである。

バイオレンス・ドーパント「黙れー!てりゃぁぁぁ。」

ごぉぉぉん

バタッ!

バイオレンス・ドーパントは右腕の鉄球で、静雄の頭上を思いっきりに叩き
つけて静雄は倒れた。

真司「なっ!」

物陰から事態を静観していた信司は男性がドーパントに変身し、静雄が
襲われてしまったので龍騎に変身しようとデッキといつでも変身できる
ように携帯している鏡を取り出そうとした。しかし、目の前で信じられない
事が起きた。

静雄「いてぇなぁ、いてぇなぁ、いてぇじゃねぇか、いてぇじゃねぇか、いてぇじゃねぇか、
  いてぇじゃねぇか、いてぇじゃねぇか、いてぇじゃねぇか、いてぇじゃねぇか、
  いてぇじゃねぇぇぇぇか!」

何と、頭から大量に血が流れているにも関わらず静雄は立ち上がったのである。
そして静雄はふらつきながらも駐車場のフェンスを掴んだ。

静雄「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

静雄は掴んだフェンスを思いっきり力を込めて、引き抜いたのである。
そして引き抜いたフェンスをバイオレンス・ドーパントに何度も何度も
叩き付けた。

バイオレンス・ドーパント「ぐわぁぁぁ。」
真司「すげぇぇ。」

真司は瀕死の状態にあるが、奮戦する静雄に感心した。

バイオレンス・ドーパント「こ、こんな奴を相手にしてられっか。」

バイオレンス・ドーパントは鉄球に姿を変え、逃げ出そうとした。しかし・・・

静雄「にがさねぇよ。」

静雄はバイオレンス・ドーパントを掴み、ジャイアント・スィングの要領で
壁に叩きつけた。

バイオンス・ドーパント「ぐわぁぁぁ。」

しかも、相性が悪かったのかバイオレンス・ドーパントから「暴力の記憶」
であるバイオレンス・メモリが体内から出てきたのである。

725

メモリが体内から出てきた事により、元の中年男性へと戻ったが男性は気絶していた。

静雄「あー、頭がいてー。」

静雄は知り合いの病院へと足を進めた。真司も彼を病院へと連れて行こうと、
足へと向けたがその時・・・

キーン

真司「ん!?」

モンスターの気配を感じた真司は、停車している車のミラーにモンスターの
影を見つけ、静雄を襲おうとしているのが分かった。危ないと感じた真司は
すぐにデッキを車のミラーに向けて、ベルトが出現。デッキを挿入し、ガラスが
割れる音と共に龍騎へと変身し、ミラーワールドへと飛び込んだ。

静雄「ん?」

物音がしたので静雄は振り返ったが、そこには誰1人いなかった。そのため
静雄はまた病院へと向かった。しかし、その場を見ていた人物がいた。

???「ふーん、あれがドーパントか。怪物に変身するなんて、なかなか
 面白いじゃないか。それにしても、静ちゃん相変わらず頑丈だね。・・・
 いいかげん、死んでくれないかな。そして仮面ライダーか・・・ふふふ、
 この街もまた面白くなりそうだ。」

その場を見ていた青年―折原臨也はこれから起こるであろう混乱に期待を
胸にその場を去った。

726

***ミラーワールド***

ミラーワールドの中へ入った龍騎はクモ型モンスター・ディスパイダーと
戦っていた。

ディスパイダー「・・・」

ディスパイダーは糸を繰り出して、攻撃する。

龍騎「おおっと。」

龍騎はそれを何とか回避した。次に龍騎はデッキからデッキのエンブレムと
同じ絵の金色の龍のカード・ファイナルベントカードを召還機ドラグバイザー
に装填した。

FINALVENT

音声と共に、ドラグレッダーが出現し、龍騎はドラグレッダーと一緒に空へ
飛び上がると、ドラグレッダーの放つ火球を受けながら敵に必殺のドラゴン
ライダーキックを放ち、ディスパイダーを倒した。そして、ディスパイダー
の中のエネルギーはドラグレッダーに吸収された。

龍騎「あの人は大丈夫かな?・・・それにしてもドーパントか、蓮達にも
 知らせておかないと。」

そう考えながら、ミラーワールドを後にするのであった。

○城戸真司→池袋でドーパントに出現を聞き、調査する。その後、龍騎に変身し、
    ディスパイダーを倒す。
△ドラグレッダー→ファイナルベントの為、出現。ディスパイダーのエネルギーを吸収。
○大久保大介→信司に池袋に出現するドーパントの取材をするように指示を出す。
○平和島静雄→バイオレンスドーパントを倒すが、頭から血を流す。
△折原臨也→静雄とバイオレンスドーパントの戦いを一部始終静観する。
●バイオレンスドーパント→静雄に追いかけられていた中年男性が変身するが、
  静雄に敗北し、気絶中。
●ディスパイダー→龍騎に倒される。

727

【今回の新登場】
○大久保大介(仮面ライダー龍騎)
OREジャーナル社長兼編集長。城戸真司の大学の先輩でもある。大手新聞社を辞めて
会社を設立した。お調子者だが熱いジャーナリズムとタフな精神の持ち主。トラブルを
多く引き起こす真司には手を焼いているが、彼の非凡な行動力と誠実さを誰よりも理解、信頼している、真司にとっては兄のような存在。
<闘争の系統での設定>かつて勤めていた大手新聞社は東都新聞社。

△無双龍ドラグレッダー(仮面ライダー龍騎)
真司と契約しているドラゴン型のモンスター。体長は6mで、時速500kmで空を飛ぶ。当初は真司を餌として狙ったが、彼と契約し龍騎に力を
与える。口からの火球ドラグブレスが主な武器。

○平和島静男(デュラララ!!)
池袋で借金の取立て屋をしているバーテンダー風の男。筋力のリミッターが存在しない特異体質で、自販機や交通標識をぶち抜いて、
投げつけたりする。暴力が嫌いで名前通り「平和で静かな」暮らしがしたいと思っているが、かなりキレやすい性格をしている。
(このため、何度もバイトを変えている。)苦い物が嫌いで甘いスイーツが好物。折原臨也とは高校時代からの天敵同士。

△折原臨也(デュラララ!!)
池袋の腕利きの情報屋。人間に対して歪んだ愛を持ち、人間達も自分を愛すべきだと説く。
池袋のチームであるダラーズ、黄巾賊、罪歌の抗争を焚きつけたりと影で暗躍した。静雄
とは高校時代からの天敵同士。頭脳明晰だけでなく懐にはナイフを常備している。

●バイオレンス・ドーパント(仮面ライダーW)
『暴力の記憶』であるドーパント。常人を超えた怪力と破壊力、鉄球に姿を変える
事でかなり離れた位置まで跳躍する事も出来る。

●ディスパイダー(仮面ライダー龍騎)
クモ型のモンスター。「仮面ライダー龍騎」第1話に登場した。


『最強最速の再会』-2

作者 凱聖クールギン

728

アステロイド・ベルトで起きた異変を、
地球のレーダーが探知してから数日後…。


***茨城県・霞ヶ浦***

霞ヶ浦の上空に突如、巨大な異常寒波が発生した。
気温が氷点下まで下がり、冷たい雪と氷が辺り一面を覆い尽くす。
GUYS JAPANの科学力を尽くした観測の結果、
この寒波は単なる自然現象ではなく、怪獣の活動を原因としている可能性が高い事が判明。
人工衛星によるレーダーで、気候を操っている怪獣の居場所が探査された。


***東京湾・DASH基地ベースタイタン***

Defense Action Squad Heroes――DASH。
ヒジカタ・シゲル隊長以下、トウマ・カイト、コイシカワ・ミズキ、
コバ・ケンジロウ、ショーン・ホワイト、
そしてアンドロイドのエリーの6名からなるDASHは、
東京湾・臨海副都心のベースタイタンに基地を構える、
GUYS JAPANに属する対怪獣・宇宙人専門地球防衛チームの一部隊である。

エリー「エリアJP-352に怪獣の出現を確認。
 デンジャーレベル5」

オペレーターを務めるエリーがレーダーを操作し、
寒波の中心にうごめく巨大な怪獣の影をキャッチ、
本部のスクリーンに映し出した。

ヒジカタ「非常態勢! DASH、出動!!」
カイト・ミズキ・ショーン・コバ「了解!!」

オペレーターを務めるエリーの報告を受け、
ヒジカタ隊長率いるDASHのメンバーは出動。
特殊戦闘機ダッシュバードを格納した空中機動母艦ダッシュマザーに乗り込み、
マッハ3で霞ヶ浦へ急行する。

ヨシナガ「……!」
エリー「ヨシナガ博士、どうかしましたか?」

エリーだけが残った本部に、他の隊員達と入れ違いに入って来た
DASH専属の怪獣生態学者ヨシナガ・ユカリ博士は、
スクリーンに映された怪獣の画像を見て思わず息を呑んだ。

ヨシナガ「ペギラ……!」

729

霞ヶ浦へ向けて関東上空を全速飛行するダッシュマザーに、
本部のヨシナガ教授からの通信が入る。

ヒジカタ「…ペギラ!?」
ヨシナガ@通信「ええ、ペギラ。南極に棲む冷凍怪獣よ。
 かつて南極の観測所を襲った怪獣で、
 日本にも現れて東京をまるで氷河期のようにしてしまった事があるわ」
ヒジカタ「エリー、アーカイブドキュメントからペギラの資料を調べてくれ」
エリー@通信「了解」

エリーはコンピュータを操作しアーカイブドキュメントのファイルを呼び出した。
GUYSのデータベースであるアーカイブドキュメントには、
歴代防衛チームがこれまで戦った幾多の怪獣・宇宙人の情報が収められているのだ。

エリー@通信「アウト・オブ・ドキュメントに同種の記録があります。
 レジストコード:冷凍怪獣ペギラ。
 南極に生息する怪獣で、かつて北極へ移動する際に日本を通過」
コバ「じゃあ、今度は南極に帰ろうとしているのか…?」
ショーン「地球温暖化のせいで、
 最近は北極も棲みづらくなっているのかもね」
ヨシナガ@通信「そして、北極と南極の間に位置する日本が、
 渡り鳥のように両極を旅するペギラの中継地点になっている可能性があるわね」
カイト「でもしばらく羽を休めるには、日本の気候はペギラには暖か過ぎる…」
ミズキ「それで大寒波を起こして、霞ヶ浦を南極みたいにしたってわけね」
トミオカ@通信「だが、そんな事を許しては茨城一帯が大被害だ。
 人々の命と生活を守るため、ペギラは何としても倒さなければならない。
 一刻も早く、ペギラを発見し撃滅するんだ!」
ヒジカタ「――了解!!」

UDF日本支部のトミオカ・ケンゾウ長官の指示により、
ダッシュマザーは大寒波の中へ突入。
荒れ狂う猛吹雪の奥に冷凍怪獣ペギラの姿を発見した。

ペギラ「ギャァァゥゥゥゥ―――!!」

カイト「怪獣発見!」
ヒジカタ「ダッシュバード1号、ダッシュバード2号、出撃!!」
ミズキ・コバ「了解!!」

ダッシュマザーの前面が開いて発進口が露出し、
ミズキとカイトが乗るダッシュバード1号、
コバとショーンが乗るダッシュバード2号が勢い良く前方へ飛び出す。

ヒジカタ「フォーメーション・アルファ3で攻撃を開始だ」

2機のダッシュバードが並列飛行しながらペギラにミサイルを発射!
だがペギラは怯まず、口から冷凍光線を吐いて暴れ続ける。

コバ「くっ…!? 機体のコントロールが効かない…!」
エリー@通信「ペギラの冷凍光線が反重力現象を発生させています。
 接近し過ぎると操縦が困難になり危険です」

地面からも凍りついた木や家や車などが重力を失い、宙へ舞い上がっている。
ただでさえ吹雪で飛行が困難な中、DASHは粘り強く攻撃を続けるが、
頑丈なペギラのしぶとさはそれ以上である。

ヨシナガ@通信「ヒジカタ隊長、ペギラを倒すには、やはりペギミンHが必要だわ」
ヒジカタ「ペギミンH?」
ヨシナガ@通信「ええ。南極だけにある苔から採れる
 ペギミンHという物質がペギラの弱点なの。
 過去にペギラが現れた時も、これを使って撃退しているわ」
ミズキ「でも、南極だけにある苔って…」
カイト「そんなの、今から採りに行ったんじゃいつまでかかるか…」
ヒジカタ「いや、その必要はないかも知れない。
 エリー、各種研究機関にペギミンHが保管していないか問い合わせてくれ。
 日本にもペギミンHがある可能性はあるんだ」
エリー@通信「了解」

730

ペギラによってすっかり氷に閉ざされてしまった霞ヶ浦。
だが、湖面を覆う氷に亀裂が走り、割れ目から火山の噴火のように水が噴き上がる。
そして氷を下から突き破り、水中からもう一匹の怪獣が姿を現した!

チタノザウルス「クワァァァァ――!!」

独特の甲高い鳴き声で咆哮したチタノザウルスは陸へ上がり、
ペギラに猛然と戦いを挑んだ。

カイト「怪獣がもう一匹…!?」
ヒジカタ「エリー、あの怪獣の情報は!?」
エリー@通信「アーカイブドキュメント参照――
 これもアウト・オブ・ドキュメントに同種の記録があります。
 レジストコード:水棲恐龍チタノザウルス」
ショーン「チタノザウルス?」
エリー@通信「かつて真船博士という人物に操られてゴジラと戦った恐竜の生き残りです。
 ただし、今回は何者かに外部からコントロールされている形跡はありません」
コバ「野生って事か…」
エリー@通信「本来は大人しく、戦いを好まない性質ともされています」
ミズキ「じゃあ、それがどうして…?」
ヨシナガ@通信「霞ヶ浦の湖底にずっと前から眠っていたとすれば…。
 ペギラに急に水温を下げられて、
 眠りを妨げられたとも考えられるわね」
トミオカ@通信「自分の縄張りを守ろうとしているんだろう。
 氷点下の気候はペギラにとっては天国でも、
 他の大抵の生き物にとってはたちまち凍死してしまう地獄だからな」
カイト「そうか、それで怒ってるんだ」

唸りを上げてペギラに突進したチタノザウルスは、
長い首のスナップを活かした頭突きでペギラを大きく後ろへ吹っ飛ばす。
仰向けに倒れたペギラもすぐに立ち直り、
再度突っ込んできたチタノザウルスの首に嚙み付いた。
流血が更にチタノザウルスの闘争本能を燃え立たせ、
怒ったチタノザウルスはペギラの羽に噛み付き返した。

エリー@通信「隊長、ペギミンHがありました。
 コスモアカデミアにあるサンプルが、間もなくこちらへ搬送されます」
ヒジカタ「よし! 着いたらダッシュライザーで発射できる状態にして
 すぐにこちらへ送ってくれ」
エリー@通信「それとチタノザウルスの弱点ですが、
 アーカイブドキュメントによれば超音波に弱い性質があります。
 超音波発生装置を自衛隊が用意して、そちらへ空輸するとの事です」
ミズキ「良かった。これで二匹とも何とかなりそうね」
トミオカ@通信「二つの作戦準備が整うまでは、
 そのまま二匹を戦わせ続けるんだ。
 野獣の闘争本能を利用して時間を稼ぎ、あわよくば漁夫の利を狙う」

そう言いながら手に汗を握るトミオカ長官。
凍てつく大地を揺るがしながら、二大怪獣の死闘は続く…。

731

○ヒジカタ・シゲル、トウマ・カイト、コイシカワ・ミズキ、
 コバ・ケンジロウ、ショーン・ホワイト→ペギラ出現の報を受け霞ヶ浦へ出動。
○エリー→ペギラと戦うDASHをベースタイタンからサポートする。
○トミオカ・ケンゾウ→ペギラと戦うDASHをベースタイタンから指揮する。
○ヨシナガ・ユカリ→ペギラと戦うDASHにベースタイタンから助言を送る。
●冷凍怪獣ペギラ→大寒波を起こしながら霞ヶ浦に襲来。DASHやチタノザウルスと戦う。
●水棲恐龍チタノザウルス→霞ヶ浦の湖底から出現。ペギラに戦いを挑む。

【今回の新規登場】
○トウマ・カイト(ウルトラマンマックス)
DASH隊員。学生時代に震災で両親を亡くし、その事から人の命を守りたいと思いDASHの入隊試験を受けたが、当初は不合格。災害ボランティアでの活動中に溶岩怪獣グランゴンと冷凍怪獣ラゴラスに遭遇して立ち向かい、ウルトラマンマックスと融合すると共に念願のDASH入隊も果たし地球を守る戦いに身を投じた。
コイシカワ・ミズキ隊員とはコンビを組んで出動する事が多く、数十年後の未来では彼女と結婚している。無鉄砲な所もあるが、大きな隣人愛を持つ純真な青年。

○コイシカワ・ミズキ(ウルトラマンマックス)
DASH隊員。強気ながら心優しい女性エースパイロットで、救護や料理の腕も優秀。
トウマ・カイト隊員とはコンビを組んで出動する事が多く、相棒として共に戦ってゆく内に
彼への恋愛感情が生まれ数十年後の未来では夫婦として結ばれている。
サトン星人の末裔という説が浮上した事もあるが、真相は不明。

○ヒジカタ・シゲル(ウルトラマンマックス)
DASH隊長。主にベースタイタンで指揮を執る。
常に冷静沈着で、厳格ながらも優しさやウィットにも富み、隊員達からの信頼は厚い。
実戦で見せる度量や技量も一流である。アナログの良さを愛し、
当初は嫌っていたロック系音楽に嵌るなど随所に人間味を見せる。

○コバ・ケンジロウ(ウルトラマンマックス)
DASH隊員。二丁拳銃を使いこなす射撃の名手で、隊員中で唯一、
個人専用モデルのダッシュライザーを持っている。
一方で戦闘機に乗ると運がなく、被撃墜率が高いというデータが出てしまっている。
失敗を恐れずに突き進む熱血漢。

○ショーン・ホワイト(ウルトラマンマックス)
DASH隊員。DASH日本支部では唯一の外国人隊員である。
主にメカニック・装備開発を担当する。
英語混じりの日本語を話す、明るいムードメイカー。

○エリー(ウルトラマンマックス)
DASH隊員。主にオペレーターを務めるアンドロイドで、DASHの中枢機能を司る存在。
人間の感情を理解するのは苦手で、抑揚の無い声で話すが、他の隊員達と仲間として
交流する内に人間らしい感情や行動も少しずつ見せるようになった。
戦闘時には上着を脱ぎ、アクティブモードにチェンジする。

○トミオカ・ケンゾウ(ウルトラマンマックス)
UDF日本支部長官。温厚な性格で人望も厚いが、必要とあらば断固とした決断も下す。
かつては優秀な戦闘機パイロットだったらしく実戦の腕も未だ健在。
趣味は盆栽で、剪定はさみを空に向けて掲げるという妙な癖がある。

○ヨシナガ・ユカリ(ウルトラマンマックス)
DASH専属の怪獣生態学者。怪獣に関する豊富な知識を活かしてDASHに的確な助言を送る。
また、隊員達の母親のような存在として精神面のサポートをする事もある。
学者になる前は『アンバランス』という特撮番組に出演する女優だったという噂もあるが、

真相は不明。

●冷凍怪獣ペギラ(ウルトラQ)
南極に生息する怪獣。両腕の翼で飛行し、口から零下130℃の冷凍光線を吐く。
南極の観測所を襲い、後には東京にも出現して首都圏を氷漬けにした。
南極の苔から採れるペギミンHという物質を苦手としている。
多々良島の有翼怪獣チャンドラーとは姿が酷似しており、亜種説も存在する。

●水棲恐龍チタノザウルス(メカゴジラの逆襲)
真船博士が発見した古代の恐竜の生き残り。
恐竜をコントロールする研究が非難され学界を追放された真船博士が復讐のため送り込み、
博士に操られてブラックホール第三惑星人のメカゴジラⅡと共にゴジラと戦ったが、
本来は戦いを好まない大人しい性質。尻尾の先は団扇状の皮膜になっており、
これを振って突風を発生させる。超音波に弱い。


『最強最速の再会』-3

作者 凱聖クールギン

732

ペギラ「ギャァァゥゥゥ――!!」
チタノザウルス「クワァァァァ――!!」

DASHが攻撃を一旦中止し地上に降りてからも、
ペギラ対チタノザウルスの雪原の死闘は続いていた。
チタノザウルスはペギラの腕を掴み、怪力で引っ張ろうとする。

トミオカ「……!」
エリー「?」

モニター越しに戦いを見守るトミオカ長官の顔が一瞬強張ったが、
ペギラはチタノザウルスの腕を払いのけ、叩き返した。

ヨシナガ「チタノザウルスの腕力は、
レッドキングほどじゃありませんよ、長官」
トミオカ「う、うむ…」
エリー「お二人とも、何の話をされているのですか?」

チタノザウルスの長所は腕力よりも脚力である。
大地を蹴ってジャンプしたチタノザウルスはペギラに豪快な両脚キックを喰らわせた。
転倒したペギラもすぐに起き上がり、冷凍光線で反撃するが、
チタノザウルスは団扇状の尻尾を振って突風を起こし、冷凍光線を押し返す。
自分の冷凍光線が起こした反重力現象で、ペギラはバランスを崩し引っ繰り返った。

コバ「チタノザウルスが勝つ…?」
ヒジカタ「いや、この超低温下で、チタノザウルスもかなり体力を失っている。
 早めに勝負を決めなければ、苦しくなるのはチタノザウルスの方だ」

その間に、空輸された超音波発生装置がダッシュバード2号に取り付けられ、
チタノザウルス撃退作戦の準備が整う。

カイト「隊長、俺が行きます」
ミズキ「カイト、私も一緒に行くわ」
カイト「いや、一人で大丈夫さ。任せてくれ」
ヒジカタ「…よし分かった。ここはカイト隊員に任せよう」
ショーン「流石、サムライボーイだ!」

志願したカイトはダッシュバード2号に乗り込み発進。
空からチタノザウルスに超音波を浴びせる任務に挑んだ。

733

チタノザウルス「クワァァァァ――!!」
ペギラ「ギャァァゥゥゥ――!!」

ヒジカタ隊長の読み通り、寒さの中の戦いでチタノザウルスは体力を消耗していた。
体温が低下し、徐々に動きが鈍くなる。
対するペギラはこれを待っていたとばかり、次第に反撃の勢いを強めて行く。
そこへカイトのダッシュバード2号が、チタノザウルスに向けて超音波を発射。
チタノザウルスはもがき苦しみ、頭痛を覚えてふらつき始めた。

チタノザウルス「クゥゥ……クワァァァァ――!!」

ここぞとばかりにペギラは冷凍光線を噴射。
もはや尻尾で押し返す事も出来ず、
チタノザウルスは全身に冷凍光線を浴びて凍りつき、真っ白になって地面に倒れる。

カイト「やった!」

巨大な雪飛沫を上げ、雪原に巨体を沈めたチタノザウルス。
勝利を確信したカイトは超音波の発射を止め、
ダッシュバード2号でチタノザウルスの上を旋回する。
だがその時――。

ミズキ「カイト、危ない!」
カイト「うわっ!?」

死んだかに見えたチタノザウルスが突如、尻尾を真上に振り上げた。
咄嗟の回避も間に合わず、尻尾の先の団扇で叩き落とされるダッシュバード2号。

ミズキ「カイト――ッ!!」

煙を噴いて回転しながら、ダッシュバード2号は冷たい霞ヶ浦の水中へ墜落する。
死んだふりをしていたチタノザウルスは立ち上がり、
身震いして全身の雪を振り落とすと、
ミズキの叫びをかき消すように大きく咆哮した。

  ◇  ◇  ◇  ◇

霞ヶ浦の氷の下に墜落したダッシュバード2号。
冷たい水がたちまち機内に浸水し、操縦席のカイトは気絶した。
通常なら、死まで数秒とかからないであろう。
しかしカイトはすぐに不思議な温かさを感じた。
目を開けると、赤い光が自分を包んでいて、そこに巨人が立っている。

???「カイト……カイト……」
カイト「誰だ? 僕を呼ぶのは…」
???「カイト…私だ」
カイト「その声は、マックス…? ウルトラマンマックスなのか?」
マックス「そうだカイト。私は帰って来た」
カイト「マックス、この宇宙で今、一体何が起きてるんだ?
 黄泉還り現象や、Gショッカーやロゴスの侵略、
 そして今度は怪獣まで現れた…」
マックス「カイト……黄泉還りも、悪の組織の蠢きも、
 そして怪獣の出現も、全ては地球だけの現象ではない。
 同じ異変は宇宙の至る所で起こっているのだ。
 宇宙連邦やウルトラの星も目下、その謎を解き明かすために動いているが、
 未だに真実を掴めてはいない…」
カイト「ウルトラの星でも、分からない事があるのか…」
マックス「エンペラ星人や大星王バズー、フリーザといった宇宙の巨悪が
 影で糸を引いているのは確かだ。
 だが、彼らは恐らく氷山の一角、ただ表面に現れているものに過ぎない。
 彼ら黒幕達をも影で操る、更に巨大な黒幕の存在に我々は気付き始めているが、
 それが何者なのかはまだ誰にも分からない」
カイト「マックス、俺はみんなの命を守りたい。
 一体どうしたらいいんだ!?」
マックス「君のその勇気に、共振する心を感じて私は帰って来たのだ。
 カイト、再び私と一心同体となり、
 地球と宇宙の平和を守るため共に戦おうではないか――!」

眩い光の中からマックススパークが現れ、
ゆっくりとカイトの掌に降りて来る。
それを力強く握り締めたカイトは、太陽のような一層明るい光に包まれ、
ウルトラマンマックスの姿に変身した!!

734

チタノザウルス「クワァァァ――!!」

ダッシュバード2号を葬ったチタノザウルスはDASHに迫る。
DASH隊員達は地上からダッシュライザーで攻撃するがビクともしない。

ミズキ「この…カイトの仇――!」
ヒジカタ「駄目だ、効果がない。一時撤退だ!」

その時――。
霞ヶ浦を覆う氷が、眩しい光によって下から貫かれる。
その光に包まれて、水中から飛び立ったウルトラマンマックスが水面の氷を突き破り、
地上にその姿を現した。

マックス「デュワッ!!」

二大怪獣の間に颯爽と降り立ち、
ファイティングポーズを取るマックス。

ヒジカタ「ウルトラマンマックス…!」
ミズキ「マックス…じゃあ、カイトは!?」

溢れるマックスの光のエネルギーが、辺り一面の雪を溶かしてゆく。
まるで氷河期のようだった霞ヶ浦の湖畔一帯に、緑と暖かさが戻った。

マックス「デュワッ!!」

カイトと一体化して地球上で活動する肉体を得たマックスは、
強力なキックを繰り出してチタノザウルスを吹っ飛ばし、
続けてペギラを渾身のパンチでよろめかせる。

チタノザウルス「クワァァァァ――!!」

マックスの胸に頭突きを浴びせ、首のスナップで弾き飛ばすチタノザウルス。
だが零下での戦闘と超音波攻撃の効果で、その動きは確実に鈍っている。
飛び蹴りを見舞ったマックスはチタノザウルスの長い尻尾を掴んで振り回し、
ジャイアントスウィングで頭から地面に投げ落とした。

ペギラ「ギャゥゥゥ――!!」

マックスの背後から、ペギラが不意打ちの冷凍光線を放射。
倒れたチタノザウルスも尻尾で突風を起こし、冷気を暴風に変えて渦巻かせる。
低温に弱いウルトラ族のマックスは苦しみ、
胸のパワータイマーが点滅を始めた。

ヒジカタ「ウルトラマンが負ける…!?」
ミズキ「カイトー! 頑張ってー!!」
ショーン「Hey! あれを見て!」

ショーンが指差した空には、エリーの操縦するダッシュバード3号の姿があった。
着陸し、降りて来たエリーは他のDASH隊員達と合流、
アタッシュケースに入ったダッシュライザーのカートリッジを見せる。

エリー「ペギミンHをビーム状に射出するカートリッジです。
 コスモアカデミアの協力で完成しました」
ヒジカタ「よし、これでペギラを倒すんだ」
コバ「よ~し、任せろ!」

ダッシュライザーにペギミンHのカートリッジを装填し、
コバはペギラに狙いを定める。

コバ「喰らえっ!」

DASH一の射撃の名手であるコバの放ったビームは一閃、
冷凍光線を吐いているペギラの喉元に命中した。

ペギラ「グェゥゥゥゥ――!?」

光の粒子となって熱と共に浴びせられたペギミンHにアレルギー反応を起こし、
痙攣して悶え苦しむペギラ。
その隙にマックスは立ち直り、翳した右腕のマックススパークにエネルギーを集中。
必殺のマクシウムカノンを発射した!!

ズドォォォ――ン!!

大爆発し、粉々に砕け散って消滅するペギラ。
ペギラが倒されたのを見て、敵わぬと判断したチタノザウルスは
霞ヶ浦の水中へ逃亡。そのまま湖底を掘り進み、地中から海へと逃れて行った。

マックス「ジャッ!!」

地上に並ぶDASH隊員達の方へ向き直り、
再会を喜ぶかのように大きく頷くと、マックスは空へ飛び立つ。
トウマ・カイトのウルトラマンマックスとしての戦いが、再び幕を開けたのである。

トミオカ「ウルトラマンが帰って来たか…」

戦いの終焉、そして始まりをモニター越しに見届けたトミオカ長官は、
感慨深げに大きく嘆息すると、無言のままベースタイタンの司令室を後にした。
その後ろ姿を見送って微笑しつつ、ヨシナガ博士もその後に続く。

735

○トウマ・カイト→チタノザウルスに超音波攻撃を行なうが撃墜され、
 ウルトラマンマックスと合体。ペギラとチタノザウルスを倒す。
○コバ・ケンジロウ→ペギミンHのビームでペギラを射撃。
○ヒジカタ・シゲル、コイシカワ・ミズキ、ショーン・ホワイト
 →ペギラとチタノザウルスを攻撃。
○エリー→完成したペギミンHのカートリッジを霞ヶ浦まで届ける。
●冷凍怪獣ペギラ→ペギミンHのビームに弱り、ウルトラマンマックスに倒される。
●水棲恐龍チタノザウルス→ウルトラマンマックスに敗れ、海へ逃亡。

736 

○ウルトラマンマックス→地球へ降り立ち、トウマ・カイトと再び合体。
 ペギラとチタノザウルスを倒す。
○トウマ・カイト→チタノザウルスに超音波攻撃を行なうが撃墜され、
 ウルトラマンマックスと再び合体。ペギラとチタノザウルスを倒す。
○コバ・ケンジロウ→ペギミンHのビームでペギラを射撃。
○ヒジカタ・シゲル、コイシカワ・ミズキ、ショーン・ホワイト
 →ペギラとチタノザウルスを攻撃。
○エリー→完成したペギミンHのカートリッジを霞ヶ浦まで届ける。
●冷凍怪獣ペギラ→ペギミンHのビームを受けて弱り、ウルトラマンマックスに倒される。
●水棲恐龍チタノザウルス→ウルトラマンマックスに敗れ、海へ逃亡。


『征服王でドッゴイ!』

作者 ユガミ博士

737

***神奈川県・中空町***

ドッコイダー「待てー!マニアック星人オタッキーマン、地球人をフィギュア化して
 コレクションにしていった罪で逮捕だー!」
タンポポール「ドッコイダー、オタッキーマンは以前にも、地球で同様の手口をしているわ。」
オタッキーマン「はぁ、はぁ、つ、つかまってたまるかー!」

ドッコイダーとタンポポールは地球人をフィギュアに変えているマニアック星人オタッキーマンを追っていた。オタッキーマンは以前にも地球(埼玉)へやってきて、地球人を蝋人形へと変えてコレクションにしていった。しかし、ヒーロー協会のヒーローであるラッキーマンに倒された。だが、復活したオタッキーマンはフィギュア化する能力を身に着けて、次々と地球人をフィギュアへと変えていったがドッコイダー達に見つかり、逃げていたのである。

ドン!

オタッキーマン「イタッ!」

息を切らしながら逃げていたオタッキーマンは何かにぶつかって、
尻をついて倒れた。

オタッキーマン「イタタタ、一体何・・・だ・・・?」

オタッキーマン顔を上げると、そこにはとてもデカイ赤い髪と髭の大男がいた。

???「ん?おお、スマンスマン。ぶつかってしまったようだのう。所で御主、
 この近くにゲームショップは無いか、知っておるか?」

デカイ!生物というのは体が大きいだけで怖がってしまう。「ゲームショップを知らないか。」と訪ねてくる大男の言葉は聞こえず、顔を近づけてくるので、逃げている途中の事もあり恐怖からオタッキーマンは大男をフィギュアに変えようとした。

???「ん!?」

バチィィン

オタッキーマン「ぎゃぁぁぁ!」

危険を感じた大男はオタッキーマンに何とデコピンするのであった。デコピンを
されたオタッキーマンは悲鳴をあげて大きくふっとばされた。

738

ドッコイダー「オ、オタッキーマン!?」
タンポポール「見て!ドッコイダー。」

ふっとばされたオタッキーマンを見て、驚くドッコイダー達。タンポポールを
大男を指をさした。

ドッコイダー「あ、あなたがやったんですか?」
???「如何にも!余は征服王イスカンダルである!此度、三度目の生を受け、現界した!」

イスカンダルを名乗る大男のその巨躯の体もそうだが、身に着けている格好も奇妙だった。
その姿は赤いマントに古代を思わせる兵士の格好をしていた。

ドッコイダー「(あれって、コスプレなのかな?)」
タンポポール「(分からない、でも見るからに怪しいわね。)」

ドッコイダー達はイスカンダルに不審な目で見るが、他にイスカンダルを見る者がいた。
その者は少し強面の顔で緑色のスーツを着ていた。

???「あの男から、強い欲望を感じる。これはメダルを稼げそうだ。」

男はすると姿を変え、虫のような怪人へと変身した。欲望の化身、グリードの一体
ウヴァである。ウヴァはメダルを取り出し、イスカンダルへ向かって投げた。
すると、イスカンダルの頭にコインの投入口が出現し、メダルが入った。

イスカンダル「む!?」

するとイスカンダルの体からカブトムシに似た怪人が出現した。グリードはセルメダルを
相手に入れる事でヤミーという欲望の怪人を作り出せる事が出来るのだ。

イスカンダル「なんじゃ、コイツは!?」
カブトムシヤミー「・・・欲しい。・・・世界が欲しい。世界征服の為の臣下が欲しい。」
ドッコイダー「うわぁ、怪人が出た!」
タンポポール「気をつけて、手ごわそうよ。」

現れたカブトムシヤミーに戸惑うドッコイダー達。そこへウヴァが彼等の前に現れた。

ウヴァ「ほぅ、ヤミーを作り出しただけで、結構なメダルが溜まっているなぁ。」
ドッコイダー「お前は誰だ!」
ウヴァ「俺はウヴァ。グリードだ。オーズみたいな奴がいるが面倒だ。行け!屑共。」

ウヴァはメダルを割り、数体のミイラのような姿をした屑ヤミーを作り出し、ドッコイダー達に
攻撃するように命令を出した。

ドッコイダー「うわっと!」
イスカンダル「この征服王を攻撃するとは面白い。てりゃぁぁ!」

ドッコイダー達は屑ヤミーと交戦。ウヴァも電撃を飛ばして、ドッコイダーを
攻撃する。

イスカンダル「虫の姿に電撃とは・・・それにそこの戦士もなかなか面白い。
 どうだ?両者、余の臣下に加わり共に世界征服を目指さぬか?」
タンポポール「こんな時に何を言っているの!?あの人」

イスカンダルの思わぬ、勧誘にドッコイダー達もウヴァも同様が広がる。

ウヴァ「ここは良い。お前はメダルを稼いでこい。」

ウヴァの命令にカブトムシヤミーは了承し、羽根を広げて街の方へと向かった。

ドッコイダー「待てー!」
ウヴァ「させるか。」

ドッコイダーはカブトムシヤミーを追おうとするが、ウヴァが足止めする。

739

電撃に苦戦するドッコイダーだったが、そこへイスカンダルがウヴァに殴りかかった。

ウヴァ「ぐわぁ!」
イスカンダル「はっはっは、余もおる事を忘れんでもらいたいのう。」

イスカンダルの強烈なパンチにウヴァの体から数枚のメダルがこぼれ落ちた。

ウヴァ「ち、これ以上メダルを無くしてたまるか。覚えてろ!」

ウヴァはそのまま撤退した。その場にいた屑ヤミーも全滅した。

ドッコイダー「あのカブトムシの怪人を早く追わないと。」
タンポポール「ネルロイドガール達に連絡しないと。」

ドッコイダー達は空を飛んでいったカブトムシヤミーをどう追えばいいか
悩んでいると。

イスカンダル「余の体からでたあの怪物を追えばいいのだな?ここは余に任せよ。」

イスカンダルは腰にさしていた剣を空に向けて掲げると、雷鳴と共に現れたのは
雷を纏った2等の雄牛が引く古代の戦車だった。

***中空町・上空***

中空町の上空を飛ぶカブトムシヤミーは欲望を叶えるため、優秀な人材を探していた。

イスカンダル「ALALALALALAI」

けたたましい雄叫びのする方へ向くと、後ろから何と古代の戦車が空を走って此方へ向かって
くるのであった。

これこそ、征服王イスカンダルが持つ宝具「神威の車輪<ゴルディアス・ホイール>」である。

戦車にはイスカンダルとドッコイダー、タンポポールが乗っていた。

ドッコイダー&タンポポール「「うわぁぁぁぁ」」

「神威の車輪」の速さに目を回す勢いだった。

そのまま、カブトムシヤミーへと激突する。

イスカンダル「行って来い!小僧。」
ドッコイダー「嘘ぉぉぉぉぉ!」

イスカンダルはそのまま、ドッコイダーを掴むと、カブトムシヤミーに向かって
投げるのであった。

ズドォォォォン

その衝撃も加わり地上へと落下すると盛大な爆発を起こし、カブトムシヤミーは
メダルを出して、倒された。

740

***地球署***

その後、オタッキーマンを地球署へと引き渡すと同時にイスカンダルの事情聴取も行われた。
事情聴取の立会いには変身を解いた鈴雄と小鈴、地球署の署長であるドギーとホージー、
ジャスミンである。イスカンダルはこれまでの事情を話した。自身が古代マケドニアの征服王
であり、死後英霊と呼ばれる人々の信仰で精霊にまでになった存在だという事。10年前に
起こった魔術師達による闘争「第四次聖杯戦争」にサーヴァントとという使い魔に似た存在として
召還され戦った事。通常、英霊は「英霊の座」と呼ばれる場所におり、サーヴァントは分身体で
サーヴァントの出来事は「記録」であり「記憶」ではないのだが、何故かいつの間にか、受肉して
復活しており、第四次聖杯戦争の事も記憶していた。

イスカンダル「・・・それで、せっかくだから現世を見物していたのだが、あの戦いに出くわした
 というわけだ。」
ジャスミン「・・・ボス、話は事実です。この人は間違いなく、古代マケドニアの王様よ。」

ジャスミンはエスパーの能力で、イスカンダルの記憶を読み取った。

ホージー「魔法については知っていたが、そんな戦いが起きていたとは・・・。」
ドギー「(これも黄泉がえりの影響か。)それでは征服王、復活した今、あなたの目的は・・・?」
イスカンダル「決まっておる。余の望みは世界征服。故国に戻る道中を征服し、余の復活を皆に伝える。」
鈴雄「(僕達、警察なんだけどなぁ)」
小鈴「(ある意味、堂々としているわね。)」

宇宙警察を前に堂々と世界征服宣言するイスカンダルに呆れる一同。

ドギー「だが、征服王。今この地球は様々な勢力が狙って「分かっておる。」」

イスカンダルはドギーの言葉を遮った。

イスカンダル「この征服王を差し置いて、世界征服など片腹痛い。余の障害になるので
 あれば、真っ向から立ち向かう所存だ。」
ドギー「それならば、我々に協力をお願いしたい。我々はそれらと戦う戦力を集めている。
 それに一番の勢力であるGショッカーはあなたを自らの戦力にしようとするはずだ。」
イスカンダル「フム・・・。よかろう!このイスカンダル、そなた達の力となろう!」

ドギーからの協力要請に少し思案したイスカンダルは協力を了承した。

鈴雄「いいんですか?イスカンダルさん。」
イスカンダル「うむ、それにこやつ等と一緒におれば余の臣下となる戦士と
 めぐり合えるかもしれぬからのう。」
鈴雄「あ、そうですか。」

イスカンダルはにこやかに答えるのであった。

イスカンダルはしばらくコスモス荘で預かる事と決めた後、ドギー達は取調室から
退出した。

ホージー「いいのですか、ボス?相手は世界征服を考えているのですよ。」
ドギー「だからこそだ。そのような考えの持ち主は手元においておいた方が良い。」
ホージー「なるほど。」
ジャスミン「でも、あの王様のなかなか好感が持てる人だったわ。」
ドギー「・・・確かにな。」

ドギーはフッと少しだけ笑うのであった。

741

○ドッコイダー&タンポポール→オタッキーマンを追いかけ、イスカンダルと出会う。
  その後、グリードと交戦。
○イスカンダル→カブトムシヤミーと戦闘。ドギー・クルーガーの協力要請を了承する。
○ドギー・クルーガー→イスカンダルに協力を要請する。
○ホージー&ジャスミン→イスカンダルの事情聴取に同行する。
●オタッキーマン→ドッコイダーから逃げていたが、イスカンダルのデコピンで気絶し、逮捕されていた。
●ウヴァ→イスカンダルからヤミーを作り出し、ドッコイダー達と交戦。
●カブトムシヤミー→イスカンダルの欲望から生み出され、ドッコイダー達に倒される。

【今回の新登場】
○ライダー/征服王イスカンダル(Fate/Zero)
第四次聖杯戦争でウェイバー・ベルベットに召還されたライダーのサーヴァント。
真名は古代マケドニアの征服王イスカンダル。性格は豪放磊落で暴君だが、その欲望が
結果的に皆を幸せにする自由奔放な王様。聖杯戦争に参加した理由は現世で世界征服を
するための「受肉」をする事。現世において通販やゲームなど順応性はかなり高い。
アーチャー(ギルガメッシュ)との戦いで敗北した。

○礼紋茉莉花=デカイエロー(特捜戦隊デカレンジャー)
地球署の女性刑事。通称ジャスミン。エスパーで人や物の記憶を読み取る能力を持っている。
古い流行語を口にするのが口癖。

●マニアック星人オタッキーマン(とってもラッキーマン)
地球人を蝋人形にしてコレクションをしていた宇宙人。ラッキーマンに倒された。

●ウヴァ(仮面ライダーオーズ)
昆虫系のグリード。クワガタ、カマキリ、バッタのコアメダルを持っている。
性格は短気。作り出すヤミーは相手にセルメダルを投入する事でヤミーを作り出す。
頭から電撃を放って攻撃する。ドクター真木に強制的にコアメダルを10枚入れられた
為、暴走して消滅した。

●カブトムシヤミー(仮面ライダーオーズ)
カブトムシの姿をしたヤミー。今作はイスカンダルの欲望から生まれた。


『怪獣王の復活』

作者 凱聖クールギン

742

**南太平洋・ラゴス島近海***

美しいエメラルドグリーンの海原に、一隻の漁船が白波の航跡を引いていた。
かつて太平洋戦争の激戦地の一つとなったここラゴス島も、
終戦から長い月日が経った今は、まるで全てが悪い夢だったかのように
平和で長閑な南洋の景色が広がっている。

漁師「全然いねえな…。どうしちまったんだ」

漁船を操縦しているラゴス島民の漁師は煙草を咥えながら、
魚群探知機の画面と睨めっこをして毒づいた。
今年はここまでかなりの豊漁だったのだが、
ここ数日はどうしたわけか、海に魚がさっぱりいなくなっている。

漁師「おっ…!?」

突然、魚群探知機が何かの影を捉えた。
こいつは大きな群れだな――と一瞬漁師は思ったが、そうではない。
その影は群れではなく、それだけで一つの個体であった。
鯨どころの大きさではない。恐ろしく巨大な何かが、ゆっくりと船の真下を泳いでいる…。

漁師「うわぁぁぁぁっ――!!」

言い知れぬ恐怖を漁師が感じた次の瞬間、
海中から放射された青白い光熱が漁船を包み、
一瞬の内に漁師もろとも焼き尽くして海の藻屑に変えてしまった…。

743

***東京・赤坂***

夜。赤坂の料亭で、剣桃太郎首相はある老人と会談していた。
元内閣総理大臣で、民自党の大物長老議員の一人、三田村清輝である。

三田村「剣君、ダカールでは本当にお疲れ様。
 返す返すも見事な手腕だったね」
桃太郎「いえ、ティターンズに対抗する各国首脳や軍人達、
 それに世界各地で正義のために戦ってくれたヒーロー達の力があったからこそです。
 それより三田村先生、太平洋上で相次いでいる、例の海難事故ですが…」
三田村「ああ、間違いない。
 海底火山の噴火だの、浮遊機雷の爆発だのと
 マスコミは色々憶測を飛ばしているが、私は確信しているよ。
 …あれはゴジラだ」

ラゴス島で最初の漁船炎上事故があってから一週間。
船が突如、炎に包まれ沈没するという怪事件はその後も続発していた。
しかもその発生場所は少しずつ太平洋を北上し、日本に近付いている。

桃太郎「このままでは日本の領海内でも同様の事故が起きるのは時間の問題です。
 政府としても、早急に手を打たなければなりません」
三田村「いざとなれば太平洋上の船舶の航行の全面停止も含め、
 弱腰にならずに思い切った手段を講じるべきだよ。
 経済や通商の面での支障も多々あるだろうが、犠牲者が出てからでは遅すぎる」

三田村は1984年のゴジラ出現の際、日本の総理大臣を務めていた男である。
米ソ両国がゴジラ撃滅のため東京での核ミサイルの使用を強硬に主張する中、
両国首脳と直談判してこれを説得、翻意させ、
東京を核による破滅から守った当時の功績は今や政界の語り草となっている。

桃太郎「地球連邦軍の極東支部もロゴス一派を追放し、
 各地に左遷されていた主要メンバーが戻りました。
 彼らと日本政府との連絡を密にし、
 いつでも自衛隊と共同作戦が取れるよう備えておかなくてはなりません」
三田村「その意味では、いい時期にティターンズ派の大掃除ができたね。
 極東支部が麻痺している時に怪獣が日本に現れたらと思うと……ぞっとするよ」
桃太郎「実際、霞ヶ浦にペギラとチタノザウルスが現れた際には、
 GUYS JAPANの活躍が人々を守る大きな力になりました。
 チタノザウルスに対する超音波作戦を自衛隊とDASHが共同で行なえた事は、
 今後に向けてとても良いテストケースとなります」
三田村「対ゴジラ最終兵器……メカゴジラの建造は進んでいるのかね?」
桃太郎「怠りなく。後は通信システムの最終調整と、
 プラズマ・グレネード及びアプソリュート・ゼロの取り付け作業を残すのみとの事です。
 かつてのGフォース製メカゴジラ、三式機龍、MOGERA等、
 これまでの対ゴジラ決戦兵器の技術の全てを結集した、
 最新最強のメカゴジラが間もなく完成します」
三田村「私としては、インファント島との外交も強化し、
 いざという時はモスラの力を貸してもらえるよう
 働きかけておいた方がいいと思う」

モスラを島の守護神として崇めるインファント島はロリシカ国の統治下にあるが、
近年では日本の丸友商事が土地を買い取って開発を進めるなど、
日本との関わりも深い島である。

三田村「剣君、怪獣災害とは戦争だよ。
 怪獣それ自体の脅威はもちろんだが、国外、国内を問わず、
 様々な人物や団体がその混乱に乗じて動いてくる。
 我々政治家の使命は、そうした荒波のような無数の危難から国民を守る事だ。
 男塾出身の武闘派総理として知られた君に、私から言うのもおかしな話だが…
 …しっかり戦ってくれたまえ」
桃太郎「――押忍!!」

総理官邸にゴジラ上陸の第一報が入ったのは、
深夜、会談を終えた首相が官邸に戻った直後の事であった。

744

***大戸島***

太平洋に浮かぶ小さな孤島・大戸島。
この島には古い言い伝えがある。
島の海には呉爾羅という巨大な怪物が棲んでいて、海の魚を食い尽くすと、
陸へ上がって来て人間まで襲って餌食にするという…。
かつては呉爾羅が村を襲うのを防ぐため、不漁の時には若い女を筏に縛って海へ流し、
生贄として捧げたという忌まわしい風習もあったが、
それだけ島民にとっては、呉爾羅は昔から強烈な畏怖の対象だったのである。

ゴジラ「ギャァァォォォ――ン!!」

島民もすっかり寝静まっていた深夜、
天の怒りを表すかのような激しい暴風雨の中、
深い闇を湛えた漆黒の海が青白く光り、水飛沫と共に巨大な怪獣が上半身を現した。
伝説の呉爾羅――いや、ゴジラである。

警官「怪獣出現です! 丘の上の公民館へ、速やかに避難して下さい!」

大戸島の人口は少なく、鄙びた漁村がいくつかあるだけである。
島民達は恐怖に慄きながらも家財道具を担ぎ、子供や歩けない老人を抱きかかえて、
地元の警察官の誘導に従い、豪雨の中をひたすら丘の方へと避難する。

ゴジラ「ギャォォォ――ン!!」

停泊している漁船を踏み潰し、浜に上陸したゴジラは背鰭を発光させたかと思うと、
青白い放射能熱線を口から発射した。
チェレンコフ光を帯びて闇夜に輝く恐るべき高熱の吐息は、
直撃を受けた木造倉庫を周囲の林ごと爆発炎上させる。

ドォ…ン! ドォ…ン!

地鳴りのような足音を響かせながら、ゆっくりと地上を前進するゴジラ。
親とはぐれて逃げ遅れた子供が、丘を上る道の途中で泣いている。
一歩、また一歩と、ゴジラは丘に近付いて来る。
その時――。

キィィィィィィン――!!

空の彼方から、甲高い轟音を響かせて接近する謎の飛行物体があった。

745

北国のエスキモーに古くから伝わる、もう一つの伝説がある。
アトランティス大陸の超古代文明が生み出した地球の守護神ガメラ。
それは地球の生命エネルギー「マナ」を活動力とする生体兵器であり、
人間のみならず全ての生態系、ひいては地球そのものを守る存在であるという…。

闇を切り裂き、雨を薙ぎ払いながら高速で回転飛行する球体。
噴射される白いジェットの炎が眩しく光る。
謎の飛行物体の接近に反応し、ゴジラが顔を空へ向けた。
その黒い円盤状の球体は、ゴジラの注意を引きながらその頭上高くをしばらく旋回し、
少しずつ高度を下げ始める。

ゴジラ「ギャォォォ――ン!?」

急加速しゴジラ目掛けて一直線に突っ込んで行く黒い飛行物体。
焦れったそうに飛行物体の旋回を眺めていたゴジラも、
咄嗟の危険を察知して即座に熱線を発射した。
飛行物体は熱線の直撃を弾きながら突進を続け、
回転カッターのようにすれ違いざまにゴジラの肩を斬る。
肩から火花を上げ、唸り声を発して倒れるゴジラ…。

ガメラ「キャォォォ――ン!!」

土砂を巻き上げ、地上に激突するように降りた円盤状の球体から四本の脚と頭を出し、
遂に怪獣としての全身像を現したガメラが天に向かって咆える。
ゴジラもすぐさま立ち直り、負けじと空気が割れんばかりの咆哮を発した。

ゴジラ「グゥゥ………!!」
ガメラ「ガゥゥ………!!」

二大怪獣はしばし牙を剥き合い対峙していたが、
やがてゴジラの背鰭に青白い光が灯り、ガメラが大きく息を吸って赤い光を口に集める。
スパークする放射能、収束するマナ。
そして――。

ズドォォォォォン!!!

ゴジラの放射能熱線とガメラのプラズマ火球が同時に発射され、空中で激突!
島を吹き飛ばすかのような凄まじい大爆発が起こり、
膨らむ爆炎が二大怪獣をその中へ呑み込んで行った…。

746

△ゴジラ→海底から船舶を襲いつつラゴス島から日本の領海まで北上。
 大戸島に上陸しガメラと戦うが引き分ける。
○ガメラ→大戸島に飛来しゴジラに戦いを挑むが引き分ける。
○剣桃太郎→今後の怪獣対策について、赤坂の料亭で三田村清輝と会談。
○三田村清輝→今後の怪獣対策について、赤坂の料亭で剣桃太郎首相と会談。

【今回の新規登場】
△ゴジラ(ゴジラシリーズ)
 中生代の恐竜の生き残りが、水爆実験の放射能を浴びて変異した怪獣。
 核エネルギーを活動力とし、口から青白い放射能熱線を吐く。
 核を生み出した人類に対する地球の警鐘の如く人類文明に脅威を与えるが、
 宇宙怪獣の襲来など地球の危機に対しては人類との共闘も厭わず立ち向かう場合もある。
 恐るべき生命力を持ち、数多くの怪獣達と戦ってきた不滅の怪獣王である。

○ガメラ(ガメラシリーズ)
 巨大な亀のような形をした怪獣。
 アトランティス大陸の超古代文明によってギャオスを倒すために作られた生体兵器で、
 その使命は人間のみならず全ての生態系、そして地球を守る事である。
 特に人間の子供を守ろうとする習性があり、人間と精神交信をする事も可能。
 口からプラズマ火球を吐き、頭と手足を甲羅に引っ込めてジェット噴射で飛行する。

○三田村清輝(ゴジラ 1984年版)
 元内閣総理大臣。
 総理の任期を終えようとしていた矢先にゴジラ出現の事態に遭遇し、
 非常緊急対策本部の最高責任者として対応。
 米ソ両国が主張した東京での核ミサイル使用を非核三原則を貫いて断固拒否し、
 東京を核による壊滅から守った。


『バレンタイン狂想曲』

作者 ユガミ博士

747

―2月14日、バレンタインデー。この日、思いを寄せる男子に女子が
チョコレートを送って、その思いを告白する特別な日。

―イメージ―
さやか「甲児君、はいチョコレート。」
マリア「甲児、チョコレート作ったから、あげる。」
甲児「ありがとう、二人ともww」

しかし、中には全く貰えない男子もいたりする。

***神奈川県・川神市***

島津岳人「ちっくしょ~、筋肉ムキムキの俺様に何でチョコが貰えないんだよ~。」

川神市にある川神学園に通う生徒、島津岳人は女性にモテる為、体を鍛えているが
下心があるのが女子には分かっている為、全くモテない。

岳人「くっそ~、バレンタインチョコなんて迷惑だ~!・・・はぁ、帰ろ。」

大声で叫んだ後、岳人はトボトボと家に帰るのだった。しかし、岳人の
「バレンタインチョコは迷惑」という言葉に反応するものがあった。

???「・・・バレンタインチョコハ、メイワク・・・。」

反応した黒い物体、それはかつて五次元から侵略者ジャーク帝国が送り込んだ
侵略兵器、アークダーマだった。地球防衛組と防衛軍によって全て回収されたと
思われたが、まだ残っていたようである。

バチバチ・・・ボン!

チョコレートン「チョーコー」

バレンタインチョコは迷惑という言葉で新たな邪悪獣が生まれてしまった!
そこへ近づく者達がいた。

ギョウ「いいだろ~♪今年もチョコは大量だぜ。」
カーメンマン「はいはい、すごいすごい。」
メダリオ「ケッ!」

悪の組織フロシャイム川崎支部所属の怪人、ギョウ、カーメンマン、メダリオ
である。どうやら、ギョウがバレンタインチョコを多く貰った事を2人に自慢を
している所のようだ。

チョコン

メダリオ「?、何だ、この丸いの。」
カーメンマン「ウチの怪人じゃねぇよなぁ。」
ギョウ「何だ~♪チョコ欲しいのかww」

チョコレートンを見ていた3人だったが・・・

バシュ~ン

ギョウ、メダリオ、カーメンマン「「「なっ!?」」」

チョコレートンの放ったビームで3体の怪人はチョコレートになってしまった
のである。チョコレートに変えた後、チョコレートンはその場からいなくなった。

748

***中空町・コスモス荘***

さて、場面は変わりコスモス荘。この日、梅木瑠璃は大好きなコーチ(鈴雄)に
チョコレートを送ろうとしていた。そしていざ、渡そうと鈴雄を探していると、
朝香が鈴雄にチョコを渡そうとしていた。

朝香「鈴雄、チョコ貰えてない思うからよ、可哀想だからよ、よかったら、
 コレ(チョコ)お前にやるよ///」
鈴雄「あ、ありがとう///」
瑠璃「(朝香の奴~!)コーチ!私からも・・・」

瑠璃も負けじとチョコを渡そうとしたその時。

バシュ~ン

コスモス荘の前に先程の邪悪獣・チョコレートンが現れ、コスモス荘を
チョコに変えてしまった。(なお、住民の殆どは外出している)

ハナ一「大変や。今連絡があって、この辺りで邪悪獣っちゅう~化物が
 人や建物をチョコレートに変えて・・・って、なんやこれは!」

朝香のペットもとい、地球署(コスモス荘分署)の副署長ハナ一(本名ハナモモンチョ)
が邪悪獣が現れた事を皆に知らせる為、部屋から出てきたがコスモス荘が
チョコレートになっているのに驚く。

鈴雄「邪悪獣って・・・アイツか!」
瑠璃「コーチ、早くアイツを捕まえましょう!(せっかく、チョコを渡そうと思ったのに~!)」
朝香「変身だぜ!」

3人はドッコイダー、ネルロイドガール、エーデルワイスに変身し、チョコレートンを
追いかけた。どんどんチョコレートに変えた事で成長し、大きくなったチョコレートンは
とても速かった。

イスカンダル「お~い、小僧!」

そこへ連絡を受けた「神威の車輪」に乗る征服王イスカンダルが空から現れ、
ドッコイダー達と合流した。「神威の車輪」に乗り込んだドッコイダー達はついに
チョコレートンを追い込む。しかし、それを阻む者がいた。

???「こいつには手を出させねぇぜ!」

「神威の車輪」の前に現れたのは五次元人のゴクドー。皇帝ワルーサ亡き後、
ジャーク帝国を支配しようとした五次元人である。

イスカンダル「(こやつ、出来おる。)」

イスカンダルは長年、戦場で培った経験からゴクドーが強敵だと感じた。

ゴクドー「復活したワルーサ様から頂いた力、今こそ使う時。ジャークパワー照射!」

ゴクドーがジャークパワーをチョコレートンに向けて照射した事により、
巨大化・パワーアップした。

チョコレートン「ヂョコー!」
ゴクドー「フッ、後は任せるぜ。」

ゴクドーはその場を離れた。巨大化したチョコレートンのビームで、
どんどん町がチョコ化していく。しかし、そこへ駆けつけた者がいた。

749

仁@剣王「そこまでだ、邪悪獣!」
イエローガンバー@ゴウタイガー「俺達が来たからには、好きにさせねぇぜ。」

駆けつけたのは、地球防衛組から剣王と獣王。ガンバーチームからゴウタイガー、
マッハイーグル、キングエレファンである。本来、防衛組から風王もいるのだが、
パイロットの飛鳥が外国へ留学中の為、出撃できないであった。

レッドガンバー@キングエレファン「ここにいない、飛鳥さんの分までがんばるぞ!」
仁@剣王「ティターンズのせいで、剣王達は使えなかったからなぁ、思いきり、
 やってやるぜ!」
マリア『仁、調子に乗っちゃダメよ。』
吼児@獣王「そうだよ、まだ本調子じゃないんだから。」
仁@剣王「分かってるよ。行くぜ。」

防衛組とガンバーチームはチョコレートンに向かって、攻撃を始める。
しかし、チョコレートンの体はチョコのように柔らかく、あまり効いていない
ようだった。そして、チョコレートンも反撃で、仁達をチョコに変えようとする。

ブルーガンバー@マッハイーグル「ダメだ、ここにいたんじゃ、町の被害が
 大きくなる一方だよ!」
レッドガンバー@キングエレファン「どうすればいいんだ!?」

防衛組とガンバーチームが苦戦している所をドッコイダー達も見ていた。

ネルロイドガール「くっそー、何とか助ける事はできねぇのかよ。」
ドッコイダー「栗三郎さんがいれば、話は別かもしれないけど今の僕等じゃ・・・」
イスカンダル「う~む・・・小僧達よ。余達も行くぞ!」
ドッコイダー「ちょ、ちょっと!」

有無を言わさず、イスカンダルはドッコイダー達を乗せて、防衛組達のいる所まで
「神威の車輪」を走らせる。

イスカンダル「お~い、そこの戦士達よ!」
仁@剣王「ゲ!牛が空飛んでる!?」
吼児@獣王「どうなっているの??」
イスカンダル「お主達に提案がある。見た所、町があるせいで上手く
 戦えておらぬようだなぁ。余がそなた達が戦いやすい場所を作り出す!」
イエローガンバー@ゴウタイガー「何言ってんだ?」
レッドガンバー@キングエレファン「分からない味方なのか?」

突然、空飛ぶ牛に乗ってやってきたイスカンダル達に戸惑う一同。

イスカンダル「行くぞー!」

イスカンダルは自身の魔力を高めると共に、風が巻き起こる。そして、
気がつくとその景色は先ほどの町ではなく、太陽が照りつける広大な砂漠
となっていた。

ザッザッザッザッ

さらに後方から何百何千という地を唸らせるけたたましい足音。
古い兜や甲冑を身に纏った兵士がイスカンダルの方まで近づいてきたのである。

イスカンダル「見よ、これこそ我等共通の心象風景。例え世界に英霊として召し上げられて
 なお、余に忠誠を尽くす屈強の同胞達。我が至宝の宝具『王の軍勢<アイオニオン・ヘタイロイ>』
 である。」

自身のEX宝具「王の軍勢」を使用したイスカンダルは戦車から高らかに叫んだ。

イスカンダル「同胞達よ、あの化物と戦う鋼の巨人達の助成をするのであった。」

オーオーオー

召還された兵士達は一斉に弓矢を放ち、まるで雨の如くチョコレートンへと向けられた。

吼児@獣王「すごい。」
ブルーガンバー「見て、邪悪獣の様子が変だよ!」

チョコレートンを見ると、太陽に照り付けられて、チョコで出来た体が
溶け始めたのである。

仁@剣王「チャンスだ!吼児。」
吼児@獣王「うん、仁君!」

それぞれ剣王や獣王で攻撃する。

イエローガンバー@ゴウタイガー「俺達も行くぜ!ガンバルガー、ミラクル合体!」

ガンバーチームのゴウタイガー、マッハイーグル、キングエレファンが合体し、
ガンバルガーとなる。

イエローガンバー@ガンバルガー「トドメは任せてくれ。ガンバーファイナルアタック!」

ガンバルガーはガンバーソードを取り出し、チョコレートンに必殺の斬撃を
喰らわせる。

イエローガンバー@ガンバルガー「元気爆発ガンバルガー!」

チョコレートンを倒すと同時に、イスカンダルの固有結界も解かれ
チョコに変えられた町や人も元に戻った。

750

***中空町・コスモス荘***

あの後、元に戻ったコスモス荘へと帰ってきた鈴雄達。今回自分達が
若干、空気になりつつあった事を思いながら、それぞれの部屋へと戻る。
その中、瑠璃は鈴雄を呼び出す。

鈴雄「どうしたの?瑠璃ちゃん。」
瑠璃「あ、あの・・・遅くなったけど、バレンタインのチョコです。」
鈴雄「・・・ありがとう、瑠璃ちゃん(ニコッ)」
瑠璃「コーチ///」

色々あったが、チョコレートを渡す事が出来たので、

少しだけ嬉しく思う瑠璃だった。

 

751

○甲児→さやか、マリアからチョコをもらう。
○さやか→甲児にチョコを渡す。
○マリア→甲児にチョコを渡す。
○島津岳人→チョコが貰えず、邪悪獣を生み出す。
●ギョウ→邪悪獣にチョコに変えられる。
●カーメンマン→邪悪獣にチョコに変えられる。
●メダリオ→邪悪獣にチョコに変えられる。
○鈴雄→朝香、瑠璃からチョコを貰う。
○朝香→鈴雄にチョコを渡す。
○瑠璃→鈴雄にチョコを渡す。
○ハナ一→邪悪獣が出現した連絡を伝える。
○イスカンダル→邪悪獣を追い込み、「王の軍勢」を展開して地球防衛組
  ガンバーチームに助成する。
○仁→剣王で戦う。
○吼児→獣王で戦う。
○白鳥マリア→司令室から仁に注意する。
●ゴクドー→邪悪獣をパワーアップさせる。
●邪悪獣チョコレートン→人や町をチョコレートに変えるが倒される。
○虎太郎→イエローガンバーとなり、ガンバルガーで邪悪獣を倒す。
○鷹介→ブルーガンバーとなり、ガンバルガーで邪悪獣を倒す。
○力哉→レッドガンバルガーとなり、ガンバルガーで邪悪獣を倒す。

【今回の新登場】
○島津岳人(真剣で私に恋しなさい/S)
川神学園2-Fの生徒。幼馴染のグループ風間ファミリーの1人で、自称
タフガイ。女性にモテるために体を鍛えている。本人も十分強いが周りが
強過ぎる為、影が少し薄い。

●ギョウ(天体戦士サンレッド)
フロシャイム川崎支部に所属する人型怪人。普段は陽気だが、戦闘になると
相手の息が絶えるまで攻撃をやめない残忍な性格をしているといわれる。
必殺技はドメスティッククラッシャー。合コン好き。

●カーメンマン(天体戦士サンレッド)
フロシャイム川崎支部所属の人型怪人。古代エジプトから4千年生きている。
アントキラーは弟。必殺技は太古の呪い。よくメダリオやウサコッツと一緒にいる。

●メダリオ(天体戦士サンレッド)
フロシャイム川崎支部所属の人型怪人。両肩の砲台は厚さ1メートルの鉄板を
打ち抜くといわれる。必殺技はマシンガンシャワー。カップラーメンが好物。
カーメンマンやウサコッツとよく一緒にいる。

○ハナ一=ハナモモンチョ(住めば都コスモス荘)
野菊朝香に飼われているペットの兎。その正体はエメラルドカンパニーの
社員ハナモモンチョ。何故か宇宙人なのに関西弁を喋る。影が薄い。

○日向仁(絶対無敵ライジンオー)
地球防衛組の剣王のパイロット。プロレス好きで男子の中心になる事が多い。
実家は酒屋「日向ストア」

○星山吼児(絶対無敵ライジンオー)
地球防衛組の獣王のパイロット。当初は弱気を見せていたが、戦いを通して
成長する。UFOや宇宙人が趣味。

○白鳥マリア(絶対無敵ライジンオー)
地球防衛組の学級委員兼司令官的存在。仁とはよく口論になるが、
深く信頼している。バクリュウオーのメインパイロットでもある。

●ゴクドー(OVA絶対無敵ライジンオー)
皇帝ワルーサ亡き後、ジャーク帝国を支配しようと現れた五次元人。
ベルゼブを自分の背中に刺青として封印した。

●邪悪獣チョコレートン(絶対無敵ライジンオー/半オリジナル)
島津岳人の「バレンタインチョコは迷惑」という言葉から生まれた邪悪獣。
人や建物をチョコレートに変える光線を持っている。

○霧隠虎太郎=イエローガンバー(元気爆発ガンバルガー)
イエローガンバーに変身するガンバーチームの1人。ゴウタイガー及び
ガンバルガーのメインパイロット。いたずら好きでガンバースーツを悪用する
事もある。好物はバナナ大福。

○風祭鷹介=ブルーガンバー(元気爆発ガンバルガー)
ブルーガンバーに変身するガンバーチームの1人。乗機はマッハイーグル、
ゲキリュウガー。母親により塾などに通っている。

○流崎力哉=レッドガンバー(元気爆発ガンバルガー)
レッドガンバーに変身するガンバーチームに1人。乗機はキングエレファン、
リボルガー。しっかり者で草野球チーム「青空ゲンキーズ」に所属している。
実家はラーメン屋。将来の夢はプロ野球選手。


『正義の旗の下に その名はブレイバーズ!』-2

作者 大ザンギャックのブラジラ

752

***プラント・アーモリーワン 戦艦ミネルバ艦内***

コーディネイターが中心となって作り上げた砂時計型をした新世代コロニー群国家。
Peoples Liberation Acting Nation of Technology
ピープルズ・リベレーション・アクチング・ネイション・オブ・テクノロジー(科学技術に立脚した民族解放国家)。

ここは所属するアーモリー市を構成するプラントの一つで、ザフト軍の軍港並びに兵器工廠でもある。
そこに艦籍番号LHM-BB01――戦艦ミネルバは停泊していた。

シン「………」

シン・アスカは鬱屈した日々を送っていた。
ステラ・ルーシェが破嵐万丈によって救出され一命をとりとめ、
艦長タリア・グラディスや戦友レイ・ザ・バレルも前の戦いを生き延び、
宿命の敵ともいえたキラ・ヤマトとも和解した彼であったが、
現プラント最高評議会議長ラクス・クラインが公用で地球を訪問している間、
ミネルバ隊は一緒にラクスに同行することも叶わず、アーモリーワンにて
待機命令が出されていた。

世間からは「ミネルバ隊はデュランダル前議長に近過ぎた。そのため現政権下では
閑職に回されたのだ」などという心無い噂も聞こえてくる。
聞けばダカールの戦いでは、連邦議会に出席したラクスら各国首脳陣を守って、
キラとアスランはティターンズの大部隊を相手に縦横無尽の活躍をしたという。
その一方で自分たちには大して腕を振るう機会も巡って来ず、ずっと留守番にも等しい退屈な日々。
キラはあの時、オーブの墓標の前で「共に戦おう」と言ってくれたではないか。にも拘らず…。
従来のシンの性格もあり、彼の鬱憤は溜まる一方だった。

ルナマリア「シン、なに恐い顔してるのよ」
シン「ルナ…」
ルナマリア「エターナルと一緒に地球に行って
 ステラに会えなかったのがそんなに残念だった?」
シン「…そんなんじゃないよ」

ルナマリアにからかわれ、シンはますますムッとした顔をする。

シン「そういうルナマリアこそ、メイリン一人だけ
 ラクス議長のお供で地球に行っちゃって寂しいんじゃないのか?」
ルナマリア「…そ、そんなことないわよ!」

言い返したシンに向きになって反論するルナマリア。どうやら図星らしい。
ルナマリアの妹メイリンは前の戦い以後、ミネルバから正式にエターナルに転属になっていた。
今のミネルバのMS管制官はアビー・ウィンザーである。
その時、一斉に艦内放送でそのアビーの声が流れた。

アビー「艦内全クルーに告げる。直ちにブリーフィングルームに集合せよ」

753

***同艦内・ブリーフィングルーム***

シン「イカロス基地?」
タリア「そうです。本艦はこれよりラクス・クライン議長直々の特命により、
 地球連邦軍のイカロス基地に向かいます」

イカロス基地と言えば太陽系の果て。ここよりもさらに僻地へと赴くことになる。
これではますます「左遷」「更迭」の二文字が現実味を帯びてくるのではないか…。

レイ「艦長、質問です」

レイ・ザ・バレルが口を開いた。

タリア「何かしら?」
レイ「我々はそこで何をするのですか?」
タリア「今説明します。まもなく星間評議会の特別使節が太陽系に到着します。
 我々はその使節団を無事地球までお連れする間、他の友軍の部隊と共に警護を担当します」
シン「星間評議会の…特別使節…」

シンも噂は聞いていた。今、地球では日本とアメリカが音頭を取る形で、
地球上でスーパーヒーローと呼ばれている者たちや、軍、警察などに所属する
エースなどを集め、Gショッカーなど宇宙の悪に対抗するための特務組織を
設立するための交渉が、地球連邦政府と星間評議会の間で水面下で進められていると…。

フリーフィングが終了し、タリア艦長以下皆が退室する中、
レイ、シン、ルナマリアの3人が残って話を続ける。

レイ「そういうことか…」
シン「そういうことって…どういうことだよ?レイ」
レイ「ラクス・クラインは俺たちを温存しておいたんだ。
 この日のためにな…」
ルナマリア「温存…??」
レイ「特使の警護とはあくまでも表向きだ。
 本当の目的は俺たちミネルバ隊を特使にお披露目することだろう」
シン「お披露目…?」
レイ「例の特務統合部隊の新設、当然ザフトからも人を出すことになる。
 その白羽の矢がミネルバに刺さったということだ。今度の警護の任務が
 終わったら、おそらく俺たちは自動的にその統合部隊に出向・配属という
 形になるのだろう」
ルナマリア「よかったわねシン、これで地球でステラに会えるかもよ♪」
シン「…ど、どうしてそっちの話になるんだよ…///」

茶化しあう二人。

レイ「浮かれるなよ、二人とも! 我々はザフトを代表して配属される事になるんだ。
 これまで以上に気を引き締めてかからんと」

754

***ポイントゼロ・無幻城***

Gショッカーの牙城・無幻城が突然、ヒーローたちの侵入を許すという
前代未聞の大事態が失態してから数日後、Gショッカー最高幹部・十二邪将
の集う円卓の間に、無幻城の警備責任者である秘密警察長官フラビージョと
長官補佐ウェンディーヌが査問のために呼び出された。

マシーン大元帥「お前たち、覚悟はできておるだろうな?」
フラビージョ「ちょ…ちょっと待ってよ!!」
ウェンディーヌ「あれは私たちの責任じゃないわ!
 こんな大事なときに城を留守にしていた副長官の
 ダスマダーが悪いのよ!」
ダスマダー「私がどうかしたかね?」
フラビージョ&ウェンディーヌ「「――!!」」

今まで姿をくらましていたダスマダーが、突如フラビージョとウェン
ディーヌ二人の前に現れる。

ウェンディーヌ「よくも今頃になってぬけぬけと!」
フラビージョ「あんたいったい今までどこ行ってたのよ!」
ダスマダー「お前たちに代わる新しい秘密警察長官をお迎えする
 準備に追われていたのだ」
フラビージョ「新しい長官!?」
ダスマダー「紹介しよう! 我がGショッカーの栄えある秘密警察を
 率いる新たなる長官を!」

そうダスマダーが高らかに宣言すると、円卓の間に
真紅の仮面を被った白マントの男が悠然と入場してきた。

フラビージョ「お、お前は!?」
ウェンディーヌ「アポロガイスト…!!」

アポロガイスト「………」

ウェンディーヌ「アンタは確か海底基地の捕虜収容所の
 所長に更迭されていたはず!?」

アポロガイスト突然の出現に、その場に同席していた
十二邪将たちも驚きを隠せない。

ドクトルG「ダスマダー、これはどういうことだ? 説明しろ!」
ダスマダー「お控え願おう。この度アポロガイスト殿は恐れ多くも
 至高邪神の勅命により、秘密警察の新任の長官に任命されたのだ」
地獄大使「なんと!?」

アポロガイストは銃を構えて、うろたえるフラビージョと
ウェンディーヌの前にたつ。

アポロガイスト「さて、着任早々早速ではあるが、
 秘密警察前長官フラビージョ、ならびにウェンディーヌ、
 お前たち2人を至高邪神の名において処刑する!」
ウェンディーヌ「な、なんですって!!」

アポロガイストの発する鋭い殺気に後ずさりする二人。

フラビージョ「。・゚・(ノД`)・゚・。ウエエェェン 死にたくないよぉぉ~!!!!」
アポロガイスト「黙れ! 易々と侵入者どもに戦闘員の制服を奪われ、
 事もあろうに敵の大型メカの無幻城への接近まで許すとは、
 全ては貴様ら2人の職務怠慢が原因だ!」
ウェンディーヌ「――待って! アタシたちに手を出したら、
 ヘドリアン女王様が黙ってはいないわよ!」

ウェンディーヌがあくまで抵抗しながらそう発言すると、アポロガイストは
仮面の中の瞳から「何を今更…」と呆れた目つきで申し述べる。

アポロガイスト「そのヘドリアン女王はつい先刻、後宮の総取締の職を
 辞された。お前たち無能な2人を要職に推した、その道義的責任を取る
 と言われてな」
ウェンディーヌ「なっ!?」
フラビージョ「あ、あのクソババアァッ!!!!」

アポロガイストに経緯を聞かされ、驚愕する2人のジャカンジャ女幹部。
「責任を取る」と言えば聞こえはいいが、要は主な責任はフラビージョと
ウェンディーヌの二人に押し付けて、自分一人だけ傷の浅いうちに逃げたのだ。

755

アポロガイスト「神聖不可侵なる至高邪神のお膝元である
 無幻城を騒がせた責任は免れん! 用の済んだ奴は死ねいっ!!」

アポロマグナムから非情の弾丸が発射される。
それはフラビージョとウェンディーヌの心臓を瞬く間に貫いた!

フラビージョ「アァァ――ッッ!!!!」
ウェンディーヌ「ギャアァァ――ッッ!!!!」

哀れ、フラビージョとウェンディーヌの2人は断末魔の悲鳴と共に
横に倒れ、泡となり消滅してしまった…。

ゴルゴス「………」
ビルゲニア「……(厄介な奴が戻ってきたものだ)」

フラビージョとウェンディーヌ処刑の瞬間を見届けた十二邪将たちは皆、
一様に顔にこそ出さないものの、内心はアポロガイストの復活に戦慄している。

アポロガイスト「さて十二邪将の方々、星間評議会が地球の連邦政府に
 密かに接触し、ヒーローどもを集めた精鋭の統合組織を設立しようと
 企てている事はご存知か?」
ブラック将軍「いや、そのような話は初耳だ」
テラーマクロ「……(アポロガイストめ、いつの間に
 どこからそんな情報を??)」
村上「……(閑職に追いやられている間も、
 常に情報収集は怠っていなかったか)」
天王路「……(アポロガイスト、噂どおり只者ではないな)」
妖怪王女「仮にその話が本当だとしても、か弱い虫共が寄り集まった
 ところで、我らにとって大した脅威になるとは思えないわ」
アポロガイスト「では方々にはこのまま放っておいてよいと言われると?」
暗闇大使「いや、いかにどのような企てであろうとも、
 我らがGショッカーに楯突こうというのなら
 即座に叩き潰さねばならん!」
マシーン大元帥「直ちにその計画とやらを妨害するための
 任に相応しい適任の怪人を選び出すのだ!」

慌しく動き出す十二邪将の面々。その様子を落ち着いた冷めた眼で見つめているアポロガイスト。

アポロガイスト「……(ようやく重い腰を上げおったか、馬鹿どもが。
 しかし例のヒーロー統合組織とやら、その動きを察知すれば
 妨害に動くのは我々だけではあるまい)」

756

***無幻城奥殿・闇女王同盟後宮***

本来男子禁制であるはずの闇女王同盟・後宮にあるヘドリアン女王の部屋に、
なぜか男の影がチラついている。かねてよりヘドリアン女王に取り入っていた
田豊将軍と大神官ガジャである。

ガジャ「アポロガイスト…? 何者だその男は?」
アマゾンキラー「油断のならぬ男です。ヘドリアン女王様の
 権勢拡大の邪魔になると見越し、各方面に根回しして
 先手を打ち、閑職へと追いやった筈なのですが…」
ヘドリアン「あのジャカンジャの2人の小娘も思ったより
 役には立たなかったのう。田豊将軍よ、何とかならぬのか?
 そなたは後宮と表宮の連絡役を担う取次の立場であろう」
田豊将軍「恐れながらたった今、至高邪神の御側近くの者より
 使いが参り、無念ながらこの私めも後宮取次役の職を解任
 されましてございます」
ヘドリアン「なんと!?」
アマゾンキラー「アポロガイストの仕業に違いありません。
 奴め、なんと素早く抜け目のない!」
ヘドリアン「え~い! なんといまいましいことじゃ!!」

椅子から立ち上がり歯軋りするヘドリアン女王。

ヘドリアン「ガジャよ、それに田豊将軍もしばらくはそなたも
 後宮には近づかない方がよかろう」
アマゾンキラー「それよりも女王様、早急に後任の
 後宮総取締を決めなければなりませぬ」
ヘドリアン「わかっておる! この機にパンドラに大きな顔を
 されては叶わぬ。後任には"あの者"を推挙するとしよう。
 そうすれば"豹の爪"にも貸しを作ることが出来ようて…」


***同城内・邪神謁見の間***

謁見の間の天空に浮かぶ3つのポリゴン、そして其々のポリゴンに
投影される表裏6人の老人達の顔が、眼下に控えるアポロガイストに
次々と語りかける。

老人の顔D/GOD総司令「許せよ、アポロガイスト…」
老人の顔E/創世王「元よりヘドリアン女王の讒言など信じた訳ではないが、
 お前ほどの逸材を温存しておくためには、こうするより仕方がなかったのだ」
老人の顔B/星王バズー「これよりはGショッカー全組織の綱紀粛正を図り、
 闇女王同盟の後宮に対しても遠慮なく処断を下すがよかろう」

至高邪神からの言葉に対し、アポロガイストは丁寧に礼節を弁えつつも
怯むことなく明瞭な声で答える。

アポロガイスト「恐れながら申し上げます。私は後宮の女狐共の
 お守りをするために帰参したのではございません!」

老人の顔C/サタンゴース「フフフ、わかっておる」
老人の顔F/闇の帝王「お前の宿敵、神敬介=Xライダーとの
 再戦の機会も必ず用意しよう」
老人の顔A/大首領「これよりはGショッカーの大いなる目的のために、
 これまで以上の忠誠を尽くすのだ!!」

至高邪神からの命令に、アポロガイストは恭しく平伏す。

アポロガイスト「ハハッ!!」

757

***イカロス基地***

小惑星帯(アステロイド・ベルト)に存在する、地球連邦宇宙軍基地。
ここにまもなく星間評議会からの特別使節団を乗せた船団が到着するとの事で、
その出迎えの準備のため平時以上の人員が多く集まり、慌しい様相を呈していた。

サド「いやー、緊張しますねえ隊長」
コリン「まさか我々がこのような栄誉ある場に同席できるとは…」
クラフト「………」

3人の黒スーツ姿の男たち。一見すると外見はどう見ても地球人にしか見えないが、
実はこの3人、ドグラ星と呼ばれる惑星から派遣されている地球駐在員たちである。
ドグラ星は、地球が正式に異星文明と国交を樹立する以前から、未開惑星保護条例に基づいて
地球を影ながら保護・監視してきた惑星国家の一つである。そのため彼らは今回、
特使を迎え入れる側の一員として、こうしてイカロス基地まで出向いて来ているのである。

クラフト「ところであの"バカ"は大丈夫なんだろうな?」
サド「ご心配なく。王子でしたら只今マリネラという国にいます。
 なんでも御自身のイタズラを磨くためのよい退屈凌ぎの
 ご友人が見つかったとか…」
クラフト「そうか、それなら安心だ。この大事な場を
 ぶち壊しにされてはたまらんからな。…と言いたいところだが、
 そんな話を聞くとどうも素直に喜ぶ気になれん!
 なにか後になってとてつもない化学変化と相乗効果で
 恐るべき大災厄が襲ってくる気が…」
コリン「心配しすぎですよ隊長。また眉間にしわが増えますよ」
クラフト「しかしあそこの地球署のバカップルはなんとかならんのか!
 この厳かなる場をなんと心得る! 見ててイライラするわ!」

クラフトの視線の先には、宇宙警察の制服を着用した男女が二人…。

ウメコ「早く来ないかなあ、星間評議会の使節。
 ねえセンさん、さっさと仕事終わらせて地球に戻ったら
 二人で原宿とか渋谷にでも行こう♪」
セン「こらこらウメコ、僕たちはまだ仕事中だぞ♪」

甘えるウメコのおでこを軽くデコピンではじくセンちゃん。

特使の出迎え及び護衛のため地球署から派遣されて来た
江成仙一/センちゃん=デカグリーンと胡堂小梅/ウメコ=デカピンク。
この二人、過去のある事件をきっかけとして急接近。
そのイチャついているラブラブぶりを見せ付けられて
イラついているのはクラフト隊長だけではなかった。

ニャル子「何なんですか!あの宇宙警察の刑事の二人は!
 この厳かなる場をなんと心得ているんでしょうね!
 私は真尋さんと離れて一人寂しく孤独な任務についているというのに~っ!!」
クー子「さ、ニャル子、私たちもあの二人を見習って愛の営みを…」
ニャル子「ギャーッ!! どさくさに紛れて何しやがるんですか!
 この変態ストーカー野郎!!! 離れろ! 離れなさいっ!」

惑星保護機構のエージェントである邪神ニャルラトホテプとクトゥグア。
通称、ニャル子とクー子。彼女たちもまた、特使を出迎えるため
普段暮らす地球を離れ、イカロス基地に赴いていたのだった。

ニャル子「ほらクー子! そろそろ特使を乗せた船が着陸しますよ!
 整列しないとっ!!」

星間評議会からの特別使節団を乗せた船団がイカロス基地に続々入港する。
しかし、使節団出迎えのためにイカロス基地に赴いてきた人間は、
特使を歓迎する者たちばかりではなかったのである…!

???「笑止なり。やたら弱い虫が寄り集まったところで、所詮は烏合の衆に過ぎぬが道理…」
???「それすらも今日の時をもって夢幻と潰える。フフフフッッッ…!!!」

758

○シン・アスカ→戦艦ミネルバと共にイカロス基地に向かうことに。
○ルナマリア・ホーク→戦艦ミネルバと共にイカロス基地に向かうことに。
○レイ・ザ・バレル→戦艦ミネルバと共にイカロス基地に向かうことに。
○タリア・グラディス→戦艦ミネルバと共にイカロス基地に向かうことに。
○アビー・ウィンザー→戦艦ミネルバと共にイカロス基地に向かうことに。
○クラフト隊長→星間評議会特使出迎えのため、イカロス基地に。
○サド隊員→星間評議会特使出迎えのため、イカロス基地に。
○コリン隊員→星間評議会特使出迎えのため、イカロス基地に。
○江成仙一→星間評議会特使出迎えのため、イカロス基地に。
○胡堂小梅→星間評議会特使出迎えのため、イカロス基地に。
○ニャル子→星間評議会特使出迎えのため、イカロス基地に。
○クー子→星間評議会特使出迎えのため、イカロス基地に。
●アポロガイスト→Gショッカー秘密警察長官に就任。手始めにフラビージョとウェンディーヌを処刑。
●ダスマダー大佐→アポロガイストを秘密警察新長官として公に紹介。
●表裏六柱の至高邪神→帰参したアポロガイストに語りかける。
●十二邪将→ヒーロー統合組織設立の妨害作戦の指示に乗り出す。
●フラビージョ→アポロガイストに処刑される。
●ウェンディーヌ→アポロガイストに処刑される。
●ヘドリアン女王→闇女王同盟の後宮総取締役を辞任。
●田豊将軍→ヘドリアン女王に取り入っていたが、アポロガイストの復権に伴い、役職を解任される。
●???→特使暗殺の刺客としてイカロス基地に潜入する。

759

【今回の新規登場】
○シン・アスカ(機動戦士ガンダムSEED DESTINY)
 ザフトのエースパイロット。オーブ出身で、先の大戦中に家族を失った過去を持つ。
 本質的には純粋で正義感の強い性格の持ち主と言えるが、パイロットとして天性の才能を持つ 一方、メンタル面では、激情に駆られやすい上に、戦闘中は冷静な判断が殆ど出来ず、
 独断行為に走りやすい傾向があるなど大きな問題点がいくつかある。
 ZGMF-X42S デスティニーガンダムのパイロット。

○ルナマリア・ホーク(機動戦士ガンダムSEED DESTINY)
 ザフトのミネルバ隊に配属された赤服のエリート隊員。
 シン・アスカ、レイ・ザ・バレルの二人とは士官学校の同期。
 明朗活発な少女で、上官のアスラン・ザラに対しては妹のメイリンと共に好意を持っていたが、
 その後シンの過去の孤独を体感し、次第に恋仲となった。
 専用色のZGMF-1000/A ガナーザクウォーリアを経て、現在はシンから譲り受けた
 ZGMF-X56S インパルスガンダムのパイロット。

○レイ・ザ・バレル(機動戦士ガンダムSEED DESTINY)
 ザフト兵士で、ミネルバ所属のモビルスーツパイロット。シンやルナマリアとは士官学校の同期で、
 成績は常に1位と非常に優秀。シンに色々アドバイスを与えたり、戦闘訓練でも行動を共に するなど、シンにとっては戦友である。実はラウ・ル・クルーゼのクローンである。
 専用色のZGMF-1001/M ブレイズザクファントムを経て、
 現在はZGMF-X666S レジェンドガンダムのパイロット。 ※闘争の系統では、『スーパーロボット大戦Z』に準拠した経過を辿っているため、元から生存。

○アビー・ウィンザー(機動戦士ガンダムSEED DESTINY)
 メイリン・ホークに代わり、ザフトの新造戦艦ミネルバに配属された補充兵。
 業務はメイリンと同じ通信とMS管制。メイリンに比べ実戦慣れしておらず、
 クルーの要求に応えきれない部分がある。

○タリア・グラディス(機動戦士ガンダムSEED DESTINY)
 ザフトの新鋭艦ミネルバの艦長を務める女性士官。的確な指示で幾度無く艦の危機を 救った優秀な艦長。プラント最高評議会議長のギルバート・デュランダルとは恋人であったが、 子供ができないという理由から別れた。最終局面でミネルバがアークエンジェルの攻撃で 航行不能になると、クルー全員に退艦命令を出し、キラ・ヤマトに「子供がいる。いつか、 会ってやってほしい」というマリューへの伝言を残し、彼女はデュランダルとレイと共に 自分が欲しかった「家族」の一員として要塞メサイアと運命を共にした。 ※闘争の系統では、『スーパーロボット大戦Z』に準拠した経過を辿っているため、元から生存。

○クラフト隊長(レベルE)
 ドグラ星王立護衛軍隊隊長で、王子護衛歴10年。生真面目そのものの実直な性格で、
 王子の悪巧みに対しいつも真っ向から諫言するが、そのために王子にオモチャにされ
 様々な嫌がらせを受けており、キレやすくなっている。王子に反撃を度々狙っているが、
 部下2人からは「悪人になれない」と評されている。ジンクスを気にするタイプ。

○サド隊員(レベルE)
 ドグラ星王立護衛軍の隊員。クラフト隊長の部下で、王子護衛歴5年。冷静で理知的な性格。
 生態学者でもあるため、異星人の生態などの説明役を担うことが多い。
 ドグラ王・王妃への忠誠心から護衛を続けており、王子の性格の悪さについてはもはや 諦めている模様。王子の奇行やいたずらで奈落の底に沈むクラフト隊長を慰め励ます という重要任務も担う。

○コリン隊員(レベルE)
 ドグラ星王立護衛軍の隊員。クラフト隊長の部下で王子護衛歴1年。
 他の2人に比べると常識人で、その分影が薄い。

○江成仙一=デカグリーン(特捜戦隊デカレンジャー)
 宇宙警察地球署の刑事で、優しく温厚な、デカレンジャーの癒し的存在。
 かなりの変わり者ぶりを発揮しながらも、実は冷静に周囲の状況をよく見ていていて、
 他人とは違った観点から物事を考えることができるプロファイリングの天才。
 並外れた勘の持ち主で、捜査に行き詰まった時は得意のシンキングポーズを
 とると良いアイデアがひらめく。 通称、センちゃん。

○胡堂小梅=デカピンク(特捜戦隊デカレンジャー)
 宇宙警察地球署の刑事で、仕切り屋で、お調子者なところもチャームポイント。
 猪突猛進タイプで失敗することも多々あるが、明るさと人並み外れたパワーですぐに挽回する。
 お風呂が大好きで、ヒマさえあればバスルームへ行って考え事をする。通称、ウメコ。

760

○ニャル子/ニャルラトホテプ(這いよれ!ニャル子さん)
 地球人の少年・八坂真尋の前に突如として現れた銀髪碧眼の美少女。
 その正体はクトゥルー神話に登場する邪神ニャルラトホテプ。
 惑星保護機構のエージェントで、宇宙の人身売買組織に狙われた
 真尋を保護するため地球を訪れたが、真尋に一目惚れし、
 以来八坂家に居ついて彼に猛アタックを続けている。
 戦闘時には仮面ライダーに似たような姿に変身する。

○クー子/クトゥグア(這いよれ!ニャル子さん)
 惑星保護機構のエージェントでニャル子の同僚。
 ニャルラトホテプの天敵クトゥグアだが、
 なぜかニャル子に異常な愛情を抱いている。
 普段は、ニャル子同様八坂家に居候。

●ブラック将軍=ヒルカメレオン(仮面ライダー)
 ゲルショッカー(ゲルダムショッカー)大幹部。
 ゲルショッカー設立と共にアフリカ砂漠より着任。
 大量殺戮作戦を得意としながら、要人暗殺等もこなす
 緻密な戦略家。かつては帝政ロシアの将軍だった。

●十面鬼ゴルゴス(仮面ライダーアマゾン)
 インカの長老バゴーに反旗を翻した、秘密結社ゲドン首領。
 9人の悪人の脳を埋め込んだ巨岩を下半身としている。
 周囲を暗黒空間に包む超能力備えている。

●帝王テラーマクロ=カイザーグロウ(仮面ライダースーパー1)
 闇の王国ドグマ首領。ドグマの神・カイザーグロウに帰依する。
 奇怪な鈴の音と共に姿を現し、配下に命令を下す。
 また、玄海老師に匹敵する拳法の達人でもある。

●妖怪王女=サタンドール(仮面ライダースーパー1)
 ジンドグマ四大幹部の一人。小悪魔的な性格で、
 愉快犯じみた作戦を次々と立案していく。 

●暗闇大使=サザンクロス(10号誕生!仮面ライダー全員集合!!)
 バダンの総指揮官であり、ショッカーの地獄大使とは3ヶ月違いで
 生まれた従兄弟の関係にある。本来の名はガモン大佐といい、
 従兄ダモン(地獄大使)と双子の如く瓜二つであるが、
 従兄弟の仲は極めて悪い。武器は右手の超電磁ムチと左手の鉤爪。

●田豊将軍(五星戦隊ダイレンジャー)
 ゴーマ元老院の幹部で、阿古丸の養父。シャダム中佐の政敵。  


『正義の旗の下に その名はブレイバーズ!』-3

作者 大ザンギャックのブラジラ

761

***イカロス基地***

デ・メトリオのメ・イディクス級装甲巡洋艦やレ・ガリテのエ・ポドス型高速巡洋艦に
護衛された使節船のシャトルがデッキへと静かに降り立つ。それを粛々と整列して見守る、
地球大公(連邦副城公)ニルバール・ネフュー中将、基地指令タシロ・タツミ提督、
その他来賓以下出迎えの要員の面々。

タシロ「いよいよですな、殿下」
ニルバール「殿下はおよしください提督。軍人としての階級では
 閣下が私より上です」
タシロ「いやいや、殿下は地球圏と外宇宙双方の地球人類の架け橋たる
 重要なお役目。ましてや本日は外宇宙からの大事な国賓をお迎えする
 大事な日ですからな」
レフィーナ「両閣下、そろそろシャトルが…」

タシロとニルバールにそっと耳打ちするレフィーナ・エンフィールド大佐。
そしてシャトルが着陸してハッチが開き、中から使節団が姿を現した。

儀仗兵「星間評議会最高議長特別使節、正使、ゼ・バルマリィ帝国暫定政府代表
 アルマナ・ティクヴァー皇女殿下、同じく副使、キンモク星・丹桂王国、火球皇女殿下、
 只今ご到着にございます!」

高貴なドレス姿の女性二人が来賓たちの前に進み出て、それぞれ握手を求める。

アルマナ「お久しぶりです、タシロ提督」
タシロ「ご無沙汰しております、アルマナ殿下。
 第2次パルマー戦役以来でありますな」
アルマナ「ご紹介いたします。こちらが副使の火球皇女殿下です」
ニルバール「はじめまして殿下。小官は地球連邦大公、ニルバール・ネフューであります」
火球皇女「こちらこそはじめまして大公殿下。貴女のお噂はディアネイラ女王より
 お聞きしております。改めまして、火球皇女と申します。
 どうぞ以後お見知りおきを。」
タシロ「ご紹介いたしましょう。こちらは当基地所属のヒリュウ級汎用戦闘母艦・
 ヒリュウ改の艦長、レフィーナ・エンフィールド大佐であります。当基地より
 地球までの行程での皆様の警護の総指揮を担当いたします」

タシロの紹介で、レフィーナが恭しく進み出る。

レフィーナ「只今ご紹介に預かりました、レフィーナ・エンフィールドです。
 お目にかかれて光栄に存じます」
火球皇女「こちらこそ貴女にあえて嬉しく思います、エンフィールド大佐」
タシロ「いかがでしたかな、地球までの船旅は?」
アルマナ「デ・メトリオとレ・ガリテの両軍の護衛部隊に守られ、
 ここまではさしたる妨害もなく無事にたどり着けました」

使節の正使がアルマナでありながら、バルマーの艦船を使節船として
用いなかったのは、かつて地球とバルマーが度々交戦状態にあった事に対する
地球側への配慮なのであろう。

タシロ「そしてこちらは、ノウムンドゥス財団のアステリア・リーザマリー・
 ド・ロシュフォール会長です」

タシロの紹介で、小柄のまるで可愛らしい人形のような、
アステリアとその名を呼ばれた長い金髪の少女が進み出る。
地球が連邦国家ポリヘドロンを構成するデ・メトリオ、レ・ガリテ両国と
国交を樹立する際に裏舞台で尽力した人物だ。

アステリア「はじめまして、両殿下。遥々遠い宇宙よりお越しいただき
 感謝の念に耐えません」
アルマナ「こちらこそよしなに。貴女のデ・メトリオ、レ・ガリテ両国間の
 紛争を解決へと導かれたご手腕は聞き及んでおります」

レフィーナの副官ショーンが使節に今後の予定を説明する。

ショーン「特使の皆様方にはこれより暫し基地内にてご休息・ご歓談の後、
 地球までご案内いたします」
火球皇女「よろしくお願いいたします」
アステリア「では、参りましょうか」

こうして一行が基地内に設けられた休息の間に向かおうとしたその時―!!

762

***戦艦ミネルバ 艦橋***

一方こちらは、少し遅れてようやくイカロス基地に到着した
ザフトの戦艦ミネルバである。

アーサー「すっかり遅れてしまいましたね(汗」
タリア「落ち着きなさいアーサー」
アーサー「しかしです艦長。我々にとって久々の晴れの舞台。
 これに遅刻したとあってはミネルバ隊は勿論、ザフト全軍に
 とっても面目が――」
タリア「いいから落ち着きなさい! 過度な緊張は任務に
 支障をきたす元となります」

さっきからずっと落ち着かない様子の副長アーサーを一喝するタリア。
前戦役では個人的に懸念を抱きつつも立場上デュランダル議長側についた
彼女とミネルバ隊だったが、ラクス・クラインの意図がどうであれ、
再びこうしてザフト軍人として戦える機会を与えられたことに
タリアは複雑な感情を抱きつつも感謝もしていた。

今、地球圏はGショッカーなどの人外の勢力からの脅威に晒されており、
それはプラントとて例外ではない。そして一度壊滅したかに思われていたロゴスも、
再び不気味な胎動を始めている。もはやナチュラルとコーディネイター、
ザラ派とクライン派で不毛な争いを繰り返す時ではないのだ。

その時、突然爆発音が――!!

タリア「何事なの! 今のは!」
アーサー「艦長ォォ~!?」

見ると前方ではイカロス基地の一部箇所から火の手が上がっていた!?

タリア「直ちに状況の確認を! シンたちには出撃命令を!」


***レ・ガリテ艦隊 王座艦ヴァシュワック***

デ・メトリオ軍と共にイカロス基地周囲に展開・停泊しているレ・ガリテの第3軍宇宙艦隊。
銀河系の中心から遥々太陽系まで特別使節団を護衛してきたその旗艦の、
頭の左側に白い花の形の髪飾りを付けている少女が指揮を執る艦橋でも、
その異変を察知していた。

ラン「何事です!?」
レ・ガリテ兵A「現在、確認を急いでおります!」

レ・ガリテの現女王フィン・エ・ルド・スイ・ラフィンティ――ランは、
報告を聞いて玉座より立ち上がるや否や、いきなり着ていた礼服のドレスを脱ぎ捨てて、
なんとジャージに着替え始めた!?

レ・ガリテ兵A「―じょ、女王陛下!?」
ラン「私もこれよりイカロス基地に向かいます。供は無用です」
レ・ガリテ兵B「エ━━ΣΣ(゚Д゚;)━━ッ!!!!」
レ・ガリテ兵C「お、お待ちください、危険です!」
ラン「危険でない戦場などありません!」

突然の女王の一喝に艦内クルーの兵士たちが慌てふためく中、
いつの間にかどこからかひょっこり現れた、同じジャージ姿の女の子二人が
ランに呼びかける。

まどか「ラン、発信準備はいつでもオッケーだよっ!
 いったい何が起こったの!?」
ラン「わからない。急ぎましょう!まどか、ムギナミ!」
ムギナミ「かしこまり~♪」


***イカロス基地***

クラフト「な、なんだ!! 何事なのだ!?
 アイツかっ!! アイツの仕業なのかぁ~っ!!」
サド「落ち着いてください隊長! 王子なはずがありません!
 王子ならもっとエグい手を使ってくるはずです!!」

突然の爆発で大混乱に陥る基地内。

アルマナ「――!!」
火球皇女「これは…!?」
ニルバール「衛兵隊! 特使をお守りせよ!」

すぐに警護隊が特使の周囲を厳重に固めながら、
爆発現場からの退避を始める。
しかしあちこちに仕掛けられた爆弾が順に火を噴き、
一行は徐々に追い詰められていく。
そんな彼女たちに立ち塞がったのは、
編み笠で顔を隠した僧形の刺客たちだった。

北辰衆A「………」
北辰衆B「………」

レフィーナ「何者です!? 貴方達は!!」

レフィーナからの問いに、刺客団のリーダーと思しき男から返答が帰る。

北辰「…汝ら、星間評議会とやらの特使と見受けたり。
 一命貰い受ける!」
ニルバール「なにっ!!」
北辰「殺!!」

リーダー・北辰の号令の下に、刺客・北辰衆が
刃を振りかざし一斉に襲い掛かる!!

763

○タシロ・タツミ→星間評議会特使を出迎える。直後に潜入していた刺客に襲われる。
○ニルバール・ネフュー→星間評議会特使を出迎える。直後に潜入していた刺客に襲われる。
○レフィーナ・エンフィールド→星間評議会特使を出迎える。直後に潜入していた刺客に襲われる。
○ショーン→星間評議会特使を出迎える。直後に潜入していた刺客に襲われる。
○アステリア・リーザマリー・ド・ロシュフォール→星間評議会特使を出迎える。直後に潜入していた刺客に襲われる。
○アルマナ・ティクヴァー→星間評議会特使として、イカロス基地に到着。直後に潜入していた刺客に襲われる。
○火球皇女→星間評議会特使として、イカロス基地に到着。直後に潜入していた刺客に襲われる。
○タリア・グラディス→星間評議会特使護衛任務に就くべく、イカロス基地に到着。シンたちに出撃を命じる。
○アーサー・トライン→星間評議会特使護衛任務に就くべく、イカロス基地に到着。
○京乃まどか→ランに同行してイカロス基地近辺に来ていた。
○ラン→星間評議会特使を護衛して、イカロス基地に来ていた。
○ムギナミ→ランに同行してイカロス基地近辺に来ていた。
●北辰→星間評議会特使暗殺のため、イカロス基地を急襲する。

764

【今回の新規登場】
○タシロ・タツミ(トップをねらえ!)
地球帝国宇宙軍トップ部隊旗艦ヱクセリヲン、並びに銀河中心殴りこみ艦隊旗艦ヱルトリウムの艦長。
豪快な性格で、細かい事は気にしないタイプ。「なぁんてこったぁ!」が口癖。

○レフィーナ・エンフィールド大佐(パンプレストオリジナル)
地球連邦軍鋼龍戦隊司令で、ヒリュウ級汎用戦闘母艦・ヒリュウ改の艦長。
アステロイド・ベルトのイカロス基地にある航宙士官学校を首席で卒業した才媛。
性格は真面目でおっとりとしており、やや天然ボケの気がある。

○ショーン・ウェブリー少佐(パンプレストオリジナル)
地球連邦軍ヒリュウ級汎用戦闘母艦・ヒリュウ改の副長。
一見して落ち着いた紳士であり、冷静で頭脳の回転も速く、軍人としての熟練ぶりを感じさせる。
一方で軽いところもあり、女性に対しては目ざとく(スリーサイズを当てるのが得意)、
年若い美女のレフィーナに対してはセクハラまがいの発言でからかったりすることがある。

○アーサー・トライン(機動戦士ガンダムSEED DESTINY)
ザフトの新鋭艦ミネルバの副長。迂闊で軽率な言動など副長としてはやや未熟な面が目立つ。
何かが起こるたび過剰に驚き、「ええぇぇー!?」が口癖。

○京乃まどか(輪廻のラグランジェ)
鴨川女子高等学校(鴨女)ジャージ部部長。2年3組在籍。
鴨川生まれ・鴨川育ちの女の子であり、隣県で近いにも拘らず東京に一度も行った事がない。
ランに頼まれたことから、なりゆきでウォクス・アウラのパイロットとなる。
明朗快活で仲間想い。「まるっ」と言いながら右手で円を描く癖を持つ。

○ラン / フィン・エ・ルド・スイ・ラフィンティ(輪廻のラグランジェ)
ポリヘドロンの構成国家の1つ、レ・ガリテの王女で、国王ディセルマインの妹。
ウォクス・リンファのパイロットで、まどかをファロスへと導きウォクス・アウラに乗せる。
「わん」が口癖。意外にドジっ娘な面がある。最終話で引責退位した兄に代わって
レ・ガリテの女王に就任する一方、まどか達と宇宙を跨いで鴨女ジャージ部の活動を続けている。

○ムギナミ(輪廻のラグランジェ)
反ポリヘドロン義賊同盟「キッス」の一員で、頭領ヴィラジュリオを「お兄ちゃん」と呼んで慕っているが血縁関係はない。
組織のために独断でファロスへと侵入し、ウォクス・イグニスに接触して体にメモリアを刻み付け、イグニスのパイロットになる。
学校を卒業した後は鴨女ジャージ部キッス支部を立ち上げ、生まれ故郷の惑星ウ・ゴーの環境再生に尽力する一方、まどか達と宇宙を跨いでジャージ部の活動を続けている。

○アステリア・リーザマリー・ド・ロシュフォール(輪廻のラグランジェ)
ノウムンドゥス財団の会長代理。実年齢は不明だが、冗談交じりで20010歳にしておいて欲しいと話している。
外見は少女ながら実質的な決定権を持ち、合衆国大統領ですら電話1本で命令できる程の権力を持つ。
外見とは裏腹に尊大かつ大胆な性格の持ち主で、顔色一つ変えずに相手をからかう一面もある。
その正体は、2万年前の地球に栄えていたウェトゥムンドゥスと呼ばれる高度な文明国家圏に
君臨していた女王メイクン。 

 

○アルマナ・ティクヴァー(バンプレストオリジナル)

ゼ・バルマリィ帝国の最重要人物である、「ズフィルードの巫女」に選ばれた17歳の少女。
彼女には巨大な「念動力」が備わっており、巫女として創世神ズフィルードの献体となることが約束されていたが、それは帝国にとっての希望であり、最高の栄誉と教育されているため、彼女自身には一切の屈託はない。
しかし、「生前の」最後の望みとして、バルマーとの因縁深い地球の地を訪れることを願い、
従者ルリアとバラン将軍と共に、地球の地にお忍びで降り立つ。
戦後は帝政が倒れた新生バルマーの代表となる。 

 

○火球皇女(美少女戦士セーラームーン セーラースターズ)

キンモク星丹桂王国の第一皇女。星野光達セーラースターライツが仕えるプリンセス。
キンモク星の守護戦士であるセーラー火球という名のセーラー戦士でもある。
プリンセス・セレニティと同等の力をもっている。

●北辰(劇場版 機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-)
草壁直属の暗殺集団・北辰衆のリーダー。暗殺術の使い手であり、ロボットの操縦もエース級である。
テンカワ・アキトを拉致し、彼が苛烈な人体実験の末に五感の大半を奪われる原因を作った張本人。同時に、北辰衆にユリカを攫うように命じたのも彼であり、アキトにとっては命を賭して倒すべき仇敵である。 


『プリキュア、学園都市へ ~序章~』

作者 ユガミ博士

765

***大貝町・四葉邸***

999メートルもある巨大建築物と異世界に通じる次元の穴が海上に存在
している事で有名な町-大貝町。異世界トランプ王国(現トランプ共和国)を
滅ぼしたジコチューと伝説の戦士プリキュアが戦った町でもある。
プリキュアの1人であり、四葉財閥のご令嬢四葉ありすの住む邸宅では、
仲間でもある相田マナ、菱川六花、剣崎真琴、円亜久里、そしてプリキュア
ではないが、同じく仲間のレジーナと共に月に一度のお茶会をしていた。

真琴「学園都市?」
ありす「はい。真琴さんには学園都市でライブを行ってもらいたいのです。」
レジーナ「ねぇねぇ、学園都市って?」

異世界出身であるレジーナが学園都市とは何か、質問をする。

六花「学園都市っていうのは、超能力の開発を目的とした町そのものが
 巨大な学校みたいな場所よ。その科学力は10年先を進んでいると言われるわ。」

チーム1の頭脳を持つ六花が、レジーナに分かりやすく説明する。

マナ「でも、どうしてまこピーに学園都市でライブしてほしいの?」
ありす「学園都市との交流・・・ですが真意は別にあります。セバスチャン。」
セバスチャン「はい、お嬢様。我が四葉財閥は学園都市のスポンサーでも
 あるのですが、学園都市にある四葉系列の会社から怪物が出現した
 という情報があったのです。」

ありすに仕える執事セバスチャンが代わって、説明をする。

亜久里「まさか、ジコチューですか!?」
ありす「残念ながら、その確認はとれませんでした。でも、その可能性がある
 ので、学園都市に赴いて、調査が必要だと思うのです。」
六花「でも私たちが動けば、騒ぎにならない?」
マナ「分かった。プリキュアとして行けば、騒ぎになるかもしれないけど、
 まこぴーがアイドル活動として学園都市いけば余計な騒ぎにならないって
 ことね。」

今では、人々に知られるプリキュア。しかし、家族や近しい人達に害が
及ぼさないように正体は秘密であるのが基本なのだが、キングジコチュー
との最終決戦でTVを通じて、マナ達の正体は広く知れ渡っているである。
その為、真琴のアイドルとしての訪問は余計な騒ぎにならないようにする
為の配慮だという。

真琴「それで、ライブは何時?」
ありす「3日後に学園都市へ行き、リハーサルなどを行ってから次の日ですわ。」
マナ「分かった。それじゃあ皆で学園都市に行こう!」
一同「「「おー!」」」

こうしてマナ達は学園都市へ赴くのであった。

766

***風都・鳴海探偵事務所***

翔太郎「学園都市!?」
照井「ああ、翔太郎とフィリップには学園都市へ行ってもらいたい。」
亜紀子「ええと、学園都市って?」
フィリップ「学園都市というのは超能力の開発を目的とする巨大な研究都市で
 その人口の殆どが学生。だが、その開発には非人道的な実験もなされている
 という黒い噂があり・・・」
翔太郎「だぁぁ、お前の説明は長いからやめろ!先が進まないから。」

学園都市を知らない亜紀子に、フィリップが検索した事を説明するが
長くなるので、翔太郎がそれを止めた。

翔太郎「それで、俺達に学園都市に行ってほしいというのはどういう事だ?」
照井「・・・国安0課からの情報で、どうやら学園都市にガイアメモリが流通
 しているらしい。」
翔太郎「何だって!?」
亜紀子「そんなの私、聞いていない!?」

照井からの情報に驚きをみせる翔太郎と亜紀子。

フィリップ「・・・ミュージアムの仕業だね?」
照井「ああ、その可能性が高い。」

先日、刑務所から脱獄したドーパント事件の犯人達。新生ミュージアムを
立ち上げ、風都やその他の地域でガイアメモリを売りさばき、事件を起こしていた。

照井「俺もすぐに行きたい所だが、手続きで時間が掛かる。」
翔太郎「だから、俺達が先へ行って調査して来いってわけか。・・・いいぜ、
 風都じゃなくても、街を泣かせているっていうのなら俺達の出番だ!
 な、フィリップ。」
フィリップ「勿論だよ、翔太郎。僕らは2人で1人の探偵だからね!」

2人で1人の探偵、左翔太郎とフィリップの学園都市での調査が始まる。

767

***学園都市・上条当麻の部屋***

ニュースの声『・・・先日、中近東で起きたテロリストをアイアンマンこと
 トニー・スターク氏の介入により無事、鎮圧する事が出来ました。
 ・・・続いてのニュースです。異世界にあるトランプ共和国出身でプリキュア
 としても知られるアイドル、剣崎真琴の学園都市でのライブが決定されました。』
上条「・・・異世界か。」
インデックス「当麻・・・また女の子を見ているんだよ(ジトー)」
上条「ば、ちげーよ!」

学園都市の生徒の1人である上条当麻はテレビに映る剣崎真琴を見ていた所、
同居人であるシスターの禁書目録(インデックス)にジト目で見られた。

上条「ニュースとかで、異世界の存在とか報道されているけど、イマイチ
 実感が沸かないんだよなぁ。」

学園都市という閉鎖的な環境にいるせいか、上条にはこことは異なる
世界がある事に実感が沸かなかった。

インデックス「当麻、そろそろ学校の時間じゃないの?」
上条「え!?うぉっと、遅刻する。」

ツル、バターン!ムニュ

慌てて立ち上がった上条は足を滑らせてしまい、そのままインデックスを
押し倒してしまい、あろう事か、インデックスの胸を触ってしまう。

インデックス「ト~ウ~マ~(怒)」
上条「ま、待て待て!これは事故だ。」

ガブッ!

上条「ぎゃぁぁあ、不幸だ~!」

インデックスに手を噛まれ、お馴染みの台詞を吐く
<幻想殺し(イマジン・ブレイカー)>上条当麻。これから、
事件に巻き込まれる事を彼は知らない。 。

768

***学園都市・マグロナルド***

佐天「知っていますか、御坂さん?まこぴーが学園都市に来るんですよ。」
御琴「まこぴー?」
初春「まこぴーを知らないんですか?」
黒子「仕方がありませんわ。寮の部屋にテレビはありませんもの。」

ファーストフード店マグロナルドでお喋りをする4人組。
<常盤台の超電磁砲(レールガン)>の異名を持つレベル5「御坂美琴」
美琴の後輩で<風紀委員(ジャッジメント)>に所属する「白井黒子」
同じく風紀委員の「初春飾利」、初春の友人である「佐天涙子」
いつも集まっているファミレス「Joseph’s(ジョセフ)」はお客で込んでいた為、
新しく出来たファーストフード店マグロナルドに集まっていた。

佐天「異世界から来た人気アイドルで、プリキュアという地球を守るスーパー
 ヒロインですよ。」
初春「プリキュアは、私も憧れます。」

佐天は剣崎真琴を知らないらしい美琴の為に、携帯を操作して真琴の
活躍している動画(キングジコチューとの最終決戦)を見せる。他にも
横浜に出現したフュージョンと戦うプリキュアオールスターズの動画も
見せる。

美琴「・・・これって、マジ?」
佐天「本当ですよ、御坂さん。」

動画に映る怪獣映画さながらの巨大な敵を自分と同じくらいの少女が
アニメや特撮のように戦っているので、いささか信じられなかった。
しかも、超能力の類ではないというのでなおさらである。

美琴「う~ん、私はこういう衣装は似合わないなぁ。」
黒子「何を言っていますの!お姉さまはどんなお姿でも似合ますわ。」

美琴は動画を見て、プリキュアの衣装は自分には似合わないと口にすると、
黒子がそれに反論した。

美琴「・・・プリキュアね。」

この時、自分には関係ないだろうと思う美琴だったが、そのプリキュアと
出会い関わる事になるとは思わないのであった。

○相田マナ→学園都市へ行く事になる。
○菱川六花→学園都市へ行く事になる。
○四葉ありす→怪物の情報を聞きつけて、学園都市行きを提案。
○剣崎真琴→学園都市でライブをする事になる。
○円亜久里→学園都市へ行く事になる。
○レジーナ→学園都市へ行く事になる。
○左翔太郎→フィリップと共に学園都市へ調査しに行く。
○フィリップ→翔太郎と共に学園都市へ調査しに行く。
○照井竜→翔太郎に調査を依頼する。
○上条当麻→インデックスに噛まれる。
○インデックス→上条に胸を揉まれ、噛み付く。
○御坂美琴→佐天達から剣崎真琴について教えられる。
○白井黒子→マグロバーガーに集まる。
○初春飾利→プリキュアに憧れる。
○佐天涙子→美琴に剣崎真琴について教える。
 
769

【今回の新登場】
○相田マナ=キュアハート(ドキドキ!プリキュア)
 キュアハートに変身する大貝第1中学校の生徒。成績優秀で超人的な運動能力と
 相手を助ける優しさを持っており、生徒会長を務めていた。しかし、ひどい音痴。
 最終決戦では「パルテノンモード」となり、プロトジコチューを浄化。その後、
 政府に助けを求めらるようになった。将来の夢は総理大臣。
 パートナーの妖精はシャルル。

○菱川六花=キュアダイアモンド(ドキドキ!プリキュア)
 キュアダイアモンドに変身する大貝第1中学校の生徒。マナの隣に家に住む
 10年来の幼馴染で周囲から「マナの奥さん」と言われる程、マナのフォロー役で
 生徒会で書記を務めていた。母親のような医者を目指しており、全国模試で10位
 以内にはいる頭脳の持ち主で、参謀役でもある。変身すると、水・氷系の技を使う。
 パートナーの妖精はラケル。

○四葉ありす=キュアロゼッタ(ドキドキ!プリキュア)
 キュアロゼッタに変身する四葉財閥のご令嬢。マナ・六花の幼馴染で別の中学に通う。
 中学生ながら、四葉タワーのオーナーで経営にも参加。一見、天然な性格かと
 思われるが、幼少の頃、祖父の方針で武道を習っていたが、マナが泣かされた時に
 怒りで我を失い、いじめっ子を叩きのめした為力を使う事を恐れていた。
 変身すると、防御系の技が多いが攻撃にも転用が可能。パートナーの妖精はランス。

○剣崎真琴=キュアソード(ドキドキ!プリキュア)
 異世界トランプ王国を守っていた最後のプリキュア。地球へ来る時にはぐれた
 マリー・アンジュ王女を探すため、アイドル活動を行っていた。当初はマナ達と
 別行動していたが、後に共闘。マナのいる中学へ転校する。ジコチューとの
 戦いの後は「異世界から来た歌姫」としてさらなる人気アイドルとなった。
 パートナーはダビィ。

○円亜久里=キュアエース(ドキドキ!プリキュア)
 トランプ王国から帰還したマナ達の前に現れた小学生。アイちゃんの力で
 キュアエースへと変身。小学生ながらしっかりしているが、スイーツの事になると
 顔が崩れる程、大好きな少女。当初はマナ達に「プリキュア5つの誓い」を課す。
 実はマリー・アンジュ王女の「王国の平和を思う」プシュケーの片割れから
 生まれた存在。同じ存在から生まれたレジーナと争う宿命だったが、マナ達によって
 その宿命を乗り越える。

○レジーナ(ドキドキ!プリキュア)
 キングジコチューの娘。現れた当初はマナに興味を持ち、マナを独占しようとした。
 一度はキングジコチューに反抗するが、ジャネジーによって洗脳されて敵対。
 ミラクルドラゴングレイブを引き抜き、武器とする。実はマリー・アンジュ王女の
 黒く染まったプシュケーの片割れから生まれた存在。亜久里と争う宿命だったが、
 マナが好きだという気持ちに築き、最終的にキングジコチューを元の国王に戻すべく
 共闘。最終決戦後、大貝第1中学校に転校し、プリキュアと共に活動する。

○セバスチャン=キュアセバスチャン(ドキドキ!プリキュア)
 ありすに仕える四葉家の執事。信頼が厚く、人々の避難誘導やプリキュアの情報を
 削除するなど、サポート役を担う。また人工コミューンを開発し、非公式ながら シリーズ初の男性プリキュア(バットマンのような姿)に変身した。

770

【今回の新登場】
○上条当麻(とある魔術の禁書目録/とある科学の超電磁砲)
 学園都市に住むレベル0の学生。実は右手にはあらゆる異能を打ち消す
 <幻想殺し(イマジン・ブレイカー)>の能力を持っている。その為、神の加護
 を打ち消しているので不幸体質。本人は築いていないが、かなりの数の女性
 から好意を寄せられている。

○インデックス(とある魔術の禁書目録)
 10万3千冊の魔道書を記憶しているイギリス清教のシスター。ある事情から
 記憶を消されているので、自分がイギリス清教の<必要悪の教会>に所属
 していた事を知らない。当麻に助けられてからは居候となり、かなりの量の
 食物を食べる。

○御坂美琴(とある魔術の禁書目録/とある科学の超電磁砲)
 レベル5の「電撃使い<エレクトロ・マスター>」で学園都市の第3位。
 常盤台中学2年。成績優秀で、運動神経も高いが、少々プライドが高い。
 レベル0にも関わらず、自分の能力を打ち消した上条を追い回していたが、
 絶対能力進化計画で助けられてからはツンデレな態度をとるようになる。
 趣味はゲコ太グッズを集める事。

○白井黒子(とある魔術の禁書目録/とある科学の超電磁砲)
 常盤台中学1年で風紀委員第177支部に所属しているレベル4の「空間移動(テレポーター)」
 御坂美琴と同室のパートナーで、美琴の事を慕っている真性の百合。
 美琴に対してのみ、変態的な行動をとるがそれ以外はちゃんとしている。

○初春飾利(とある魔術の禁書目録/とある科学の超電磁砲)
 風紀委員第177支部に所属する柵川中学の1年生。
 能力は『定温保存(サーマルハンド)』で白井黒子とは同僚のパートナー。
 コンピュータによるサポートがメイン。

○佐天涙子(とある科学の超電磁砲)
 初春の親友であるレベル0の柵川中学の1年生。都市伝説に詳しい。
 初春によくスカート捲りをする。幻想御手(レベルアッパー)事件の被害者で
 「空力使い」を発動した。機動ロボを操縦をマニュアルを読んだだけで動かす
 事が出来るほどの技術を持っている。


『咆えよベンK!怪奇と恩讐の辻斬り遍路』-1

作者 凱聖クールギン

771

大戸島にゴジラとガメラが現れてから、既に三日が経っていた。
自衛隊とGUYS JAPANは総力を挙げて二大怪獣の行方を追っていたが、
大爆発と共に海中に没した二匹の消息は未だ掴めていなかった。


***東京・総理官邸***

剣桃太郎首相は、大戸島の現地視察から戻った
内閣安全保障室長・土橋竜三を官邸に迎えて話を聞いていた。
(三田村清輝の推薦で室長に起用された穏和そうなこの老人、
 風貌はどこかあの立花藤兵衛に似ている…)

剣「土橋君、お疲れ様。
 それで、大戸島の被害状況はどうだったね?」
土橋「いやあ、直にこの目で見てみると、
 なかなか凄まじいものでしたよ。
 まるでクレーターのように地面が抉られて、巨大な穴ができてましてね。
 幸い、人的被害はさほど大きくはなかったですが、
 それでも過疎の離島にとっては、漁村の一部が破壊されただけで相当な痛手です」
剣「大戸島については、早急に特別復興予算を手当てしよう。
 怪獣の上陸に対して政府の予測と対応が遅れたのは、
 言うまでもなく内閣総理大臣であるこの私の責任だ」
土橋「総理…。過ぎてしまった事より、
 今後の怪獣対策にこの教訓を活かす方が大切じゃありませんか」
剣「その通りだな…。
 全力を挙げてゴジラとガメラの行方を追い、次の出現に備えねばならん。
 そして、もう一つ気がかりなのはラドンの眠る阿蘇山だが…」
土橋「はい。そちらについては、
 特別調査団として現地に飛んでいる山根健吉君から報告が届いています。
 こちらをご覧下さい」
剣「山根健吉……というと、
 今は亡きあの山根恭平博士のお孫さんだね?」
土橋「ええ。大学時代にゴジラに関する論文をウェブ上に発表して、
 世界を騒がせた逸材ですよ」

そう言って土橋は、九州から送られて来た動画によるレポートをスクリーンに映した。

健吉「こんにちは。阿蘇ラドン特別調査団の山根です。
 土橋さん、剣首相、お元気ですか?」

画面の中で小さく手を振って見せた眼鏡の青年は、
オキシジェン・デストロイヤーを開発し初代ゴジラを葬った故・山根恭平博士の孫で、
デストロイア事件の際にはGサミットにも加わって活躍した山根健吉である。
学生時代からゴジラの研究を趣味としていた健吉は、
大学卒業後、怪獣研究者への道を本格的に志し、
今は阿蘇山に眠るラドンの観測作業にアシスタントとして携わっていた。

772

健吉「このグラフは、阿蘇山の火口で眠るラドンの心拍数を
 一日ごとに計測したものです。
 見ての通り、日ごとに心拍数は増加していて、
 これはラドンの生命活動が徐々に活発化している事を意味しています」

画面に現れた右肩上がりのグラフを示しながら、健吉は説明する。

健吉「特にグラフが大きく跳ね上がっている所がいくつかありますが…。
 これは、どれも阿蘇山の近くで何か異常事態があった日です。
 ガルマ・ザビの機甲軍団が福岡を爆撃した日、
 猛士の響鬼さん達が阿蘇山麓の百鬼帝国基地を壊滅させた日、
 そして、イーグル九州支部隊が三池にある邪魔大王国の地下炭鉱を攻撃した日…。
 いずれも、火口のラドンは異変を察知して小さくない反応を示しています」

剣「う~む、地上での騒乱がラドンに影響しているという事か」
土橋「眠りを妨げられた、といったところでしょうな。
 怪獣は自分の縄張りを侵害される事には非常にデリケートです」

健吉「霞ヶ浦に現れたチタノザウルスがそうだったように、
 怪獣は周囲の環境の変化にとても敏感な反応を示す傾向があります。
 現時点では、ラドンはまだすぐに眠りから覚める気配はないですが、
 今後、異常気象や地殻変動、Gショッカーなどによるテロや戦乱が更に続けば、
 それがラドンを刺激し、復活を早める呼び水になってしまうかも知れません。
 ――以上、報告終わり。
 阿蘇ラドン特別調査団・山根健吉でした」

報告はそう締め括られ、動画が終わって画面が暗転した。

剣「ラドンに関しては、引き続き警戒が必要だな。
 佐世保に自衛隊を配備し、いつでも出撃できるよう待機させよう。
 周辺住民の避難も滞りなく行なえるよう、
 各市町村に改めて通達しておく」
土橋「阿蘇山の北には、九州最大の人口を抱える福岡・北九州地域があります。
 空飛ぶ怪獣という事もあり、更に遠方の中国・四国方面にも警戒が必要です」
剣「後は、つくばで建造中のメカゴジラだが…」
土橋「いよいよ工程は最終段階です。
 あと一週間で完成し、実戦運用が可能になります」
剣「一週間、か…。
 それまでは、現有戦力をフルに活用して怪獣と戦わねばならん。
 例えどんなドでかい怪獣だろうと、
 この日本を好きなように踏み荒らさせたりはせん!」 。

773

***四国・愛媛県***

地獄谷での死闘の日からしばらく経って――。
剣流星、仰木舞、北八荒、それにスプリンガーの三人と一匹は、
束の間の平和を少しでも楽しもうと四国へ旅行に来ていた。

八荒「いやいやいや、やって来ました四国!
 南国の風が暖かくて気持ちいいね~」
舞「フフッ。はしゃぎ過ぎよ八荒さん。
 でも喜んでくれて良かった。
 元々、四国に来なきゃいけなかったのは私の仕事の都合だけど、
 折角また流星さんやスプリンガーと再会できたんだし、
 この機会にみんなで楽しく旅行するのもいいかなと思って」
八荒「四国に来たのは昔、バイク仲間と一緒に突っ走った時以来だよ。
 宇和島の海が綺麗だったんだよな~」
舞「それって、暴走族じゃない…。
 今回は『週刊アップ』の、四国八十八箇所巡礼の旅特集・愛媛編。
 弘法大師ゆかりの霊場を取材して回るのが目的なんだから、
 そういうバチ当たりな不作法は謹んでよね」
八荒「分かってるよ舞ちゃん。昔の話さ」
スプリンガー「悪い事が起きなきゃいいけどな。
 ゴジラが本土に上陸するかも知れないってんで、
 警報発令で朝から飛行機がストップしてひどい目に遭ったぜ」
八荒「もう何回目だろうな、そういうの。
 怪獣の脅威に、世の中みんなピリピリしてるよ」
流星「この四国にはたくさんの神様や仏様がいて、人々を見守っている…。
 自然災害や、怪獣からもみんなの暮らしを守っているんだ」

そう言って南予アルプスの山並を見上げる流星に、
舞と八荒はちょっと不思議そうな顔をする。
だが、その視線の向こうの山で何か異変が起きようとしている事までは、
さしもの流星もまだ気付いてはいなかった…。


***鬼ヶ城山***

南予アルプスの西端にそびえ、宇和島の街を見下ろす鬼ヶ城山。
その山頂に、Gショッカーが密かに基地を建設しようとしていた。

ドクガンバ「働け働けい! 休憩など無用だ!
 フハハハハ~! この鬼ヶ城山の頂に砲台を築けば、四国全土を砲撃できるわ!」
ヒルビラン「そしてその砲撃には、
 一発で街一つを消滅させる威力のあるバリチウム弾が使われる。
 かつてクライシス帝国さえも征服できなかった四国が、
 我らネオショッカーによって焼け野原と化すのだ!」

ネオショッカー怪人ドクガンバとヒルビランは、
拉致した近隣住民や登山客らを奴隷として働かせ、
鬼ヶ城山の山頂に砲台基地を築こうとしていたのである。

アリコマンド「ケィ~ッ! ドクガンバ様とヒルビラン様に申し上げます。
 昨夜から行方不明となっていた奴隷3名の死体がエリアDの山林で見つかりました。
 何者かに襲われて殺されたらしく、
 いずれも死体には鋭い刃物で斬られたような深い傷があります」
ドクガンバ「ええ~い、また例の傷か」
ヒルビラン「一体誰の仕業なのだ?
 パトロールを強化し、犯人を一刻も早く見つけ出せ!」

奴隷や戦闘員が何者かに襲われ、殺されるという怪事件が建設現場一帯で続発していた。
被害者の遺体には全員、刃物で斬られたような深い裂傷があるのだが、
犯人の姿を見た者はなく、一体誰の手による殺害なのか、
真相は未だ謎のままであった。

ヒルビラン「この基地の存在はまだ仮面ライダーや
 奴らの仲間達には勘づかれていないはず…。
 しかも捕らえてきた奴隷どもまで殺すとは、
 正義とやらを守ろうとする奴らの手口とは思えん。
 一体、誰がこの基地の周りをウロウロしておるのだ!?」
ドクガンバ「とにかく、この四国砲撃作戦に失敗は許されん!
 草の根を分けても犯人を探し出し、始末するのだ!」  

774

***鬼ヶ城山・麓の村***

鄙びた山道の脇に佇む地蔵に、静かに手を合わせる巨体の男。
黒と青の袴の上に白いメカニカルアーマーを纏い、
古の武蔵坊弁慶を彷彿とさせる風体のこの大男は、名をベンKという。

ベンK「このお地蔵様は随分と痛み、砂埃を被っている…。
 きっと昔からここにいて、この山を見守ってきたのだろうな」

かつてネロス帝国のヨロイ軍団激闘士として武名を馳せた彼は、
メタルダーと戦って敗れ、命を赦されたのをきっかけに改心し、
己の罪を償うため巡礼の旅に出ていた。
メタルダーを助けるため、ヨロイ軍団の影と戦って落命した彼だったが、
黄泉還り現象によってこの世に戻ってからも変わる事なく、
こうして各地を遍路し、前世の罪を神仏に懺悔し続けている…。

ベンK「こんな事をしても、俺の犯した罪が消えるとは思わない。
 だが俺には、今はこうする事しか出来ない…」

自分をこの世に黄泉還らせたのは、誰、あるいはどんな宇宙の摂理だろうか?
黄泉還った時、ベンKはかつての武器である鎌を装備していた。
戦いを忌む自分に、再び戦う運命を与えようという神の見えざる意志なのか。
ネロス帝国が復活し、巨大な悪の組織Gショッカーの一翼となって
再び平和を脅かしているとの噂はベンKも耳にしているが…。

ベンK「メタルダー…。
 あいつは今、どこで何をしているだろうか…」

祈りを終え、地蔵の土埃を丁寧に払い落としてから
立ち上がってゆっくりとまた歩き出すベンK。
その寂しげな後ろ姿を奇怪な眼差しで見送った、
道端の水溜まりにいた一匹のタガメが突如巨大化し、怪人の姿となった。

タガメラス「あれは確かに、ネロス帝国の脱走者ベンK…。
 奴の背負っているあの鎌は…?
 もしや、ネオショッカー基地の周りで辻斬りをしているのはあいつか~!!」

775

***ネロス帝国・ゴーストバンク***

クールギン「何!? ベンKの辻斬りだと…?」
チューボ「はっ。ネオショッカーの情報網が、
 大鎌を担いで鬼ヶ城山の麓をうろつくベンKの姿を確かに捉えたとの事。
 魔神提督からは軍団長宛てに、
 『貴殿の軍団の裏切り者によって大迷惑を被っている。何とかしろ』と、
 厳重な抗議が届いております」
クールギン「まだ奴の仕業と決まったわけではあるまいに…。
 相変わらず、気ばかりが早い男よ」
チューボ「いかが致しましょうや。
 証拠不足の言いがかりではこちらこそ迷惑だ、とでも突き返しますか?」
クールギン「いや、ここはGショッカーの友邦同士、
 いたずらに摩擦を招くような対応は控えねばならん。
 それに鬼ヶ城山の事件の真相がどうであれ、
 ネロス帝国の脱走者の居場所が分かったのは幸いだ。
 辻斬りがベンKの仕業であろうとなかろうと、
 帝王ネロスを裏切ったあの男に我らが与えるべきものは死しかない…。
 ――ガラドー!!」

クールギンの呼びかけに応じ、音もなくその足元に参上したのは、
ネロス帝国一の忍術使い、ヨロイ軍団爆闘士ガラドーである。

ガラドー「お呼びにございますか、軍団長」
クールギン「ガラドー、直ちに四国へ飛べ。
 ネオショッカーと協力して裏切り者のベンKを追い、抹殺するのだ」
ガラドー「はっ!」
クールギン「同時に、鬼ヶ城山で起きている怪事件についても独自に調査を進めろ。
 魔神提督はベンKの辻斬りと決めつけているようだが、
 私には何か別の不吉な予感がする…」
ガラドー「と、仰せられますと…?」
クールギン「あの鬼ヶ城山の付近で一週間前、
 時空クレバスの発生が確認されているのだ。
 ごく小さなもので、わずか数分で消滅してしまったが、
 Gショッカー巨獣軍のレーダーは確かに時空の穴の出現を感知した。
 それがこの怪事件と果たして無関係かどうか…。
 時間的な符合を考えても、私には気にかかる」
ガラドー「なるほど。心得ました」
クールギン「それから…戦闘ロボット軍団から、
 ゴチャックとゲバローズを援軍として連れて行け。
 バルスキーには、私の方から話を通しておく」
ガラドー「お言葉ながら、このガラドーに援軍など無用!」
クールギン「言わせるなガラドー…。政治的配慮というものだ。
 先の地獄谷での大敗戦で、戦闘ロボット軍団は帝王のご不興を買い、
 それからしばらく経った今も、奴らをご覧になる帝王の眼差しは冷たいまま…。
 帝王のお怒りは全くごもっともながら、
 しかしネロス帝国四軍団の一角がいつまでもこうした半謹慎状態では、
 帝国全体の先行きにもやがては影が射そうというもの」
ガラドー「故に、彼らの名誉挽回の機会を与えよ、と」
クールギン「ゴチャックとゲバローズなら、
 気を回さずとも手柄を立ててお前の役にも立つだろう。
 ゴチャックとお前は階級では同格だが、今回は我らヨロイ軍団が恩を売る形ゆえ、
 当然、指揮権はお前が持てるよう私が計らっておく。
 二体の戦闘ロボットを手足として存分に使い、
 しかと成果を上げて来るのだ」
ガラドー「この“忍びのガラドー”にお任せを!」

776

○剣桃太郎→土橋竜三と山根健吉から大戸島と阿蘇山の状況について報告を受ける。
○土橋竜三→大戸島の被害状況を視察し剣桃太郎首相に報告。
○山根健吉→阿蘇山に眠るラドンの観測結果を剣桃太郎首相に報告。
○剣流星、仰木舞、北八荒、スプリンガー→旅行で四国・愛媛を訪れる。
●ヒルビラン、ドクガンバ→四国の鬼ヶ城山に基地を建設中。
●タガメラス→鬼ヶ城山の麓を巡礼中のベンKを発見。
●クールギン→ベンK抹殺と鬼ヶ城山の怪事件調査のためガラドーを差し向ける。
●ガラドー→ベンK抹殺と鬼ヶ城山の怪事件調査のため四国へ飛ぶ。
●チューボ→鬼ヶ城山の怪事件と魔神提督からの抗議をクールギンに報告。
○ベンK→巡礼のため四国・鬼ヶ城山の麓を訪れる。
 

【今回の新規登場】
○土橋竜三(ゴジラVSキングギドラ/ゴジラVSモスラ)
 内閣安全保障室室長。
 キングギドラとゴジラの出現に際し、保障室内にGルームを編成して対応した。
 後に国家環境計画局へ出向し、ゴジラ・モスラ・バトラの日本上陸事件に関わった。

○山根健吉(ゴジラVSデストロイア)
 オキシジェン・デストロイヤーの発明者、山根恭平博士の孫。
 ゴジラの研究を趣味にしている青年で、ゴジラの体内構造に関する私的考察の論文を送って
 評価された事からGサミットにオブザーバーとして参加するようになった。

○ベンK(超人機メタルダー)
 ネロス帝国・ヨロイ軍団元激闘士。ハンマーと鎌を武器とする怪力の持ち主。
 メタルダーと戦って敗れ、命を助けられた事で改心しネロス帝国を出奔、
 それまでに犯した罪を償うために巡礼の旅に出ていたが、
 再会したメタルダーに助太刀してヨロイ軍団の戦闘員・影と戦い壮絶な最期を遂げた。
 帝国出奔後は数珠と錫杖を武器に使っている。

●爆闘士ガラドー(超人機メタルダー)
 ネロス帝国・ヨロイ軍団爆闘士。
 “忍びのガラドー”の異名を取る帝国きっての忍術使いで、様々な忍術を技として戦う。
 また魔術師としての一面もあり、多彩なマジックを駆使して引田天功に勝負を挑んだ。
 執念深い性格で、ウィズダムの一件ではモンスター軍団との間に遺恨を残した。

●ヒルビラン(新・仮面ライダー)
 ネオショッカー怪人。
 ヒル毒液やヒル爆弾を武器にするヒルの怪人で、戦車を操縦して8人ライダーと戦った。
 当初は怪人二世部隊の隊長も務める予定だったほどの実力者。
 小さなヒルに姿を変える事も可能。

●ドクガンバ(新・仮面ライダー)
 魔神提督がギリシャから呼び寄せたネオショッカー怪人。
 全身のドクガ鱗粉を散布して伝染病を発生させ、人々を大量殺戮するのが使命。
 戦闘では鎖のついた鉄球を振り回して武器とする。
 小さな蛾に姿を変える事も可能。

●タガメラス(新・仮面ライダー)
 ネオショッカー怪人。
 水中戦を得意とするタガメの怪人で、右手の剣状の大きな爪が武器。
 口から出す針で人間の血液を吸い取りミイラ化させる。
 小さなタガメに姿を変える事も可能。


『咆えよベンK!怪奇と恩讐の辻斬り遍路』-2

作者 凱聖クールギン

777

***鬼ヶ城山・山頂***

ヒルビラン「ビラビラビラ~!
 働け奴隷ども! 休憩など無用だ!
 怠けている奴は殺してしまうぞ!」
ヘンリー楽珍「ひえ~っ!
 星占いの示すままに旅をしていただけだというのに、
 何でこの私がこんな目に…」

正体不明の敵に基地建設を脅かされているネオショッカーは、
より本格的な邪魔が入る前に基地を完成させてしまおうと、
奴隷達を酷使して急ピッチで工事を進めていた。
苛酷な強制労働に従事させられている人々の中には、
たまたま四国へ旅をしていた闘破の仲間・ヘンリー楽珍の姿もあった。

一方ガラドーは、秘密裏に日本へ呼び寄せたある知己と密談していた。

ガラドー「久し振りだなマクンバ。
 また一緒に忍びの仕事ができるとは嬉しい限りだ」
マクンバ「お前さんの頼みとあらばな。
 俺が密猟した動物の毛皮を世界中に高値で売り捌けるのも、
 お前がパイプ役になってくれた桐原コンツェルンの力があればこそだ」
ガラドー「今回は、その桐原コンツェルン…ネロス帝国に
 逆にお前の力を貸してほしいのだ。
 任務の一つは、帝国の脱走者ベンKを探し出し抹殺する事。
 もう一つは、最近この山で起きている謎の連続殺人事件の真相を調べる事。
 日頃アフリカのジャングルで動物を追っているお前なら、
 どちらも得意分野だろうと思ってな」
マクンバ「いいだろう。お安い御用だ」
ガラドー「今度の仕事で帝王の覚えがますますめでたくなれば、
 お前の商売にもより弾みがつくだろう。
 軍団長は戦闘ロボットどもを俺の配下に与えてくれたが…
 忍びが真に頼りとするのは忍びだけだ」
マクンバ「ガルゥゥゥ…!
 この獣忍マクンバに任せろ」

そう言い残してマクンバは森の中に消えた。
密談を終えたガラドーは待たせていたゴチャックとゲバローズの元へ戻る。

ゴチャック「遅いぞ。何をしていたのだ」
ガラドー「ちょいとこの山を一駆けして下見してきただけだ。
 それより、ベンKは今どこにいる?」
ゲバローズ「ネオショッカー側からの報せによれば、あの村に」

そう言って、ゲバローズは眼下の麓に見える小さな村を指し示した。

ガラドー「ようし…。
 ベンKの抹殺はこの俺に任せろ。
 お前達は、この山で起きている連続殺人事件について調査するんだ。
 確かに軍団長の言われた通り、この山には不気味な何かの匂いがする」
ゴチャック「分かった。ではここで別行動を取ろう」
ガラドー「うむ。お互い連絡を欠かさぬようにな」
ゲバローズ「了解!」

山道を下りて行った二体の戦闘ロボットを見送って、
ガラドーは疾風の如く跳んだ。

778

***鬼ヶ城山・中腹***

闘破「やぁっ!!」

山地闘破は義弟の山地学を連れて、山籠もりの修行のため四国へやって来ていた。
ハニー治療センターの事件でGショッカーと異空間で一戦を交え、
宇宙刑事らのメタルヒーロー達とそこで邂逅した事、
また、毒斎が妖魔一族を引き連れ過去へ飛んだとの報せを馬風破から知らされた事が、
闘破の心を新たな戦いへと激しく駆り立てていたのである。

学「ねえ兄ちゃ~ん、そろそろお昼にしようよ~」
闘破「もうちょっとだ、学。
 ――たぁっ!!」

バーベキューの支度を整えて退屈そうに待っている学に微笑して、
闘破は居合斬りの訓練にもう一汗流す。

闘破「――ん?」
学「兄ちゃん、どうしたの?」
闘破「今、何か変な音が聞こえたような…。
 風の音とも違うし、地鳴りとも違う…」
学「俺は何も聞こえなかったけどなあ」
闘破「学、昼飯食ったら、午後はちょっとこの辺を探検しようか。
 どうしても気になる何かがこの山にはあるんだ。
 それに、山登りも足腰を鍛え、自然を知って困難を乗り越える、
 立派な忍びの修行の内だしな」
学「うん! 面白そう!」

779

***鬼ヶ城山・麓の村***

ベンK「どうかいつまでも、世界が平和でありますように…」

地蔵に祈りを捧げたベンKは、
おもむろに立ち上がると後ろの雑木林を振り返った。

ベンK「そろそろ姿を見せたらどうだ?
 さっきから俺を見張っているのは分かっているぞ」
ガラドー「フフフ…。戦いを捨てたと言っても、
 殺気を感じ取る程度の勘はまだ失ってはいないか。
 いつ気付いてくれるかとこちらもさっきから焦れていたのだがな」

隠れ身の術で姿を消していたガラドーが、
不敵に嘲笑いながらベンKの前に現れた。

ベンK「お前は、ガラドー…!」
ガラドー「久し振りだな、ベンK!
 ネロス帝国の脱走者が、こんな所で長閑にお遍路とはいい気なものだ。
 このガラドーが貴様に死の制裁を下す。覚悟しろ!」

言い放つと同時に手裏剣を投げつけるガラドー。
ベンKは素早く首にかけていた数珠を外し、棒状に変形させて手裏剣を叩き落とす。
だが手裏剣は爆弾になっており、地面に落下しても爆発してダメージを与え、
白い爆煙でベンKの視界を塞いだ。

ガラドー「ハァッ!!」
ベンK「くっ!」

懐から短剣を取り出して跳躍し、飛びかかるガラドー。
ベンKは咄嗟に数珠棒でガラドーの剣撃を受け止める。
だが、素早く逆袈裟に斬り上げられたガラドーの二撃目が、
ベンKの数珠を空高く弾き飛ばした。

ベンK「ぐぉぉ…っ!!」


***鬼ヶ城山・三合目の山林***

学「兄ちゃん、これ何だろう?」

山を探索していた闘破と学は、
途中、点々と地面に付着した緑色の粘液のようなものを発見した。

闘破「何だこれは…?
 ペンキじゃないな…。何かの生き物の体液みたいだ」
学「あっちに続いてるよ」
闘破「よし、行ってみよう!」

生き物が進んだと思われる道を追ってみようと二人が足を踏み出した瞬間、
別の方向から爆発音が聞こえた。

闘破「――!」
学「兄ちゃん、あっちだ!」
闘破「よし、こいつはひとまず後回しだ。行くぞ学!」
学「うん!」

闘破は学を連れて、爆発の音が聞こえた麓へと疾走した。

780

***鬼ヶ城山・麓の村***

ベンK「くっ…!」

ガラドーの予想以上の手強さにベンKは舌を巻いた。
元々、ネロス軍団員時代からベンKより階級が一つ挌上という事もあるが、
それにしても以前より腕を上げている。

ガラドー「思い知ったか!
 貴様が巡礼などという下らん所業に現を抜かしている間にも、
 俺は忍法と西洋のマジックとを融合させ、
 新たな技の開発と訓練に励んでいたのだ!
 今やネロス帝国一の大魔術師でもあるガラドー様の魔術を見よ!」

掌からステッキを取り出し、その先から突風を噴射して攻撃するガラドー。
ダメージを負ったベンKは撤退しようとするが、
豹の如く樹上から飛び下りて来たもう一人の敵がその前に立ちはだかる。

マクンバ「ガルゥゥゥ…! 貴様がベンKか。
 世界忍者・獣忍マクンバとは俺の事よ。命はもらった!」
ベンK「ぬぅっ…!」

弓を構え、ベンKを狙い撃ちするマクンバ。
背負っていた鎌を抜き、飛来する矢をベンKは叩き落とす。

ガラドー「その鎌…。
 この鬼ヶ城山で、ネオショッカー相手に辻斬りをしていたのはやはり貴様か?」
ベンK「辻斬りだと? 俺は知らん!
 俺はただ、神仏に自分の犯した罪を懺悔していただけだ」
ガラドー「そうか…。
 ならば、帝王を裏切った罪も死をもって償うがいい!」

今度はステッキから火炎を発射し、ベンKを苦しめるガラドー。
マクンバも弓を引き絞り、必殺の一矢を放とうと狙いを定める。
そこに闘破と学が駆け付けた。

学「兄ちゃん! あそこ!」
闘破「あれは、マクンバ…!」

かつて敵として戦ったマクンバの姿を見て咄嗟に状況を判断した闘破は、
ベンKを助けるべくジライヤスーツに全身を包んだ!

マクンバ「死ね、ベンK!」
磁雷矢「させるか!!」

マクンバが射た必殺の矢を間一髪、
磁雷矢の投げた手裏剣が叩き落とした。

ガラドー「むっ!?」
マクンバ「き、貴様は!」
磁雷矢「戸隠流正統・磁雷矢!!」

両手の指で印を結び、磁雷矢となった闘破は名乗りを決める。

ベンK「ジライヤ…!?」
マクンバ「現れたな、磁雷矢!」
ガラドー「ほう…。貴様が妖魔一族を滅ぼした戸隠流の磁雷矢か。
 前々から一度戦ってみたいと思っていたところだ。
 我こそはネロス帝国の忍者、ヨロイ軍団爆闘士ガラドー!
 いざ勝負だ!」

ステッキを手品のように消して槍を取り出し、
ガラドーは磁雷矢に挑みかかる。
跳躍して攻撃をかわした磁雷矢はそのままマクンバの方に突進し、
磁光真空剣を抜いてベンKの前からマクンバを薙ぎ払った。

磁雷矢「学、この人を早く!」
学「分かった兄ちゃん!」

駆け寄った学は煙幕を張り、ベンK共々その場から姿を消した。

781

マクンバ「おのれ、逃がしたか!」
ガラドー「やはりやるな。
 マクンバ、お前は手を出すな。磁雷矢は俺が倒す」
磁雷矢「行くぞ、ガラドー!」

磁光真空剣を構え、ガラドーに正面から斬り込む磁雷矢だが、
斬ったと思ったそれは幻影で、背後から奇襲を受けてしまう。

磁雷矢「くっ…!」
ガラドー「どうした?
 鬼忍毒斎をも破ったという戸隠流正統の実力、見せてみろ」

磁雷矢はどうしても戦いに集中し切れずにいた。
周囲に不気味な何かの気配が蠢いているのを感じ、気になっていたのである。

磁雷矢(何だ、この気配は――?
 あの茂みの中で、何者かがこっちを狙っている)
ガラドー(この小僧も感じているな。
 やはりこの山には何かが潜んでいる。
 軍団長のご推察通り、辻斬りの犯人も恐らくベンKではなくこ奴らか――)

それでもガラドーは、目の前の獲物に対する鬼気を緩めず槍先を向ける。

ガラドー「雑念に惑わされているようでは、命はないぞ」
磁雷矢「くっ、磁光真空剣!」

磁雷矢の叫びと共に磁光真空剣にレーザー光が灯る。
分身の術で四体に分かれたガラドーは磁雷矢を取り囲み、
槍を構えて襲いかかろうとする。

磁雷矢「くっ、どれが本物なんだ…!?」

精神統一し、心眼でガラドーの幻術を見破ろうとする磁雷矢だったが…。

ガラドー「覚悟ォッ!!」

磁雷矢が集中を極めるより一瞬早く、ガラドーは先手を取って攻撃した。
疾風のような高速で突進され、咄嗟に剣を振るった磁雷矢だったが
わずかに間に合わず、槍による痛打を胸に受けてしまう。

磁雷矢「うわぁっ!!」

強烈な一撃で吹っ飛ばされた磁雷矢は、
そのまま崖から転落した。

マクンバ「おお、磁雷矢の最期か!」
ガラドー「いや…そこまでの手応えはなかった。
 奴は自ら崖下へ吹っ飛び、姿を眩ましたのだ。
 なかなか油断のならん小僧よ…!」

崖の下を一瞥して、ガラドーはまた疾風の如くその場を去った。

782

○山地闘破→学と共に鬼ヶ城山で山籠もりの修行中。
     ベンKを助けるべくガラドーに戦いを挑むが撃破される。
○山地学→闘破と共に鬼ヶ城山で山籠もりの修行中。
     ガラドーとマクンバに命を狙われていたベンKを助ける。
○ベンK→辻斬りの容疑をかけられガラドーとマクンバに命を狙われるが、
     駆け付けた山地闘破と学に助けられる。
○ヘンリー楽珍→ネオショッカーに捕まり、鬼ヶ城山の基地建設現場で働かされている。
●ガラドー→ベンKを襲撃。磁雷矢と戦って退ける。
●ゴチャック&ゲバローズ→ガラドーの指揮下で、鬼ヶ城山の怪事件を調査する。
●マクンバ→ガラドーの招きで来日。ベンKを襲撃する。

【今回の新規登場】
●爆闘士ゴチャック(超人機メタルダー)
 ネロス帝国・戦闘ロボット軍団爆闘士。
 伝説の戦士ビッグウェインから戦いを学んだ格闘戦タイプのロボットで、
 怪力による絞め技のゴチャックロックを特に得意とする。
 胴体には大砲が内蔵されており、頭を失っても砲撃戦に切り替えて戦い続ける。

●激闘士ゲバローズ(超人機メタルダー)
 ネロス帝国・戦闘ロボット軍団激闘士。
 身軽な動きと高い跳躍力を持ち味とする機動性に優れたロボットで、
 両腕のアタッチメントに各種の武器を換装して戦う。

●獣忍マクンバ(世界忍者戦ジライヤ)
 アフリカのケニアでゲリラを組織している世界忍者。
 日本の貿易商社と結託し、密猟した動物の毛皮などと交換に武器を手に入れている。
 弓矢を武器とし、様々な罠を張り巡らせて戦うのが得意。

○ヘンリー楽珍(世界忍者戦ジライヤ)
 山地家と知り合いのコミカルな占い師。山地恵に一目惚れしている。
 占いが時には事件解決に繋がる事もある。
 実は元忍者で、修行の厳しさに耐えられず逃げ出してきた過去がある。


『咆えよベンK!怪奇と恩讐の辻斬り遍路』-3

作者 凱聖クールギン

783

***鬼ヶ城山・麓の村***

ガラドーの攻撃を辛くも逃れて下山した闘破は、
愛車ブラックセイバーの無線機で武神館の山地哲山に連絡を取っていた。

哲山「何、爆闘士ガラドー!?」
闘破「ああ、奴は確かにそう名乗った。
 親父、ガラドーとは何者なんだ?
 あいつも世界忍者の一人なのか」
哲山「ガラドーは、悪の秘密結社ネロス帝国に仕えている忍者だ。
 お前が妖魔一族と戦い始める少し前、
 古賀博士が開発した超人機との戦いで死んだと聞いていたが…。
 世界各地で発生している黄泉還り現象のためか、奴も生き返っていたのだな」
闘破「ネロス帝国…、超人機…」
哲山「闘破。ガラドーはお前がこれまで戦ってきた幾多の世界忍者にも
 決して引けを取らない強敵だ。
 それに、奴の背後には巨大なネロス帝国がある。
 ガラドーと戦うとなれば、同時にその仲間であるネロスの強化人間やロボット、
 バイオモンスターの軍団をも相手にせねばならん。
 厳しい戦いになるぞ。心してかかれ!」
闘破「分かった。任せてくれ親父!」


***戸隠流道場・武神館***

哲山「ガラドーに、ネロス帝国か…。
 闘破にとってはまた大きな試練となりそうな敵だな」

受話器を置いた哲山は深く溜息をついた。
その横では、娘の恵が心配そうに哲山を見詰めている。

恵「闘破は大丈夫なの? お父さん」
哲山「厳しい戦いになるのは間違いないだろうが、
 これまでも闘破はそうした壁をいくつも乗り越えて来たんだ。
 きっと大丈夫だろう」
恵「でも、磁光真空剣はパコや磁雷神と一緒に宇宙へ旅立っちゃったし、
 今の闘破が持ってるのはスミス博士が造ったコピーの剣よ。
 本物の磁光真空剣と、同じ力が出せるかどうか…」
哲山「スミス博士の力を信じなさい、恵。
 彼はアメリカでも並ぶ者のない当代一流の科学者だ。
 それに、勝負を本当の意味で分けるのは武器の性能などではない。
 恵、それは何だか分かるか?」
恵「はい。磨き抜かれた技と……そして、心」
哲山「そうだ。
 妖魔頭領・毒斎を倒したのは磁光真空剣ではなく、
 私があの場で与えたごく普通の刀だった事を忘れてはならん。
 今の闘破は、まだまだ上を目指さなければならないとは言え、
 敵に勝ち己に克つための技と心を以前よりずっと高いレベルで備えている。
 闘破を信じてやりなさい」
恵「はい…!」

784

***鬼ヶ城山・三合目の洞窟***

通信を切ってブラックセイバーを降りた闘破は、
学がベンKを匿っている山の斜面の洞窟に入った。

闘破「傷は痛むか、ベンK」
ベンK「いや…。
 この少年が手当てしてくれたお陰で大丈夫だ。ありがとう」
学「腕に火傷をしてたから、薬草を塗っておいたんだ」
闘破「そうか。よくやったな、学」

ちょっと得意気に胸を張りながら
摘んできたツワブキの花を見せた学を闘破は褒める。

闘破「獣忍マクンバが、爆闘士ガラドーと手を組んだ…。
 奴らは君の命を狙っているのか」
ベンK「元々、俺はネロス帝国の脱走者だ。
 今は帝国を抜け、これまでの非道を悔いて巡礼の旅に出ていたが…
 どういう訳か、この辺りで俺が辻斬りをしていると奴らは誤解しているらしい」
闘破「辻斬り?」
ベンK「俺が今更、そんな無意味な殺生をするはずがない…。
 それより、ガラドーの話によれば、
 この山にはネオショッカーが乗り込んでいるらしい。
 奴らが辻斬りに怒ったのも、ネオショッカーに被害が出ているからだ」
学「そう言えば、新聞に載ってたぞ。
 最近、鬼ヶ城山で登山していた人達が大勢いなくなってるって」
ベンK「ただの遭難ではないな…。
 その人達は、ネオショッカーが誘拐したのかも知れない」
闘破「奴らがそんな悪さをしているのなら、
 俺は見過ごす訳には行かない。
 攫われた人達を助けるために戦わなければ」
ベンK「よし、ならば俺も助太刀するぞ」
学「傷はもう大丈夫?」
ベンK「ああ、お陰様でな」
闘破「しっ…! 誰か来た」

洞窟の外から足音が聞こえる。
三人が耳を澄ますと、アリコマンド達の話し声も聞こえてきた。

アリコマンドA「ケィー! これは、血の跡だ」
アリコマンドB「この洞窟に誰か隠れているぞ」

学「まずいよ兄ちゃん」
闘破「ああ。勘付かれたみたいだな」

闘破と学は胸元から手裏剣をそっと出し、身構える。
だが次の瞬間…。

アリコマンドA・B「ヒ、ヒィーッ!」

甲高いアリコマンドの悲鳴が洞窟に響き、すぐに静かになった。

闘破「これは…!」

闘破が外に出てみると、二体のアリコマンドが胴体を切り裂かれ、
無惨な屍と化して洞窟の入口で斃れていた。
愕然とした闘破が顔を上げたその時――。

…ガサガサ…

闘破「っ!?」

茂みの中で何かが動いた。
咄嗟に振り向く闘破だが、その“何か”は姿を見せないまま、
すぐに茂みの奥へと消えてしまう。

学「またマクンバ!?」
ベンK「それともガラドーか!?」
闘破「いや、違う…。
 だが、今のがきっと辻斬り犯の正体だ。
 この山に、何かがいる…!」

785

***鬼ヶ城山・麓の村***

舞「あら? これ何かしら?」

カメラを片手に鬼ヶ城山の一帯を撮影して歩いていた仰木舞は、
一本の楠の枝に引っかかっている数珠を発見した。

八荒「ん? 何だこりゃ?」
流星「これは…」

剣流星の電子頭脳が、以前インプットされた数珠の記憶を検索して呼び出す。
流星は確かに、この数珠に見覚えがあった。

流星「ベンK…! この数珠はベンKのものだ!」
舞「ベンKって、あの海猫村の人に供養されているベンKさん?」
八荒「俺達は後からお墓参りしただけで、直接会った事はないんだよな」
流星「ああ。彼はきっとこの近くにいる」

その時――。
舞の顔の近くを一羽の大きな蛾が掠めるように飛んで行った。

舞「きゃっ!?」
流星「危ない! こいつはただの蛾じゃない!」

楠に止まった蛾は光に包まれ、怪人ドクガンバの姿に変貌する。

ドクガンバ「ブルゥゥゥ…! よく見破ったな。
 何者かは知らんが、我らネオショッカーの縄張りに足を踏み入れた者を
 生きて返す訳には行かん!」
八荒「ネ、ネオショッカー…!?」
ドクガンバ「貴様らも基地建設の奴隷として
 ネオショッカーの栄光のために死ぬまで奉仕するがいい。
 引っ捕らえろ!」
アリコマンド「ケィー!!」

ドクガンバ配下のアリコマンド達が投げた鎖によって、
流星、舞、八荒の三人はまとめて縛り上げられてしまう。

八荒「痛ててててっ! この! 放せ!」
舞「流星さん!」
流星「――怒る!!」

剣流星の体内に秘められた全エネルギーが
感情の高まりと共に頂点に達した時、
彼は、超人機メタルダーに瞬転する!

786

メタルダー「ヤアッ!!」

瞬転したメタルダーは全身に力を込め、
三人を一まとめに拘束していた特殊合金の鎖を引き千切った。

ドクガンバ「おのれ、ただの人間ではなかったか!」
 者ども、やれぃ!」
アリコマンド「ケェーィ!!」

ドクガンバの命令で次々と襲いかかるアリコマンドの群れを、
メタルダーはパンチとキックで薙ぎ倒す。

ドクガンバ「わしが相手だ。死ね!」
メタルダー「行くぞ!」

果敢にドクガンバに突進するメタルダーだったが、
ドクガンバは口からドクガ鱗粉を吐き、メタルダーに噴きつける。

メタルダー「ぐぁぁっ!」
ドクガンバ「ブルゥゥゥ!
 どうだ? わしのドクガ鱗粉の浴び心地は」

人間を恐ろしい病気に感染させるドクガ鱗粉は、
メタルダーの体内にも侵入して内部のメカニックを破壊する。
全身に痺れるような激痛を感じてメタルダーは苦しんだ。

ドクガンバ「苦しめ! 苦しめ!
 もがき苦しんであの世へ逝くがいい!」

その時、一発の銃弾が勝ち誇るドクガンバの胸に炸裂した!
ドクガンバとメタルダーが振り返った先には、
ライフルを構えた黒いガンマンロボットの姿が…。

メタルダー「トップガンダー!」
トップガンダー「……」

銃口をドクガンバに向けたまま、トップガンダーはメタルダーの元へ駆け寄る。

トップガンダー「大丈夫か、メタルダー」
メタルダー「ああ、ありがとう」
ドクガンバ「ぬう~! 仲間が現れおったか」

鎖についた鉄球を振り回し、怒りに燃えて迫るドクガンバ。
唸りを上げて回転する鉄球は容易に敵を近づけない。
だがトップガンダーは冷静に、
鉄球を繋いでいる鎖をライフルの精密射撃で撃ち抜いた。

メタルダー「今だ! Gキック!!」

勢いよく真上に放り投げられた鉄球を、
強烈な飛び蹴りでドクガンバに叩きつけるメタルダー。

ドクガンバ「ぎゃぁ~っ!!
 …おのれ~! 覚えていろ!」

形勢不利と見たドクガンバは蛾の姿になって飛んで逃げたが、
トップガンダーはまたしても冷徹なまでの射撃を放ち、蛾を撃墜する。

ドクガンバ「ぐわぁぁ~っ!!」

蛾はドクガンバの姿に戻り、地上をのたうち回って爆死した。
戦い終えたメタルダーは、楠の枝に掛かっていたベンKの数珠を手に取る。

トップガンダー「この辺り一帯はネオショッカーの縄張りのようだな。
 黒蟻のような戦闘員が引っ切りなしに山中をうろついている」
メタルダー「この数珠をここに落としたという事は…。
 ベンKの身に何かあったのかも知れない」
トップガンダー「行くのか? 
 この山に屯している怪人は一匹や二匹じゃないぞ」
メタルダー「それでも、ベンKは僕の大切な友だ」

顔を見合わせ、深く頷き合うメタルダーとトップガンダー。
今やネオショッカーの牙城と化した鬼ヶ城山に、二人は乗り込む事にした。


787

***鬼ヶ城山・山頂***

タガメラス「働け奴隷ども!
 休むな! へばるな! ガッツだ!!」
ヘンリー楽珍「ひ~っ! もう堪忍してくれ~!」

工事現場の区画を拡張するため、
ヘンリー楽珍は斧を片手に休みなしで山林の伐採をさせられていた。

楽珍「ふう~っ。誰も見てないな? よし、休憩、休憩っと」

切り株の上に腰を下ろした楽珍を、藪の中から覗き見る者が三人。

磁雷矢「あれは…」
学「ヘンリー楽珍さんだ!」
ベンK「知り合いか、磁雷矢」
磁雷矢「ああ。彼もネオショッカーに捕まっていたんだな。助けないと」
ベンK「待て。誰か来るぞ」

藪から飛び出そうとした磁雷矢は、ベンKに肩を掴まれて止められた。

アリコマンド「ケィーッ! こら、貴様!
 何を勝手に休んでいる!」
楽珍「ひっ! ごめんなさいっ!」
アリコマンド「怠け者は処刑する!」
楽珍「そ、そんな~!」

その時、藪の中から突き出された凶器がアリコマンドの背中を一撃!
悲鳴を上げてそのアリコマンドは死亡した。

楽珍「ひえ~っ! な、何じゃ今のは」

腰を抜かしそうになっている楽珍は、後ろから肩を叩かれて飛び上がった。

楽珍「ひえっ! またごめんなさいっ!」
磁雷矢「俺だよ、楽珍さん」
楽珍「あ、磁雷矢!」
ベンK「あなた達を助けに来た。もう大丈夫だ」
楽珍「良かった~!
 アリコマンドを倒した今の一撃、さすが戸隠流の跡取り息子!」
磁雷矢「いや、今のは俺じゃない。
 森の中から、何者かがアリコマンドを襲ったんだ」
ベンK「ガラドーが言っていた辻斬りとは、この事だったのだな。
 不気味な殺し屋がこの森に潜んでいる」
楽珍「怖いな~。
 あ、そう言えば、恵ちゃんは?
 恵ちゃんは一緒に来てないの?」
学「姉ちゃんは来てないよ。俺と兄ちゃんだけさ」
楽珍「何じゃい。つまらんな~」
学「何だよそれ~。せっかく助けに来てやったのにさあ」
磁雷矢「しっ! 二人とも静かに」

まずは楽珍をどこかへ逃がそうと周囲を見回した磁雷矢だったが、
運悪くそこへやって来たアリコマンドに見つかってしまった。

アリコマンド「ケィーッ! 曲者!!」
磁雷矢「しまった! 見つかった!」
ヒルビラン「ビラビラビラ~!
 遂に姿を見せたなベンK!」
タガメラス「辻斬りでネオショッカーのシマを荒らし回った報い、
 たっぷりと受けさせてくれるわ!」
ベンK「相変わらず身に覚えのない話だが…。
 今はそんな事を論じ合っても仕方がないか」
磁雷矢「ああ。戦うしかなさそうだな。
 学と楽珍さんは、今の内に捕まった人達を逃がしてくれ。
 行くぞベンK!」
ベンK「おう!」

磁光真空剣を力強く抜く磁雷矢。ゆったりと鎌を構えるベンK。
鬼ヶ城山の山頂で今、決戦が開始された。

788

○山地闘破→武神館の哲山と連絡を取り、ベンKと共にネオショッカー基地へ乗り込む。
○山地学→ベンKを薬草で手当てする。
○山地哲山→鬼ヶ城山の闘破と連絡を取り、ガラドーについて教える。
○ベンK→磁雷矢と共にネオショッカー基地へ乗り込む。
○メタルダー→ドクガンバと戦い、トップガンダーに危機を救われる。
○トップガンダー→ドクガンバと戦っていたメタルダーを助ける。
○ヘンリー楽珍→磁雷矢に助けられる。
○仰木舞&北八荒→ベンKが落とした数珠を発見する。
●ドクガンバ→メタルダーを襲うが、トップガンダーに邪魔され敗退。 


『咆えよベンK!怪奇と恩讐の辻斬り遍路』-4

作者 凱聖クールギン

789

***鬼ヶ城山・四合目***

その頃…。
ガラドーとは別行動で、ゴチャックとゲバローズは
鬼ヶ城山で続発している謎の殺人事件の捜査をしていた。

ゲバローズ「何かが聞こえる…」

ゲバローズのマルチイヤーが謎の重低音を感知した。
ゴチャックも聴覚を澄ますと、確かに風の吹き荒ぶような不気味な音が聞こえる。

ゴチャック「向こうからだな。行ってみよう」
ゲバローズ「よし」

音の発信源を探知して向かった二体の戦闘ロボットは、
切り立った崖の下に開いた大きな洞窟に行き着いた。
そこへ、磁雷矢との戦いを終えたガラドーが合流する。

ガラドー「どうした? 何かあったのか」
ゴチャック「この洞窟の奥から、何か妙な音が聞こえるのだ」
ガラドー「ふうむ…?
 確かに、何か聞こえるな。風が吹き抜ける音とは少し違うようだ」
ゲバローズ「入って、調べてみましょう」

ガラドー、ゴチャック、ゲバローズは洞窟の中へ入って行った。
洞窟の奥は広い空間になっていて地下水脈が流れている。
そこで彼らが見たものは…。

ゴチャック「こ、これは…」
ゲバローズ「怪獣…!」

身長40mはあろうかという巨大な怪獣が、
洞窟内の地底湖に半身を沈めて眠っていたのである。
その全身を見渡して一同は息を呑んだ。
岩肌のような黒みがかったゴツゴツとした皮膚、
尻尾まで何枚も連なった大きな背鰭、前脚が太く発達した二足歩行の体型…。

ゴチャック「ゴジラ…!?」
ゲバローズ「大戸島から姿を消したゴジラが、
 もうこんな所に来ていたとは…!」
ガラドー「いや、よく見ろ。
 首の周りに、ゴジラにはない大きな襟巻がある。
 あれはジラースだ」
ゴチャック「ジラース!?」
ガラドー「うむ。以前、英国のネス湖で発見され
 日本人の科学者が幼体を北山湖へ持ち帰ったという話なら聞いた事があるが…。
 別の個体がこのような場所に生息していたとはな」
ゲバローズ「こいつは、ゴジラとは別種の怪獣なのですか?」
ガラドー「ゴジラザウルスの亜種という説もあるようだが、
 俺も怪獣生物学については素人なのでな。
 いずれにせよ、ゴジラに近い特徴のある怪獣なのは間違いない」
ゴチャック「それより問題は、このジラースをどうするかだ。
 今は眠っているようだが…」
ゲバローズ「もし目覚めて暴れ出したら大変だ。
 山頂のネオショッカー基地も破壊されかねない」
ゴチャック「眠っている内に攻撃して倒してしまえばいい。
 ネオショッカーには、街一つを蒸発させる威力のバリチウム弾がある」
ゲバローズ「しかし、もしそれさえも効かなかったら…?」
ガラドー「フム…。まず、今は取りあえずこのままにして、
 我々は本来の任務遂行に戻ろう。
 一連の辻斬り事件とこの怪獣は、恐らく直接の関連性はあるまい。
 とすれば、これは我々ではなく、この山で活動するネオショッカーの問題だ。
 軍団長には念のため、俺が報告しておく」

ジラース「グゥゥゥゥ…。zzzzz…」

地底湖の湖水に浸かり、時折いびきのような吐息を洞窟内に響かせながら
眠り続けるジラースをその場に残し、一行は踵を返した。

ガラドー「山頂の方が騒がしい…。
 さては磁雷矢め、再び動き出しおったな…!」

790

***鬼ヶ城山・山頂***

磁雷矢「磁光真空剣・三人斬り!」
アリコマンド「ケェーィ!!」

アリコマンド達を次々と撃破してゆく磁雷矢とベンK。
戦闘員の群れが薙ぎ倒されてしまうと、
ヒルビランは磁雷矢に、タガメラスはベンKに挑む。
そこへ騒ぎを聞きつけ、ガラドー、ゴチャック、ゲバローズが現れた。

ガラドー「やはり生きていたか磁雷矢。
 今度こそ息の根を止めてやる!」
ゴチャック「ベンK、この裏切り者!」
ゲバローズ「覚悟ッ!」

ガラドーは磁雷矢を、二体の戦闘ロボットはベンKを獲物に定め参戦した。
跳躍し、空中で激しく斬り結ぶ磁雷矢とガラドー。

ヒルビラン「隙あり!」
磁雷矢「うわっ!」

ダメージを受けて着地した磁雷矢を、ヒルビランの両肩のバズーカが狙撃する。
大きく吹き飛ばされる磁雷矢。

ゴチャック「ゴチャックロック~!」

一方、鎌を振り回し、ゲバローズとタガメラスを相手に
熾烈な斬り合いを演じていたベンKだったが、
一瞬の隙を突かれてゴチャックに組み付かれ、怪力で締め上げられる。

ベンK「ぐおおおおっ…!」
ゲバローズ「最期だなベンK。観念しろ」

腕のナイフをベンKに向け、にじり寄るゲバローズ。
ゲバローズがベンKの喉を狙って凶刃を突き出したその時、
飛んで来た数珠棒がゲバローズの剣を叩き折った!

ゲバローズ「うあっ!? こ、これは…」
ガラドー「!? メタルダー!」

数珠棒を投げたのは、駆けつけたメタルダーだった。
その隣にはライフルを構えたトップガンダーの姿もある。

ベンK「メタルダー!」
メタルダー「大丈夫か!? ベンK」

すかさずベンKは数珠棒を拾い、駆け寄って来た二人と合流する。

磁雷矢「君が、超人機メタルダー!?」
メタルダー「そうだ。…君は?」
磁雷矢「俺は戸隠流正統・磁雷矢だ。よろしく!」
メタルダー「ああ。こちらこそ!」

ベンK「トップガンダー…。
 お前もネロス帝国を抜け、メタルダーの仲間になったとは聞いていたが」
トップガンダー「ああ。奇縁だな。
 こうして二人で、今度はネロス帝国を敵として戦う事になるとは」

磁雷矢とメタルダー、ベンKとトップガンダーは、
互いにがっちりと握手を交わした。

791

ガラドー「おのれ! 皆殺しにしろ!」
ゴチャック「トップガンダー、覚悟!」

再び乱戦の火蓋が切られた。
磁雷矢は再度ガラドーに挑み、メタルダーはネオショッカー怪人達と、
ベンKはネロスの戦闘ロボット軍団達と戦う。
トップガンダーは獣忍マクンバと視線が重なって
そのまま一対一の睨み合いとなる。

マクンバ「ガルゥゥゥ…! 
 ハンティングで俺様に敵う奴はいないぜ」
トップガンダー「逃げるばかりの獣を射るのと
 ガンファイトは訳が違うぞ」

弓を引くマクンバ。一方トップガンダーはライフルを片手に提げたまま、
悠然と仁王立ちして殺気を見せない。
ふざけた野郎だ…と、マクンバは内心怒り、そして嘲笑った。
一見隙だらけなトップガンダーに、
勝利を確信したマクンバが矢を放とうとしたその瞬間、
トップガンダーは驚くべき早さでライフルを構え、光弾を射撃!
マクンバの手を撃って弓を取り落とさせた。

マクンバ「ギャァッ!?」
トップガンダー「……」
マクンバ「おのれ、覚えていろ!」

腕をやられたマクンバは勝ち目なしと判断し、
ここで死んでは元も子もないと森の中へ飛び去ってしまった。

一方、メタルダーはヒルビランに苦戦していた。

ヒルビラン「ヒル爆弾だ。喰らえ!」
メタルダー「うわっ!」

ヒルビランの投げたヒル爆弾が爆発し、メタルダーにダメージを与える。
更にヒルはメタルダーの体に付着し、溶解液をにじませてボディを焼いた。

メタルダー「ぐっ…! うあっ…!」
ヒルビラン「どうだ。ヒル毒液に全身を溶かされて死ぬがいい!」
磁雷矢「…! メタルダー!」

ガラドーと激しく斬り合っていた磁雷矢がメタルダーのピンチに気付き、
手裏剣を投げてメタルダーに付着したヒルを叩き落とした。

ヒルビラン「ぬ、しまった!」
メタルダー「よし…。行くぞ!」

超重力エネルギー全開!
跳躍したメタルダーは高速回転し、ヒルビランにスピンパンチを浴びせた。

メタルダー「メタルボンバー!!」
ヒルビラン「ぐわぁぁっ!!」

大きく吹っ飛ばされ、ヒルビランは爆死した。

792

ガラドー「おのれ磁雷矢!
 最強の忍者の名にかけて、今度こそ貴様を地獄へ送ってやる!」
磁雷矢「そう簡単には行かないぜ、ガラドー!」

木々の間を飛び交い、激しく斬り合う磁雷矢とガラドー。
息もつかせぬ激戦の中、やはり先程の戦いの時と同じ謎の気配が
森の中に蠢いているのを両者は感じていた。

ガラドー(何奴が森に隠れているのだ…?
 それも一人ではない。二、三、四、五……! 
 か、数え切れんほどいるぞ!?)
磁雷矢(何なんだ、こいつらは…?
 だが、ガラドーにまた同じ不覚を取るわけには行かない。
 今は目の前の敵に精神を集中するんだ…!)

地面に着地し、剣を下ろした姿勢で仁王立ちしたまま
磁雷矢は目を閉じてそのまま微動だにしなくなった。
静寂が森を支配し、一陣の風が吹いて地面の枯れ葉を巻き上げる。
ガラドーの気配は消えていた。
ただ茂みの中で不気味に動く複数の影が
神経を研ぎ澄ました磁雷矢の五感に捉えられる。

磁雷矢(違う…こいつらじゃない。
 今、俺が捉えるべき相手は―――)

雑音を締め出し、必死に五感のセンサーで敵の気を捜す磁雷矢。
ガラドーは必ず、磁雷矢の隙を狙って茂みから飛び出し襲いかかって来る。
それを一瞬で捉え、仕留めなければならない。
磁雷矢は極限まで集中力を高めた。
そして――。

磁雷矢「そこだぁっ!!」
ガラドー「…何ィ!?」

音もなく茂みを潜り抜け、疾風の如く磁雷矢の背後を急襲したガラドー。
だが、磁雷矢はこれを見切り、
素早く振り向いて必殺剣の一撃を放った。

磁雷矢「磁光真空剣・横一閃!!」
ガラドー「グァァ~ッ!」

横薙ぎの一撃が突進してきたガラドーを斬り払う。
ガラドーは吹っ飛び、全身に青い電光を迸らせながらもがいた。

ガラドー「お…おのれ磁雷矢…! 
 次こそは貴様の命、この忍びのガラドーが貰い受ける!」

煙幕を張り、ガラドーは姿を消した。

ゴチャック「やむを得ん。撤退だ!」
ゲバローズ「ちっ! 了解!」

主将格のガラドーが退いたのを見て、
ゴチャックとゲバローズも戦いを切り上げ退却する。

タガメラス「こ、こら!
 ネロスの奴らめ、勝手に逃げる気か!?」

味方が全て戦死もしくは敗退し、
一人残されてしまったタガメラスは戸惑う。

ベンK「うりゃあっ!」

そこへベンKの鎌が唸りを上げた。
胴を逆袈裟に斬り裂かれ、負傷したタガメラスは戦意喪失。
もはやこれまでと、小さなタガメの姿になって逃げ出した。

トップガンダー「逃がすものか」

ライフルを担いだトップガンダーを先頭に、
一同は飛び去ったタガメラスを追った。

793

***鬼ヶ城山・九合目***

タガメラスは、山の反対側にある洞窟へ逃げ込み、
そこで怪人の姿に戻った。

タガメラス「お、おのれ…!
 魔神提督に報告して、奴らを倒す怪人軍団を増援してもらわねば…。
 そうだ…そうすれば奴らなど…」

ふと何かの気配を感じて、タガメラスは振り向いた。
洞窟は地下水脈に繋がっているらしく、水の流れる音が聞こえる。
そしてその音に混じって、ガサガサと何かが地面を這う音が…。

タガメラス「ギャァァ――ッ!!」

襲ってきた者の姿を見た時には、
タガメラスは既に凶器で体を切り裂かれていた。

一方――。
戦場から避難していた学と楽珍とも合流して、
磁雷矢、メタルダー、トップガンダー、ベンKの四人はタガメラスの行方を追っていた。
地面に点々とついた血が、洞窟の中へ続いている。

磁雷矢「あの怪人は、この洞窟の中だ」
メタルダー「よし、乗り込もう」
トップガンダー「待て、何かいるぞ!」

咄嗟にメタルダーの肩を掴んで制止するトップガンダー。
洞窟の中に、タガメラスとは別の、もっと巨大な何かがいる。
あの謎の気配だ…と磁雷矢は直感した。
メタルダーはマルチアイで洞窟の暗闇の中をサーチする。

メタルダー「…怪物だ!」
ベンK「何、怪物!?」

タガメラスより何倍も大きな、奇怪な虫のような生物の姿をメタルダーは透視した。
洞窟からその怪物が這い出て来ようとしているのを感じて、
皆が一歩引き下がる。
トップガンダーがライフルを構え、素早く弾丸を洞窟の中へ発射した。
ビーム弾が闇の中で炸裂して火花を上げ、
持ち主の腕を離れた巨大な鋏が洞窟の外へと転がり落ちる。

学「わっ!?」
楽珍「ひゃあっ!? 何ぞこれ」

キュキュキュキュキュキュ……

甲高い不気味な鳴き声が洞窟の中から聞こえる。
すかさず磁雷矢は手裏剣を投げ、トップガンダーは二発目の弾丸を撃った。
再び起こる爆発。
白煙を上げながら、洞窟から体長5mを超えるヤゴのような怪虫が這い出す。

メガヌロン「キュキュキュキュキュ……」

片腕の鋏を失いながらも、もう一つの鋏で獲物を狩ろうと
古代昆虫メガヌロンは大きな二つの複眼で一同を睥睨し、
六本の脚でゆっくりと前進し迫って来る。
タガメラスの血だろうか。突き出された鋏には、
緑色の粘液のようなものがどろりと付着している。
それを見て一同は慄いた。

磁雷矢「磁光真空剣・斜め両断!!」

素早く跳んだ磁雷矢が磁光真空剣の一撃でもう一本の鋏を切断する。
異様な鳴き声を発してメガヌロンは呻いた。

メタルダー「レーザーアーム!!」

エネルギーを込めたメタルダーの手刀がメガヌロンの頭部に炸裂。
巨大な体を痺れさせ、メガヌロンはそのままうつ伏せに沈み息絶えた。

学「びっくりしたなあ。こんな怪物がこの山にいたなんて」
磁雷矢「俺がさっきから気になっていたのは、きっとこいつだ。
 この一匹だけじゃない。
 茂みの中を、あちこち群れで這い回ってるぜ」
トップガンダー「この山のどこかに巣があるのかも知れん。
 ネオショッカーの膝元で、人知れず繁殖していたというわけだ」
ベンK「ネオショッカー基地を襲っていた辻斬りの正体はこいつだったのだな。
 この鋭い鋏で、大勢の人や戦闘員を殺めたに違いない」
メタルダー「だとしたら、この山は危険だ。
 麓にいる舞さんや八荒に、早く知らせて避難させないと」

勝利の余韻、出会いや再会の喜びに浸る暇もなく、
一同は足早に山を下りたのだった。

795

***鬼ヶ城山・三合目***

磁光真空剣の一太刀を浴びて傷を負ったガラドーは、
ゴチャックとゲバローズに肩を担がれながら重い足取りで山を下っていた。

ガラドー「おのれ磁雷矢…。
 この借りはいつか必ず返してやるぞ」
ゲバローズ「そう煮えくり返るな、ガラドー」
ゴチャック「ベンKの抹殺が果たせなかったのは無念だが、
 まだ我らには辻斬り事件の捜査という任務が残っている。
 傷つけられた忍者の誇りも分からんではないが、
 今は余計なものに気を取られていては駄目だ」

その時、ゲバローズの足が何かどろりとしたものを踏みつけた。
緑色の血のような液体が土の上に点々と落ちている。

ゲバローズ「ん? これは…」
ゴチャック「何者かの血だろうか」
ガラドー「向こうへ続いているな。行ってみよう」

液体は洞窟の中まで続いていた。
先程のジラースのいた洞窟と繋がっているのだろうか。
やはり同じように地下水が小川のようになって洞窟内を流れている。
そしてその流れの先に、腐りかけた怪生物の死骸が横たわっていたのである。

ゴチャック「これは…」
ガラドー「メガニューラ…。
 そうか、こいつが全ての元凶だったのか」

メガヌロンの成体・メガニューラ。
およそ2億年前、古生代の地球に生息していた、
翼長5mもあるトンボのような怪物である。
傷ついたメガニューラはこの洞窟の水脈に尻尾を沈めたまま、
力尽きて死んだようであった。

ガラドー「そう言えば、軍団長が言っておられたな…。
 一週間前、この鬼ヶ城山の近くで時空クレバスが発生していたと」
ゲバローズ「その時空クレバスを通って、
 この数億年前の昆虫が現代に迷い込んだ…?」
ゴチャック「そういう事だろうな。
 向こうで天敵に襲われでもしたのか、この時代に辿り着いた時には
 このメガニューラはまさに虫の息だった。
 だが最後の力を振り絞り、水のある場所を見つけて卵を生んだのだ。
 その卵が孵化し、幼虫が地下水脈を通って山全体に広がった…」
ガラドー「これで謎が解けたな。
 山の中で猛威を振るっている辻斬り犯の正体は、
 こいつが生み落としたメガヌロン達だったのだ。
 軍団長のご推察通り、時空クレバスの発生が全ての発端だったのだな」

そこへ逃亡していた獣忍マクンバが、
巨大なメガヌロンの死骸を引きずって現れた。

ガラドー「おお、マクンバ!」
ゲバローズ「その獲物は?」
マクンバ「この山で俺を襲って来たのを逆に狩ってやったのだ。
 見た事もない虫の化け物だ…。
 こいつがお前達の言っていた、辻斬り野郎の正体じゃないのか?」
ゴチャック「今、その話をしていたところだ。
 そいつはこのメガニューラの卵から還った
 古代の昆虫怪獣メガヌロンだ」
マクンバ「こんな獲物は初めてだな…。
 だがワニのように皮が何かに使えそうでもない。こいつは売れんな」
ガラドー「馬鹿を言うな。
 遥か太古に滅びた、今は化石しかない絶滅種だぞ?
 どこの研究所でも破格の大枚を叩いて買いたがるだろうさ。
 この一体はゴーストバンクに回収させてもらうが、
 他にも仲間がこの山に群れをなしてあふれている。
 ワニ皮どころではない、とんだ金脈を見つけたなマクンバ」

事件の真相を突き止め任務を果たしたガラドーは、
メガニューラとメガヌロンの死骸を回収しゴーストバンクへと帰還した。

796

○磁雷矢→メタルダーと出会う。
 ガラドーと再戦して勝利し、メガヌロンを退治。
○メタルダー→磁雷矢と出会い、ベンKと再会。
 ヒルビランをメタルボンバーで倒し、メガヌロンを退治。
○ベンK→メタルダーと再会。タガメラスを撃破する。
○トップガンダー→獣忍マクンバをガンファイトで破る。
●ガラドー→鬼ヶ城山の洞窟で眠るジラースを発見。
 磁雷矢と再戦して敗れるが、辻斬り犯の正体を突き止め、
 メガヌロンとメガニューラの死骸を回収して撤退する。
●ゴチャック&ゲバローズ→鬼ヶ城山の洞窟で眠るジラースを発見。
 ベンKやメタルダーと戦い敗退するが、辻斬り犯の正体を突き止め、
 メガヌロンとメガニューラの死骸を回収して撤退する。
●ヒルビラン→メタルダーと戦い爆死。
●タガメラス→ベンKに深手を負わされて洞窟へ逃げ込むが、
 そこにいたメガヌロンに襲われて死亡。
●獣忍マクンバ→トップガンダーに敗北。
 森の中でメガヌロンを返り討ちにして狩り、売ろうとする。
●メガヌロン→鬼ヶ城山で密かに多数の卵が孵化し繁殖。
 ネオショッカー基地の付近で人間を襲っていた。
 一体はメタルダーらに、もう一体はマクンバに倒され、
 ガラドーによって死骸をゴーストバンクへ回収される。
●メガニューラ→時空クレバスを抜けて2億年前から現代へ飛来。
 鬼ヶ城山の地下水脈に卵を生みつけ、力尽きて死亡していた。

【今回の新規登場】
●襟巻恐竜ジラース(ウルトラマン)
 ネス湖にいた恐竜の生き残りが変異した怪獣。
 密かに日本へ運び込まれ、北山湖で飼育されているうちに体質が変化して怪獣になった。
 巨大な襟巻を持ち、口からは青白い熱線を吐く。
 ゴジラに酷似した姿をしており、一部には亜種説も存在する。

●古代昆虫メガヌロン(空の大怪獣ラドン/ゴジラ×メガギラス G消滅作戦)
 古生代に生息していたメガニューラの幼虫。
 特徴はヤゴに近いが、六本の脚と二本の鋏という、
 普通の昆虫にはない特殊な体型をしている。
 水場を好むが陸での活動も可能。巨大な鋏を武器として敵を斬殺する。
 同時代に生息していた怪獣ラドンの好物でもある。

●古代昆虫メガニューラ(ゴジラ×メガギラス G消滅作戦)
 古生代に生息していたメガヌロンの成虫。
 巨大なトンボのような姿をしており、群れで行動する。
 尻尾の針を刺して獲物からエネルギーを吸い取る。