『吹き飛ばせ!怨念の炎』-2

作者 ボー・ガルダン

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***福岡県・三井三池炭鉱跡***

イーグル九州支部およびWジーグと邪魔大王国との戦いのに乱入した、
不知火一族の怪ロボット。自らの五倍近くの大きさの相手にも臆する事無く、
Wジーグは挑みかかる。

宙「ダイナマイトキィーック!!!」
ジャイロゲス「マ"ッシ!」

持ち前の跳躍力でジャイロゲスの懐に入り込み、機先を制しようとする
初代ジーグだったが、ジャイロゲスがその巨体に似合わぬ俊敏な動きから、
強烈な回し蹴りを放ち、リーチで劣るジーグが逆にそれを横腹に受け、
吹き飛ばされてしまう。続けざまに振り下ろされるジャイロゲスの手刀を
すかさず両腕を交差させ防ぐが、金属の断割れる音とともに、
アームパーツが手首と肘の半ばから真っ二つになってしまう。

宙「ぐおっ!図体の割にはいい動きするじゃねえか…。ミッチー予備のジーグパーツを出してくれ!」
美和「宙さんっ!至急、アームパーツシュートッ!!!」
順五郎「こちらも行くぞ!ショルダーブーメラン発射!」

予備のパーツに換装しようとするジーグに向け、ジャイロゲスが肩の三日月形の突起を投げつける。
ジーグは、両腕を装着すると間一髪、側転してそれを交わすが、不規則な軌道を描き、
さらに肩に戻ったブーメランを矢継ぎ早に投げつけるジャイロゲスになかなか、反撃の糸口を見出せない。

つばき「あのロボット、まるで全身刃物だわ!」
美和「おそらく、ハニワ幻人とは違う特殊な鋼鉄で作られているはず…。すぐに解析しなければ!」
宙「糞ッ…こうも一方的にやられるとはな…。世紀のマグネロボの名折れだぜ!」
順五郎「お喋りの余裕などあるのかな?いつまでよけきれるか…。ジャイロゲス、そのまま攻め立てるのだ!」

600

蘭子「待て、これ以上貴様の好きにはさせん!」

ジャイロゲスが肩に戻ったそれを再び投げつけようとした時、ビルドエンジェル隊の機銃掃射がその頭上に雨霰と降り注いだ!
さすがのジャイロゲスもこれにひるみ、頭部を銃撃から庇う。

順五郎「何をしているジャイロゲス!小うるさい蝿を叩き落とすのだ!」
宙「しめた!礼を言うぜ!!!」
剣児「よっしゃ!スピンスト…ぶえっ!?」

それまで残るハニワ幻人を3対1で相手にしていた剣児がスピンストームの狙いをつけようと構えるが
背後からモンスターゾロがスピンすながら激突し、突き飛ばしてしまう。さらに全身のトゲで体中に傷を負う新ジーグ。

つばき「剣児っ!!!」
剣児「くそぉ~、邪魔なんだよこのトゲボールが!って…なあっ!俺はお前なんかに迫られても嬉しくねえぞっ!!!」
順五郎「くくく…そのまま地面に埋めてくれる!」

そのまま、新ジーグを押しつぶそうと、モンスターゾロが圧し掛かる!
一方のジャイロゲスも体制を建て直し、左腕をビルドエンジェル隊の方へと向ける。
不穏な空気を察知した、初代ジーグが飛び掛って阻止しようとするが…

順五郎「させぬっ!ジャイロゲス、そろそろ新兵器の威力をみせてやれ!」

ジャイロゲスが頷く仕草をすると同時に両肩の突起から、三日月型の光線が、ジーグに向けて降り注ぐ。
地面に光線が突き刺さると、まるで刃物を入れたように次々と大地に裂傷が走り、ジーグも後方へと飛び退かざるを得なくなる。
それと同時に、ジャイロゲスは左腕をビルドエンジェル隊の真正面の軌道に発射した!

ドシュウゥゥゥゥ…!!!

充子「ロケットパンチか…!各機、散開し回避せよ!」
門子・竜子「「了解!」」

ビルドエンジェル機は三方向に回避運動を取り、ジャイロゲスの左腕はその中心部分を通過し、
再び本体の右腕に収まる。

充子「回避成功!スピードはナックルボンバーより互角かやや劣るといった所ね、避けられないほどじゃ…えっ!?」

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ズズンッ!と突如柳生機に衝撃が走り、緊急警報がけたたましく鳴り響く。
なんと、機体の底部に裂傷が走り、電気系統がショート、炎を上げているではないか!

門子「なんだとっ!」
竜子「抜かった…」
つばき「そんな…回避には成功したはずなのに!」
美和「あの腕が音速以上で飛行したとは思えない。

 おそらく、衝撃波発生装置が組み込まれているんだわ…」

同じく、早乙女、御堂両機もそれぞれ右翼、左翼がすっぱりと切断され、バランスを大きく崩す。

充子「くっ…油断したわ!このままじゃ機体がもたない…緊急脱出装置作動!」

充子は機体機構部に致命的損傷を受けた自機の飛行続行は不可能と判断。HMB(ハイパーモーターバイク)を起動させ、
地上に脱出、直後、機関部に引火した柳生機は空中で爆散した。残りの二機も、必死にバランスを取りながら、なんとか地上に不時着する。

つばき「充子さん!門子さん!竜子さん!」
美和「怪我はありませんか!!」
充子「私たちは大丈夫!つばきちゃんたちは早くハニワ幻人と怪ロボットを!」

充子は群がるハニワ兵士をバイクの上からさながら騎馬武者の如く切り伏せていく。
門子、竜子も機体上で襲い掛かる兵士たちを薙ぎ倒していた。


剣児「充子さん!!よくもやりやがったな!おりゃあああっ、根性ぉおおおおっ!」

602 

ググググググ…ズシィィィイイインッ!!!

剣児は自分に伸し掛かっていたモンスターゾロを頭上に持ち上げ、切断光線で旧ジーグを攻め立てる
ジャイロゲスに投げつけた!両者激突し、もんどりうって倒れるジャイロゲス。

順五郎「おのれ…なんという馬鹿力だ!」
宙「助かったぜ、剣児!」
剣児「おうっ!一気にきめちまおうぜ!」

宙「スピンストォォォオオオム!!!」
剣児「ナックルボンバァァァアアアッ!!!」

両者が並んで発射された必殺武器がよろよろと立ち上がる二体のロボットを直撃!
決着―――とビルドベースとイーグル隊の面々の誰もが思ったその瞬間――

順五郎「モンスターゾロ!電磁バリアー展開せよ!ジャイロゲス!叩き落すのだ!」

なんとモンスターゾロの全身のトゲから磁場が発生し、スピンストームはあらぬ方向へ軌道を変え、
断崖に直撃、それを崩落させた。ナックルボンバーもジャイロゲスが発射した左腕とすれ違ったかと思うと、二つに分かれて地面に落下した。

剣児「畜生、こいつにまで!」
宙「…スピンストームも効かないだと…!!」

美和「二人とも、危ない!」

愕然とするWジーグの後方から伸びた触手がその足を絡み取り、二人を宙吊り状態にした。

ミマシ「鋼鉄ジーグ!まだ、ハニワ幻人が3体残っている事を忘れたわけでは有るまいな!」
宙「ミマシ…てめぇ、ぐあああっ!」
剣児「うがぁあああっ!!!」

頭部から触手を伸ばしたハニワ幻人は、両ジーグをアメリカンクラッカーの如く振り回して互いを何度も衝突させ、さらに地面に激しく叩きつける。

つばき「ジーグ!!!ミサイル発射!」

つばきが発射したビッグシューターのミサイルが幻人の触手を切断、二人は解放されるが、
既にあちこちに損傷を受け、立ち上がるのがやっとの状態である。

603

順五郎「ははは!対ジーグ戦に備え搭載した磁力発生装置の味はどうだ!」
ミマシ「世紀のマグネロボもこれで終いよ!長年の怨敵たる貴様らに敬意を払い、全力で葬ってくれる!やれ!」

ミマシの号令とともにジャイロゲスの切断光線が、マグマーの溶岩弾が、人型ハニワ幻人の狼牙棒が一斉に放たれる!
集中砲火、轟音とともにWジーグの姿が炎と砂埃の中に掻き消えた!

充子「ジーグ!」
美和「宙さんっ!!!」
つばき「剣児ぃいっ!!!」

ミマシ「フハハハハ…やった!ヒミカ様ぁ~、ついにジーグを倒しましたぞ!!!」
順五郎「いや、まて!どうやら祝杯を挙げるのはまだ早いようだ…」

砂煙が収まると同時にしかと大地に立つ2体の影!

ミマシ「ぐぐぐ…おのれしぶとい奴め!」
宙「へへ…その言葉そっくり返すぜミマシ!」
剣児「みんなの願いが篭ったこの体…そう簡単にお釈迦になってたまるかよ!…と、さすがにちぃっと苦しいか…」

しかしWジーグはもはやボロボロと言ってもいい状態だった。全身には切り傷や焦げつきが無数に出来、今にも膝をつきそうである。

新ジーグにいたってはジャイロゲスの攻撃でアームパーツを失っている。
さらに主要な必殺技はすべてモンスターゾロに封じられてしまっているのだ。状況を打開できたであろう初代ジーグの強化ユニットであるパーンサロイドは50年前の戦い以来失われ、破瑠覇も大銅鐸での戦い以来姿を見せていない。

つばき「まずはあの鉄球ロボを倒さない事にはいつまでも相手に攻撃があたらない…。

 でも一体どうすれば」
美和「相手はこちらの手段をよく研究しているのに対し、

 あの怪ロボットは私たちにとってまったく未知の敵…。
 でも必ず倒すカギがあるはず…。考えるのです!」

しかし時は勇者たちを待ってくれない。ミマシと順五郎はトドメの一撃をダブルジーグに加えんと手薬煉をひいているのだ!

順五郎「強がりもそこまでよ!モンスターゾロ!磁力発生装置最大出力!」

キュイイイイイイイイイイン!!!

宙「ぐあああっ!!!」
剣児「引きず…りこまれるっ!!!」

モンスターゾロの発生させた磁界に引き込まれ、その身体にべたりと磔になるWジーグ!
するとモンスターゾロが赤く発光し、金属の焦げ付く匂いが濛々と立ち込め始めた。

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    欠番
 
605

順五郎「今度こそ、鋼鉄ジーグの最後だ!放熱装置、最大出りょ……」


ピシュシュンッ!!!ピシュシュンッ!!!


順五郎「ぐああああっ!ジャ、ジャイロゲス!!!何をするのだ!」
ジャイロゲス「マ''ッ!」

とその時である。なんと、ジャイロゲスがいきなり味方であるモンスターゾロに切断光線を放ったのだ!
さらに、ビッグシューターに向かったハニワ幻人たちにも攻撃を浴びせてくるではないか!

順五郎「どあああっ、やめろ!やめるのだジャイロゲェーッス!!!」
ミマシ「なぬぁ!!!一体どういうことだ!」

606

――時間は多少遡る。

???「くくく、最早Wジーグの命運も風前の灯!そのまま一気に畳み掛けてやれ!」
???「ほぉー、随分楽しそうじゃのぉ」
???「当然だ。もうすぐわが一族2000年の悲願を成就する橋頭堡が築かれるのだからなぁ!」
???「ほいだら、おいどんにもその楽しそうなラジコン貸してくんしゃい」
???「何を馬鹿な……?…!?きっ、貴様は!!!」
キレンジャー「どぉりゃ!阿蘇山崩し!」

Wジーグとハニワ幻人、不知火ロボットの戦闘の舞台からやや離れた岩陰に隠れていたもう1人の不知火一族
―――不知火順二郎の前にモンスターゾロ出現時の砂嵐に巻き込まれ姿が見えなくなっていたキレンジャーが姿を現したのだ!

順二郎「おのれキレンジャー!くたばったのではなかったのか!」
キレンジャー「生憎じゃったのぉ。体だけは頑丈に出来とるけん、そう簡単にゃあ死なんとよ!」
順二郎「なぜここが…」
キレンジャー「こぎゃん怪電波ビンビンに出しちょったら、このキーステッカーに嫌でもひっかかるばい!」
順二郎「おのれ返せ!」
キレンジャー「誰がかえすけぇ!ようもおいどんの可愛い部下を何人も殺してくれたの!
    それにおいどんも一度他のスーパー戦隊みたいに、ロボットを動かしてみたかったんじゃ!」

そういうとキレンジャーは順二郎から奪ったコントローラーをめちゃめちゃにいじり始めた。

キレンジャー「なるほどのぉー。こいで、光線が出っと?」
順二郎「やめんかこら――ブヘッ!!!」

順二郎も取り返そうと掴み掛かるが、キレンジャーはこともなげにこれをあしらいながらコントローラーをいじり回す。
ジャイロゲスはますます暴れ周り、ついに発射された切断ミサイルが、ハニワ幻人の一体を直撃真っ二つにしてしまう。
当然、その様子も通信機能とモニターが生きていたビッグシューターから美和とつばきの目に入る。

607  

つばき「キレンジャーさん!よかった生きていたのね!」
美和「あの鉄球ロボットから2体のロボを同時に操っているかのように錯覚していましたが…
   どうやら、あの男がもう一体の怪ロボットを操っていたようですね」

そうこうしているうちに、ジャイロゲスが高熱攻撃でジーグを苦しめるモンスターゾロに接触、
電磁ネットに引き寄せられジーグ同様に高熱攻撃を受け苦しみ始めた!

順五郎「ああっ、いかん!順二郎め何をしているのだ!ええい…仕方ない!」

慌ててモンスターゾロが電磁ネットと高熱発生装置の電源を落とし、3体のロボットがこれから解放される。

宙「なんだか知らんが助かったぜ!」
剣児「ふぃぃっ~~、しばらく鉄板焼きは食えそうにねぇな…お返しだ!」
Wジーグ「「ダイナマイトキィィック!!!」」

解放されると同時に身を翻し、強烈な蹴りをモンスターゾロに叩き込むWジーグ。
モンスターゾロは見事吹っ飛び、岩壁にめりこむように激突した。

ミマシ「ええいっ!愚か者どもが、よくもヒミカ様から賜ったハニワ幻人を!」
順五郎「黙れ!我らの力なしではここまで善戦できなかった癖に、でかい口を叩くな!」
順二郎「仲間割れなどしている場合か!まだ慌てる状況ではない」
キレンジャー「ややっ、まちんしゃーい!」

険悪な雰囲気となる2人をたしなめると順二郎はジャイロゲスの足元に走りこみ、踝のハッチを開け、
中に乗り込む、と同時にジャイロゲスはキレンジャーの操作を一切受け付けなくなった。

キレンジャー「ややっ!?なんじゃい、マニュアル操作もできよっと」
順二郎「イーグル隊諸君にWジーグよ!未だ我らの優位はかわらん事を忘れるな!」
宙「うるせぇ!どんな状況に追い込まれようと必ず勝つのが鋼鉄ジーグだ!」
剣児「たとえ頭だけになろうと、てめぇらのロボットのコックピット食い破ってやるぜ!」
順五郎「ほざけっ!」

608

啖呵を切るWジーグに向かってスピンしながらせまるモンスターゾロ、ジャイロゲスや
残り2体のハニワ幻人もジーグに向け一斉砲火をかけ、Wジーグも回避するしか手は無い。

美和「確かに奴らの言う通り…。今のジーグの状態が相当苦しいのは事実だわ…」
つばき「他に奴らに対抗できる武器がジーグにあれば………武器……、

 そうだ!おばあちゃん、聞こえる――」


宙「くそおっ、手も足もでねぇぜ!」
剣児「まぁ、今の俺は出す手すらないんだけどな…言ってる場合じゃねえけど!」
順五郎「そろそろ避けるのも辛くなっているのではないか?」
ミマシ「最早、貴様らのボディは限界!トドメを刺してくれよう…」

5体のロボットがジリジリとジーグににじり寄ってきたその時である。

つばき「宙さん、剣児!聞いて!」
美和「あの鉄球ロボットを破壊しない限り、私たちの勝ちはありません。
   成功するかはわかりませんが、その為の作戦を今から説明します」
剣児「おお、つばきにつばきのばあちゃん!」
宙「ミッチー、時間がねえさっさとたのむぜ!」

美和とつばきの説明に耳をかたむけつつも、狭まる包囲網に一歩一歩後退するジーグ、
そしてついに2体のジーグの背と背がピタリとくっついた!

ミマシ「どうした、ジーグ!とうとう観念したか!」
宙「くくくっ…どうやら諦めた方がいいのは貴様らのようだぜ」
順五郎「ガラクタ同然の身体で、そんなハッタリが通用するとでも思っているのか!」
順二郎「だいぶ手間を取らせてくれたな…、滅びよっ!」

609

ドシュゥゥゥウウウウッ!!!

大声一喝!ジャイロゲスの腕から再び切断ロケットが発射された直後である。
Wジーグは待っていたとばかりそれぞれ左右に大きく跳躍、そしてお互いが向かい合う体勢を取った。

宙「この時をまっていたんだ!マグネットパワーフルパワーッ!!!」

と、突然宙がジーグブリーカーの体勢を取り、胸部を展開、強力な磁力にひきつけられ、
ジャイロゲスの左腕は旧ジーグめがけ飛んでいく!

順二郎「馬鹿なっ!?死ぬ気か…まさか!順五郎!磁力発生装置を――」
剣児「おせえっ!!!マグネットパワーフルパワーッ!!!」

ジャイロゲスの腕が剣児と宙の対峙する直線上の半ばまで飛んできたその時、
剣児もマグネットパワーをフル稼働させ、刹那―ジャイロゲスの腕は空中にピタリと静止した!!!


「「死ねぇぇぇぇええええええっ!!!」」


ヒュゥッ――――ドゴォオオオオオオオオオンン!!!


二人の絶叫が終わるのが先か後か、電磁誘導により前後逆の状態で弾き出された
ジャイロゲスの左腕がモンスターゾロの胴体のど真ん中を貫通したのと順五郎が
磁力発生装置を作動させたのはほぼ同時であった。

順五郎「い、一体なにが……、ぐぁぁぁぁあああああああああっ!!!」

ギュインギュインギュインギュインギュインギュインギュインギュインギュインギュイン…

610 

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                              ´
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無理に電源を入れたため、ショートした回路が誤作動を起こし、
モンスターゾロは火花を散らして出鱈目な軌道を描きながらスピン、
軌道上にいた残り2体のハニワ幻人を巻き込んで大爆発を起こした。
ジャイロゲスの腕もモンスターゾロに激突した衝撃で破損したのか、
ロケットパンチとしての機能を失い、そのまま地面に激突する。

つばき「やったぁ!」
門子「この状況でまた新しい技を編み出しやがるとはなぁ!」
竜子「ふむ…名づけるとしたらジーグレールガンとでも言ったところか…」

剣児「さぁて~、残るはてめぇだけだ。散々梃子摺らせやがって」
宙「あの世への旅支度はとっとと済ませた方が身のためだぜ?」
順二郎「おのれ…くたばり損ないども!死ねぇ!!!」

ジャイロゲスが切断光線を乱射するが、Wジーグはまったく避ける素振りを見せない。
満身創痍ながらも堂々と胸を張り、正面のジャイロゲスを睨みつけた!

611 

「「Wスピンストォォォォッム!!!」」

全てを飲み込む黒い奔流が、ジャイロゲスの切断光線をかき消していく!!!

順二郎「ああああ…おのれぇ大和政府!

 我が一族の恨みの炎はまだまだ消えんぞぉぉおおお!!!がああああっ!!!」

Wスピンストームの直撃を受けたジャイロゲスは順二郎もろとも木っ端微塵に吹き飛び、
跡にはWジーグの身長ほどもある左腕だけが墓標のように突き立っていた。

充子「よしっ!私たちの勝ちだ!」
キレンジャー「いやぁ、まうごつむしゃんよかねぇ。Wジーグの大勝利たい!」
ミマシ「うぐぐ…あと一歩という所で、こうも見事に逆転させるとは…鋼鉄ジーグ!決着は次に預けておくぞ!」

そういうとミマシとハニワ兵士たちは地面に溶け込むように姿を消していった。

剣児「へっへぇー、来るなら来て見ろってんだ!何度でも叩きのめしてやるぜ!」
宙「ヒミカ、見ているのならよぉく聞け!

 貴様ら邪魔大王国、二度と再び蘇れないよう徹底的に全滅だっ!!!」

○司馬宙、草薙剣児→苦戦しながらも邪魔大王国、不知火一族連合軍を撃破する。
○珠城美和、珠城つばき→ビッグシューターを撃墜されるが、モンスターゾロ撃破のための新技を編み出し勝利に貢献。
○大岩大太→不知火順二郎の持つコントローラーを奪い、ジャイロゲスを一時暴走させ、Wジーグ反撃の糸口を作る。
○柳生充子、早乙女門子、御堂竜子→ビルドエンジェル機をジャイロゲスに撃墜され、地上でハニワ兵士と交戦。
●ミマシ→ハニワ幻人と不知火ロボット全滅を見て撤退。
●不知火順五郎→モンスターゾロとともに爆死。
●不知火順二郎→密かにジャイロゲスを操作していたがキレンジャーに発見され、     ジャイロゲスに搭乗して戦うも敗北し、ジャイロゲスとともに爆死。
●マグマー→モンスターゾロの爆発に巻き込まれ破壊される。
●ジャイロゲス→左腕の切断ロケットと新武装のカッター光線でWジーグを追い詰めるが、
        防御の要モンスターゾロを倒され、Wスピンストームで破壊される。
●モンスターゾロ→新装備の磁力発生装置でジーグの攻撃を無効化し、放熱攻撃で苦しめるが、
        新技・ジーグレールガンで、ジャイロゲスの左腕を直撃させられ破壊される。
●OPのハニワ幻人x3→ジャイロゲスの暴走と、モンスターゾロの爆発に巻き込まれ破壊される。

【今回の新規登場】
●不知火順二郎(アイアンキング)
大和民族を憎み、政府転覆を企む不知火一族十人衆の1人。某市の市長として社会的地位を得ており、表の顔を利用して弦太郎一行を罠に嵌めた。 


『日本一のサムライ』-1

作者 ユガミ博士

612

***霊峰・富士***

日本一の高さを誇り、いまだに科学では解明されない多くの謎を残す霊峰・富士。
その富士にここでも「鬼」が集まっていた。

風神「我が配下の鬼達よ・・・集まれ。」
青海入道「三好青海入道、こちらに。」
風魔小太郎「風魔小太郎、いつでも出陣可能。」
天草四郎「天草四郎時貞・・・参上。」
石川五右衛門「石川五右衛門、あっ、参じょ~うでゴンス。」
武蔵坊弁慶「武蔵坊弁慶、早くご命令を。」
芭蕉「ほっほっほ、松尾芭蕉はここですじゃ。」

そこにはかつて鬼丸猛に憑りつき、日本を支配しようと企んだ風神と風神が
動物を媒介に呼び出した歴史に名を残す英霊達だった。雷神剣の使い手だった
鉄刃と戦いで風神は倒されたが、黄泉がえりで彼らも復活した。因みに風神の
今の姿はエネルギー体のような姿である。

風神「何故、甦る事が事が出来たのか分からぬが今度こそ、この日本を我の
 支配下に置く。そのためには鉄刃を抹殺するのだ。」
天草四郎「なれば、そのお役目この天草四郎時貞に。我が妖術で亡き者と
 しましょう。」
風魔小太郎「いや、この風魔にお任せを。甦った風魔忍郡を率いて、鉄刃の
 首を献上いたしましょう。」
風神「待て、既に鉄刃に刺客を放っておる。」
芭蕉「おお流石は、風神様。抜かりはありませんなぁ。」
風神「待っておれよ、鉄刃。ふっふっふ・・・。」

613

●風神→鉄刃に刺客を放つ。
●三好青海入道→風神の元に集まる。
●風魔小太郎→風神の元に集まる。
●天草四郎時貞→風神の元に集まる。
●石川五右衛門→風神の元に集まる。
●武蔵弁慶→風神の元に集まる。
●松尾芭蕉→風神の元に集まる。

【今回の新登場】
●風神(YAIBA/半オリジナル)
風神剣に宿っていた存在。鬼丸猛を鬼に変えた元凶。

●三好青海入道(YAIBA)
真田十勇士の一人。鬼丸がタコを媒介に魂を呼びこんだ。琵琶湖に現れるが、
刃のかみなり斬りによって敗れる。死後の世界に安住していてか眠りを妨げ
られるのは厭だったようだ。

●風魔小太郎(YAIBA )
風魔忍群五代目頭領。鬼丸がタカを媒介に魂を呼び込んだ。風魔忍法を
得意とするが刃に敗れる。再び登場するが気軽に声を掛けた石川五右衛門に
裏切られ、倒される。なお、小太郎の名前の割には長身である事を気にしている。

●天草四郎時貞(YAIBA/サムライスピリッツシリーズ等)
「島原の乱」の首謀者。鬼丸が狐を媒介に魂を呼び込んだ。刃の変化の玉と
化け合戦を繰り広げた。江戸時代の頃、邪神アンプロシアの力をその身に宿
していた事もある。

●石川五右衛門(YAIBA)
大泥棒。鬼丸が熊を媒介に魂を呼び込んだ。大阪鬼丸城の主。武蔵から龍神の玉
の地図を奪うが後に取り返された。その後、黒鬼を率いて刃を待ち受けるものの、
手裏剣を利用しての火炎攻撃で倒される。

●武蔵坊弁慶(YAIBA/源平討魔伝)
鬼丸が牛を媒介に魂を呼び込んだ。義経の家来だっただけのことはあり、
実力はかなりのものだが頭はかなり悪い。実は魍魎界で源義経達と三途の川
から復活し、平景清と戦った。

●松尾芭蕉(YAIBA)
江戸初期の俳聖にして、伊賀忍者。鬼丸が猿を媒介に魂を呼び込んだ。主である
鬼丸でさえも倒そうとし天下をとるという野望を持っていたが、刃の作戦によって
夢や野望を吸い取る闇の玉の中に吸い込まれる。恐ろしい体力の持ち主で、相手を
石に変える特殊な含み針を用い、ナマコ男以外の刃一味を石像にした。 


『ダカールの日』-5

作者 鳴滝

614
***ジャブロー・ティターンズ基地***

三輪「お待ちください、閣下! 今は非常時ですぞ!
 なぜ私を極東支部長官から解任したのです!?
 ここで日本を押さえておかなければ、
 木星勢力やGショッカーとの戦いが苦しくなるのは必定!
 どうかご再考を!」
ジャミトフ「三輪准将、君にはすでに新しい任務が用意してある。
 よけいな事をせず、本来の任務にもどりたまえ」
三輪「…は、はい」

落胆して退室していく三輪と入れ違いに
ジャマイカンが執務室に入ってくる。

ジャマイカン「閣下、そろそろダカールへ出発のお時間です。お支度を」
ジャミトフ「わかった。フフフフフ……いよいよだな。
 ところでミスターサタンは我々の要求を受け入れたか?」
ジャマイカン「それがなかなか予想以上に強情な男でして…。
 頑として首を縦に振りません」ジャミトフ「まあよい、いずれは折れる。あの男の尋常ではない 孫娘への溺愛ぶりは、つとに有名だからな」
 ***英国・ロンドン郊外 内務大臣別邸***

英国首都ロンドンの中心街から離れた郊外に、
山林に囲まれた高台の上に建てられた広い敷地の別荘である。
与党保守党の重鎮でもある現内務大臣が所有する山荘であるが、
そこには厳かな造りの山荘には不似合いな複数のMS(モビルスーツ)が
人っ子一人寄せ付けぬ厳重な警備を布いているという
物々しい様相を呈していた。

ティターンズ兵A「どうだ、ガキの様子は?」
ティターンズ兵B「相変わらずだ。大人しいものよ」

邸の中で警備に当たっているティターンズの制服を着た兵士達が、
普段から邸の管理を任されている執事風の男を交えて
廊下で立ち話をしている。

執事「今回の件では大臣閣下のお力添えが会った事、
 ロゴスのお偉方にもくれぐれもよくお伝えを」
ティターンズ指揮官「わかっている。英国内務大臣のご尽力の
 件は、私からもバスク・オム大佐によくお伝えしておく」

英国政府の内務大臣はロゴス派に買収されていたのだった。
そして奥の寝室では、頭にバンダナを巻いた
10歳ぐらいの年頃の女の子が軟禁されていた。

パン「………」

この少女こそ、地球上で最高の知名度を誇る英雄ミスターサタンの孫娘――
――であると同時に、宇宙最強の超サイヤ人・孫悟空の孫娘でもあるパンである。
パンはここに連れて来られてからずっと憤懣やるかたない表情をしていた。

パン「あの程度の奴ら、わたしが本気を出せばどうってことないのに、
 もしここでわたしが下手に騒げば、ダカールで捕まってるサタン
 おじいちゃんの命が危ないわ。もう!どうしたらいいんだろう…」

その時、庭の方向から突然爆発音が!?

パン「な、なんなの!?」

ティターンズ兵C「正門の方からだ!」
ティターンズ兵D「急げ!!」

615

正人「――鉄人っ! 超電動パワーオンッ!!」
三郎「ブラックオックスッ!! アームバルカンッ!!」

ICPOの金田正人と夏樹三郎の駆る鉄人28号FXとブラックオックスが
邸の周囲を固めていたマラサイやハイザックたちを次々と粉砕していく。

一方、邸の中でも激しい戦いが繰り広げられていた。

ブーメラン「クロスカッターァッッ!!!」

ブーメランを巧みに操る青年と、ショットガンで武装したウエスタン風の
恰幅のよい体格の髭の中年男が、卓越した連係プレイで警備兵達を打ち倒していく。
国際連邦保安官のブーメランと、かつて対デスパー捜査を担当した
ICPO秘密捜査官の荒井誠である。

荒井「プリベンターからの連絡では、確か人質はこの奥のはずだが!」
ブーメラン「まずい、荒井さん! 邸の中に火の手が上がった!」

戦闘の混乱による影響で、邸のキッチンあたりから火がつき、
たちまち煙が回り蔓延し始める。

ナイトファイヤー「荒井さん、ブーメラン、ここは我々に任せてくれ!
 バイクル! ウォルター!」
バイクル「隊長、任せといてちょう! ディジェスティブビーム!!」
ウォルター「ディジェスティブビーム!!」

WSP――特警ウインスペクターの3人が、
それぞれ特殊拳銃デイトリックM-2から消火ビーム(ナイト
ファイヤーはパイルトルネードからスーパーディスチャージャー)を
発射し、火を瞬く間に鎮火していく。

ナイトファイヤー「荒井さんたちは早く人質を!」
荒井「よし、わかった! 行くぞ!!」
ブーメラン「はいっ!」

616 

勢いよくドアをぶち破る荒井とブーメラン。
中には女の子が一人いた。

パン「おじさんたち誰?」
荒井「君がパンちゃんかい? 無事でよかった。 おじさんたちはICPOだ」 荒井はパンに身分証を提示する。 パン「国際警察!?」
ブーメラン「荒井さん、新手が来た!」
荒井「くそー、しつこい連中だ。仕方がない。
 おい、お嬢ちゃん」


 「本当は子供にこんな物は持たせたくはないんだが…」と言いつつ、
荒井はパンにそっと自分のショットガンを手渡す。

荒井「撃たなくてもいい。もし悪い奴らが来たら、
 こいつを向けて脅かしてやるんだ」

そう言うと、荒井とブーメランの2人は敵の新手と戦うべく、
パンを部屋に一人残したまま出て行った。

パン「……別にこんなもの(ショットガン)なんか要らないのに」

617

数十分後、ICPO突入部隊の活躍により、大方事態は収拾。
邸の敷地内はほぼ制圧された。

正人「あっ、荒井さん! ブーメランさん!」
三郎「人質は無事でしたか!?」

正人と三郎が荒井とブーメランの姿を見つけて駆け寄る。

荒井「正人くんに三郎くんか。君たちが外で陽動してくれたおかげで、 

 人質の女の子なら、この通り無事だ」

荒井は傍らに連れてきたパンを紹介する。

正人「へぇー、この女の子がミスターサタンのお孫さんか」
三郎「君のご両親も心配しているよ。これからおうちに
 送ってあげるからね」

なんとなく子ども扱いされたと受け取ったのか、
パンはやや膨れっ面の表情をする。

パン「とりあえずお礼は言っとくわ。ありがとう。
 でも本当ならあの程度の奴ら、わたし一人でもどうにか
 なったんだからね」
正人「むっ、有名人の孫だって聞いてたから、だいたい想像はしてたけど、
 やっぱ可愛くねえのっ! なんだよ、せっかく助けてやったのに!」
荒井「コラコラ、子供相手にそんなムキになるもんじゃないぞ」
パン「子供って何よ! このお兄ちゃん達だって、アタシよりちょっと
 年上なだけで、まだ充分子供じゃない!!」

ますます膨れっ面になるパンを、荒井は父親のように優しく宥める。

荒井「すまないな、お嬢ちゃん。実はおじさんにもお嬢ちゃんと
 同じくらいの年頃の娘がいるんだ。お嬢ちゃんを見てると
 つい日本に残してる娘に重ねて見ちまってな。まあ、勘弁してくれ」
パン「………」

荒井に宥められ、一旦は押し黙ったパンだったが、投降したティターンズの
負傷兵達をWSPたちが手厚く手当てしている周囲の光景を見て、不思議そうに
質問をぶつける。

パン「ねえ、なんであいつらを助けるの? あいつらってみんな
 悪い奴らなんでしょ? 放っておけばいいじゃない」
三郎「まあ、言いたいことは解らないでもないけどな」
竜馬「僕たちは別に人殺しが目的なわけじゃない。
 たとえ元は悪人であったとしても人の命は尊い。
 助けられる命があるなら、それは助けなきゃいけないんだ」

ヘルメットの空気圧ロックが解除され、素顔を晒したナイトファイヤー
=WSP隊長・香川竜馬が、パンに事情を説いて諭す。

荒井「どんな悪党にも生きて法の裁きを受ける権利は
 あるって事だ。お嬢ちゃんにももう少し大人になれば
 きっとわかると思うがな」
パン「ふ~ん、そういうものなのかなあ…」

615

その時、背後に横たわっていたハイザックが突然動き始めた!
その場にいた全員が油断していたため、即座に対応できない!

荒井「――しまったっ!!! まだ機能が生きていたのか!?」
三郎「危ないっ!!」
正人「――チィィッ、動けっ! 鉄人っ!!!」
竜馬「ダメだ! 間に合わない!」

ハイザックのパイロット「こうなれば
 せめてその小娘だけでも殺ってやる!
 ヒャハハハ、死ねーっ!!!!!」

巨大なハイザックの魔手がパンに迫る!
しかしパンは軽く後ろの方向へと振り返るや――

パン「えいっ!」

パンに軽い回し蹴りを食らったハイザックの機体は、
遥かお山の向こうの上空の彼方へとぶっ飛ばされ、
哀れ、悲鳴を上げるパイロット共々お星様に……。

ハイザックのパイロット「あ~~れ~~え~~!!!!!!!!????

その光景は、もはやギャグの域であった…。

パン「やれやれ、片付いたわ。………
 ………あれっ、みんなどうしちゃったの??」

パンを見つめる荒井以下その場にいた全員が、
( ゚д゚)ポカーンと口を開けたまま目が点になり、呆然と立ち尽くしていたのは言うまでもない…。

616 

***内務大臣別邸近くの山道***

ロンドン中心部へと急行する、一台の黒塗りの車。
先ほどの騒ぎのどさくさに紛れて逃げ出した内務大臣の執事である。

執事「なんということだ! まさかICPOが突入部隊を
 送り込んでくるとは!? 早く大臣閣下にご報告しないと!!」

その時、霧が立ち込めているせいでよくは見えないが、
車の前方に立って待ち構えている長身の男らしき姿を確認した。
執事は慌てて車を止めて外へと降り、眼前の男に食って掛かる。

執事「なんだお前は! 危ないじゃないか!
 こっちは急いでるんだ! そこをどけ!」
???「そんなにお急ぎの所を見ると、
 行き先は内務大臣官邸かな?」
執事「――お、お前は!?」

執事はびっくりして目を見開いた。
目の前の長身でロングストレートの黒髪にアイシャドウの男は、
裏の世界では知らない者のいない大物――
――英国情報部MI6のジャック・バンコラン少佐その人だったからである。

バンコラン「内務大臣が助けてくれると思ったか?
 だとしたら無駄なことだ。今頃はMI6が内務大臣官邸に 強制家宅捜索に入っている」
執事「――なっ!?」
パンコラン「まずはお前を検挙して、それから大臣だ」
執事「………」
バンコラン「叩けば他にもいろいろとホコリが出そうだ。
 首を洗って待っていろ」

それだけ言い残すと立ち去ろうとするバンコラン。
しかし追い詰められ逆上した執事が懐から拳銃を抜き、
背後からバンコランの背中を狙う!

――バンッ!!(銃声)

銃声はバンコランの愛銃、ワルサーPPKから発射されたものだった。
それと同時に、眉間にくっきりと穴が開いて頭から血を流した執事は、
その場にがっくりと倒れこんだ。

バンコラン「………」

バンコランは無表情のまま執事の死体に一瞥をくれてやると、
何も言わず無言のまま立ち去った。

617 

***米国・ワシンシンD.C. ホワイトハウス***

ジョディ「大統領、朗報です。ICPOとMI6による合同捜査の結果、
 英国でロゴス派に与する内務大臣一派の放逐に成功したそうです」
マイケル「よしっ、これでようやく舞台は調った!」

その知らせをを待ってましたとばかりに、
マイケル・ウィルソン大統領は椅子から勢いよく立ち上がる。日本に続き英国内部からもロゴス派が排除された事で、ようやく後顧の憂いがなくなったのだ。

マイケル「明日、直ちにダカールの連邦議会に向けて出発する。
 日本の桃とも連絡を取り、至急準備を進めてくれ」
ジョディ「了解です大統領」


***日本・四ツ葉町 クローバータウンストリート近くの公園***

さっきまでの国際政治が絡んだ世界とは打って変わり、
こちらは日本のごく平凡な街並みである四ッ葉町。
公園の真ん中で、ドーナツの屋台を営んでいる、サングラスに
髭を生やした強面の男。常連客からは「カオルちゃん」の愛称で呼ばれ
親しまれているが、それも本名かどうかは誰もわからない…。

その屋台に一人近づく女性客――新宿西警察署の署長・野上冴子。

冴子「ドーナツを頂こうかしら。でもあんまり食べ過ぎちゃうと
 太っちゃうかしらね」
カオルちゃん「大丈夫だよ、美人のお姉さん! おじさんのドーナツは
 とってもヘルシーだからね♪ いくら食べても太らない! グハッ」
冴子「あら、お口のお上手だ事」

気をよくしたのか、お代を支払い大量にドーナツを購入する冴子。

カオルちゃん「しかしお姉さん、ここら辺じゃ見ない顔だね。
 この街に来るのは初めてかい!」
冴子「ええ、貴方に会いに来たのよ。ミス・ジュリアーノの紹介でね。
 ミスターカオル、またの名をコードネーム――"ジェンマ"」

その名が冴子の口から発せられた途端、カオルちゃんのサングラスの
奥から鋭い眼光が走る!

カオルちゃん「…仕事かい?」
冴子「ええ、是非とも貴方にお願いしたい極秘任務が――」

618

●ジャミトフ・ハイマン→ダカールへ出発する。○パン→英国内務大臣別邸から救出される。
○荒井誠→英国内務大臣別邸を急襲し、パンを救出する。
○ブーメラン→英国内務大臣別邸を急襲し、パンを救出する。
○金田正人→英国内務大臣別邸を急襲し、パンを救出する。
○夏樹三郎→英国内務大臣別邸を急襲し、パンを救出する。
○香川竜馬→英国内務大臣別邸を急襲し、パンを救出する。
○バイクル→英国内務大臣別邸を急襲し、パンを救出する。
○ウォルター→英国内務大臣別邸を急襲し、パンを救出する。
○ジャック・バンコラン→ロゴス派と通じていた内務大臣一派を検挙する。
○ジョディ・クロフォード→英国の情勢を大統領に報告する。
○マイケル・ウィルソン→英国の情勢についてジョディから報告を受け、ダカール行きを決断する。
○野上冴子→カオルちゃんに接触する。
○カオルちゃん→野上冴子から接触を受ける。

619 

【今回の新規登場】
○パン(ドラゴンボールGT)
 伝説の超サイヤ人・孫悟空の孫娘に当たる10歳の少女。
 地球人とサイヤ人の血を引くクォーター。
 5年前の大人しく泣き虫な面影は消え、やんちゃで好奇心旺盛な
 お転婆娘となって数々の騒動を巻き起こす。祖父や父と違って
 超サイヤ人に変身することはできないが、舞空術とかめはめ波を
 会得しており、その戦闘能力はかなり高い。

○荒井誠(イナズマンF)
 ICPOの対デスパー秘密捜査官。ライフルを武器にして戦う。
 デスパー軍団との戦いにおいて、イナズマン=渡五郎と共に
 戦う唯一のパートナーである。実験都市デスパー・シティに
 捕われていた過去があり、他の市民同様サイボーグに改造された。
 妻子とは生き別れになり、再びデスパー・シティを訪れるまで
 その記憶は失われていた。普段は冷静沈着だが、時として感情を
 抑えきれないことがある。デスパーとの最終決戦後に妻子との
 再会を果たした。

○ブーメラン(巨獣特捜ジャスピオン)
 国際連邦保安官。マッドギャラン軍団への潜入捜査中に正体が露見して
 殉職した兄の仇を討つべく、サタンゴースの一味を追う。二刀流のブー
 メランの使い手であり、「クロスカッター」と呼ばれる必殺技を持つ。

○金田正人(超電動ロボ 鉄人28号FX)
 かつて帝都の少年探偵として名を馳せた鉄人28号の操縦者・金田正太郎と
 妻・陽子との間に生まれた一人息子。父の意志を継ぎ、正義のヒーローとして
 悪に立ち向かう熱血漢である。ネオ・ブラック団に拉致誘拐され、
 ロボット操縦士として訓練されていたが、自力で脱出し、
 FX初動時に帰還。鉄人28号FXの正式な操縦者となる。父・正太郎が
 ICPO長官に就任すると同時に、自身もICPO捜査官となった。

○夏樹三郎(超電動ロボ 鉄人28号FX)
 鉄人28号FXの操縦者として金田正太郎に養成されていた少年。鉄人の操縦に
 非凡な能力を発揮する天才であり、それだけに正人には強いライバル心
 を持っている。のちにブラックオックス操縦者になる。クールを装い、
 なかなか素直になれず、心の内を明かす事も少ないが誰にも負けない
 正義感の持ち主である。正太郎がICPO長官に就任すると同時に、
 自身も正人と共にICPO捜査官となった。 


620

○香川竜馬警視正=ナイトファイヤー(特警ウインスペクター/特救司令ソルブレイン)
 警視庁特別救急警察隊・ウインスペクターの隊長。後にICPOへ転属。 

 ソルブレイン隊長・西尾大樹の先輩に当たる。
 F1国際A級ライセンス、工学・化学等の博士号所持し、五カ国語の読解・
 会話可能。スポーツ万能、正義と平和を愛するヒューマニストで、
 誰からも親しまれる性格の青年。元オリンピックの強化選手でもある。
 悪の天才科学者・高岡を追い、一期間ICPO東京支部特捜官として
 日本のソルブレイン本部にも駐在した。
 
○バイクル(特警ウインスペクター/特救司令ソルブレイン)
 WSP所属の、荒地や難所での作業を得意とするパワータイプの
 サポートドロイドで、両肩を回しながら歩くのが特徴。組み立てた
 メカニック西田のおやじさんが喋る名古屋弁を聞きながら作られたため、
 名古屋弁で会話をする。

○ウォルター(特警ウインスペクター/特救司令ソルブレイン)
 WSP所属の、空中からの捜査、救助活動を主に担当するサポートドロイドで、
 両腕を大きく振り上げる独特の歩き方が特徴。沈着冷静で理論的な性格の
 持ち主。バイクルと同様に第7世代のコンピューターが内蔵されている他、
 爆弾探査機能を持つ。

○ジャック・バルバロッサ・バンコラン少佐(パタリロ!)
 英国情報部MI6所属の情報部員で、殺人許可証を持つダブルオー(OO)要員。
 またの名を「美少年キラー」。視線を向けた者を惹き付ける凄い眼力を
 持っており、彼を愛さない美少年はいない。寝るとき以外は手袋を外さない
 プロ中のプロ。パタリロとは腐れ縁の仲。マライヒとの間に一子・フィガロが
 いるが、浮気癖がひどい。

○カオルちゃん(フレッシュプリキュア!)
 桃園ラブたちがダンスの練習をする公園で、ドーナツを売
 っているおじさん。サングラスをかけて髭を生やしている
 強面だが陽気な性格。タルトやシフォンのことも気にもせ
 ず接し、タルトとは「兄弟」と呼び合う仲。
 実は凄腕のエージェントであった過去があり、本気を出す
 と常人離れした身体能力を見せ、ナケワメーケの急所を見
 破り、亀裂を入れるほど強烈なキックを披露している。
 その他にオペや宇宙飛行士などを依頼されるシーンもあるが、
 そちらは正体を隠すためのブラフの可能性もあり真相は不明。
 本名は「橘薫」というらしい。


『吹き飛ばせ!怨念の炎』-3

作者 ボー・ガルダン

621

***関門海峡・新ビルドベース内隊員食堂***

大太「はむっはふっ…もふっ…ここのカレーもうまかね!イーグル九州支部(ウチ)やスナック・ゴンのにも劣らんばい!」
つばき「すごい…もう10杯も食べてる…。しかも特盛りで…」
宙「まるでカレーが飲み物みたいに口に入っていきやがる…。こいつぁ、たまげたぜ!」
剣児「さすがの俺もカレー連続10杯なんて……おぉうっ…見てるだけで胸焼けがしそうだ…」

三池炭鉱での戦いから5日余りが経過し、事後処理の経過報告のため、
大岩大太はビルドベースを訪れていた。その常識の範疇を超えたカレー好きぶりに
ビルドベースの面々もやや辟易気味である(もっともその中の一人、草薙剣児も
ラーメンとビフテキ、カレー、カツ丼、ナポリタン等を一度に平らげるという相当の悪食であるが)。

大太「しっかし…、お互い大変じゃったの。おっどんらも、11人も殺されてしもたけん…」

大太はそうつぶやくと、スプーンを握る手を悲しみと怒りでわななかせ、他の面々も表情を曇らせる。
昨日、殉職した隊員たちの合同葬儀が行われ、大太は勿論、ビルドベースの面々も出席したばかりなのだ。
しかしいつまでも悲しんでばかりいられないのが、平和を守る使命を持つ彼らの辛い所である。
人的被害のみならず、ビルドベースが受けた物的被害も相当であった。両ジーグの修理や、
破壊されたパーツの補填は一朝一夕で出来るものではなく、ビッグシューターやビルドエンジェル機の修理、特に柳生隊長専用機は完全新造せざるを得ないため、万全の装備を得るには時間を要することになりそうである。

つばき「ジーグがなんとか再出動可能になるまで最低あと4日、

 万全となると半月…いえ、急ピッチでも10日はかかりそうです…」
大太「まぁ、あの連中も相当痛い目見さしょったけん、そう、直ぐにゃ攻めてはこんたーおもうがの。
   ばってん、何が起こるかわからんけぇ、しばらく海城どんたちにゃ会えんばい…」

三輪長官と一条総司令の台頭の後、政敵・江戸川司令官の子飼いとも言えるゴレンジャーの面々は、名目上栄転という形で解散させられ、地方に飛ばされていたのだが、今回、白河一派が失脚した事により、再結成の準備が進められていた。

しかしガルマ・ザビ率いる機甲軍団の侵攻と、今回の九州での一連の騒動を受け、特に機甲軍団の被害を受けた九州と東北地方の警戒レベルが引き上げらたため、各地のイーグル支部の要職に就いているゴレンジャーメンバーを召還するのは得策でないと判断、

当面、地方防衛の中心として、継続して各支部の指揮に専念するよう指示が下り、ゴレンジャー再結成の話は立ち消えとなったのだ。

宙「確かに今、あんたに東京に戻られちゃあ、九州防衛の戦力は半減だ。
 三輪のおっさんや一条のタコの小細工が結果的に最適の判断になっちまうとはな。皮肉なもんだぜ」
剣児「しかしよ、ハニワ野郎と組んでやがったあの全身タイツはどこのなにもんなんだよ」
つばき「それが謎なのよね…、いろいろなデーターベースを調べてみて、あのロボットが過去に出現し   た事はわかったけど…一体、誰に作られたのかはさっぱりわからなかったし…」
宙「50年間、別次元にいた俺が知らねぇのは当然として、剣児たちもテレビで報道された記憶すら無いってのは妙だな」

622 

一同が疑問を口にする中、今は基地「α」に出向している司馬博士に代わり、ビルドベースを統括する美和が姿を現す。

美和「その事について、今、東京の国家警備機構から返答がありました」
剣児「こっかけーびきこー?」
大太「国家警備機構っちゅーたら…どの省庁にも属しちょらん、

 内閣直属の特令組織じゃなかとね。

 ほいで、わしらは国際機関じゃけん連中とはいっちょん接点がのぉて、

 どげな所かはようわからんばい」
美和「あの怪ロボットの情報が一般に知られていないのも、国家警備機構が情報を統制しているため。
   故に、今回の件は他言無用との事です」
剣児「あー、ばあちゃん前置きはいいからさ、早くあの連中の正体を教えてくれよ!」
美和「一番心配なのは貴方ですよ、剣児。まぁ、確かにもったいぶっていても始まりません。
彼らの名は不知火一族。自らを大和民族によって滅ぼされた日本先住民と名乗るテロ集団です」
つばき「日本先住民!?」
宙「おいおい、ミッチー。それじゃまるっきり邪魔大王国の連中と一緒じゃねえか」
美和「ええ、彼らの主張が真実かは別としてその素性が知られれば、

 侵略者や非合法組織だけでなく、左派勢力や無政府主義者を中心に、

 これを利用して現国家体制の打倒解体を画策する輩が、必ず現れる。
 故に、代々、我が国政府は彼らの存在を秘匿しつづけていました。

 前回、彼らが活動した際も、その全容が国民に伝えられる事無く、

 隠密の内に壊滅させられています」
大太「ばってん、今また復活し、邪魔大王国と手を組んだと…」
宙「なるほどな。だが、奴らが2000年前にどんな目に会ったかは関係無ぇ。
  大勢の何も知らない人たちの生活を壊す権利なんざまったくない筈だ!」
美和「そう、彼らの主張が真実だとしてもその行動はただのテロリストでしかありません。
   多くの不知火一族はすでに日本人と同化しており、一連の騒動を起こしているのは少数の
   過激派と見て間違いないでしょう。同情の余地は皆無です。これからも辛い戦いが続くでしょう

   が、皆さん、現代の防人としてともに戦い抜きましょう」
つばき「ええ!」
大太「まかせんしゃい!」
美和「他に前回、彼らが活動した際に使用した怪ロボット10体のデータが送付されています。
もっとも今回破壊した2体のロボットは前回出現時には無い能力を付加されていたようですが…。
  それに、国家警備機構から前回不知火一族を壊滅させた『密使』と呼ばれるエキスパートを
   九州に派遣するそうです」
剣児「『密使』かぁ、なんかかっけー響だなぁ!で、いつ到着すんの?」
美和「それが……いつになるかはわからないと…」
一同「「「ハァ!?」」」

623

***九州地下・某所***

イキマ「うぬぅ…またしてもジーグめ!」
不知火太郎「あと一歩という所で…おかげで我が同胞2人と、貴重なロボットを2体も失ってしまった!」
イキマ「おのればかりが被害者面しおって!大体、我らがハニワ幻人のうち3体は貴様らのロボットに破壊されておるのだぞ!」
太郎「なにっ!?ジーグとイーグルを追い詰めたのは間違いなく我らの力。うぬらの土人形がいかほどの事をしたというのだ!」
カー将軍「だまらっしゃい!」

「「!!」」

カー将軍「お二方、責任の押し付けなどという、不毛な論議をなさっている場合ですかな?」
太郎「ぐ…」
イキマ「それは…」
カー将軍「此度の作戦の不備は私の失策、平にご容赦願いたい。されば、今なすべきは
    敗北の因をなすり合う事ではなく、この敗北をいかにして次の戦に活かすかを
    考える事では?我らは、ともにGショッカーの中では弱小も良い所。結束が解ければ、
    たちまち埋没しましょう。日本列島奪還など夢のまた夢ですぞ。努々お忘れ無きよう…」
太郎「うぅむ…(この7本尻尾の白狐め。己は一切痛手を受けずにいけしゃあしゃあと…。
   だが確かに我らのみでの王権奪還は困難…。   ロボット強化の技術供与を受けた義理もある…。
    全面的に信用できる相手ではないが、友好関係は維持せねば…)」
イキマ「(確かに竜魔帝王が復活した場合、いかにヒミカ様のお力が強大とは言え、
     世紀王候補を持たない我らのみでは、とても対抗できぬ。こやつらとて、
     我らのような味方は一人でも多く欲しい筈。今は逆らわぬが吉か…)     すまぬ、冷静さを欠いておった…」
カー将軍「もっとも…」
イキマ、太郎「「?」」
カー将軍「私は此度の作戦は七分の勝ちと見ておりますがな…」

○大岩大太、司馬宙、珠城美和、珠城つばき、草薙剣児→不知火一族についての情報を国家警備機構から引き出す。
●イキマ→今回の陽動作戦の立案者の一人。敗戦の責任を巡って不知火太郎と口論するが、カー将軍に収められる。
●不知火太郎→今回の陽動作戦の立案者の一人。Gショッカー所属ではないが、邪魔大王国、ジャシンカ帝国と連合している。敗戦の責任を巡り、イキマと口論するが、カー将軍に収められる。
●カー将軍→邪魔大王国と不知火一族を連合させた仕掛け人。不知火ロボットに改造を施したのも彼。今回の陽動作戦の中心人物。

【今回の新規登場】
●イキマ/壱鬼馬(鋼鉄ジーグ/鋼鉄神ジーグ)
日本支配を企む、邪魔大王国三幹部の1人。策を用いた作戦を得意する三幹部のリーダー格であり、銅鐸の在り処を明かす事を拒んだ司馬博士を殺害した張本人。初代ジーグとの戦いから50年後に復活した際も剣児のライバルで実は叔父にあたる美角鏡を討ち取るなどした。剣と妖術を操って戦う。
三幹部で唯一化石化から完全に復活しており、人間に近い姿をしているため人間社会への潜入工作も行う。
他の2幹部とは功を競い合う間柄だが、ともにヒミカへの忠誠心は高く、竜魔帝王にヒミカが殺された後、これに表向きはへつらいながらも、反逆の機会を狙っていた。

●不知火太郎(アイアンキング)
千数百年前、大和朝廷に追われた少数民族・不知火一族の長。炎をデザインした法衣を纏った、修験者風の男。
芝居がかった言動が特徴で、一族の十人衆とそれぞれの指揮する巨人型ロボットを使い、日本政府打倒を画策する。
自身も最強の不知火ロボット・ゴールドファイヤーを所持する。一族の為と称して政府転覆のためのテロ行為を繰り返すが、日本人との共生を願う一族をも恫喝して無理矢理戦わせ、捕らえられた味方も口封じのために容赦無く殺害するなど、実態は極めて冷酷で独善的、目的のためには手段を選ばない。

●カー将軍(科学戦隊ダイナマン)
有尾人一族ジャシンカ帝国一の天才科学者で、軍神と尊崇される帝王アトンの懐刀。7本尻尾。
進化獣、メカシンカの等の怪人や兵器の作成及び巨大化、作戦立案等を一手に引き受け、
彼無しにはジャシンカの地上征服作戦は成り立たないほどの、帝国の柱石たる人物。
また、戦闘でも光線やバリアを駆使しダイナマンを大いに苦しめた。
後に女将軍ゼノビアとダークナイトの奸計で謀叛人の汚名を着せられ、非業の最期を遂げるが、
それでも尚、アトンに対する忠誠心は揺るがなかった。 


『日本一のサムライ』-2

作者 ユガミ博士

624 

***大江戸市・峰さやかの家***

???「ゴクゴク、はぁー美味いお茶じゃ。おかわりもらえんかのう?」
???「他人の家でおかわりを要求とは、ずうずうしい爺さんだねぇ。」
???「何じゃ、年寄りは大事にせんか。」
???「あんたはいい加減にくたばんな。」

ここは鉄刃のパートナー峰さやかの実家である剣道道場。そこで、お茶を啜る
白い眉毛と長い髭をした2頭身の老人、あの巌流島で佐々木小次郎と対決した
宮本武蔵本人と峰さやかの祖母(本名不明)がいた。今日この日、火星へと
旅立った鉄刃と峰さやかが帰ってくるのであり、現在待っているところである。

「「ただいま~。」」
武蔵「お、帰ってきたようじゃな。」

所変わり、玄関では刃とさやかが家の中へと入った。そこへ・・・。

「ガオォォォ。」
「ピエェェェ。」

虎とハゲタカが2人に襲い掛かった。しかし・・・。

刃「久しぶりだな、カゲトラ、庄之助。」
カゲトラ「ガオー。」
庄之助「ピエー。」

虎とハゲタカ―カゲトラと庄之助は襲い掛かったのでは無く、久しぶりに
帰ってきた刃達にじゃれてきたのである。そこへ武蔵とさやかの祖母が
やってきた。

武蔵「久しぶりじゃな、刃、さやか殿。」
刃「お!武蔵。」
さやか「おばあちゃん、ただいま。」
さやかの祖母「そんな所にいつまでも、さっさとあがりな。」

625居間へと移動するとさっそく、火星での事を聞いた。現在の火星での情勢は
黄泉がえったバームのオルバン大元帥率いる好戦派とエリカ女王率いる和平
派による内乱が続き、メガノイドを中心としたGショッカーが暗躍していた。
火星軍はそれらの勢力に対し、防衛の為の人員をつぎ込んだ結果、火星の
治安は低下。よって、火星の海を荒らす海賊の横行はますます酷くなっていた。

さやか「もぉー、刃ったらバームとか、海賊とかの争いに突っ込んでいくですもの。」
刃「見過ごせなかったからな。ま、俺に掛かれば朝飯前だぜ。なははは。」
武蔵「相変わらず、調子のいい奴じゃな。じゃが、どうやら強くなっているようじゃな。」

火星の事を聞いているその時・・・。

ぼぉぉん

刃「な、何だ!?」
さやか「庭の方よ。」

突然の大きな音が庭で起こり、刃達はそこへ向かった。

626

庭へと行ってみると、煙が立ち込めていた。そして、煙の中に3つの影
があった。

???「げほげほ、ゲロ~。」
???「ズラ~。」
???「どないなったんでっか?」

煙が晴れると、そこには大きな蛙と蜘蛛、そして普通サイズのナマコがいた。

刃「げ、ゲロ左衛門、ナマコ男、クモ男!」
ゲロ左衛門「あ!刃だゲロ。」
ナマコ男「さやかさんだズラ~。」
クモ男「あれ?何でわて等、八鬼の姿になっているんでっか?」

彼等はかつて、風神剣によって鬼となった鬼丸猛が雷神剣を奪うために
呼び出した八鬼である。鬼丸が倒された事で元の蛙、ナマコ、蜘蛛になって
いた。

武蔵「もしや、風神が復活したのやも知れぬ。」
さやか「まさか、そんな・・・。」
武蔵「いや、ありえる話じゃ。今の世の中には、黄泉がえりという現象が
 起こっているからのう。復活してもおかしくは無い。元々、風神がいた
 からゲロ左衛門達は八鬼となっておったのじゃ。復活したからこそ、
 再び八鬼となったのじゃろう。」
刃「へっ、復活したのなら、また倒せばいいだけの話じゃねぇか。俺を
 襲ってくるっていうのなら、返り討ちにしてやるぜ。」
武蔵「その意気じゃ、刃よ。」
さやか「所で、小次郎や十兵衛は今どうしているの?」
武蔵「十兵衛は今も、修行の旅に出ておる。小次郎の奴は―」
さやかの祖母「あ!いかん、そろそろ時間じゃ。」

武蔵が佐々木小次郎の事を言おうとした時、さやかの祖母が言葉を遮った。

627

さやかの祖母はテレビをつけ始めた。つけた番組は特撮のようだった。

???『は~はっはっは、この日本は私が支配する。』
刃「こ、小次郎!?」
武蔵「奴は今、役者としてこの番組に出演しておる。」

そこに映っていたのは今、話に出てきた佐々木小次郎であった。佐々木小次郎
は鬼丸によって死から甦った武蔵のライバルである。現在、役者として活動している。

???『待て、その野望は俺がさせない!』
さやかの祖母「お!来よった、来よった。」
さやか「ウソ、A・N・G・E・Lの鳥飼銀牙君じゃない。」
刃「誰だ?そいつ。」

小次郎の前に人気アイドルグループA・N・G・E・Lの1人、鳥飼銀牙が
現れた事で、さやかの祖母は興奮し、さやかは驚いた。しかし、刃は銀牙の
事は知らなかった。

さやか「知らないの?人気アイドルグループのメンバーの1人でね、メンバーに
   なる前は時代劇の殺陣師をしていたんだって。銀牙君以外に、アメリカ人
   とハーフのエース羽田君、ムードメーカーの鷹城雷光君、コンビを組んで
   いる鷲崎飛翔君、ゲーム会社の社長もしている大鳥疾風君なの。」
刃「ふ~ん。」
小次郎『く、今日の所は引き上げてやる。覚えてろ~!』

さやかは説明するが、刃はあまり興味が無いようだった。そんな会話をしている内に
テレビの方は終わりを迎えた。

628

さやかの祖母「ああ、銀牙様・・・。」

さやかの祖母はうっとりとしていた。

武蔵「そういえば、今日隣町の公園でこの番組の収録があると聞いたのぅ。」
さやかの祖母「何!何故、早くそれを言わん。さやか、公園に行くぞ。
      そして、サインをゲットするのじゃ。」

さやかの祖母は立ち上がったが、しかしその時―

ズキッ!

さやかの祖母「イタタタタタ!」

急に立ち上がった事で、ギックリ腰になってしまった。

―30分後

さやか「本当に大丈夫?おばあちゃん。」
さやかの祖母「心配するな。それよりも早くサインを貰ってくるのじゃ。」
クモ男「わてが看病しときますんで、安心して行ってくんなはれ。」

刃達はさやかの祖母の看病をクモ男に任せて、撮影の行われている公園へと
向かった。

○鉄刃&峰さやか→火星から地球へと帰る。
○宮本武蔵→帰ってきた刃とさやかを迎える。
○さやかの祖母→ギックリ腰になり、鳥飼銀牙のサインをもらってくるようにさやかに頼む。
○カゲトラ&庄之助→帰ってきた刃とさやかを迎える。
○ゲロ左衛門&ナマコ男&クモ男→風神の復活した影響で、八鬼に戻る。
○佐々木小次郎→悪役として、特撮番組に出演。
○鳥飼銀牙→主役として、特撮番組に出演。

629

【今回の新登場】
○鉄刃(YAIBA)
サムライを目指し、父と共にジャングルで修行していたが、ひょんな事から
日本の峰家に転がり込む事に。伝説のサムライにしか抜けないという、雷神剣
を抜いたことにより、数多の冒険に挑むこととなった。やんちゃでお調子者の
うえ、助平で大喰らい。強い相手と手合わせすることが大好き。さやかとは
同い年だが、背はかなり小柄である。スサノオの血を引いている。本来は鉄
グループと言う超の付く大金持ちの跡取り息子だが、終盤までその事実を知らなかった。

○峰さやか(YAIBA)
ごく普通の女子中学生だが、刃達と共に無理矢理冒険に出させられることになる、
一行のツッコミ役。刃のことが好きなようだが、なかなか素直になれない。家が
剣道道場であることから剣道を嗜んでいる。乙姫の血を引く龍の巫女のため、
その身を月の女帝・かぐやに狙われることとなる。

○宮本武蔵(YAIBA)
400歳。雷神の剣を引き抜いた刃を師として導くこととなった。六十戦無敗の
腕はいまだ衰えず、この年齢にして信じられないほどの動きを見せるが、
ここぞというところでぎっくり腰に襲われるのが玉に瑕。刃並に食い意地が張り、
スケベでもある。 実は織田信長御前試合第一回目の優勝者。しかし、優勝した
ことで多くの藩や裏の勢力から恨みを買い、追手を差し向けられるなど相当な苦労
をしたため、二度と参加しなかった。 回想では八頭身の美形だったが、現在では
二頭身で昔の面影は無い。

○さやかの祖母(YAIBA)
峰さやかの祖母。俗称がご隠居。

○カゲトラ(YAIBA)
ジャングルで刃を食べようと飛び掛ったトラ。ことごとく失敗するうち
刃と共に箱詰めにされて日本に護送され、以後は相方的存在となる。

○庄之助(YAIBA)
ジャングルで刃と仲の良かったハゲタカ。ジャングルに残っていたが、
どういうわけか日本へやってきた。カゲトラ同様刃の相方的存在で、
主に空中の移動手段として活躍。世界中をノンストップで翔け巡る
最強のスタミナの持ち主。

○ゲロ田ゲロ左衛門(YAIBA)
鬼丸の部下、八鬼の1人目の刺客として刃らを襲ったが、「雷神」と化した
刃を武蔵らと協力して止めたことがきっかけで仲間になる。語尾に「ゲロ」
をつける。博打運が強い。

○ナマコ男(YAIBA)
八鬼の一人。伊豆出身でふるさとに帰ろうとして迷っていたところ、
刃たちに拾われ以後行動をともにするようになる。よく、さやかの
肩の上にのっている。ほとんど戦闘の役にはたたないが、体の小ささ
を利用し、敵に気づかれずに行動したりできる。語尾に「ズラ」をつける。

○クモ男(YAIBA)
刃への刺客の3人目で八鬼の一人。騒音が弱点。
なぜ鬼丸がクモ男に頼るのかは不明。関西弁で喋る。

○佐々木小次郎(YAIBA)
鬼丸の命でクモ男が魔法の薬で復活させた。どこまでも伸びる
妖刀「物干し竿」は、武器としてのみならず、様々な場面で一行
を助けた。やる時はやるハンサム侍だが、女性に弱い。現在、
役者として活躍している。

○鳥飼銀牙=ライディーンアウル(超者ライディーン)
父正義、母、22・20・18になる姉3人との6人家族。姉の影響で女性には弱い。
父が映画の殺陣師であったため、既に殺陣師として芸能界で活躍しており、
飛翔らと会う前からライディーンとしても覚醒していた。団体行動を嫌い、
飛翔達の仲間になる事を拒んでいた。しかし、後に父である正義の助言もあり
仲間入りする。超魔エキドナに好かれており、「銀ちゃん」と呼ばれている。
天然理心流の免許皆伝の持ち主。 


『ダカールの日』-6

作者 鳴滝

630

***地球連邦首都ダカール・中央宇宙港***

ドックに停泊した、今やオーブ連合首長国の所属である戦艦アークエンジェ
ルから降り立つ若き代表首長であるカガリ・ユラ・アスハと、カガリの腹心
であるレドニル・キサカ。

カガリ「ここまで送ってくれてご苦労だった、ラミアス艦長」
マニュー「ご武運をお祈りしております」

艦長のマニューから敬礼による見送りを受けたカガリたちオーブ代表団は、
連邦の高官たちが出迎えるものの、カガリたちを見る目は一様に冷たいもの
があった。

キサカ「(……ここはもはや敵地、というわけか……)」
カガリ「(油断は出来ないな……だけど、かつての悲劇を繰り返すわけには
 いかない……フォーラ准将を二度も死なせは……)」

表情をこわばらせるカガリだが、よく見知った顔を見つけ──ようやく
少女らしい笑顔を見せた。

マリアルイゼ「お久しぶりですわ、カガリ陛下」
カガリ「遅くなって申し訳ない」
クラリス「いいえ、私たちもつい昨日着いたばかりですの。
 マリネラのパタリロ殿下も、つい先程到着されたばかりのようです」

フランスのスペースコロニー国家「ネオフランス」元首令嬢である
マリアルイゼと、カリオストロ公国の女公クラリス・ド・カリオストロ、
そしてリクセント公国のシャイン・ハウゼン王女に、
アメール民主共和国のマイラ元女王の4人である。

マイラ「(小声で)中東地域の意見調整はアブラーダのイスマエル王子と
 私とで何とかうまくいきそう──イスマエル王子は、仮面ライダーの
 内の1人とご親友なんです」
シャイン「南欧も私とクラリス様とマリア・ルイゼ殿が……ただ、北部ヨーロッパは
 ロームフェラ財団の発言権が大きくて……」

今も欧州全域に深く根を張る貴族連合であるロームフェラ財団は、
かつて存在した連邦の特務部隊スペシャルズ(OZ)のスポンサーとして
知られ、ティターンズやブルーコスモスと同様に、ロゴスの息の掛かった
団体である。

マリアルイゼ「それから……(さらに小声で何事かをカガリにささやく)」
カガリ「……!!」

631 

***同ダカール市内・某高級国際ホテル***

ここは高層階に位置する国賓専用の最上級ロイヤルスイートルーム。
先程、国王専用機『暁の銀鷲号』に乗ってダカールに到着したばかりの
マリネラ国王パタリロ・ド・マリネール8世と、その代表団ご一行である
(…と言っても、パタリロ以外のメンバーは皆、いつものタマネギ部隊
ばかりだが)。

バンコラン「またお前のボディーガードか…」
パタリロ「お互いに、犬の行き倒れだ」
バンコラン「なんだそれは?」
パタリロ「ワン、バターン!」
バンコラン「………」

ロゴスと通じる内務大臣一派の排除に成功し、反ティターンズの旗幟を鮮明
にした英国代表団から、マリネラと英国の間の連絡役兼パタリロ国王の警護
の特命を受けたMI6のバンコラン少佐であったが、いつもながらのパタリロの
寒いダジャレに頭を抱えつつ呆れる…。

バンコラン「お前と話していると、命が磨り減るような気がするよ」
パタリロ「だれるな。ぼくもティターンズには恨みがあるんだ。
 奴らの邪魔が出来るなら何でも協力するぞ♪」

マリネラはティターンズから非協力的な国と見做され、
国産品であるダイヤの商取引でも、いろいろと妨害を受けていた。

そうしているうちに、客室のガラス窓から階下を除いてみると、
銃を装備した連邦軍の兵士達が、続々と連邦議会議事堂の中へと
集結している光景が見える。

パタリロ「ティターンズか?」
バンコラン「首尾よく事が成就した暁には、自分たちに逆らった側の
 各国代表団をその場で即座に見せしめのために始末する魂胆だろう。
 奴らならそれくらいやりかねん」
パタリロ「ちょっと待てーっ! 明日の総会にはぼくも出席するんだぞ!」
パンコラン「それがどうした?」
パタリロ「落ち着いている場合かー! ぼくが奴らに蜂の巣に
 されたらどうするつもりだ!?」
バンコラン「なんだ、花でも手向けてほしいのか?」
パタリロ「お前なあ~!!」
バンコラン「冗談だ」

ズコッ!!

パタリロはここで壮大にズッコけるが、すぐに体勢を立て直す。

パタリロ「待て待て、冗談にも程があるぞ!」
バンコラン「お前が蜂の巣にされる時は、女王陛下をはじめ
 各国首脳も一緒だ。その方がよっぽど問題だ」

632

***太平洋海底・α基地***

太平洋内に密かに建造された超巨大な移動基地・α(アルファ)。
世界中の心ある科学者たちによって創られた、あらゆるヒーローたちの
サポートを目的とする超科学要塞である!
宇宙軍から応援のため駆けつけた機動戦艦ナデシコCを伴って
帰還したスーパーロボット軍団を、意外な人物が2人出迎えた…。

ルリ「セイラさん、ドーリアン外務次官…いつこちらへ?」

そう、一年戦争においてはアムロやブライトと共にザビ家の野望と戦い、
グリプス戦役や第一次ネオ・ジオン戦争ではエウーゴの隠密活動に
協力した──ジオン・ズム・ダイクンのもう1人の忘れ形見であるセイラ・マスと、
滅亡したサンクキングダム王家の王女にして現在は地球連邦の外務次官を勤める
リリーナ・ドーリアン。

セイラ「ベルナデットたちマザーバンガードと一緒にね」
ハーリー「それよりドーリアン次官は、議会の方はよろしいんですか?」

ルリと一緒に来たマキビ・ハリ少尉(ハーリー)が、
この大事な時期にダカールにいなくてよいのか?と、
リリーナに尋ねる。

リリーナ「今、私がダカールにいても何もできる事はありません。
 私も、地球連邦の次官としてだけでなく、結成前のPUメンバーと
 してもフォーラ准将のお手伝いをするために参りました」
鉄也「ラクスとカガリが加われば、地球圏PUの主要メンバーがほぼ揃うって
 わけか」
ルリ「ユリカさんとシャクティさんを除けば、ですけど…」
マリア「ちょっと、あたしのことも忘れないでよねっ! エリカ姫やロミナ姫の
 分までがんばるんだから!」
ベルナデット「もちろん、セイラさんや私は、ダカールでは表立っては
 行動出来ないかもしれないけど…それでも、PUの総力を挙げて
 ティターンズと対決するつもりです!」

彼女たちの会話の中で度々出てくる「PU」とは、「プリンセス・ユニオン」の略である。

宇宙警察機構を仲介として、現在星間評議会と地球側の良識
派との間で密かに進められているヒーロー統合部隊の結成計画。それを後援
すべく準備が同時並行で進行しているのが、地球上各国のVIP令嬢を中心と
して構成される「プリンセス・ユニオン」の設立なのである。
まだ正式な結成前であるが、組織の旗艦となる宇宙戦艦エトワール・ド・ラ
・セーヌ号の建造もすでに完了していた。

甲児「それにしても、エトワール・ド・ラ・セーヌまでこっそり地球に
 来てるとはな。よくバレなかったもんだ」
セイラ「リリーナさんが、色々と便宜を図ってくれたのよ」
リリーナ「アプロヴァール大統領と連絡が取れない分、私にも出来る限りのことは…!」

633

○マリュー・ラミアス→アークエンジェルで、オーブ代表団をダカールまで送り届ける。
○カガリ・ユラ・アスハ→オーブ代表団としてダカール入り。
○レドニル・キサカ→オーブ代表団としてダカール入り。
○マリアルイゼ→カガリをダカールで出迎える。
○クラリス・ド・カリオストロ→カガリをダカールで出迎える。
○マイラ元女王→カガリをダカールで出迎える。
○シャイン・ハウゼン→カガリをダカールで出迎える。
○パタリロ・ド・マリネール八世→マリネラ代表団としてダカール入り。
○ジャック・バンコラン→ダカールでパタリロを護衛。
○セイラ・マス→極秘に地球入り。
○ベルナデッド・ブリエット→極秘に地球入り。
○ホシノ・ルリ→宇宙軍から応援として、ナデシコCで地球入り。
○マキビ・ハリ→宇宙軍から応援として、ナデシコCで地球入り。
○リリーナ・ドーリアン→極秘に地球入りしたセイラ・マスとα基地にて合流。
○グレース・マリア・フリード→極秘に地球入りしたセイラ・マスとα基地にて合流。
○剣鉄也→極秘に地球入りしたセイラ・マスとα基地にて合流。
○兜甲児→極秘に地球入りしたセイラ・マスとα基地にて合流。

634 

【今回の新規登場】
○マリュー・ラミアス一佐(機動戦士ガンダムSEED/同SEED DESTINY)
 アークエンジェルの艦長。ザフト軍によるヘリオポリス襲撃の
 混乱の中で技術士官にも関わらず艦長代行となる。やがて
 オーブ残存勢力の戦艦クサナギ、ラクス・クラインらがザフトから
 奪取した戦艦エターナルと共闘し、第3勢力「三隻同盟」の一翼をなした。
 第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦後はオーブへと亡命し、
 「マリア・ヴェルネス」と偽名を名乗りモルゲンレーテ社の造船課に
 エンジニアとして勤めていたが、ラクス襲撃事件を機に再び
 アークエンジェルの艦長席へと座った。

○カガリ・ユラ・アスハ(機動戦士ガンダムSEED/同SEED DESTINY)
 南太平洋に浮かぶオーブ連合首長国の代表首長であり、五代氏族
 アスハ首長家の前当主ウズミ・ナラ・アスハの一人娘。
 MBF-02ストライク・ルージュのパイロット。
 キラ・ヤマトの双子の姉。父の形見、モビルスーツアカツキと
 父の遺言を受け取り、崩壊寸前のオーブを救った。その後、
 オーブ代表としての威厳が備わり、プラント議長デュランダルの
 考え方をラクスとともに完全に否定し、全面対決の姿勢で臨む。

○レドニル・キサカ一佐(機動戦士ガンダムSEED/同SEED DESTINY)
 オーブ陸軍第21特殊空挺部隊所属であり、戦艦クサナギの艦長。
 カガリの傅役と護衛を務めた。

○マリアルイゼ(機動武闘伝Gガンダム)
 ネオフランス元首の娘。ジョルジュ・ド・サンドの許婚であり、
 彼にお熱を上げている。かなりお転婆なお嬢様でトラブルメーカーだが、
 気丈な一面も併せ持つ。

○クラリス・ド・カリオストロ(ルパン三世 カリオストロの城)
 カリオストロ公国の皇女で、カリオストロ大公家の最後の姫であり、
 同家に伝わる「銀の山羊の指輪」の所有者。カリオストロ家の光を
 象徴する存在。公国の独裁を狙う伯爵に結婚を強要されていたところを
 ルパン三世に救われる。

635 

○マイラ元女王(世界忍者戦ジライヤ)
 中近東のアメール民主共和国特別平和大使であり、国の民主化に伴い
 退位した元女王。専制君主制復活を目論む叔父(=豪忍アブダダ)に
 命を狙われるが、ジライヤに救われる。

○シャイン・ハウゼン(バンプレストオリジナル)
 地中海沿岸に位置する小国リクセント公国の王女。
 予知能力を持つ家系であり、本人も強力な予知能力者である。
 普段から上品な言動を心がけているが、時折うっかり口癖として
 「ビビる」「~しちゃったり」等の砕けた言葉遣いをする時もある。
 ラトゥーニとは立場を超えた友人であり、ライの事を「ライディ様」
 と呼んで慕っている。XAM-007G フェアリオンのパイロット。

○セイラ・マス准尉(機動戦士ガンダムシリーズ)
 サイド7に移民してきた医者の卵。本名はアルテイシア・ソム・ダイクン。
 ジオン・ズム・ダイクンの遺児で、シャア・アズナブルの実妹。
 サイド7の避難民としてホワイトベースに乗り込み、人手不足のホワイト
 ベースで通信士となり、その後はGアーマーやコアブースターのパイロッ
 トとして戦闘でも活躍した。ザビ家の復讐を考える兄を否定しており、
 その後ジュドーの妹リィナを保護している。

○ベルナデット・ブリエット=テテニス・ドゥガチ(機動戦士クロスボーンガンダム)
 木星帝国総統クラックス・ドゥガチの娘。心優しい少女だが芯は強い。
 父の思想に疑問を持ち、留学生にまぎれて地球へ密航しようとしてい
 たが、その際戦闘に巻き込まれ、新クロスボーン軍のマザー・バンガ
 ードに乗り込む。以後新クロスボーン軍と行動を共にするようになり、
 衛星イオでの戦いの際に自分の素性も明かしている。紛争終結後は
 トビアや他のクルーと共に海賊として宇宙へ上がり、カリスト兄弟
 率いる新生木星帝国と戦った。

○ホシノ・ルリ少佐(劇場版 機動戦艦ナデシコ-The prince of darkness-)
 地球連合宇宙軍 ナデシコ級第2世代型宇宙戦艦NS966C ナデシコCの艦長。
 「史上最年少の天才美少女艦長」「電子の妖精」などの異名で呼ばれる。
 元は遺伝子操作で生まれた人間で、幼少の頃より特殊な教育を受け、
 その資質をネルガルに買われ、初代ナデシコのクルーになった。
 冷静で「バカばっか」の決め台詞を持つ。

○マキビ・ハリ少尉(劇場版 機動戦艦ナデシコ-The prince of darkness-)
 地球連合宇宙軍 ナデシコ級第2世代型宇宙戦艦NS966C ナデシコCの副長補佐。
 ルリと同じくネルガルの遺伝子操作によって生まれた少年で、若年ながらも
 優れたオペレーション能力を持っている。ルリに対して姉のような存在とし
 ての憧憬を向けている。通称「ハーリー」。


『ダカールの日』-7

作者 鳴滝

636 

***ダカール国際空港***

イスマエル「剣総理、お待ちしていました」
桃太郎「イスマエル王子」

無事、公民権法案を国会で可決成立させ、
日本の政府専用機でダカールの国際空港に到着した剣桃太郎を、
中東有数の産油国アブラーダのイスマエル王子が出迎える。
日本は国内の石油需要の8割をアブラーダに依存しており、
またイスマエル王子の妃が日本人女性という事もあり、
両国はとても親密な間柄である。

桃太郎「父君は病にて療養中と承ったが、お体の具合は?」
イスマエル「侍医によれば軽い発熱だそうです。
 心配をお掛けし申し訳ない」
桃太郎「いや、大事無いのであれば、それは何より」

突如体調の不調を訴えて床に臥せった父王に代わり、
こうして第一王位継承者であるイスマエル王子が
国王の名代として出席しているのであった。

桃太郎「それで殿下、臨時総会での票読みの方は?」
イスマエル「五分五分…といったところです。
 ここまで追い上げることが出来たのは、日本での
 公民権法案可決の影響が大きいでしょう」
桃太郎「しかしあのティターンズの事だ。
 最後にどんな手段に訴えてくるか解らん」
イスマエル「ええ…。米国のウィルソン大統領が
 あちらの部屋でお待ちです」

***α基地***

ダカールへ向けてインド洋を移動中のα基地である。
極東基地からは岡長官の計らいにより、大空魔竜も予定通りに合流している。

ルリ「そろそろティターンズの防衛網に入る頃です。セイラ艦長、作戦の説明を」
セイラ「了解しました。今回の作戦の目的は、ブレックス・フォーラ准将を無事、
 ダカールの議事堂まで送り届ける事にあります」
ピート「そのためには、陽動部隊を編成し、敵の目をひきつける必要がある。
 その隙に小数の部隊で議事堂に降下、議会を占拠する」
大文字博士「現地では、エゥーゴやPUの同志が地上部隊を率いて、
 議事堂の制圧、及び、中継局の確保を準備中だ」
ピート「ダカールからの連絡では、剣総理たちも議場に到着し、
 評議会に出る議員の面々は大方出席手続きを済ませたそうだ。
 ブレックス准将は、かねてからの手筈どおりに地下から議事堂へ接近する。
 残りのみんなは議事堂西部で陽動作戦を行ってくれ」
大文字博士「では、時計あわせ、17:00。5分後に作戦を開始する!」

637

***連邦議会議事堂前・正面玄関***

日本国総理・剣桃太郎の乗った日本大使館の公用車が到着し、
正面玄関に横付けされる。
桃太郎が車から降りて姿を現した途端、
呆気に取られる出迎えの連邦政府事務官や
取材に来ていたマスコミの面々。

ちなみに、当然ながらティターンズの手によって
ダカール市内には自由なマスコミの出入りは規制され、
今周囲にいるマスコミの記者たちは言うまでもなく、
皆ティターンズの息の掛かった御用マスメディアばかりである。

記者「一体、どういうことですか! 日本の剣首相!?
 そのガクランは卒業された男塾の制服ですよね!」
桃太郎「……そうだ。これから俺は命を懸けた戦場へ行く……!!
 このガクランはその心意気だ……!!」
記者「その背中に背負っている刀は何ですか?
 もちろん模造刀ですよね?」

すると桃太郎は、居合い抜きで記者の持つマイクを
スパッと半分に切り捨ててみせる。

記者「――ヒィッッ!!((((((((((((((((((( ;゚Д゚)))))))))))))))))))ガクガクブルブル」
桃太郎「それが答えだ……!!」

続けて米国大統領を乗せた公用車が到着。
後ろからその一部始終を見ていたマイケル・ウィルソン大統領。

マイケル「さすがは桃。私もパワードスーツを着てくればよかったか」
ジョディ「ご冗談はおよしください、大統領」
マイケル「HAHAHAHA!」

その様子を2階の窓から見ていたジャミトフたち。

ジャマイカン「つまらんパフォーマンスを見せおって!
 まるでサムライ気取りか。東洋の猿めがっ!」
ジャミトフ「それよりもブレックス・フォーラはどうした?
 てっきり日本の代表団と一緒か、あるいはプラントの艦に
 同行して来るものとばかり思っておったぞ」
ジャマイカン「報告では日本の政府専用機にも、あのザフトの
 ふざけたピンク色の艦にも、ブレックス・フォーラは乗って
 いなかったようであります」
ジャミトフ「米国のエアフォース・ワンには?」
ジャマイカン「無論、そちらの方も確認済みであります。
 エアフォース・ワンにも奴は乗っていなかったと…」
ジャミトフ「…奴め、いったいどのルートから
 ダカール入りするつもりだ?」

638*

**連邦議会議事堂・議場前大廊下*** 

 

カガリ「ラクス!」

ラクス「カガリさん、そちらでしたか」 

 

駆け寄る二人。久方ぶりの再会である。

互いに固い友情の握手を交わすと、周囲に聞こえないよう小声で話し込む。 

 

カガリ「それで、フォーラ准将は?」

ラクス「すでに極秘の別ルートでダカール市内に入られておいでです。 

 予定ではもうじき議事堂に到着される筈ですが…」 

 

 

***臨時総会***

厳粛な空気の中で、すでに地球連邦臨時総会は始まっていた。
この時、ティターンズに反対的なリヨン議長は強引に更迭させられ、
ティターンズに操られるだけの傀儡たる議長代行に、
ジャマイカンが目線で合図を送る。

議長代行「では、連邦憲章、第11項改正に関する投票を行います」

***ダカール市内・下水道***

密かに下水道を伝って、
議事堂へと急ぐブレックス・フォーラ准将、
そしてそれを護衛するサングラスの男。

カオルちゃん「もうすぐ議事堂の真下だ。
 なんせ下水道なんで臭いはキツイだろうが、
 もう少しだから我慢してくれ」
ブレックス「うむ」

野上冴子を通じて日本政府から非公式にブレックス・フォーラの
ダカール連邦議会議事堂までの護衛を依頼されたカオルちゃん。
いつもの野上冴子であれば、シティーハンター=冴羽撩に依頼する
ところであろうが、裏の世界でも相当名の通ったスイーパーである
シティーハンターは、やはりロゴスの筋から動きをマークされている。
そこで敵の目を欺くために、今回は別ルートを介してカオルちゃんに
仕事が持ち込まれたのであった。

ティターンズ兵A「誰だ!?」

カオルちゃん「ちいっ!」
ブレックス「こんなところにまで兵士が配備されていたか!」
ティターンズ兵「止まれ!! 止まらんと撃つぞ!!」

銃を構えるティターンズ兵士。しかし彼らが発砲するよりも先に、
カオルちゃんの華麗な蹴り捌きが決まる方が早かった。

カオルちゃん「とりゃああっ!!!」
ティターンズ兵A「――うわっ!? な、なんだ!?」
ティターンズ兵B「ぐ…」

ぐったりと気を失い倒れるティターンズの兵士達…。

ブレックス「見事だ」
カオル「さあ急ごうぜ准将。あまり時間がない」

639

***再び連邦議会議事堂・臨時総会***

議長代行「では、投票の結果を発表いたします。賛成212。反対101。無効178。
 よって、連邦憲章11項改正法案を可決します」
反対派議員「異議あり!! これは陰謀だ!」
カガリ「その無効178ってのは何だ! 無茶苦茶だぞ!」
ランプ「黙れ! もう決まったんだ!」

中肉中背で、角ばった顔と大きな目の中年の小男が、
カガリや他の反対派を激しく恫喝する。

桃太郎「あの男は…確か」
ウイリス「反ロボット主義者のアセチレン・ランプです」

日本代表席の隣りに着席している、エスタルドのウイリス・アラミス主席が
桃太郎の小耳にそっと囁く。

桃太郎「確かあの男は一度逮捕された筈だが」
ウイリス「三輪防人と同様にロゴスの後押しで出獄して、
 議員の座に返り咲いたのでしょう」

反対派議員「金に目がくらんで、独裁政権を誕生させると言うのか!?
 貴様は、それでも…うっ! な、何を!? は、離せ!」

ティターンズ派の議員席から野次や罵声が飛び交う中、
反対派の議員が次々と守衛によって
強引に議場から外へ連れ出され連行されていく…。

ラクス「剣総理、これは…!?」
パタリロ「ティターンズめ、有無を言わせないつもりだな」
桃太郎「………」

議長代行「…静粛に。それでは、改正にともない、
 新たな評議会首席を決定する投票に移ります」

新たな評議会首席がジャミトフ・ハイマンに決定されれば、それは自動的に
地球連邦の次期大統領として選出されることを意味するのだ……。

640

○イスマエル王子→ダカール国際空港で剣桃太郎を出迎える。病床の父王の
 名代として地球連邦臨時総会に出席。
○剣桃太郎→日本代表団としてダカール入り。地球連邦臨時総会に出席。
○ホシノ・ルリ→作戦前にてα基地に待機。
○セイラ・マス→作戦前にてα基地に待機。
○大文字洋三→作戦前にてα基地に待機。
○ピート・リチャードソン→作戦前にてα基地に待機。
○マイケル・ウィルソン→米国代表団としてダカール入り。地球連邦臨時総会に出席。
○ジョディ・クロフォード→米国代表団としてダカール入り。地球連邦臨時総会に出席。
○ウイリス・アラミス→エスタルド代表団としてダカール入り。地球連邦臨時総会に出席。〇ラクス・クライン→地球連邦臨時総会に出席。
○カガリ・ユラ・アスハ→地球連邦臨時総会に出席。
○パタリロ・ド・マリネール8世→地球連邦臨時総会に出席。 
○ブレックス・フォーラ准将→護衛のカオルちゃんと共に、ダカール市地下
 下水道から議事堂へと接近する。
○カオルちゃん→日本政府からの依頼で、ブレックス・フォーラを護衛する。
●ジャミトフ・ハイマン→地球連邦臨時総会に出席。
●ジャマイカン・ダニンガン→→地球連邦臨時総会で、ジャミトフに陪席。
●アセチレン・ランプ→ロゴスの後ろ盾を得て出獄。議員の座に返り咲き、
 地球連邦臨時総会に出席。

【今回の新規登場】
○イスマエル王子(仮面ライダースーパー1)
 アブラーダ王国の王子で、沖一也のアメリカの大学時代の親友。
 一也の取り持った縁で、日本人女性・恵子を妃に迎えた。
 ドグマ王国の陰謀で、怪人カマキリガンが化けた偽者と
 すり替えられるが、スーパー1の活躍で救出される。

○大文字洋三博士(大空魔竜ガイキング)
 大空魔竜戦隊の創設者であり総司令。東西大学名誉教授(宇宙物理学専攻)。
 早くから宇宙からの侵略を予見し、密かに超能力者を集めて大空魔竜戦隊を組織した。

○ピート・リチャードソン(大空魔竜ガイキング)
 大空魔竜隊キャプテン。アメリカ海兵隊あがりの元トップガンで、
 弟のトムに対しても厳しく振る舞い、大空魔竜の中でもクールな
 性格故にサンシローと衝突することも多いが、本来は優しい性格
 でありながらもあえて情に流されないとする為であり、地球を守る
 使命感を強く持つ。徹底した現実主義者で、口癖は「ナンセンス」。
 考古学に関しても知識を持っている。

○ウイリス・アラミス(機動新世紀ガンダムX)
 エスタルド人民共和国の若き国家主席。民族の英雄だった前国家主席の息子。
 父の後を継いだばかりであった当初は優柔不断な青年だったが、やがて指導
 者としての責任に目覚めていく。

●アセチレン・ランプ(アストロボーイ 鉄腕アトム)
 評論家、会社社長、政治家で、反AIロボット主義者。人間以外の知性を
 認めない人間至上主義者である。政界に進出し、AIロボット排斥運動の
 急先鋒となる。しかし内心では、かつて自分を救ってくれたロボット・
 フレンドを見捨ててしまったPTSD(というより良心の呵責)に苛まれ、
 「ロボットは道具。心などいらない」と己に言い聞かせ、世に広める
 ことで、辛うじて正気を保っている。


『ダカールの日』-8

作者 鳴滝

641

***ダカール宇宙港・アークエンジェル艦橋***

ダカール宇宙港に停泊している戦艦アークエンジェルでは、
オーブの軍服に身を固めているアスラン・ザラが、
緊張した面持ちでじっと窓の外を見つめていた。

マリュー「落ち着かない?」
アスラン「ラミアス艦長…」

マリューがアスランのカップに飲み物を注ぐ。

マリュー「ここで私たち軍人がいろいろ考えていても仕方がないわ。
 議場の方にはミリアリアさんもいるし、今はカガリさんたちを
 信じて知らせを待ちましょう」
アスラン「ええ、それは解ってはいますが――」 

 

そしてアスランがカップに口をつけた瞬間少し驚く。

てっきりカップの中に注がれたのはコーヒーだと思っていたら、なんとミルクだったのだ。 

 

アスラン「…ぎ、牛乳??」

マリュー「あら、口に合わなかったかしら? それムサシノ牛乳って言ってね。 

 昔から愛飲してるものなのよ」

そこへチャンドラが知らせに入る。

チャンドラ「艦長、α基地より入電です。本日17:00ジャスト、
 作戦開始との事です」
マリュー「了解しました」

***地球連邦議会議事堂・臨時総会***

議長代行「投票の結果を発表します。ハイマン大将、212。無効278。
 よって、連邦評議会首席は、ジャミトフ・ハイマン大将に――」
桃太郎「――議長、緊急動議です!」

突然桃太郎が挙手して席から立ち上がる。

議長代行「――!?」
桃太郎「ジャミトフ・ハイマン氏を連邦評議会より除名することを
 提案いたします」
ジャマイカン「何だとっ!!」
桃太郎「――ですから!」
ジャミトフ「馬鹿なことを言うんじゃない、剣桃太郎君。
 たった今私は連邦政府の次期大統領として正式に選出された
 ばかりだ。引っ込んでいて頂こう」
桃太郎「いや、緊急動議は先決事項です。採決をお願いする」
カガリ「賛成!」
クラリス「わが国も賛成です!」

カガリやクラリスたち、
反ティターンズ派諸国の首脳が続々と起立する。

桃太郎「1名以上の賛成を持ちまして、緊急動議は成立したと見なし、
 これより議長の交代を要求します!」
議長代行「――なっ!?」
ジャマイカン「茶番はやめんか! 構わん! こやつらを全員逮捕しろ!
 国家に対する反逆の現行犯だ! 抵抗するなら連邦の加盟国首脳と
 言えども射殺してよし!」

642

***議場前・大廊下***

すでにベルトーチカとミリアリア・ハウら中継スタッフや
エゥーゴの潜入特殊部隊員らが辺りを制圧してスタンバイしている。

ベルトーチカ「お待ちしていました、さあ、准将、こちらへ」
ブレックス「うむ。ところでベルトーチカ君。君は、いつの間にエゥーゴに?」
ベルトーチカ「お忘れですか? 私の所属していたカラバは、エゥーゴの母体ですよ。
 それに、少しでも、アムロの助けになりかったし。ミリアリアさん、
 そちらの準備はよくて?」
ミリアリア「準備OKです。私もジャーナリストの端くれとして
 世紀の瞬間をしっかり写真に撮らせてもらいます!」
エゥーゴ兵A「こちらも準備完了です」
エゥーゴ兵B「よし、突入!」

合図と同時にエゥーゴ兵が、一斉に議場に殴り込みをかける。

エゥーゴ兵C「動くな!」
ジャマイカン「何っ!? いつの間に…ジャミトフ閣下、ここは危険です。こちらへ」
ジャミトフ「む…おのれ、今一歩の所で……。謀りおったな剣桃太郎…」
ティターンズ兵「閣下、お早く!」
ジャミトフ「…うむ」

643

議長代行「な、何だ、君達は!? ここをどこだと…うわっ!?」

――ドキューン!(銃声)

エゥーゴ兵「我々はエゥーゴの者だ。静かにしていただければ、危害は加えない」
ランプ「い、一体何が目的だ!?」
カオルちゃん「評議会の正常化さ。さあどいたどいた」
ベルトーチカ「カメラ、準備OKです。ブレックス准将、どうぞ」

演壇に登り、カメラに向かって演説を始めるブレックス・フォーラ。

ブレックス「私は、エゥーゴ代表、ブレックス・フォーラ准将ともうします。
 エゥーゴとは反地球連邦組織の事です。まず、突然、
 このような形でこの場をお借りした非礼をお詫びします。
 しかし、もはや事態は、一刻の猶予もないところまで来ていたのです。
 今の選挙は、明らかに違法です。正規の手続きの形をとっていますが、
 それが、ティターンズの買収と脅迫によるのは明らかです」
ランプ「バカな、何を根拠に、そのようなでたらめを!」
ブレックス「ここに、ティターンズより裏金を送られた議員のリストがあります。
 これを連邦検察局に提示すれば、すべては明らかになります」
ランプ「………」
ブレックス「ティターンズは独裁によって権力を握り、
 地球を我が物としようとしています。これは、許される事ではありません!
 これは、今までの連邦政府の在り方にも、問題があります。
 票を集め、権力を握る事しか頭にない議員、地盤だけで当選する議員…。
 こういった悪習を断ち、今こそ、政治を民衆の手にとりもどすのです!」

三輪「だまされるな!! あいつらは反逆者だ!」
桃太郎「三輪長官!?」
カガリ「あの男、ダカールに来ていたのか!?」
三輪「ジャミトフ閣下が、そのような事をされるはずがない!!
 すべて奴らのでっち上げだ! エゥーゴこそ異星人と手を組んでおるのだ!!
 ナチュラルに混じって汚らわしい異星人やミュータントがうようよ
 いるような国々など、地球のために叩き潰してしまえ!!」
パタリロ「言うに事欠いて、何てことを言う奴だ!」 国内に多くの異星人出稼ぎ労働者を抱えるマリネラのパタリロも、今の三輪の発言には憤りを隠さない。
三輪「議事堂を占拠し、反逆者どもを捕まえろ!!」
ブレックス「いかん! 敵を議事堂に近づけるな!!
 今議事堂を占拠されては、すべては水の泡だ!」
シャイン「ジョイス、私もフェアリオンで出ます! すぐに支度を!」
ルダール「ハッ! すでにこちらにてご用意しております。お急ぎを」

***ダカール市内・連邦軍技術開発本部・地下格納庫***

ジャマイカン「ベン・ウッダー大尉、何をしている!?
 早くデストロイガンダムを出撃させろ!」
ベン「ちっ、MD(モビルドール)の同調システムの最終調整が、
 まだ終わっておらんというのに…!」
ジャマイカン「かまわん! 今は少しでも戦力が必要なのだ!」

644

 ○マリュー・ラミアス→アークエンジェル艦内にて待機。ムサシノ牛乳を愛飲している。
○アスラン・ザラ→アークエンジェル艦内にて待機。
○ダリダ・ローラハ・チャンドラⅡ世→α基地よりの入電をマリューに報告。
○ミリアリア・ハウ→ブレックス・フォーラの演説の様子をカメラで写真に収める。
○剣桃太郎→可決直前に緊急動議を提出して、ジャミトフの大統領就任を阻止。○クラリス・ド・カリオストロ→剣桃太郎の緊急動議に賛同。
○ブレックス・フォーラ→無事に議場に到着。ティターンズを糾弾する。
○シャイン・ハウゼン→フェアリオンで出撃する。
●ジャミトフ・ハイマン→議場より退避。
●ジャマイカン・ダニンガン→議場より退避。デストロイの出撃を指示。
●三輪防人→ダカールに来ていた。剣桃太郎たちを妨害する。
●ベン・ウッダー→デストロイガンダムの調整中に出撃命令が下る。

【今回の新規登場】
○アスラン・ザラ一佐(機動戦士ガンダムSEED/同SEED DESTINY)
 元プラント最高評議会議長パトリック・ザラの息子で、元ザフトの軍人。
 地球連合軍が農業プラント・ユニウスセブンを核攻撃した「血のバレン
 タイン」で母親を亡くした為、ザフト軍に志願した。2年後、オーブ連合
 首長国でアレックス・ディノと名乗り、カガリのボディーガードを勤めて
 いたが、プラント新議長デュランダルの説得によりザフトに復帰。
 その後デュランダルの行動に疑問を感じるようになり、再びザフトから離反。
 ZGMF-X19A インフィニットジャスティスガンダムのパイロットとなる。

○ダリダ・ローラハ・チャンドラⅡ世三尉(機動戦士ガンダムSEED/同SEED DESTINY)
 アークエンジェルクルーの一人。CIC電子戦担当。クセ毛の髪とメガネが印象的な人物。

○ミリアリア・ハウ三尉(機動戦士ガンダムSEED/同SEED DESTINY)
 オーブの資源コロニー・ヘリオポリスに住み工業ガレッジに通う学生
 だったが、ザフトのガンダム奪取作戦に巻き込まれアークエンジェルに
 避難。その後同艦のCICモビルスーツ管制官及び通信士を担当。
 第2次ヤキンドゥーエ攻防戦後、戦場カメラマンとして活動していたが、
 その後再びアークエンジェルに合流し、通信士を務めた。
 恋人のトールを戦場で失った後、ディアッカに興味を抱く。

○ベルトーチカ・イルマ(機動戦士Ζガンダム)
 エウーゴの女性工作員。ジャーナリスト出身で強い正義感を持っている。
 アムロ・レイの元恋人でもある。

○ジョイス・ルダール(バンプレストオリジナル)
 リクセント公国王室に仕える執事で、シャイン王女の側近。

●ベン・ウッダー大尉(機動戦士Zガンダム)
 ティターンズ所属の軍人。ブラン・ブルタークの副官にして後任。
 人質を取ってエゥーゴに投降を迫るなど、ティターンズにありがちな
 卑劣な作戦を指示するが、最後は部下たちを下船させ、自らスードリで
 特攻をかけるなど、妙な男気を見せた。 


『日本一のサムライ』-3

作者 ユガミ博士

645 

***大江戸市・とある公園***

小次郎「ぐおぉぉぉ、やられた~。覚えておれ~。」
撮影監督「カット~!はい、OK!今日の撮影はここまでだ、撤収作業急いで。」

ちょうどその頃、撮影の方は終了した。しばらくすると、控え室の為に設けた
テントから小次郎が出てきた。すると、撮影に来ていた女性達が黄色い悲鳴をあげた。

女性A「キャー、見て!」
女性B「キャー!」
小次郎「(おお、女子達が私の方へとやって来る)さぁ、女子達よ、
  私の胸に飛び込んで・・・。」
女性達「「銀牙ク~ン」」
小次郎「アレ?」

小次郎の元へと来るのかと思いきや彼女達は素通りした。後ろを振り向くと、
主演である鳥飼銀牙がいた。

小次郎「ぐぬぬ・・・何故、私ではなくあのような若造が~。」

小次郎が銀牙に嫉妬を感じていると・・・。

ドン

小次郎「うぉっと!」
???「きゃっ!」

後ろを振り向いていた小次郎に誰かがぶつかってきた。

小次郎「誰でござるか!?危ないでござるぞ。」
???「ごめんなさい、急いでいたもので・・・。」

小次郎とぶつかり倒れていたのは中学生くらいの女の子だった。

小次郎「(か、かわいい)あ、大丈夫でござるか?」
???「あ、ありがとうございます。」
小次郎「(ん?この女子、どこかで見たような・・・)」

小次郎は相手が女の子だと分かると、途端に手の平を返して手を差し伸べた。
だが、小次郎はその女子にどこかで見た顔と感じた。

646

武蔵「何をしているのじゃ?小次郎。」

そこへ、刃、さやか、武蔵、カゲトラ、庄之助、ゲロ左衛門、ナマコ男が
やってきた。

小次郎「おお、武蔵にさやか殿!帰ってきたでござるか。」
刃「おい、オレもいるぞ。」
小次郎「それより武蔵、この女子どこかで見たと思わんでござるか?」
武蔵「何?」

武蔵は小次郎に言われ、その女子の顔をじ~と見つめた。

???「あ、あの・・・。」
武蔵「確かに、どこかで見た顔じゃな。」
???「お~い、イサミ!」
???「はぁはぁ、足速いよ。イサミちゃん。」
イサミ「トシ、ソウシ。」

そこへイサミと呼ばれた少女の下に2人の男子がやってきた。

小次郎「イサミ・・・トシ・・・ソウシ・・・。」
武蔵「はっ!お主達、あのイサミにトシ、ソウシか?」
トシ「誰だよ?爺さん達。」
ソウシ「僕達の事を知っているみたいだけど・・・。」
武蔵「そうか、この姿では分からぬのも仕方が無いか。」
小次郎「拙者達でござるよ、共に野火の手から地球を救った・・・。」
イサミ「え、あのムサシさんとコジロウさん?」
刃「おいおい、さっきから何の話なんだよ。」
さやか「分かるように説明して。」
武蔵「そうじゃな、ここを離れて落ち着いて説明するとしよう。」

武蔵の提案で刃達はその場を離れた。 。

647

撮影現場から離れ、武蔵と小次郎からイサミ達との関係を説明された。イサミ、
トシ、ソウシの3人は小学生の時に新撰組だったご先祖の遺した秘宝“龍の武器”
を発見したから世界征服を企む組織・黒天狗党と対決。その後、黒天狗党の首領・黒天狗こと
芹沢鴨之丞の正体が遠い昔地球に不時着した異星人であり、世界征服の目的が母星への帰還
する事が判明し、和解。龍の武器に搭載されているルミノタイトを渡し、黒天狗は母星へと帰還。
それから中学生になった時、異星人・野火率いる白狐団が地球に様々な事件を起こした。イサミ達は
謎の人物から龍の武器を受け取り、再びしんせん組の活動を開始。そして、野火は過去の時代から
宮本武蔵と佐々木小次郎の魂を呼び出し、イサミ達にぶつけた。その後野火の目的が地球人類がいかに
好戦的な種族であるかの証明だった。実は野火は宇宙連合(原作は銀河連邦)の文明監視員だった。
調査をしているうちに地球人類を危険視した野火は反乱を起こし、地球支配に乗り出した。
武蔵、小次郎の協力により野火の計画は瓦解し、武蔵と小次郎は元の時代へと帰っていた。
そしてその後の武蔵と小次郎については、省略する。

武蔵「・・・という訳じゃ。」
さやか「武蔵と小次郎にそんな過去があったなんて。」
ソウシ「それにしても、あの宮本武蔵と佐々木小次郎が生きているなんて。」
トシ「ああ、ムサシさんは何百年も生きていて、コジロウさんはゾンビだもんな。」
小次郎「ゾンビとは失礼でござるぞ。」
武蔵「死体から甦ったのじゃから、ゾンビじゃろう。」
小次郎「・・・巌流島の続きをするでござるか?」
武蔵「望む所じゃ。」
トシ「2人って、あんな性格だっけ?」
ソウシ「きっと、あれが素なんだよ。」
イサミ「うう、ムサシさん昔はクールでかっこよかったのに・・・。」

武蔵と小次郎の性格のギャップに3人はただただ驚くのだった。

648

七海「あの~すいません。此方に鉄刃君っていますか?」
刃「刃は俺だけど何の用?」
銀牙「君を探しているという女性がいたので、連れてきたんだ。」

そこへやって来たのは、今回のゲストとして出演した野乃ナナこと野乃七海と
鳥飼銀牙だった。そして連れてきた女性は白い肌の美しい和服の女性だった。

さやか「(誰?この女)」
和服の女性「鉄刃さんですね。私あなたのファンなんです。握手してもらえますか?」
刃「オレのファン!?なははは、ありがとう。握手?いいぜ。」
武蔵「(この娘、どこかで・・・は!)近づいてはいかん、刃!」
刃「え?」

握手をしようと近づいた刃は武蔵の声に反応して立ち止まり、武蔵の方へ
振り向いた。

和服の女性「死ねー、鉄刃!」
刃「おっと!!」

女性は懐から短刀を取り出し、刃に向けて刺そうとしたが刃は何とか回避した。

刃「あっぶねぇな、誰だ!お前。」
和服の女性「ち、仕留め損なったか。」

女性は和服を脱ぎ捨てると、そこにいたのは美しい和服の女性ではなく、
手の生えた大きな蛇だった。その蛇こそ、風神が刃に差し向けた刺客・ヘビ男だった。

ヘビ男「久しぶりニョロ、鉄刃。」
刃「お、お前は・・・誰だっけ?」

ズルッ!

刃のその発言にその場にいた全員がコントの如くこけたのは言うまでも無い。

ゲロ左衛門「刃~、アイツは俺の次に来た刺客のヘビ男だゲロ。」
刃「そうだった、そうだった。すっかり忘れていたぜ。」
ヘビ男「どこまでも、ふざけた奴ニョロ。者共かかれー!」
オニ兵士「「「「オニー!」」」」
女性A「キャー!」
撮影監督「何だ!?コイツら。」

ヘビ男の掛け声にどこからともなく、オニ兵士(名前が明かされていないので
便宜上・以下そう名づける。)が現れた。しかも撮影に来ていた人達まで襲い
始めた。

刃「あんの野郎!」
小次郎「拙者に任せるでござる。伸びろー、物干し竿!」

小次郎は妖刀物干し竿で刀身を伸ばし、(主に女性を)襲っているオニ兵士
を倒していった。

武蔵「よし、さやかよ。カゲトラと庄之助と共に、そこにいる2人を連れて
 逃げるのじゃ。」
さやか「分かったわ。」
銀牙「その必要は無い。」

武蔵はさやかに銀牙と七海を連れて逃げるように指示をしたが、銀牙はその
必要が無いと言って来た。

銀牙「こういう相手には慣れている。超者降臨!!!」

すると銀牙の左手の甲に瞳を持った羽根―ゴッドフェザーが浮かび上がり、
その全身が結晶で覆われ、梟の意匠を持つ鋼のボディとなった。その姿こそ
闇の使者・超魔一族と幾度と無く戦いを繰り広げた光の戦士・ライディーン
一族の1人、その名は―

ライディーンアウル「ライディーンアウル!!

649

水の戦士ライディーンアウルに変身すると大鎌の武器アウルブレードでオニ兵士を
切り倒していった。その姿を見た七海は・・・。

七海「あなた達なら、見せても大丈夫そうね。」

七海は着ている服を脱ぎ捨て、自身の所属する疾風流忍者の忍装束となった。

七海「忍風シノビチェンジ!」

腕に着けているハリケンジャイロを回し、七海は疾風流の伝説の忍―ハリケン
ブルーへと変身した。

ハリケンブルー「風が舞い、波が踊る!水忍ハリケンブルー、参上!
トシ「スゲー、本物のヒーローだ。」
武蔵「は!イサミ達よ、お主達龍の武器は持っておるか?」
イサミ「はい。」
ソウシ「いつでも、持っています。」
武蔵「ならば、変身じゃ。」
イサミ&トシ&ソウシ「「「はい!」」」

3人はそれぞれ龍の武器、龍の剣・龍の眼・龍の牙を取り出した。そして光を
発光し、その服装は新撰組を思わせる衣装となった。

イサミ「龍の印は正義の印!
ソウシ「この世に悪がある限り!
トシ「天に代わって悪を絶つ!
イサミ「新撰組!ただ今参上!
ヘビ男「こんなの聞いてないニョロ~。」

ヘビ男は困惑した。相手は鉄刃だけかと思っていたら、変身してくる奴が
出てくるわ出てくるわで、非常にまずい状況だと理解した。

ヘビ男「と、とにかくやっつけるニョロ~!」
オニ兵士「オニ~」
ハリケンブルー「させない、ソニックメガホン。くるくるまわりなさい!」

ヘビ男の命令にオニ兵士は刃達に向かっていた。しかし、ハリケンブルーの
ソニックメガホンから発する催眠音波でオニ兵士は空中をくるくる回った。

650

イサミ「はぁぁ!」
オニ兵士「オニ~!」

イサミ達はその隙をついて、オニ兵士に攻撃をした。イサミ達の持つ龍の武器には
ルミノタイトが使用されている。ルミノタイトは心に反応する性質があり、その
威力も使用者の心で決まる。心優しい3人は武器の威力も気絶する程度となっている。

刃「へ、あいつらばかりにいい格好させられるか。」

刃も現在所持している剣、魔剣クサナギを使ってばったばったと倒していった。

武蔵「ふぅー、久々の戦いにワシも血が滾りよるわい。よし来い、この剣豪・
 宮本武蔵がいまだ健在である事を見せてくれようぞ・・・でやぁぁ!」

ゴキッ!

武蔵「イタタタタ、持病のぎっくり腰が・・・。」

本当に肝心な所では役に立たない剣豪である。そうこうしているうちにヘビ男を
残して全滅した。

651

 ヘビ男「こ、こうなったら、戦略的撤退だニョロー!」
ゲロ左衛門「させないゲロー!」

ヘビ男はその場を逃げ出すが、ゲロ左衛門は長い舌でヘビ男を捕まえた。

刃「さて、覚悟は出来ているんだろうな。」
ヘビ男「ぐぬぬぬ、こうなったら風神様にいただいた力を見せるニョロ!」

すると、ヘビ男は煙と共に3つの首を持った巨大な大蛇へと変身した。

イサミ「そんな!」
ヘビ男「さぁ、怯えるがいいニョロ。怖がるニョロ。」

ヘビ男は巨大化した自分の姿を見て、恐怖に怯える鉄刃を想像した。
しかし、刃は全く逆の反応をした。

刃「ふふふ、はっはっはっは。」
ヘビ男「ん?恐怖のあまり気が狂ったニョロか?」
刃「そんなんじゃねぇよ。お前なんか、ちっとも怖くねぇや。鬼丸やかぐやの
 方がよっぽど怖かったぜ。」
ライディーンアウル「そうだな。超魔と比べれば貴様は怖くない。」
ハリケンブルー「こっちは毎回、巨大化してくる敵と戦ってきたんだから慣れっこよ。」
トシ「俺達はそういうの無いよな・・・。」
ソウシ「うんうん。」
イサミ「ちょっと、怖いかも・・・。」

ライディーンアウルやハリケンブルーは巨大な敵と何度も戦ってきた事から
慣れているので平気だったが、新撰組の3人は少し微妙な反応をした。

ヘビ男「うるさい、うるさい。喰らえー!」
イサミ「させない。」

ヘビ男は3つの首で刃、ライディーンアウル、ハリケンブルーに襲い掛かった。しかし、
3人の前にイサミ、トシ、ソウシが前に立ち、ルミナタイトの力でバリヤーを張った事で
攻撃を防いだ。

武蔵「い、今じゃ。」
ライディーンアウル「よし、3人同時攻撃だ!ゴッドバードチェンジ!」
ハリケンブルー「疾風流剣技・激流斬!」
刃「よ~し、かみなり斬りクサナギバージョン!」

ライディーンアウルは必殺形態ゴッドバードモードとなり、右側の頭部へ
ハリケンブルーはハヤテ丸を「斬」モードにして、左側の頭部へ、刃は
魔剣クサナギに雷を纏わせ、中央の頭部へと斬りかかった。

ヘビ男「ぐわぁぁぁ、お許しよ。風神様~!」

ヘビ男は倒され、元の普通のヘビに戻った。そして、残っていたオニ兵士達も
撤退していった。

652

小次郎「やったでござるな刃殿。」
女性A「助けてくださりありがとうございました。」
女性B「私達、ファンになっちゃいました。」
小次郎「当然の事をしたまででござるよ。(やったーついに、私の時代がキター。
  むふふ、この人気でゆくゆくは大河ドラマの主役も夢じゃない。主役をやるの
  なら、織田信長をやりたいでござるな。・・・であるか。なんちゃって。)」

ちょんちょん

小次郎「ん?また私のファンでござるか?」

小次郎が妄想にふけっていると、誰かが自分を呼んでいる気がした。振り向くと、
そこには黒子が立っていた。そして女性達に向けてカシャッと光った。

女性A「あれ、私達何をしていたんだっけ?」
女性B「銀牙クーン、どこー?」
小次郎「ど、どういう事でござるか?これは。」
七海「ごめんなさい。疾風流の忍者は正体を知られないように、事件の事は
 記憶を消すようにしているの。だからあなたの活躍は皆、覚えてないから。」
小次郎「そ、そんなOTL」

小次郎はひどいショックを受けた。

おぼろ『あ、七海ちゃん?事件は終わったようやな。そこにいる皆を忍風館
 に連れてきてもらえるか。』
七海「おぼろさん。・・・分かりました。皆を連れて行きます。」

七海はおぼろの指示に従い、刃達を忍風館へと案内した。

653 

***忍風館***

忍風館へと辿り着くと、そこには忍風館々長にして疾風流の長である日向無限斎
とその娘でハリケンジャーの装備を開発している日向おぼろが待っていた。その場
で2人は刃達に簡単な挨拶を交わした。

無限斎「この度はうちの七海がお世話になりました。」
武蔵「いやいや、ワシ等の戦いに巻き込んでしまい、申し訳ない。」
無限斎「君達の活躍はよく聞いている。鬼丸が日本を支配しようとした時には
 各流派の忍が戦ったものです。」
刃「へー、そんな事があったのか。」
おぼろ「それに新撰組の事も瑠美乃一族から聞いているで。」
イサミ「瑠美乃一族の事を知っているですか?」
無限斎「うむ、瑠美乃一族とは昔から同盟を組んでいましてな。それに黒天狗党
 とは江戸時代の頃から何度も戦っている組織なのです。」
ソウシ「そうだったのか。」

疾風流との意外な関係に一同は驚いたりしていた。

無限斎「さて、本来なら貴方方の記憶を消さなければならないのですが、今は
 そうもいっていられないのです。ご存知の通り、地球や宇宙では数多くの脅威
 となる組織が復活しました。それに対抗するためにも我々は一致団結しなければ
 ならないのです。どうか貴方方にも協力をお願いしたい。」

無限斎は刃達に頭を下げた。

刃「頭をあげなよ、おっちゃん。」
無限斎「お、おっちゃん!」
さやか「もう、失礼でしょ。」
刃「とにかく、悪い奴等を皆で協力して戦おうっていうんだろ?言われるまでもねぇぜ。」
イサミ「私たちも協力します。どんな人とも分かり合えるって信じていますから。」
銀牙「俺個人の判断では今はどうにも出来ません。しかし、この事は他の皆にも 
 伝えておきます。」
無限斎「ありがとう。」

こうして刃は新たな仲間を手にした。しかし、風神を始めとする悪の勢力はまだまだ
尽きない。鉄刃の戦いはまだまだ続く。

刃「次回もほっとけない。」
さやか「それ、違う番組でしょ。」

654

○鉄刃→ヘビ男と戦い勝利する。
○峰さやか→撮影所へと来る。
○宮本武蔵→イサミ達との出会いを刃達に聞かせ、ヘビ男達と戦う。
○カゲトラ&庄之助→ヘビ男達と戦う。
○ゲロ左衛門→ヘビ男達と戦う。
○佐々木小次郎→オニ兵士を倒し、女性にモテるが記憶が消されたので無かった事になる。
○花丘イサミ&月影トシ&雪見ソウシ→新撰組に変身してヘビ男達と戦う。
○鳥飼銀牙→ライディーンアウルに変身してヘビ男を倒す。
○野乃七海→ハリケンブルーに変身してヘビ男を倒す。
○日向無限斎→刃達に協力を要請する。
○日向おぼろ→七海に刃達を忍風館に連れてくるように指示をする。
●ヘビ男→刃、銀牙、七海の同時攻撃によって倒され元の蛇に戻る。

【今回の新登場】
○花丘イサミ(飛べ!イサミ)
小学5年生の時にアメリカから転校してきた帰国子女でボーイッシュな女の子。
勉強・スポーツは得意だが母似で絵が下手。自宅の蔵から発見した龍の剣を
振るって戦う。面食い。

○月影トシ(飛べ!イサミ)
イサミのクラスメイト。「バーチャル戦隊 ガンバマン」の大ファンだが、
「魔法の妖精 ラブリン」といった女児向けアニメもこっそり見ている。
中盤以降では龍の目を使用して戦うようになった。

○雪見ソウシ(飛べ!イサミ)
イサミのクラスメイト。冷静沈着だがキザで女好き。美人を見ると見境なく言い寄り、
どこからともなく薔薇を取り出し差し出す。その反面、女性に関して悲惨な目にあうことも多い。
「恐るべし、○○○」という言い回しで場を締めることが多い。中盤以降では龍の牙を使用して戦う。

○日向おぼろ(忍風戦隊ハリケンジャー)
「忍風館」特忍課・第487期卒業生。無限斎の一人娘(年齢は30代の設定)で、鷹介達の20代前の先輩。
忍風館始まって以来の天才と言われ、疾風流に伝承されてきた風神エネルギーを用いた各種メカ・アイテムを開発したエンジニアであり、ハリケンジャーの軍師的存在。標準語でしゃべる父と違い、彼女は関西弁を話す。

●ヘビ男(YAIBA)
刃への刺客の2人目で、鬼丸から使わされた八鬼のうちの一人。強力な蛇神の矛を装備しており
刃を窮地に陥れると思いきや、刃があらたに見出した新必殺技”せんぷう剣”によって
一刀両断され倒される。本名はジュリアス・ズポポタマスIII世

●オニ兵士(YAIBA)
鬼丸軍団配下の戦闘員。なお、この名前は便宜上つけたものである。


『吹き飛ばせ!怨念の炎』-4

作者 ボー・ガルダン

655

***関東甲信越付近・地底世界***

既に宇宙進出すら果たした地上人類であるが、未だ自らの足元の世界については
ほんの薄皮をめくっただけに過ぎない。彼らの手の届かぬさらにその奥深く、
一見無明の闇のみが広がるこの世界には、地上と全く異なる種族による
独自の文明が数多点在していた。そしてここに宇宙から飛来した原生生物から進化し、
地底世界に適応した種族とその国家が存在する。その名も新生ジャシンカ帝国!


***新生ジャシンカ帝国・奥御殿***
小姓「帝王に謹んで奏し奉ります。 

 先頃、九州よりカー将軍がお戻りになり、御目通りを願っております」
帝王メギド「おおっ、将軍が!目通りを赦す、すぐさまこちらへ通せ」

 小姓「ははっ!」

カー将軍「帝王におかれましてはご尊顔を拝し奉り恐悦至極に存じます。 

 愚臣カー、ただ今九州より戻りまして御座います」
メギド「堅苦しい挨拶は臣下の前だけにしてくれ。 

 それが嫌でわざわざここまで呼び立てたのだからな」
カー将軍「やれやれ…ようやく私めに敬語を使う癖が抜けたと思えば…。 

 陛下、君臣の別はきっちりとつけねば他の臣下にしめしがつきませぬぞ」
王妃キメラ「まぁ、よろしいではありませぬか。 

 私共にとって将軍は永遠に尊敬すべき師にして、第二の父… 

 その念だけは枉げる事はできませんわ」
メギド「うむ、キメラの言うとおり。

 まして将軍には、ゼノビアを討つためとは言え、 

 あのような姦計に陥れた一人である俺…いや余の下に馳せ参じてくれた事に、 

 感謝してもしきれんからな」
カー将軍「いえいえ、私めはあくまでジャシンカ帝国の臣。 

 いかに罵られようと五体を砕かれんとも、主君に忠節を尽くすのは当然でございます。 

 いえ、むしろこの新生ジャシンカ帝国の姿と、かの計略に陛下が加わっていた事を知り、
 「あの」メギド王子がよくぞここまで御成長あそばされたと、歓喜の念さえ覚えた次第…」

新生ジャシンカ帝国…。

ダイナマンに敗れ墜落炎上するグランギズモと運命をともにしたかに見えた若き帝王メギドと王妃キメラだったが、二人は重傷を負いながらも奇跡的にその命を取り留めていた。

僅かに残った兵たちとともに、地底に戻った二人は、傷が癒えるとすぐさま大打撃を受けた帝国の建て直しに取り掛かり、尻尾による身分制度の廃止に代表される政治改革を断行、尻尾の本数はおろか種族にしばられぬ実力主義の人材登用を行い、国力の回復と以前以上の富国強兵に努め、大部分の国民の熱狂的な支持を背景に、5年で地上征服開始前以上の国力を回復させたのであった。

656  

 メギド「ま、まて!

 今、妙に「あの」にアクセントをつけたのはどういうわけだ!」
キメラ「まぁ、陛下のダークナイトになられる以前の姿からはとても…ねぇ…」
メギド「キ、キメラお前まで!」
キメラ「それだけ貴方の成長は素晴らしかったという事よ、メギド」
カー将軍「王妃陛下のおっしゃられる通り。 

 むしろ責められるべきは傅役を努めながらその才に気づけなんだ私めに御座います」
メギド「よせよせ!千年洞窟に幽閉されるまでの己の未熟さは俺自身が痛いほど自覚している。  

 それに今も余はまだまだ未熟だ。力、知恵、精神!

 すべてにおいてシャドームーンやマッドギャランら他の世紀王候補にまだまだ劣っている…。 

 と…話がだいぶ横道にそれてしまったな。

 して九州での作戦はどうやら失敗したようだが…」
カー将軍「はっ…Wジーグを討ち滅ぼす事ができなんだのは、私めの不徳の致すところ…。
 されど既に次の一手は打っております。

 今回の作戦実行で地上人側の九州防衛戦力も多大な損害を受けております。

 その点を力説し、邪魔大、不知火の両勢力を焚き付けておりますれば…」

将軍の瞳が鋭く光り、メギドが頷く。

メギド「奴らが再び行動を起こす日も遠くは無い…という事だな?」
カー将軍「左様。聞けば百鬼帝国も九州で小競り合いを起こしたとの事、 

 地上人はこれを脅威とみなし、九州防衛のために注力する事は必定。 

 さらに百鬼帝国と対立する恐竜帝国、他の地下帝国軍加盟組織に完全に遅れを取っている 

 チューブ、アクマ族らも早晩、行動を開始するでしょう。 

 それらの対処で地上人の戦力が各地に分散した頃合を見計らい――」
メギド「我らジャシンカ帝国が一気に関東周辺域に打って出る!というわけか」
カー将軍「然り。さればメギド様、九州方面に適当な人材とメカシンカ1体、 

 進化獣3体を常駐させ、いつでも邪魔大王国、 

 不知火一族に合力できる体勢を整えていただきたい」
キメラ「メカシンカと進化獣を?奴らと我々の関係が地上人に気付かれてしまうのでは?」
カー将軍「ハッ。確かに我らはこれまで常に裏の裏で行動してまいりましたが、 

 必要な下ごしらえは全て済みましてございます。 

 これ以上、彼奴等のみを矢面に立たせていては強い不信を招きかねません。
 助力するにしてもこちらもある程度の損害を覚悟した姿勢を見せねば、 

 形ばかりと受け取られましょう。
 失礼ながら我らジャシンカ帝国はGショッカー内ではまだまだ弱小、 

 今ここで連携が崩れては地上平定への大きな痛手となります。 

 彼らとの付き合いは薄情になりすぎず、肩入れしすぎず。
 ともに勝利を掴めればそれでめでたしめでたしですが、あちらが倒れた場合、 

 その煽りを受けるほど近づくことはありませぬ。 

 それともう一つ、我らも九州に姿を現すことにより、 

 地上人勢力の目をそちらに逸らす事もできましょう」
メギド「なるほど。しかし、いかな陽動部隊とは言え、どうせ戦うなら勝つ気で行かねば。
    よし、キメラ、今回はそなたが指揮を執れ!シンカ獣選出も任せる。
    王女が直々に援軍に来たとあれば、文句は言うまい。そうだ、
    新規登用した将校や兵士も実戦に触れさせておくよい機会だな。
    見込みのありそうな者を副官として随行させよう!やってくれるな?」
キメラ「ええ、もちろんですわ。 

 ジャシンカ帝国の健在ぶりをしかと見せ付けてご覧にいれます」
メギド「ハハハ、頼もしいぞ!さすがは我が妻、我が后!」

657

カー将軍「オッホン(と咳払い)!」

メギド「……しかと戦果を挙げて来るのだ!」
キメラ「…かしこまりました…。 

 しかし将軍、仮に再び日本各地が戦場になった場合、 

 首都圏攻略を狙う組織は我々の他にゴマンといるのでは?」
カー将軍「まさしくその通り。 

 仮に首都圏が制圧できれば他の世紀王候補を大きく引き離す事となるは必定、
 それが叶わずとも戦果いかんでは今後の戦略を楽に進める事ができましょう。 

 ゆえに虎視眈々と機会を狙う組織も多いはず…。 

 地上人とて首都圏防衛には身を砕いておりますれば、 

 手薄になったとは言えおいそれとは打ち破れぬでしょう。 

 いかに生き馬の目を抜き、そして相手の綻びを突くか、
 疾風迅雷かつ一枚岩の用兵が必要となるでしょうな」
メギド「それが余に出来るか…?」
カー将軍「陛下、先ほど御自身がシャドームーン殿下やマッドギャラン様に

 大きく劣っているとおっしゃられましたな?
 御無礼を承知で申し上げますが残念ながらその通り。貴方はまだまだ危うい。

 しかし、ただ一点、その御二方はおろか、他のどの世紀王候補に勝る所がおありです」
メギド「それは!?」

思わず身を乗り出すメギドにカー将軍が答える。

カー将軍「人の和で御座います。 

 世紀王候補を擁するどの組織をみてもこれほどの一枚岩はありますまい。 

 臣下、兵、国民、皆が陛下の徳を御慕いし、意気は天を焦がさんほど!」
キメラ「わずか5年の間でこれだけの国土復興を成し遂げ、 

 尻尾原理主義の反改革派貴族が起こした反乱も短い期間で鎮圧或いは恭順させる事ができたのも、

 ひとえに国民が陛下を支持し奮起した結果。
 再度の地上侵攻の意を表明された折も、多くの者がこれに賛同した事からも、 

 皆がいかに陛下をお慕いしているか一目瞭然ですわ」

658

カー将軍「シャドームーン殿下やマッドギャラン様は生まれながらの孤高ゆえに、 

 尊崇こそされども親しみ難き御方。

 末端まで目を移せば心底より慕っておる者はそう多くありますまい。 

 しかし陛下、あなたは挫折から身を起こし、 

 皆と一体になって血と汗を流しここまで這い上がってこられた。
 我らが帝国未だ力弱しと言えども、この団結はなにものにも変え難い」
メギド「うむ…。一時はこのまま地底に留まることも考えたが、 

 カー将軍が戻って来てくれた今、戦力の不安は払拭された。 

 このまま地底に留まっていては我ら有尾人の行く末も限界が見えている。 

 それにGショッカーにも復興の支援を受けてはいる手前、打って出ぬわけにはいくまい。
 もっとも全面的に信用するにはいささか危険な感じもするが…」
キメラ「Gショッカー中枢には、 

 地上人類をも組み込んだ帝国建設という陛下の考えに相反する思想の持ち主も多くいると聞き及びますわ。あのゼノビアめも尻尾原理主義者の残党を匿い、
 後宮にしきりに出入りしているとか…」
カー将軍「左様、彼らと対立した際、或いはあの強大なGショッカーの大部分が敵になった場合、
 それに対抗しうる戦力を得るためにも地上平定は必要不可欠」
メギド「うむ、最早、地上人類を尾のない下等生物と見下すつもりは毛頭無い。 

 恭順の意を示すものあれば手出しはせぬし、有能なものは積極的に登用していくつもりだ。 

 だからこそ、今度の戦いは決して侮らぬ、手を抜かぬ! 

 あのダイナマンへの雪辱も俺の手で果たしたい。
 亡き先帝アトンも御照覧あれ!ここまで付き従ってきた皆のためにも、 

 そして俺自身の誇りと意地のためにも、必ずや地上平定を成し遂げ、 

 我ら有尾人が光を手に入れるのだ!」

腰の帝王剣を抜き放って頭上に掲げ、メギドは高らかに地上侵攻への決意を宣言した。
王妃キメラとカー将軍はそれに恭しく傅く。

また一つ、地上人類に挑戦する脅威がここに誕生した。

659 

***福島県西南部・南会津郡山中***

川のせせらぎと草木のざわめき、鳥のさえずり以外なにも聞こえぬこの深山幽谷に、
ポンチョを纏い、黒いテンガロンハットを被った男が平たい大岩に腰を下ろし、
一人釣り針を垂れていた。そのまま苔むさんというほどに微動だにしなかった男が、
突如、背後の草音に身を翻し被っていた帽子をブーメランの如く投擲した!

霧島五郎「おおわぁっと、危ねぇなぁ!弦の字!俺だよ、俺!」
静弦太郎「…なんだぁ、随分と見飽きた顔だねぇ。つまんねぇなぁ」
五郎「おいおいおいおい、半年ぶりに顔を合わせてつまんねぇは無いだろぉ!
   この唯一無二の相棒、生涯の伴侶である霧島五郎さんに向かってあんまりよ…!
   ひどいわ、ひどいわ!アタシもう泣いちゃう!ヨヨヨ…」
弦太郎「気持ち悪い事ぬかすな、このオタンチン! それに俺はもうお前とは相棒でもなんでもないの!
 あなたは国家公務員、私は一般ピープル。わかったらとっととかえんな」
五郎「随分探すのに苦労したんだぜ。辞表だけ残して突然いなくなっちまうんだもの…。
   一体どうしちまったんだ、弦の字よぉ…」
弦太郎「…」

この男、静弦太郎は内閣直属の特務機関・国家警備機構の「密使」と呼ばれる凄腕のエージェントであり、今やってきた男―霧島五郎とともに日本国家を転覆せんとする数々の秘密結社を滅ぼしてきた。
その彼が突如、機構を辞任し失踪したのは今から半年前のこと。その失踪にもあの三輪長官と、それを裏で操る白河代議士やティターンズが大きく関っていたのであるが、事、この男の件に関しては他のヒーローとは事情が大きく違っていた。

660

――――半年前・熱海某高級料亭

弦太郎「国家警備機構隊員・静弦太郎、ただ今参りました」
三輪「おおっ!待ちかねたよ、静君!なぁに堅苦しい挨拶は止してくれ。
   今日は君が客、ワシが持て成す側なのだからな!ささ、席について
   楽にしてくれ」

突如、三輪長官に会食の招待を受けた弦太郎。不審に思いながらも
別段断る理由も無いのでその招きを受けたのだ。食事の席で三輪は
多くの犯罪組織が跳梁し、非ナチュラルや異星人が跋扈する現状と
今の防衛組織のそれに対する対策の手緩さを大いに嘆いていた。
弦太郎はその意見全てに賛同したわけではなかったが、常々、
防衛体制と事件捜査の甘さには不満を抱いていたので、その主張に
概ね頷いていた。

三輪「我が国、いやこの地球を取り巻く環境は人類始まって以来の危機的な状況になっている!
 にも関らずだ、自分たちはなんの手も汚さぬ立場の連中は綺麗ごと、絵空事を振りかざし、  

 我々の苦心を思いもせず、非難の矛先を向け、それでいて自分たちが危機に瀕すれば
 ただひたすらに我々に頼りきり、被害が出ればまたしても罵倒の嵐! 

 ふざけるのも大概にしろとは思わんかね? 

 あまつさえ国軍、連邦軍を問わずそいうった連中に迎合する腑抜けが内部にも多すぎる!」
弦太郎「まったくおっしゃる通りで。 

 私もね、日ごろは人権だの博愛だの声高に叫んでおきながら、結局は我が身が一番大事、 

 そういう連中には虫酸が走るんですよ。そいつらの顔色と自らの体面を気にして、 

 1殺せば済む戦いで結局100死なせる、そんな連中も同じくらい嫌いですがね」
三輪「うむ、やはり君はワシの見込んだ男。最近の若者にしては気骨に溢れ取る! 

 どれ、次はワシから…」
弦太郎「へっへっへ…有り難く頂戴いたしやす。 

 で…長官はつまるところ何をおっしゃりたいので?」

三輪が弦太郎の猪口に熱燗を注ぐ手を止める。

三輪「ワシの口から言わせるのかね?

 単刀直入に言おう。連邦軍に来ないか」
弦太郎「引き抜き…って奴ですかい?私が?なんでまた?」
三輪「今の剣首相、あの方の下にいたのではダメだ。 

 君のような研ぎ澄まされた名剣も錆付いてしまうだろう?」
弦太郎「いやぁ、買いかぶりすぎですよ長官。 

 私ゃ、まだまだケツの青い若造、それに出世の見込みも無い不良の万年平隊員。 

 それに周囲の目ってもんもありますし…」

661

三輪「知っているぞ、君が不良隊員の仮面の下に、 

 不知火一族、独立幻野党、宇虫人タイタニアンと三つもの我が国及び地球を脅かす不逞組織を    壊滅させた凄腕の顔を隠している事を。もちろんそれなりのポストも用意するし、
 世間の連中のいらん中傷からは全責任をもって保護させてもらう。 

 我ら地球連邦軍は『地球』と『地球人類』に害を為す脅威を水面下で排除するための 

 特務機関を立ち上げんとしている。君はその極東支部の室長だ。 

 我々の下す指令を果たしてくれる限り組織人事、運営管理については君に一任する。 

 基地に胡坐し指令しようとも、自ら敵地に赴こうとも自由だ!
 報酬も今の3倍、不満とあらば出来うる限りのものは用意しよう。 

 どうだ、悪い話ではなかろう?」
弦太郎「私の為にそこまでしてくださるなんて…いや、この静弦太郎感謝感激雨霰でございます!
 いや、でもやはり踏ん切りがつかぬと申しましょうか…」
三輪「頼む!君のような愛国心溢れ実力のある者が我々には必要なのだ。 

 それに君も綺麗ごとばかり口にする連中は好かんと言っておっただろう?」
弦太郎「へぇ…まぁ、その通りですが…」
三輪「さる筋から聞いたぞ君の活躍ぶり。 

 実力もさる事ながら、その鋼の精神力をワシらは高く買っておる。
 大の為には小を切り捨て、明日の平和の為には悪の芽は徹底的に摘み取り、多少の犠牲は厭わない!
 そして利用できるものはモノであろうと人であろうと全て利用する! 

 全て一流の軍人として必要な覚悟、それを全て備えておるのだ、君は! 

 あんな軟弱者の下で一生芽の出ない汚れ役で終わりたくはないだろう。
 薄汚い原住民に愚かな反体制分子、畜生どころか虫けらの宇宙人どもを

 綺麗に排除してきた君のその腕、ともに存分に振るおうじゃないか。

 地球の平和を守り、悪を叩き潰すためにな!」

口角泡飛ばしながら、自らの主張を語る三輪長官に対し、突如押し黙る弦太郎。
そして、数分の後、再び口を開いた彼の口から飛び出した返事は以下のものであった。

弦太郎「…三輪長官、申し訳ないがやはりその話、お断りさせて頂きます…」
三輪「なっ…なにが気に入らなかったのかね」
弦太郎「いや、やはり俺はあんたが望んでるほど人間が出来ちゃいねぇもんでね。 

 血の絨毯と屍の座布団の上に胡坐書いてふんぞりかえっていられるほどの覚悟も無ぇし、
 神経も図太かぁない。俺たちみたいな人間は 所詮どこまでいっても汚れ役が相応しいんですよ」
三輪「そ、それはワシに対するあてつけか!無礼な!」
弦太郎「お気に触られたってんなら、謝罪します。へへへ」
三輪「もうわかった!今日の所は諦めよう。

 だがな、君は確実に我々側の人間だ!いずれこちら側の門を叩く日が必ず来る! 

 その時、居辛くならんよう早めに結論を出すことだな!」
弦太郎「………」

662

―――――

五郎「そうか、そんな事があったのか――」
弦太郎「人間、この目で会って見るまでどんな奴かはわからねえ…が、結局の所、
    ただのレイシストだったよ、三輪長官は。あの人は国や地球を愛してるんじゃなくて、
    愛国者である自分を愛しちまってるのさ。それにまるで気がついていない。
    滑稽というか始末が悪いというか、可哀相な奴だぜ。もっとも、世間的にみりゃ、
    俺も奴と同類なんだろうがね。だからこそああいうありがてぇ~ラブコールが
    来たって訳だ。へへっ、ゾッとしねぇや」
五郎「おいおい、そんな事いうなよ。 

 確かに一緒に旅してる時はなんども『この冷血漢!』と思ったよ、俺も。
 けどさぁ、そういう決断を下す度に、一番苦しんでたのはお前じゃないか。 

 今回だってそうだろ。三輪長官があの手この手でお前を引き抜こうとすれば、

 俺たちにも迷惑がかかるんじゃないかと思って――」
弦太郎「手前ェの憶測で物事をかたるんじゃねぇやい! 

 そう思うんだったらとっとと帰んな」
五郎「おい、流石に新聞ぐらい読んでるんだろ!?もう三輪長官たちは日本に――」
弦太郎「関係無ぇよ、そんな事!俺はもう戦いだの殺し合いだのには飽き飽きしてんだ。 

 帰った帰った」
五郎「これを見てもそんな事が言えるのか!」

珍しく語気を強めた五郎が、懐から携帯電話を取り出しそのディスプレイを弦太郎に突きつけた。

弦太郎「……ジャイロゲス…モンスターゾロ!」
五郎「出たんだよ、九州に。

 こいつらはもう倒されたみたいだけど、不知火の連中がまた復活したんだ!」
弦太郎「そんな連中の事は忘れ――」
五郎「11人!11人死んだんだぞ!ほっといたらもっと死ぬぞ!」
弦太郎「今更どうこう出切る立場じゃ―――」
五郎「ったく、素直じゃねぇなぁ…そこまで言うなら、ぱんぱかぱーん!」

と五郎は今度は背中のリュックサックから2通の封筒を取り出した。

663

弦太郎「…おい、そりゃ俺の出した辞表」
五郎「そ、見てみろ、この辞表はまだ受理されてない。そして俺がもってるこっちの封筒は
   これを俺がどうとでも出切るっていう津島博士からの委任状だ」
弦太郎「やれやれ…まいったぜ。ま、そこまで皆様がおっしゃるのなら…男・静弦太郎、
    征かぬわけにゃあ征かねぇなぁ…」
五郎「このこのこの~本当はうれしいくせに!というわけでこれは―――」

五郎は手元の辞表を細かく引きちぎり、その紙片は渓流の中へと飲み込まれていった。

弦太郎「恥ずかしながら、静弦太郎、帰って参りました!いよっ、憎いね、五郎さん!」
五郎「古いんだよ、お前はよぉ!おし、それじゃこれ津島博士からの選別だとよ」

五郎が弦太郎に細長い金属の棒を投げ渡す。

弦太郎「おっ!アイアンベルトじゃねえか!やっぱこれが腰に収まってねぇとしまらねぇや」
五郎「博士が射出速度、威力、強度強化したアイアンベルト改だ!改造といや不知火ロボットも
   強化されてるらしいぜ。なんでも前はなかった光学兵器や磁力兵器を装備してたらしい」
弦太郎「なにっ…不知火の連中はそこまでのものは作れなかったはずだ…。こりゃ臭ぇな…」
五郎「だろ?だから俺とお前で九州まで調査に向かえって指令を預かってるの。
   おっと、津島博士にも連絡しなきゃな」」
弦太郎「んー、なんだ五郎さん、携帯なんて買ったのか?」
五郎「おうさ、画像や動画もやりとり出切るから、任務遂行には大きな手助けになるぜ。
   いやー、科学の力ってスバラし!ほれ送信と―」
弦太郎「けぇー、自分がその最先端科学の申し子ってのによく言うねぇー。 

 なな、俺にもちょっと貸してくれよ」
五郎「いいけど、お前携帯なんて使えるのか?

 触ったこと無いだろ、ホレ、ちょっとだけよ」
弦太郎「へえぇー小さいねぇー! 

 まぁ、確かに俺『たち』には必要無いわな、こんなもの」

664

ポーイッ


と、ごく自然な動作で弦太郎は五郎から受け取った携帯電話を崖下へと投げ捨てた・・・。
それを目で追った後、しばし呆然とする五郎。

五郎「あ…アアアアアアアアッ!!!なにすんだよ!!!!」
弦太郎「あーいう文明の利器に頼りすぎるとね、世の中狭くつまらなくなるの。 

 豊かな人生を送るためには必要ありましぇーん!」
五郎「馬鹿!馬鹿ッ!!馬鹿ァッ!!!この人でなし! 

 あぁ、折角旅先で女の子たちとメアド交換しようと思ってたのにぃ~!!!」
弦太郎「結局それが目的じゃねえかよ! 

 お前、世間でなんて言われてるかしってるかアイアンキング?

「史上最弱の巨大ヒーロー」「日本一スタミナの無いヒーロー」

「ウルトラセブンもどき」「赤いシルバー仮面ジャイアント」。 

 かぁーっ、他人の事ながら、俺ァ情け無くって涙が出てくらぁ。 

 そんなんだから幼稚園児にまで舐められるんだよ、悔しくないのか!」
五郎「僕ちゃんはお子様たちの評判よりも、女の子と仲良くなるほうが大事なのぉー!」
弦太郎「相変わらずダメだねぇあんた。 

 それにな、一期一会の出会いの方が思い出に残るもんなの、わかる? 

 ほら、ぐずぐずしてないでいくぞ!」
五郎「あぁ~、さらば俺のケータイちゃん…。て、お前なにで九州まで行くんだよ」
弦太郎「決まってるだろ。ホレ」

そういって自分の脛を叩く弦太郎。

五郎「オイオイいいのかぁ?徒歩で」
弦太郎「俺たちゃ隠密。公共の交通機関に用はねぇ。

 それに、不知火の連中が九州だけにいるとは限らねぇんだ。
 敵が不知火だけとは限らねぇしな。こうして自分たちの足で調査しながら行くのが一番よ!

 あ、水筒に水汲んでおけよ」
五郎「ヘイヘイわかってますよ。あーあ、津島博士がまた始末書の肩代わりだな、コリャ。

 あっ、オイ待てよ~ッ!!!」
弦太郎「久々の世直し旅だ。腕が鳴るぜ!…って待てよ…

 まだ誰か足りねぇ気がするが…まぁ、いっか!」


***東京・国家警備機構本部***

藤森典子「津島博士!霧島君から連絡は!」
津島博士「ああ、来たよ。弦太郎も九州に向かってくれるそうだ」
典子「で、今二人はどこに!?」
津島博士「それが、さっぱり返事が来なくてね。最後に電波が発信されたのは南会津付近だが、
     通信機も例によって電源切ってあるみたいでね…」
典子「ああっ!もうっ!やっぱり!博士!

 もうこの時点で規約をみっつも破っているじゃありませんか!
 やっぱり私がついて行くべきだったわ!」
津島博士「まぁまぁ、典子君。

 そう焦らなくても二人はこれまでもちゃんと任務を遂行してきたじゃないか」
典子「いいえ!博士はふたりに甘すぎます!あの二人に任せてたら九州が沈没してしまいますわ!
 私、藤森典子、静、霧島両隊員の監督の為、すぐさま2人を捜索し、

 発見次第その監督にあたりますので、失礼致します!

 鬼怒川方面かしら、あの2人温泉好きの女好きだし。

 ああ、裏をかいて若松方面から新潟に抜ける可能性もあるわね…。

 待ってらっしゃい二人とも…今度こそビッシビシしごいて真人間に更正してあげるんだから!」
津島博士(ああ…この娘も完全に2人に毒されてる…)


ま~ぼろしのぉ~♪みどぉ~りもとめてぇ~♪

665 

 ○静弦太郎→三輪長官のスカウトを蹴ってそのまま行方をくらませていたが、南会津で五郎に発見される。不知火族復活の報せと、改造アイアンベルトを受け取り、黒幕を調査するべく徒歩で九州への珍道中を開始。
○霧島五郎→弦太郎と南会津で再開。不知火一族の野望を阻止するためともに徒歩で九州へ。
○藤森典子→相変わらず好き放題の二人を監督するべく、北へ出発。
○津島博士→改造アイアンベルトを託した五郎から弦太郎発見と任務開始の報せを受け取るが、その後二人は音信不通に。
●帝王メギド→ダイナマンとの決戦に敗れた後、ひそかに生き延び、尻尾による身分制度廃止を掲げて5年で国を再建、民衆の絶大な支持を受け、再び地上征服とダイナマンへの雪辱に意欲を燃やす。カー将軍の関東攻略電撃作戦を実行に移すべく、虎視眈々と機会を狙う。
●王妃キメラ→ダイナマンとの決戦に敗れた後、ひそかに生き延び、政治改革と国力回復につとめるメギドを支える。
闇女王同盟に所属してはいるが、後宮との関りは浅く滅多に足を運ばない模様。
邪魔大王国、不知火一族への増援と関東攻略電撃作戦のための陽動部隊となるため、メカシンカ1体とシンカ獣3体、及び若手の副官らを引き連れ九州地下へと向かう。
●カー将軍→再びジャシンカ帝国とメギド、キメラに忠誠を尽くす。各地で地下帝国軍が蜂起し関東の守備が手薄となった隙を突き、一気に侵攻する関東攻略電撃作戦を計画、実行の機会を耽々と狙う。
●三輪防人→(回想)着任中、静弦太郎に引抜をかけようとしていた。その裏には白河らティターンズの意向があった。

【今回の新規登場】
○静弦太郎(アイアンキング)
 国家警備機構の擁する「密使」と呼ばれる凄腕のエージェント。剣にも変化する特殊鞭アイアンベルトを操り、正真正銘生身の人間でありながら、巨大ロボットや怪獣とも臆する事無く渡り合う超人。普段は、陽気で社交的かつ女好きの好青年だが、強い正義感の持ち主であり、任務遂行の為なら他人を利用したり、他人はおろか自分すらも犠牲にする事を辞さないなど非情な側面を持つ。しかし、すべて割り切れる冷血漢ではなく、葛藤し、わざと偽悪的に振舞うことも。旅先で知り合った女性も自分の戦いに巻き込むのを恐れ、わざと突き放した態度を取ることが多い。霧島五郎とは性格は違うが妙に馬の合う名コンビであり、旅の中でも戦闘でもお互い助け合ってきた無二の相棒である。なお、本編の最終回まで五郎がアイアンキングである事に気がつかなかった。
 音楽を愛し、よくギターでの弾き語りを披露している。乗馬も得意。

○霧島五郎/アイアンキング(アイアンキング)
 国家警備機構隊員。登山衣装にサングラスが特徴の青年。静弦太郎の相棒として送り込まれた男だが、ドジで間抜けでおっちょこちょい、戦闘力も低く、オマケに女好きと、本当に特務機関の人間か疑わしくなる人物。
 だが実は以前、登山中の落雷事故で瀕死の重傷を負い、その際、津島博士の手によって、巨大ロボット・アイアンキングに変身できるようになった改造人間。1分間しか戦えず、エネルギーとして大量の水を要するためイマイチ活躍しきれないが、静弦太郎の危機を度々救い、そのコンビネーションで多くの的を葬ってきた。
 弦太郎とは対照的にお人好しで、任務の際も情を捨てきれず、危機に陥ったり、弦太郎と激しく対立する事も多いが、弦太郎がただ非情なだけの人間ではないと理解しているため、一般人との緩衝材的な役割を果たしたり、非情な決断を下さざるを得ず、打ちひしがれる弦太郎を慰めたりなどその支えにもなっている。

666 

○藤森典子(アイアンキング)
 国家警備機構隊員。あまりに上層部をないがしろにする静、霧島両隊員への目付け役として送り込まれた女性隊員。
 なかなかの美人だが、極めて真面目でやや融通の利かない杓子定規的な性格。そのせいか、未だに男性経験は無い模様。弦太郎、五郎からは本人がいやがっているにもかかわらず「テン子」と呼ばれており、強烈すぎる2人のキャラクターの前にその暴走を阻止仕切れていない。

○津島博士(アイアンキング)
 国家警備機構に所属する科学者。捨て子であった静弦太郎を育て、霧島五郎をアイアンキングに改造した。不良隊員とレッテルを貼られている彼らにとって唯一の理解者である。

●若き帝王メギド(科学戦隊ダイナマン)
 有尾人一族ジャシンカ帝国の帝王。先帝アトンの息子。もとは5本尻尾だったが、ダイナレッドに1本を斬り落とされ彼をライバル視する。真面目で血気盛んだが、どこかお人よしで間の抜けている所がある。度重なる失敗をゼノビアの奸計に突け込まれ、全ての尻尾を切られた上、父アトンの手により、千年洞窟に幽閉されてしまった。
 しかし後に脱獄し、闇の使者・ダークナイトとしてダイナマンを翻弄、ゼノビアを罠に嵌めて滅ぼし、父であるアトンをも倒して、尻尾よりも一人一人の修練が強さに繋がると証明。成長を認めたアトンとから帝王剣を託され正式にジャシンカの王となった。

●王妃キメラ(科学戦隊ダイナマン)
 有尾人一族ジャシンカ帝国の王妃。4本尻尾。

 先帝アトンの妹の娘でありメギドとは従兄弟どうしである。
 妖術とスティックを武器として操る。なにかというと熱くなりがちなメギドとは対象的に冷静沈着であり、当初、メギドとは喧嘩友達に近い間柄であったが、メギドの帝王即位後はその成長を認めたのか、心底彼を慕っている様子である。ダイナブラックこと星川竜に服を奪われてしまったことがある。


『ダカールの日』-9

作者 鳴滝

667

***日本・宇宙警察地球署デカベース***

スワン「ドギー、ダカール市内が戦闘状態に突入したそうよ」
ドギー「………」

ニュース報道での緊急速報の内容を、
署長のドギー・クルーガーに伝える白鳥スワン。
ドギーはそれを聞いても、ただじっと署長室から
窓の外を無言のまま見つめている。

ホージー「ボス、我々もダカールに応援に行きましょう!」

いてもたってもいられなくなったホージーが口を開くと、
ドギーは強い口調でこれを押し留める。

ドギー「馬鹿なことを言うな。宇宙警察が地球の内政に
 介入する訳にはいかない」
スワン「ホージー、普段冷静な貴方らしくないわ」
ホージー「しかしこのままでは、ギャバン先輩達の努力も
 無駄になってしまうかもしれません!」

確かにホージーの言うとおり、もしこの政変でティターンズ派が
勝利すれば、これまで宇宙警察が仲介の労をとって計画を進めてきた、
地球と宇宙とのヒーロー統合組織の設立はご破算となる。
それだけでなく、下手をすれば地球自体がGショッカーと同様
宇宙の敵になりかねないのだ。

ドギー「お前たちの気持ちは解る。だがここで我々が下手に動けば、
 それこそ今ダカールにいる剣総理たちが不利な立場に置かれる。
 今は剣総理たちを信じるんだ」

 

 ドギー・クルーガーが剣桃太郎を信頼しているのには理由がある。まだ地球署が設立される前の頃、アリエナイザーや宇宙犯罪組織による異星人犯罪の脅威から地球を守るため、

宇宙警察が地球にも宇宙警察署を設置する必要性を懸命に説いても、

地球側の政治家達がなかなか重い腰を挙げない中、地球署の設立に尽力してくれたのが、

ICPO長官・金田正太郎、そして当時、日本政府の国家公安委員長であった剣桃太郎であったのだ。
またドギー自身も、これまで地球と宇宙のヒーロー統合部隊設立計画において、

地球人の中でも信頼のおける良識派要人たちと事前に非公式な接触を何度か持ち、

米国大統領マイケル・ウィルソンやプラント最高評議会議長ラクス・クラインとも顔を合わせており、彼らの人となりもよく知っている。

彼ら各国首脳を信頼して任せれば大丈夫――というドギーなりの確信があった。

***ダカール・地球連邦議会議事堂***

議事堂内はすでに銃撃戦の場と化していた。
議場のあちらこちらで銃弾が飛び交う中、
パタリロはゴキブリ走法と根来流忍術を駆使して、まるで敵を
おちょくるようにティターンズ兵たちを翻弄している。

キラ@Sフリーダム「ラクス、こっちだ!」
ラクス「キラ!」

銃撃を避け、議場より外へ退避したラクスの前に、
輝く白い四肢とグレイに青のツートンカラーの機体が舞い降りる。
宇宙港に停泊していた戦艦エターナルから駆けつけた
キラ・ヤマトの愛機ZGMF-X20Aストライクフリーダムガンダムだ。
ラクスはコクピット席から手を差し伸べるキラの手を受け取って
機体の中に飛び乗る。

シャイン@フェアリオン「ラクス様!」
ラクス@Sフリーダム「シャイン王女!」
シャイン@フェアリオン「カガリ様はこちらでアークエンジェルまで
 無事にお送り致します。ご安心を!」
ラクス@Sフリーダム「よろしくお願い致します!」

両機は敵機の攻撃を掻い潜りつつ、それぞれ
エターナルとアークエンジェルの元まで急ぐ。


***日本・四ツ葉町 クローバータウンストリート***

一方、こちらは日本の四ツ葉町にある商店街の家電専門店前。

美希「大変な事になっちゃったわね…」
ラブ「うん…」

下校途中のそれぞれ着ている制服が違う女子中学生3人が
ショーケースに並べられたテレビの前に立ち止まり、
心配そうな面差しで、ダカールでの銃撃戦を伝えるニュース映像を見つめている。その時、 青い制服を着た、腰まであるロングヘアの少女が何かに気づき、驚いた表情で画面に向けて指を指した。

美希「――ちょ、ちょっとあれを見て!!」
ラブ「…え?」

少女が指を指した先には、なんと3人がよく知っている人物が、
銃を構えた敵兵を相手に縦横無尽の大立ち回りをしていたのだ。

カオルちゃん@テレビ画面の中『オラオラオラァァァァッ!!!!!!!!』

ラブ「――カ、カオルちゃん!? なんでそんなところに!!」
祈里「うそ…(汗」
美希「カオルちゃんって、本当に一体何者…??」

668

***ダカール・地球連邦議会議事堂***

愛刀を構えた剣桃太郎と、パワードスーツ『メタルウルフ』へと
身を包んだマイケル・ウィルソンが、マイラやクラリスたちを
敵の銃弾から守りながら、迫り来るティターンズ兵たちを
バッタバッタとなぎ倒していく!

ジョディ「…大統領、結局パワードスーツを持ってきちゃってたんですね」
マイケル@メタルウルフ「――ん? 何か言ったかねジョディ?」

辺り一面に容赦なくマシンガンを唸らせ、グレネードの雨を
撒き散らしながら、マイケルは声のしたジョディの方向を振り返る。

ジョディ「いえ、別に」
桃太郎「ミス・クロフォード、貴女はマイラ大使やクラリス王女たちを
 安全な場所まで誘導を!」
ジョディ「了解しました。お任せください」


***同市内郊外・地球連邦大統領別邸***

警備兵A「ぐわああっ!!」
警備兵B「ぬおおおっ!!」

頭部や腹部を殴打され、その場に倒れこむ
ティターンズ派の警備兵達。

サタン「何の騒ぎだ?」

地球国王とロゼ・アプロヴァール、ミスターサタンの3人を
軟禁していた部屋のドアが開くと、外から3人の少年たちが
中へと入ってきた。一人は華奢ながら強靭な肉体を覗かせる少年、二人目は長髪を三つ編で束ね、三人目はベストを着用し、どこか良家の子息風の雰囲気が漂っている。

国王「君たちは?」
カトル「国王陛下に大統領閣下ですね?
 僕たちはプリベンターです。救出に参りました」
サタン「おおー、やっと助けが来たか!」
アプロヴァール「随分と遅かったじゃないか。
 今まで何をやっていたんだい?」
デュオ「お小言でしたら後でゆっくり
 レディ・アンから聞きますよ」
ヒイロ「邸内はすでに俺たちが制圧した。
 敵の新手が来ないうちに急げ」

***同市内宇宙港・停泊中のアークエンジェル***

カガリ「ラミアス艦長、今戻った!」
マリュー「カガリさん!」

シャインのフェアリオンに同乗させてもらう形で
送り届けてもらったカガリが、アークエンジェルの艦橋に辿り着く。

カガリ「直ちにアークエンジェルを発進させてくれ!
 友軍を援護に向かう!」
マリュー「了解! 総員第一戦闘配備! "アークエンジェル"発進!!」

宇宙港を飛び立ち議事堂の方向へと向かうアークエンジェル。
エターナルもそれに続く。

669

○ドギー・クルーガー→ダカールが戦闘状態に突入したとの報に接する。
○白鳥スワン→ダカールが戦闘状態に突入したとの報に接する。
○戸増宝児→ダカールが戦闘状態に突入したとの報に接する。
○キラ・ヤマト→ラクスを連れて、一旦エターナルへ。
○ラクス・クライン→キラに連れられ、一旦エターナルへ。
○シャイン・ハウゼン→カガリをアークエンジェルまで送り届ける。
○桃園ラブ→下校途中にニュース映像で、ダカールで戦闘中のカオルちゃんを目撃。
○蒼乃美希→下校途中にニュース映像で、ダカールで戦闘中のカオルちゃんを目撃。
○山吹祈里→下校途中にニュース映像で、ダカールで戦闘中のカオルちゃんを目撃。
○カオルちゃん→ダカールの地球連邦議会議事堂でティターンズ兵を相手に戦闘中。
○パタリロ・ド・マリネール8世→ダカールの地球連邦議会議事堂でティターンズ兵を相手に戦闘中。
○剣桃太郎→ダカールの地球連邦議会議事堂でティターンズ兵を相手に戦闘中。
○マイケル・ウィルソン→ダカールの地球連邦議会議事堂でティターンズ兵を相手に戦闘中。
○ジョディ・クロフォード→マイラやクラリスたちを安全な場所まで避難させる。
○地球国王→プリベンターに救出される。
○ロゼ・アプロヴァール→プリベンターに救出される。
○ミスターサタン→プリベンターに救出される。
○ヒイロ・ユイ→軟禁されていた連邦大統領たちを救出する。
○デュオ・マックスウェル→軟禁されていた連邦大統領たちを救出する。
○カトル・ラバーバ・ウィナー→軟禁されていた連邦大統領たちを救出する。
○カガリ・ユラ・アスハ→シャインにアークエンジェルまで送り届けてもらう。
○マリュー・ラミアス→アークエンジェルを発進させる。

【今回の新規登場】
○白鳥スワン=デカスワン(特捜戦隊デカレンジャー)
 宇宙警察地球署のメカニック担当であるチーニョ星人。
 システムやロボットの整備・開発が専門だが、科学捜査に
 まつわる知識にも造詣が深く、あらゆる証拠物の分析、
 復顔術やプロファイリングもこなす。捜査官ではないが、
 白とオレンジのツートーンのデカスーツを装着し
 デカスワンに変身することが出来る。本人曰く4年に一度しか
 変身しない主義らしい。魔法戦隊マジレンジャー=小津5兄弟の
 母である小津深雪=マジマザーとは親友の関係。

○桃園ラブ=キュアピーチ(フレッシュプリキュア!)
 公立四つ葉中学校の2年生。友人の失恋に大泣きするなど、
 自分のことよりも他人のことで熱くなれる、人懐っこく
 天真爛漫で元気いっぱいな女の子。ダンスユニット『トリニティ』の
 大ファンであり、特にリーダーであるミユキには強い憧れを抱いている。
 戦闘では率先して前に出ることが多く、パンチ力に長けている。
 口癖は「幸せゲットだよ!」。

○蒼乃美希=キュアベリー(フレッシュプリキュア!)
 ラブと祈里の幼なじみ。芸能学校である私立鳥越学園中等部の2年生。
 ラブからは普段「美希たん」と呼ばれている。実家はヘア&ネイル
 サロンを経営。両親は離婚しているため母親との2人暮らしだが、
 弟の和希とは別居してからも仲が良い。キック力に長けており、
 戦闘ではしなやかな蹴り技を主体に戦う。

○山吹祈里=キュアパイン(フレッシュプリキュア!)
 ラブと美希の幼なじみ。ミッションスクールである私立白詰草女子学院
 中等部の2年生。ラブ達からは「ブッキー」と呼ばれている。
 おっとりとした性格ののんびり屋。戦闘では持久力に長けている。

○ヒイロ・ユイ(機動戦士ガンダムW Endless Waltz)
 XXXG-00W0ウィングガンダムゼロのパイロット。地球圏統一連合及び
 OZに対するコロニー側の反抗作戦『オペレーション・メテオ』を遂行する
 ため、L1コロニー群から乗機・ウイングガンダムと共に地球に送り込まれ
 たエージェント。細身ながらも鍛え抜かれた身体と、破壊工作に関しては
 ずば抜けた能力を持つ。戦後は表舞台で活躍するリリーナを影から
 サポートする役目に回っている。「お前を殺す」という台詞で有名。

○カトル・ラバーバ・ウィナー(機動戦士ガンダムW Endless Waltz)
 XXXG-01SR2ガンダムサンドロック改のパイロット。アラブ系の大富豪・ウィナー家の嫡男。
 マグアナック隊という、40人のモビルスーツ乗りを部下に持ち、部下全員から慕われている。


『ダカールの日』-10

作者 鳴滝

670***地球連邦首都・ダカール***

<モビルドールシステム、リンケージ同調率87パーセント。
システムオールグリーン、X1、"デストロイ"発進スタンバイ――>

すでに戦闘は議事堂の外にも飛び火する中、ダカール市地下の奥底でアナウ
ンスが響き渡る。全高30メートルを越す全身を、陽電子リフレクターと大火
力の兵装で鎧った、禍々しき戦略装脚兵装要塞"デストロイ"――。

        __       __
       _| |      ._| |
       || |       || |
       || |       || |
       || |       || |
    /ヽ || |   /| ̄ ̄ ̄|  /ノ\
    /   ヽゝ|_/ | \同/ヽ. //  ヽ
  /  (ミ)    \{lヨ Y=Ylヨ^V (彡) ヽ
  .|       〔 ̄〕[ミ],─、[ミ]〔 ̄〕    |
  |  (二二 _/|_/__,-、|困|,-、l ̄|ヽ_二)  |
  |     |  /|  // ̄| _l_| /   |
  .|      |〆/| l7 |_| __/ 「l|  | /    |
  |     l ./__] |ノ ヽ|_|ゝ||_|/    |
  ヽ (彡) l/《ヾ/|  | >-> |u》》(ミ)  /
   ヽ   l_|/// ヽ_| /__/、    /
    \__///~|/  | | /^l__/
        /l^l/ /   /\/ /
       < l_/_/ヽ  |  L/、
        |、/、/  |/、/
       / `-`ヽ  / `-`ヽ
       | /`--、l--、/`--、l--、
       `-`──`─`──`─`


次々と格納庫のハッチが都市のあちらこちらで開いていく。
巨体を繋ぎとめていた無数のケーブルが脱落し、スラスターが四百トンを
超える、自動操縦による無人の機体が、合わせて十数体も浮上する。

マリュー「――あれはっ!?」

ダカールの高層ビル街に、黒々と鈍く光るデストロイの姿は、
市街に駆けつけたアークエンジェルとエターナルからも確認できた。
ベルリンの悪魔と呼ばれたあの機体が、まさか十数体も量産されて
ダカールに配備されていたとは…。マリューたちは戦慄する。

キラ@Sフリーダム「キラ・ヤマト、"フリーダム"行きます!」
アスラン@∞ジャスティス「アスラン・ザラ、"ジャスティス"出る!」

ラクスをエターナルまで送り届けた後、再度エターナルから
飛び出したキラのストライクフリーダムは、アークエンジェルから
急発進したアスランのインフィニットジャスティスと合流する。
そんな彼らの目に見えてきたものは、機体上部の長大なエネルギー砲を
議事堂の方向へと向けるデストロイの姿だった。

キラ@Sフリーダム「まさかあんなものを街中で撃つつもりなのか!?」
アスラン@∞ジャスティス「行くぞキラ! まだ議事堂にはフォーラ准将たちがいる。
 ここで議事堂を中の人間ごと吹き飛ばされたら、全てが終わりだ!」
キラ@Sフリーダム「させない! 絶対に!」

エターナルからはフリーダムに続き、黒いボディに紫の四肢、
十字のスリットから単眼<モノアイ>が光る三体のモビルスーツ、
ドムトルーパーも出撃する。三機もバズーカと一体式のビームライフル
をデストロイに向け、正確に敵機を捉えるが、その攻撃をデストロイは
ものともしない。

ヘルベルト@ドムトルーパー「ふーっ、やはりうっとうしいな、地球の重力は」
マーズ@ドムトルーパー「まったくだ。あんなデカブツ、宇宙でなら
 一撃で仕留めてみせるのによ!」
ヒルダ@ドムトルーパー「軽口を叩いてるんじゃないよ! 奴らを
 議事堂に近づけるな! 行くよ、野郎ども!!」
ヘルベルト&マーズ「「おう!」」

三機のドムは、縦一線のフォーメーションで、デストロイが
待ち受ける敵陣に切り込む。

ヒルダ@ドムトルーパー「まずはアレからだ。ジェットストリームアタック!」

ヒルダの叫びに、男達2人も続く。先頭のヒルダはすばやい動作で
正面のデストロイを打ち倒しにかかり、二番手のマーズがジャンプして、
その頭上からバズーカを放つ。次にヒルダとマーズは左右に機体を振り、
奥からヘルベルトの放ったビームがデストロイの急所に命中する。
まずは一体のデストロイが激しい地響きと共に、地面に倒れこんだ。

671
白い翼を広げた機体がデストロイの懐へと飛び込む。
ガンダムと呼ばれる機体の中でも屈指の破壊力と機動力を持った機体――
――ウイングガンダムゼロだ。

ヒイロ@ウイングゼロ「ターゲット・ロックオン……」

ヒイロは至近距離からバスターライフルの照準を合わせる。
膨大なエネルギーの波動が炸裂し、デストロイの黒い機体に食い込んだ。
鉄壁の装甲を誇る恐るべき巨神も、いったん懐――リフレクターの内部
にまで入り込んでしまえば、その巨体ゆえに死角も多く、対応しきれない。

アスラン@∞ジャスティス「プリベンターか!」
カトル@サンドロック改「すみません! 遅くなりました!」

爆煙の向こうから、両手に長刀ヒートショーテルを構えた
高貴な紫のボディを持つガンダムサンドロック改と、
悪魔のような翼を背に持ち、死神の鎌を構えたガンダム
デスサイズヘルが姿を現し、ヒイロに続いてキラたちに加勢する。

キラ@Sフリーダム「ヒイロたちか。来てくれたんだね!」
デュオ@デスサイズヘル「幽閉されてた大統領たちは無事に助け出したぜ!」
ヒイロ@ウイングゼロ「じきに援軍が来る。それまで持ちこたえるぞ」

こうしている間にも、残りのデストロイは容赦なくミサイルをばら撒き、
円周部の砲口からビームを放ち、周囲を火の海に変えながら進攻してくる。
その中を、全身重武装のモビルスーツ――ガンダムヘビーアームズ改が
平然とデストロイに向かって歩き進む。ガンダニュウム製であるヘビー
アームズの装甲は、デストロイからの集中砲火にもビクともせず、前身を
やめない。その威風堂々とした態度に、ヘビーアームズの数倍の大きさを
誇るはずのデストロイの方が、逆に圧倒されているようにも錯覚する。

トロワ@ヘビーアームズ改「………」

トロワの駆るヘビーアームズは、突然機体のイメージとは裏腹な動きで
飛び上がり、デストロイの頭上でクルリと空中回転をしてみせた。
ゆっくりとした動作で行く手に舞い降りたヘビーアームズは、
四連装ガトリングから怒涛の弾丸をデストロイに向けてお見舞いする。

五飛@アルトロン「でゃあぁぁぁ!!!!」

独特の長いビームソード<ツインビーム・トライデント>を振り上げ、
デストロイに切りかかる、龍の首を持つモビルスーツ――アルトロンガンダム
の姿も見える。デストロイに高エネルギー砲を撃たせまいと、龍の牙――
――ドラゴンハングが敵機のビームキャノンの砲門を噛み潰していく。

672 
周囲を乱れ飛ぶ十本のビームをかわしながら、
フリーダムはデストロイへと接近する。

                     |::!     // ‐- .._ ',   l
 / 、        /      ∥|   ./:/  ‐- 、`ヽ   ',
/   ヽ丶、    /        }:::ヽ /:::/      ヽ ',   丶、_ -'´
.     丶、ヽ、           l´:::_|./::::::/        ノ       ____
     /  ヽ:丶、    、, _  _|/|/::::/        /  __-=二  ___)
    /     丶、`ヽ、 __l-,ヽ=_:/./:::::/      -‐ " -‐'´     _...-‐´
   /      _ヽ__::l:l彡|,l_!ミ:|二!丶 ̄丶二=== .._   _...-‐'´
   ,'    __\ ─=',:┌、l´l┐  `‐--二 -──‐'´
_..',. -‐─´___`‐=L´|.└‐ll_l´\二!
── ' ̄ ̄   //ヽ/ __|. ',-‐ヽ/ヽ、`丶、             。    ゚
  ',       //`/ /-|二ヽ‐\\ ,l‐-=- `_丶 、        ゚   ゚
   ヽ、  / ///  / l  |ヽ丶ヽ.l/、  /丶_- _     o
     //./// '´  ./ /丶ヽ| |`´ ` 丶`l___ !ヽ/_`ヽ  ゚
   /-'´ ///    / / |._`ヽ/      ヽ、ヽ、__ゝ`- .._
/  ´  ,'/ ゚ 。 ./ / _!_¬`|        ヽヽ   `丶- >
  /          ///,二/           ヽ',
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           `´ l ,|._/.'
             _/.//
            / > //
           `/-/
            l_/

キラ@Sフリーダム「やっぱり…」

キラは以前にデストロイの同型機と戦った記憶と比較し、
どこか違和感を覚えていた。

アスラン@∞ジャスティス「どうした、キラ?」
キラ@Sフリーダム「あのモビルスーツ、以前ベルリンで戦った時に比べて
 動きが鈍いみたいだ」
アスラン@∞ジャスティス「本当か!?」
カトル@サンドロック改「間違いありません。今、あの敵機を解析して
 みましたが、あれはモビルドールシステムによる自動操縦です!」

デストロイのような高度な火器管制システムを操るには、普通
卓越した状況判断能力や体力が求められることから、強化された人間
「生体CPU(エクステンデッド)」によって運用されるのが通例である。
しかし今回はそのパイロットの補充が間に合わず、モビルドールシス
テムで代用されていたため、普段より運動性がやや劣っていたのだ。

デュオ@デスサイズヘル「つまりアレには誰も乗ってないって訳だ。
 なら遠慮はいらねえな!」
キラ@Sフリーダム「これなら行ける…!」

◇   ◇

ダカール沖の海上から、突如数隻の戦艦が浮上する。
ホシノ・ルリが艦長を務めるナデシコ級第2世代型宇宙戦艦であるナデシコC。
父ドゥガチの財産を引き継いでドゥガチ財団の代表となった
テテニス・ドゥガチことベルナデット・ブリエット率いる
新生クロスボーン・バンガードのために新しく再建造されたマザーバンガード。
超金属ゾルマニュウムで身を包んだ恐竜型移動母艦・大空魔竜。
今や地球連邦上院議員となった元ドクーガのスーグニ・カットナルの
私艦である、双胴型の船体をしたファントム・オブ・クロウの姿も見える。

しかしそれよりも一際目立つのは、それら戦艦の数倍の大きさを持ち、
本来艦橋部に当たる艦体中央には、荘厳華麗な城のような建造物が突き出ている、
白く輝く超巨大戦艦――いや、天空に浮かびそびえる要塞であった。

***エトワール・ド・ラセーヌ 艦橋***

艦長席に座り指揮を執っているのは、セイラ・マス。
その傍らには連邦外務次官のリリーナ・ドーリアンも立っている。

セイラ「こちら、エトワール・ド・ラセーヌのセイラ・マス。
 エターナル、応答を!」

艦橋内部の艦長席から向かって正面上部に掲げられた巨大モニターに、
エターナルにいるラクスから反応が返って来て映し出される。

ラクス@エターナル「セイラ艦長、来てくださいましたか」
セイラ「ラクス・クライン、状況は?」
ラクス@エターナル「ティターンズは巨大モビルスーツの部隊を
 繰り出してきました。今、キラたちが必死にそれを防いでいます」
セイラ「了解。直ちにそちらの援護に回ります」

通信用モニターにルリとカットナルが割って入る。

カットナル@カットナル艦「よくはわからんが、まずは目の前の敵を
 片っ端から片付けてしまおう!」
ルリ@ナデシコC「ではこちらはガンダムたちを援護しつつ、
 相転移砲、及びグラビティー・ブラスト発射の準備を開始します。
 一気に敵機をまとめて殲滅します」

673
***ナデシコC・艦橋***

ルリ「絶対確実に一撃で仕留めてください」
ハーリー「了解です。グラビティ・ブラスト充填100%、いつでも撃てます」

照準をナデシコCめがけて群がり突進してくる
デストロイをロックする。

ハーリー「味方全機、斜線上から退避して下さい!」
ルリ「グラビティ・ブラスト、発射!」

あくまで冷静なルリの声を合図にグラビティ・ブラストが放たれる。
ナデシコに突進してきたデストロイの巨大な黒い影は、
グラビティ・ブラストの光の中で塵に変わっていく…。

***大空魔竜・艦橋***

大文字「ピート君、ミラクルドリルを使いたまえ」
ピート「了解、ミラクルドリル発射!」

大空魔竜がデストロイの高エネルギー砲を警戒しながら急接近し、
まずはミラクルドリルで敵デストロイ一機を屠る。

***アークエンジェル・艦橋***

艦長席のマリューの元に、エトワール・ド・ラセーヌのセイラから
通信が届く。

セイラ@ラセーヌ「ラミアス艦長、こちらは主砲"ラ・セーヌの星"で
 残りの敵機をまとめて止めを刺します。そちらは陽電子破城砲
 (ローエングリン)は使えますか?」
マリュー「待ってください! 至近距離からの攻撃は、
 かえって敵機の高エネルギー砲の的になります!」
セイラ@ラセーヌ「あの敵の巨大モビルスーツはそれ自体が巨大な
 サイコミュ制御の機動要塞です。それこそ戦艦の主砲クラスで
 なければ打撃力不足だわ」

ここでマザーバンガードからもモニターに通信が入る。

ベルナデット@Mバンガード「では、こちらで囮役を引き受けます。
 その間にアークエンジェルは主砲の充填をよろしく」
マリュー「わかりました。なんとかやってみます」
ベルナデット@Mバンガード「頼みます」

***マザーバンガード・発進口***

ベルナデット@モニター「話は今聞いた通りよ。やれる?」
トビア「ああ、任せてくれ…」

XM-X1 クロスボーン・ガンダムX1改のコクピットで
パイロットスーツに身を固め、義眼の上にサングラスを装着している青年が、
艦長席のベルナデット=テテニスからの命令を受け止める。
艦から出撃したトビアの操るX1改は、左腰からビームザンバーを抜き放ち、
デストロイに切りかかって敵機を牽制する。

674
囮となったX1改とマザーバンガードが
デストロイからの砲撃の雨を惹きつけている間に
エトワール・ド・ラセーヌとアークエンジェルが
敵の巨神の群れを射程距離に捉える!

セイラ「ラ・セーヌの星、発射!!
マリュー「ローエングリン、てェ――ッ!
                                _     「|_
                             ___」」rァ┬ 、_} {l___
                            }=‐f=(()) }`Y {ァ=、v7___  , -‐‐┐
                          rf≧<>__ >=ニ <ノ{__ノ~{r'‐'rく}   }
                  __r‐ァ‐‐‐ 、__フムァ二 -‐┐「 `f≦=ァく  ̄`´   /
                r___レ' ̄ 二レ'‐‐‐/ ____ ` 7 」  レ'-く:::::レ'´ ̄` <
              .__ ´-、 / `Y´ _ノ_____//-、   `7 「:丁}  /::::}_ヽ、 ノノ }
           .  ´ / /  /ヽ」__//    !  / /:::::Lァァ::::/   二 <
       . __´___∠ /  /.:.::::::::::/∠∠..........」  / /.:/´ /:::/   /._: ヽ }
      . ´         `ヽ/.:.:::::::::::: ´         `ヽL」   !::::′ /: :/   レ'
    〈 .  -‐……‐-   ./ ヽ.::::::::::/ .  -‐‐………‐-  ./ヽ二j::::{  {: : {   /
      \  -‐‐‥‐‐-  `ヽノ.:::::::::ハ  . -‐‐……‐- .  /=rr=r===<.
      ヽ、:::::::::::::::::::::::`Y  -‐ ´   `ヽ、:::::::::::::::::::::::::::`Y──``─`────`
        ` ̄ ̄ ̄ ̄ ̄´         ` ̄ ̄ ̄ ̄ ̄´

両艦長の号令と共に、両艦の主砲が火を噴く!

                       ヽ`
                              ´
                               ´.
                           __,,:::========:::,,__
                        ...‐''゙ .  ` ´ ´、 ゝ   ''‐...
                      ..‐´      ゙          `‐..
                    /                    \
        .................;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::´                       ヽ.:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.................
   .......;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙       .'                             ヽ      ゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;......
  ;;;;;;゙゙゙゙゙            /                           ゙:                ゙゙゙゙゙;;;;;;
  ゙゙゙゙゙;;;;;;;;............        ;゙                              ゙;       .............;;;;;;;;゙゙゙゙゙
      ゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;.......;.............................              ................................;.......;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙
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              ノi|lli; i . .;, 、    .,,            ` ; 、  .; ´ ;,il||iγ
                 /゙||lii|li||,;,.il|i;, ; . ., ,li   ' ;   .` .;    il,.;;.:||i .i| :;il|l||;(゙
                `;;i|l|li||lll|||il;i:ii,..,.i||l´i,,.;,.. .il `,  ,i|;.,l;;:`ii||iil||il||il||l||i|lii゙ゝ
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                    ´゙`゙⌒ゞ;iill|||lli|llii:;゙|lii|||||l||ilil||i|llii;|;_゙ι´゚゙´`゙
                         ´゙゙´`゙``´゙`゙´``´゙`゙゙´´


三輪「バ…バカなっ! 正義が敗れるとは…バカなァァァッ!」
ベン「何をしておられる三輪長官! 我々もすぐにダカールから脱出だ!」
ジャマイカン「おのれっ!! おぼえておれよ!」

675  
○キラ・ヤマト→デストロイガンダムと戦闘。
○アスラン・ザラ→デストロイガンダムと戦闘。
○ヒルダ・ハーケン→デストロイガンダムと戦闘。
○マーズ・シメオン→デストロイガンダムと戦闘。
○ヘルベルト・フォン・ラインハルト→デストロイガンダムと戦闘。
○ヒイロ・ユイ→デストロイガンダムと戦闘。
○デュオ・マックスウェル→デストロイガンダムと戦闘。
○カトル・ラバーバ・ウィナー→デストロイガンダムと戦闘。
○トロワ・バートン→デストロイガンダムと戦闘。
○張五飛→デストロイガンダムと戦闘。
○スーグニ・カットニル→カットナル艦でデストロイガンダムと戦闘。
○ホシノ・ルリ→ナデシコCでデストロイガンダムと戦闘。
○マキビ・ハリ→ナデシコCデストロイガンダムと戦闘。
○大文字洋三→大空魔竜でデストロイガンダムと戦闘。
○ピート・リチャードソン→大空魔竜でデストロイガンダムと戦闘。
○ベルナデット・ブリエット→マザーバンガードでデストロイガンダムと戦闘。
○トビア・アロナクス→デストロイガンダムと戦闘。
○リリーナ・ドーリアン→エトワール・ド・ラセーヌにセイラ・マスと同乗。
○セイラ・マス→PUの新造巨大戦艦エトワール・ド・ラセーヌで参戦。
 主砲"ラ・セーヌの星"を発射してデストロイガンダムを撃破。
○ラクス・クライン→エターナルでデストロイガンダムと戦闘。
○マリュー・ラミアス→ローエングリンを発射してデストロイガンダムを撃破。
●三輪防人→ダカールから撤退。
●ベン・ウッダー→ダカールから撤退。
●ジャマイカン・ダニンガン→ダカールから撤退。


【今回の新規登場】
○ヒルダ・ハーケン(機動戦士ガンダムSEED DESTINY)
 ラクスに忠誠を誓うクライン派のザフト軍人。
 赤服を纏うエリートで、右目に眼帯を着用している。
 ZGMF-XX09Tドムトルーパーのパイロット。

○マーズ・シメオン(機動戦士ガンダムSEED DESTINY)
 ヒルダの部下で、ラクスに忠誠を誓うクライン派のザフト軍人。
 髪型と顎鬚が印象的な男。ZGMF-XX09Tドムトルーパーのパイロット。

○ヘルベルト・フォン・ラインハルト(機動戦士ガンダムSEED DESTINY)
 ヒルダの部下で、ラクスに忠誠を誓うクライン派のザフト軍人。
 ZGMF-XX09Tドムトルーパーのパイロット。

○トロワ・バートン(新機動戦記ガンダムW Endless Waltz)
 出身、年齢、全てが謎に包まれた少年。ヒイロと同じく
 自らを戦う為に作られた兵器として認知しており、任務のために
 必要とあれば自身の命を賭すことも厭わない。普段はジャンプや
 回転といった身の軽さを生かし、サーカス団のピエロ役を
 カモフラージュとして用いている。「トロワ・バートン」という
 名前はデキム・バートンの息子のものであり、死亡した彼の代わりに
 名前を引き継いでオペレーション・メテオに参加した。それ以前は
 「名無し」と呼ばれていた。XXXG-01H2ガンダムヘビーアームズ改
 のパイロット。

○張五飛(新機動戦記ガンダムW Endless Waltz)
 L5コロニー群出身の少年。丈の長い白い中国服を普段着にしている。
 古代中国から続く戦士の一族の直系で、戦士の称号を持つ。正義か
 そうでないかが彼の価値感の全てであり、常に自分の正義を貫く為に
 行動する。悪を迷うことなく敵と決めて、容赦なく攻撃を仕掛ける。
 愛機の事を中国の古い武人の名にちなみ「ナタク」と呼ぶ。
 XXXG-01S2アルトロンガンダムのパイロット。

○トビア・アロナクス(機動戦士クロスボーンガンダム)
 宇宙海賊クロスボーン・バンガードのMSパイロット。
 活発で行動力に溢れた少年であり、高いニュータイプ素質を備えている。
 交換留学生として木星圏を訪れていたが、そこで新生クロスボーン・
 バンガードと遭遇。木星帝国の存在とその危険性を知り、新生クロス
 ボーン・バンガードに身を投じた。後にテテニス・ドゥガチへと戻る
 決意をしたベルナデットを守るために、シーブックから『キンケドゥ・
 ナウ』の名を継承した。XM-X1クロスボーン・ガンダムX1改を操縦。 

『ダカールの日』-11

作者 鳴滝

676

***地球連邦首都・ダカール***

国王の宮殿キングキャッスルへと戻った地球国王は、
直ちに地球連邦大統領と地球連邦議会の助言と承認の下に、
地球上から地球至上主義の勢力を一掃する旨の詔勅を発した。

再開された臨時総会の演壇に立ったロゼ・アプロヴァールは、
ナチュラルとコーディネイター、ノーマルとエスパーなど
種の違いに優劣など存在しないこと。知性を持ったロボット生命体も
人間の友人であること。そして閉ざされかけた異星の人々との交流を
速やかに再開することを、地球連邦大統領の名において宣言して
総会を締めくくった。


***議事堂・ロビー***

マイケル「戻ってくるつもりはないかね?」
マリュー「………」

アメリカ合衆国大統領マイケル・ウィルソンは、
マリュー・ラミアスらアークエンジェルのクルーに
米軍(大西洋連邦軍)への復隊を勧めていた。

マイケル「JOSH-Aでの一件、非は明らかに当時の司令部にある。
 国防長官はまたうるさく言ってくるだろうが、私は直ちに
 君たちの名誉回復及び恩赦に関わる手続きを開始する大統
 領令に署名するつもりだ」
マリュー「お気持ちはありがたいのですが、オーブには
 これまで世話になった恩義もあります。私も部下達も
 今の立場で平和のために尽くす所存です」
マイケル「そうか…。だが諸君らはすでに脱走兵ではない。
 これからは地球の平和のために共に戦う仲間だ。この事は
 忘れないでほしい」
マリュー「ありがとうございます、大統領。ただイスマエル王子から お聞きしましたが、今回の件で最終的には上手くまとまったとはいえ、 中東地域の意見調整には大分手間われたとか?」マイケル「サラジアにいろいろと条件を呑まされたよ。 あの国もなかなかしたたかだ」 サラジアは中東有数の産油国の一つで、潤沢なオイルマネーをテクノロジーの発展に投資
している技術大国でもある。その反面、イデオロギー的には反米の側に立ち、生物化学兵器の製造疑惑も浮上していて、米国からはテロ支援国家の指定を受けている…。

***大空魔竜・艦橋***

ウイリス「これで、ティターンズの息のかかった議員は一掃されるでしょうね」
セイラ「お疲れでしたでしょう、フォーラ准将」
ブレックス「ははは、少し走りまわったせいだな。さすがに年には勝てんよ」
桃太郎「さて、これからどうするか…。議会はしばらく検察の手入れで、
 おおわらわだろうが、ティターンズは権力を握りそこねたとはいえ、
 まだ力を持っている。このまま大人しく引っ込んでいるとは思えんな」
ミドリ「月面基地のアオイ中佐から、通信が入っています」
大文字「アオイ君から? つないでくれ」

通信用モニターに、月面基地からのアオイ・ジュンの顔が映る。

ジュン@モニター「作戦は大成功でしたね。こちらも衛星を通じて、
 放送をキャッチしましたよ」
ブレックス「うむ、これでティターンズは、実質的に解散したのと同じだ。
 ただ、ジャミトフが行方をくらましてしまったのが気にかかるが…」
ジュン@モニター「ジャミトフが…では、まだそちらは大変でしょうね…」
ブレックス「どうかしたのかね?」
ジュン@モニター「衛星イオに陣取るジュピトリアンの動きが活発になっています。
 イオ基地に最初に向かった偵察隊も、まだ行方不明のままですし……」
桃太郎「人手不足…というわけか」
ブレックス「では、私は急いでナデシコと共に宇宙に戻ろう。後の事は君達にまかせる」
リリーナ「わかりました。准将、お気をつけて」

677 

***イカロス基地***

小惑星帯(アステロイド・ベルト)に存在する、地球連邦宇宙軍基地。
内部には天文台の施設や航宙士官学校が存在するなど、それなりの規模を
誇っている。ここの基地司令は、かの名将タシロ・タツミ提督であるが、
この基地にはさらにその上位に一人の女性将校が君臨している。
地球大公の称号を持つ、ニルバール・ネフュー中将である。

ニルバール「おかげで反乱勢力の頭目にされずに済みました」

やや冗談めかしてモニター画面越しの通信の相手に答えるニルバール。

ダカールでの政変で反ティターンズ派が勝利した事は、
ここイカロス基地にも知らせが届いていた。
 地球連邦は連邦統合の象徴である国王、行政の実権を握り、連邦軍の最高司令官でもある大統領、そしてその国王と大統領に万一の事が起こった場合の控えの役目として大公が存在する、いわば三重元首制を採用している。
もし今回の政変で反ティターンズ派が善戦虚しく敗れた場合、
残存戦力がニルバールを神輿に担いでイカロス基地に立てこもり、
政権を握ったティターンズに対して最後の抵抗を試みる手筈に
なっていた。「勝てば官軍、負ければ賊軍」の言葉通り、
ティターンズが名実共に地球を制圧していたとしたら、
それに抵抗する側は賊軍=反乱軍という扱いになっていた事だろう。

モニターの向こう側にいる若い女性が口を開く。

ディアネイラ@モニター「今回の事は何よりの朗報でした。これで本格的に
 例の統合部隊設立の交渉を進めることが出来ます」
ニルバール「では、いよいよですか?」
ディアネイラ@モニター「星間評議会は正式に交渉のための使節を
 地球に向けて発する事を決定しました。近々外交ルートを通じて
 地球側にも通達が届く事でしょう。その折にはくれぐれも
 万事抜かりなきよう取り計らってください」
ニルバール「承知致しました。お任せください」

ニルバールと通信を交わしている、この金髪の聡明そうな美しい少女こそ、
今や外宇宙にまで勢力を拡げた地球人類が築いた銀河連邦唯一無二の指導者である、
ディアネイラ・イ・ライシャ・アルトリア・オル・ユーノスその人であった。

678 

***地球・フランス上空***

鉄人28号FXとブラックオックスの母艦である移動基地エアロトレッカーは、
英国で救出したパンを護衛しつつ、現在ICPO本部のあるリヨン市に向けて移動中である。

荒井「お嬢ちゃん、たった今ダカールから連絡があって、
 君のおじいさんはご無事だそうだ」
パン「そうなの!? よかった…」

ティターンズに囚われていた祖父ミスターサタンが無事であると聞き、
ホッと胸を撫で下ろすパン。

正人「…しっかし、いったいあの時はどんな手品を使ったんだ?」
パン「手品?」
正人「ほら、あれだよ。いきなりモビルスーツを回し蹴りで、
 山の向こうまで吹っ飛ばしたヤツ」
パン「だからあれは、手品なんかじゃなくて私の実力だって
 さっきから何度も言ってるでしょうが!」
三郎「しかし、いくらミスターサタンのお孫さんだからといって、
 女の子がモビルスーツを蹴り飛ばすだなんてな…」

パンが襲い掛かってきたハイザックを返り討ちにしたのは紛れもない事実であり、
正人も三郎もその現場をしっかり目撃しているのだが、未だに納得が
出来ないという表情だった。その会話をICPOのベテラン捜査官である荒井誠も
横で聞いていた。荒井も仕事柄、素手や生身で怪人や巨大メカと互角以上に
戦える実力を持っている人間に何人か心当たりはあるが、パンのような
幼い女の子が、そのような高い戦闘能力を有しているという話は初耳で
ある(そもそも荒井は、セルを倒したのがミスターサタンだという話も
充分眉唾物で怪しいと思っているが…)。

そうこうしているうちに、エアロトレッカーはICPO本部へと到着した。


***リヨン市・ICPO本部***

パン「パパ! ママ!」
悟飯「パン!」
ビーデル「よかった、無事で…」

ICPO本部では、パンの両親である孫悟飯・ビーデル夫妻が
わが子を迎えに来ていた。ビーデルは愛娘を強く抱きしめる。

悟飯「本当にありがとうございました」
ビーデル「何とお礼を申し上げてよいのか…」
荒井「いえいえ、ダカールに監禁されていた
 お父上もご無事で何よりです」
悟飯「義父が人質にとられていなければ、
 僕一人でティターンズくらい何とかしてみせた
 んですが――」
荒井「…え?」

悟飯からの思いもよらぬ発言に、荒井は一瞬呆気に取られる。

ビーデル「――あ、いえいえ! 何でもありません!
 今の話はどうかお気になさらずに」
荒井「………」

ビーデルが慌てて必死にフォローを入れる。
しばらくして荒井は突然何を思ったか、悟飯に向かって
強烈なパンチを放った。しかし悟飯はそれを余裕で難なくかわす。

荒井「…失礼。蚊が止まっていたもので」
悟飯「……??(汗」
荒井「しかし見事な身のこなしです。何か武術の心得でも?」
悟飯「え? ええ…まあ多少は」
ビーデル「え、えーっと…ともかく、この度はありがとうございました。
 私共はこれで失礼致します」
荒井「どうかお気をつけてお帰りください」

孫一家を本部の玄関まで見送る荒井。一見学者肌の人間に見える
パンの父親・孫悟飯の、華奢に見えながらも鍛え上げられたその肉体から
武闘家特有の闘気が常に発せられている事を、荒井は見逃してはいなかった。
ひょっとするとあの少女パンの異常なまでの強さの秘密とは、母方ではなく
父方の方の血脈に何か関係しているのではと考えるのであった。そして、あのセルを倒したのも本当はひょっとすると…?

正人「あれっ? ところで父さんは?」
三郎「長官なら今、容疑者を取調べ中だそうだ」
正人「容疑者を取り調べ…?? いったい何だろう」

679

***同ICPO本部内・取調室***

ルクス「ICPO長官直々に自ら取調べとは、ご大層な事だ」
正太郎「………」

机を挟んで正太郎の向かい側に座っている老人。
前大戦でロゴスメンバーとしてザフト軍に拘束された後、
国際法廷に身柄を引き渡され、終身刑の判決を受け、
現在は米国カリフォルニア州のスタンフォード特別刑務所にて
服役中のルクス・コーラーである。

ルクス「ティターンズを倒していい気になっているだろうが、
 このままでは世界は確実に滅ぶ。停滞は容易に退化へと変わる。
 未曾有の危機を乗り越えるには指導者が必要だ。独裁でなければ
 まとめられない世界というものがある」
正太郎「御託はよろしい。それよりもそろそろ話しては
 頂けませんかね。貴方が知る限りのロゴスという組織の全貌を――」
ルクス「知らん」
正太郎「そもそもロゴスと地球教とはどういう関わりなのか?」
ルクス「知らんと言っている。仮に知っていたとしても、
 それを口にした途端、わしは命を落す」
正太郎「………」


***ヒマラヤの地球教本部***

決して誰一人として足を踏み入れぬヒマラヤ山脈の奥地に、
老衰と疲労の皺を深くたたみこんだ地がある。
年老いた石造の建物の中を、黒衣に身を包んだ壮年の男が
正確だが緩慢な足取りで動いていた。
とある扉の前にたつと、侍衛の者が一礼してそれを開く。
広い室内は鈍い白濁した光に包まれていた。
男より遥かに長く時間との交際を続けてきたらしい老人が
玉座に鎮座しているのが見える。

ド・ヴィリエ「総大主教猊下……」

うやうやしく呼びかけた男は、反応を示さぬ相手に
さらに語りかけた。

ド・ヴィリエ「ティターンズが失敗し、地球連邦の首都ダカールから
 撤退いたしました」

それを聞くと、ロゴスの真の支配者である黒衣の老人は初めて顔を上げ、
干からびた皮膚に覆われた手でド・ヴィリエを差し招いた。

総大主教「それからその後どうなっておる?」
ド・ヴィリエ「異教徒どもは背教者ロゼ・アプロヴァールなる者を
 再び連邦の大統領の地位に据え、それぞれ自分の国へと帰還した由に
 ございます」
総大主教「……で、ゼーレの座の方はどうなっておる?」
ド・ヴィリエ「はい。ゼーレに関しましては、
 いささか不確定の要素が多すぎます」
総大主教「キール・ローレンツとの連絡は取れているのであろうな?」
ド・ヴィリエ「一応は。ですがあの男、どうにも心の底が知れませぬ。
 単に服従の精神が疑われるに留まりません。ジャミトフやアズラエル以上に
 恐ろしく不逞な野心を抱いておるやに思われます。ご用心のほどを……」
総大主教「そんなことは承知の上じゃ」

老人の声はこともなげであった。

総大主教「我らの掌の上で踊る限り、どんな形で舞おうとも
 意に介するには及ばぬ。フフフフフ……」

歴史の逆転を願って密やかに語らい続ける彼らの遥か頭上を、
繚乱たる星々の光が飾り始めていた。

680

○地球国王→地球至上主義勢力追放の詔勅を発する。
○ロゼ・アプロヴァール→異星との交流再開を宣言して臨時総会を締めくくる。
○マイケル・ウィルソン→過去のアークエンジェルの脱走の罪を取り消す。
○マリュー・ラミアス→マイケル・ウィルソンから米軍(大西洋連邦軍)への
 復隊を勧められるが、辞退する。
○フジヤマ・ミドリ→月面からのアオイ・ジュンからの通信を繋ぐ。
○アオイ・ジュン→月面基地から地球に連絡を入れる。
○ブレックス・フォーラ→宇宙へ帰還する。
○ニルバール・ネフュー→ディアネイラから、星間評議会が地球に向けて
 使節を発する事を正式に決定したとの連絡を受ける。
○ディアネイラ→イカロス基地にいるニルバールに、星間評議会が地球に
 向けて使節を発する事を正式に決定したとの連絡を入れる。
○孫悟飯→ICPO本部で娘パンと再会。
○ビーデル→ICPO本部で娘パンと再会。
○パン→ICPO本部で両親と再会。
○荒井誠→ICPO本部に帰還。
○金田正人→ICPO本部に帰還。
○夏樹三郎→ICPO本部に帰還。
○金田正太郎→ルクス・コーラーを取り調べる。
●ルクス・コーラー→現在、終身刑の判決を受け服役中。金田正太郎から
 直々に取調べを受ける。
●ド・ヴィリエ→ティターンズ敗退の報を、総大主教に報告する。
●総大主教→ド・ヴィリエから、ティターンズ敗退の報告を受ける。

681 

【今回の新規登場】
○フジヤマ・ミドリ(大空魔竜ガイキング)
 大空魔竜の通信担当。大空魔竜戦隊の男性陣に人気があるが、
 特に気のある男性はおらず、サンシローやヤマガタケ等、自身に
 気のある男性のあしらいに長けた一面も持つ。幼い頃に記憶を
 失っていたところを大文字博士に拾われて養女として育ったが、
 実はピジョン星人という意外な正体を持っている。

○ディアネイラ・イ・ライシャ・アルトリア・オル・ユーノス(ヒロイック・エイジ)
 アルトリア星系を統治するユーノス王家の王女。
 人類存続のため、巨大宇宙船アルゴノートで旅に出る。
 優れた精神感応力を持ち、空間的距離を超越する事ができる。
 自分とは全く異質な「男性」全般が苦痛の種。

○ニルバール・ネフュー中将(ヒロイック・エイジ)
 ユーノス王家の中年の女性将校。一帯の星系を制圧するために
 鳴り物入りで派遣されたが、あっという間に援軍が来なくなり、
 青銅の種族との激戦によって制圧すべき「ターミナル・プラネット」
 も崩壊したにもかかわらず、青銅の種族に星系を支配されないための
 消極的な守戦を繰り返していた。現実的な判断に長けているが、
 やや悲観的な性格。

○孫悟飯(ドラゴンボールZ/ドラゴンボールGT)
 伝説の超サイヤ人・孫悟空と地球人チチとの間に生まれた長男。
 ピッコロに戦闘に対する資質を見いだされ修行し、武道家として成長。
 自身も父と同様に超サイヤ人に覚醒した。セル消滅後、普通に高校生
 として過ごす傍ら、正義の戦士「グレートサイヤマン」として平和を
 見守る。魔人ブウ消滅後は勉学に専念して学者となる。
 ビーデルと結婚、娘パンを授かった。

○ビーデル(ドラゴンボールZ/ドラゴンボールGT)
 ミスターサタンの一人娘で、孫悟飯の妻。パンの母。
 夫の悟飯とは高校在学中に知り合った。武道の素質と心得があったことや
 自分なりに修行していたこともあって、悟飯との修行では並外れたスピー
 ドで気の使い方、舞空術をマスターする。現在は専業主婦だが、
 時折、夫と同様「グレートサイヤマン2号」のコスチュームに身を包んで
 出撃する事がある。

●ルクス・コーラー(機動戦士ガンダムSEED DESTINY)
 ロゴスメンバーの1人。デュランダルの打倒ロゴス演説後
 各地で蜂起した民衆の反ロゴス暴動を逃れ、ジブリール他
 ロゴス幹部と共に連合軍最大拠点「ヘブンズベース」に逃亡したが、
 基地は陥落し逮捕・拘束された。

●ド・ヴィリエ(銀河英雄伝説)
 地球教の大主教であり、総書記代理。官僚、陰謀家として極めて有能。
 知識を集積させ、それを分析して統計的に結果を導き出せる犀利な
 頭脳を持つ。自らの野望に従い、地球教の数々の陰謀を主導した。
 外見は痩せた、鋭角的な印象の男。 


『ステーション奪回作戦』-1

作者 ユガミ博士

682

***高見沢グループ・社長室***

芝浦「パーティーですか?」
高見沢「ああ、旋風寺コンツェルンと破嵐財閥が共同で新しくできた総合ステーションの
 落成パーティーをやるんだが、どうも噂だと、ヒーロー共の一大連合組織を作るらしく、
 その協力者を募るらしい。」
芝浦「そのパーティーを探るんですね?」
高見沢「ああ、それとパーティーには財界でも大物の人物が多く出席するらしい。そいつ等と
 コネを作れば、俺の会社の利益に繋がる。・・・いつまでも、大宮や桐原、スマートブレイン
 の連中にデカイ顔をさせておくわけにはいかねぇからな。」

高見沢は内部情報を探るためとコネを作るためにパーティーに出席する事を
芝浦に話した。

芝浦「でも、その噂が本当なら城戸が参加していたらアウトじゃないんですか?
 城戸の性格上、その連合に参加しますよ。」
高見沢「確かにな。だが情報によると、城戸にそんな動きは無いそうだ。ま、
 例え参加していたとしても、それに対しての考えはある。だが、今はスルーだ。」

芝浦はライダーとして復活した城戸が参加している事を危惧するが、高見沢は
今はスルーする事を告げた。その後、パーティーへ行く時間となったので、
高見沢は1人、パーティー会場へ向かった。

683

***ヌーベルトキオシティー総合ステーション・パーティー会場***

舞人「本日はこの新しく建設されたヌーベルトキオシティー総合ステーションの
 落成式にご参加していただき、ありがとうございます。」
万丈「この総合ステーションは、駅の役割だけでなくショッピング、ホテル等も
 兼ねており、このヌーベルトキオシティの新たなランドマークとして素晴しい
 場所となるでしょう。」
舞人「それではパーティーの方を楽しんでください。では、乾杯!」

壇上の上でパーティーの主催者である旋風寺舞人と破嵐万丈が、挨拶の口上を
述べ、乾杯の音頭をとった。その後、パーティーの来客達は各々談笑したり、
食事を採ったりした。そして来客の中には高見沢がいて、他の客を見ていた。

高見沢「(こいつは予想以上の客達だな。あらゆる分野のトップに立つ中川
 グループに、世界経済の半分を握っていると言われる西沢グループ、私設
 部隊を有する面堂財閥・・・他にも見た事がある顔ばかりだな・・・。)」

高見沢の見ている先には中川グループの御曹司、中川圭一や西沢グループの総帥
である西沢梅雄。面堂財閥の御曹司、面堂終太郎がいた。

高見沢「(こいつは何としてもコネを作らねぇといけねぇな。こいつ等がヒーロー共に
  協力するという事になったらとんでもねぇ事になるぞ。いや、そうなったら邪魔な
  他の世紀王候補の始末をしてもらうか?)」

高見沢は色々と思案しながら、営業スマイルで他の客に近づきコネ作りを
するのであった。さて、一方で万丈に近づく老人がいた。

西園寺「久しぶりだね、万丈君。この前の活躍は聞いているよ。」
万丈「これは西園寺先生、お久しぶりです。」
西園寺「・・・所で例の件はどうなのかね?」
万丈「はい、事前に協力している方には話を通してあります。パーティーの
 後に別室でその方々を集め、最終確認を取る手筈となっています。」

このパーティーの真の目的を知っている西園寺は万丈にこの後の予定を告げるのであった。

684

万丈が西園寺と話をしている一方、パーティーの出席者である面堂終太郎の
所へ舞人が女性を連れてやってきた。

舞人「パーティーに来てくれてありがとう。面堂君。」

舞人が終太郎に声を掛ける。パーティーや会社を通じて舞人と終太郎は
友人関係にあり、親友と言ってもいい間柄である。

終太郎「久しぶりだなぁ舞人。ん?そちらの女性はもしかして・・・?」
舞人「ああ、紹介するよ。僕の妻、サリーだ。」
サリー「旋風寺サリーです、よろしくお願いします。」
終太郎「うらやましいな、こんな美しい女性と結婚するなんて。」

舞人が連れている女性―旋風寺サリーが終太郎に挨拶をした。終太郎は
舞人の事を羨ましがった。そして終太郎は舞人に小さな声で話しかけた。

終太郎「舞人、この後の件だが僕は協力するよ。」
舞人「本当かい?面堂君。」
終太郎「実は友人達と九州へ行った時に、Gショッカーの連中に捕まってしまってね。
  だがそこを鬼のようなヒーローに助けてもらった事があるんだ。」

終太郎はこの前、九州で百鬼帝国に捕まってしまったが、響鬼に助けられた事を舞人
に話した。

終太郎「だからこそ、その時の恩を返す事が出来るのなら僕は何だって協力するさ。」
舞人「ありがとう、面堂君。」

舞人は終太郎に感謝の言葉を送った。

685 

さてその一方で・・・

パーティー客「おーい、そこのボーイ君。ワインをくれないか?」
ボーイ「はい、かしこまりました。」

場面は変わり、1人のパーティーの客がボーイからワインを注文し、
ボーイはワインを渡した。

パーティー客「ごくごく、う~んウマイ・・・ゴフ!」
パーティーの女性客「キャァァァァァ!」

ワインを飲んだ客は飲んだ直後に血を吐いて倒れてしまった。倒れる所を
見ていた女性客の悲鳴にパーティー会場にいた人達は一斉に注目した。

中川「どうしましたか!?」
パーティーの女性客「ワインを飲んだら、急に倒れてしまったんです!!」

普段は警察官をしている中川圭一はいち早く駆けつけ、倒れた客を診た。

中川「死んでいる!」

ざわ・・・ざわ・・・

人が死んでいる事で会場は騒然となった。

万丈「なぜ、こんな事に?」
ボーイ(?)「おとなしくしてもらおう。」

突如として、ワインを渡したボーイが懐から銃を突きつけた。それを合図に
他の会場スタッフも銃を取り出したり、会場のドアから武装した人間が何人
も現れた。

舞人「貴様達は一体・・・!?」
ボーイ(?)「カチャ・・・我々はどこにでもいる。」
万丈「!・・・そのサングラスにフレーズは“普通の人々”か。」
普通の人々(リーダー)「このパーティーの本当の目的を我々は知っているぞ!
 ヒーローの連合組織・・・化物エスパーも仲間に入れるような真似を我々が
 許さん。よって、このステーションは我々が占拠した。おい、一箇所に集めて
 携帯を没収させておけ!」
普通の人々(部下)「はっ!」

普通の人々のリーダー格が部下に命令を下し、パーティー客を壁際に集めて、
携帯電話を没収した。また、舞人や万丈は勇者特急隊やダイターン3を呼び出す
通信機を没収されてしまうのであった。

梅雄「(私だけならば相手に出来るが、他の人達があぶない。どうしたのものか)」
高見沢「(く、俺をこんな目に遭わせやがって。変身できればすぐに始末できるが、
  人目がまずい。何とか隙をつかなければ・・・)」
普通の人々(リーダー)「このお嬢さんは我々と来てもらおう!」
サリー「きゃっ!」
舞人「サリー!」
終太郎「サリーさん!貴様等・・・(怒)」

別室へと連れて行かれたサリー。何とかしたいが、今はどうする事も
出来ない舞人達の運命は如何に?

686

●高見沢逸郎→旋風寺コンツェルンと破嵐財閥のパーティーに出席。内部情報を
 探るためと企業とのコネを作る為に参加するがテロ事件に巻き込まれる。
●芝浦淳→高見沢からパーティーの事を聞かされる。
○旋風寺舞人→破嵐万丈と共にパーティーを開くが、その裏で協力者を募ろうとする。
○旋風寺サリー→普通の人々に連れ去れる。
○破嵐万丈→舞人と共にパーティーを開くがその裏で協力者を募ろうとする。
○西園寺実→パーティーに参加。計画の事を知っている。
○面堂終太郎→パーティーに参加。舞人に計画の参加を話す。
○中川圭一→パーティーに参加。死体を診る。
○西沢梅雄→パーティーに参加。テロ事件に巻き込まれる。

【今回の新登場】
○旋風寺(吉永)サリー(勇者特急マイトガイン)
旋風寺舞人の妻。旧姓は吉永。負傷した父親に代わり、様々なアルバイトを
行った女子高生。事件に毎回のように巻き込まれおり、舞人に助けれる事も
多く、惹かれあった後に結婚した。

○中川圭一(こちら葛飾区亀有公園前派出所)
葛飾区亀有公園前派出所に所属する警察官。実家は中川グループという大財閥で
自身も会社経営を行っている。趣味はスポーツカー集め。ワインに対しての知識
が深い。

○西沢梅雄(ケロロ軍曹)
西沢グループの総帥にして、西沢桃華の父親。仕事のため滅多に家へと帰らないが
娘の運動会に弁当を作ってくる等、親バカな所がある。かつてはストリートファイト
を行っており、ポールや妻である桜華ともストリートファイトを通じて知り合った。 


『ステーション奪回作戦』-2

作者 ユガミ博士

687

***ヌーベルトキオシティ総合ステーション前***

「普通の人々」による総合ステーションの占拠は瞬く間に各報道機関や警察
機構等に知れ渡り、パトカーやマスコミ、野次馬が総合ステーションの前に
集まった。

シオジ「こちら、ブジTVのシオジです。私は今、新しく建てられたヌーベル
 トキオシティ総合ステーションの前に来ております。ステーションでは落成
 パーティーが行われており、ステーション内にはパーティーの来賓客が人質
 として今も捕まっている模様です。犯行を行ったのは反エスパー団体・普通
 の人々で要求は未だに出されておりません。なお、ステーションの周りには
 AS(アームスレイブ)やレイバーで取り囲んでおり、警察も手が出せない
 模様です。」

ブジTVのリポーターであるシオジがカメラの前に立ち、現場の状況を説明した。
ステーションの入り口などいたる所にASやレイバーが配置されている。

***奥東京市・日向家***

そしてこの放送は西澤梅雄の桃華の元にも届いた。丁度その時、桃華は想い人
である日向冬樹の住む日向家に遊びに来ていたのだが、彼女の執事ポールから
知らせてきたのである。

桃華「ああ、お父様・・・。」
冬樹「西澤さん・・・。」
夏美「桃華ちゃん、しっかり。」

ショックを受ける桃華に日向家の姉弟である夏美と冬樹が慰める。

ポール「既に旦那様をお救いする為の準備は整っております。桃華様の
 号令があればいつでも出撃出来ますぞ。」
桃華「分かりました。それでは「ちょっと、待ったー!」」

桃華が号令を掛け様としたその時、誰かが言葉を遮った。居間のドアの前に
現れたのは5匹、もとい5人の蛙。地球(ペコポン)を侵略する為にガマ星雲
第58番惑星・ケロン星からやって来た蛙型異星人ケロロ小隊のケロロ軍曹、
ギロロ伍長、タママ二等兵、クルル曹長、ドロロ兵長である。

冬樹「軍曹・・・。」
夏美「ちょっと、ボケガエル!いきなり何なのよ。」
ケロロ「話は全て聞いたであります。及ばずながらこのケロロ小隊一同、
 桃華殿のお父上奪還に助太刀するであります。」

ケロロが自分達、ケロロ小隊も手を貸すと言ってきた。このケロロ小隊は
地球へ潜入活動していた早々に日向家に見つかってしまい、以後居候として
生活し、侵略活動もするが時には地球の危機を何度も救っていたりする。

夏美「ボケガエル・・・あんた今度は何を企んでるの?」
ケロロ「企んでいるとは人聞きの悪い。いつもお世話になっている桃華殿の
 ためであります。」
タママ「そうです。僕達に任せてください。」
桃華「タマちゃん・・分かりました。お願いします。ポール、私も現場へ向かいます。
  出動の準備を・・・。」
ポール「分かりました。」
ケロロ「(上手くいったであります。ここでお父上を助けたとあれば、桃華殿から
 たんまり、お礼がもらえるであります。そうなればMGガンダムとかが我輩の物に・・・)

夏美は軍曹がまた何か企んでいるのではないかとジト目で疑うが、桃華はケロロ小隊の協力
を容認した。案の定、夏美の思ったとおりケロロは謝礼を目的としていたが、とにかく一同は
現場へと向かう。

688

***ヌーベルトキオシティ総合ステーション前***

一方、ステーション前では警察と普通の人々の睨み合いの状態となっていた。

小沢「くそー、ヌーベルトキオシティきっての敏腕警部小沢昭一郎がいるこの
 街でステーションの占拠とは断じて許さんぞ。普通の人々が相手ならば、
 バベルの特務エスパーの出番の筈だ。特務エスパーはどうしたのだ?」
部下「は、それが大きな落盤事故があったらしく、救助活動の為にこちらへは
 遅れるそうです。」
小沢「こんな時に・・・どうした物か。」

総合ステーション占拠と同時期に大きな落盤事故が発生してしまい、ザ・チルドレン
達、特務エスパーはそっちの事件に行ってしまい遅れてくる事態になってしまっていた。
小沢が報告を聞いていると、新幹線やパトカー等の数台の車両、そしてバイクに乗った
ロボットがやって来た。

???「「チェンジ!」」

300系新幹線とパトカーが変形すると勇者特急隊のリーダー・ガインと
ブレイブポリスの勇者刑事デッカードとなった。それに続き、デッカードと共に
出動したマクレーン、パワージョー、ダンプソン、ドリルボーイがロボット形態
となり、バイクに乗っていたガンマックスが降りた。なお、勇者特急隊からは
ガインが来ており、ボンバーズやダイバーズは基地であるマイトステーションで
待機状態となっている。またブレイブポリスと共にいたソルブレインはザ・チルドレン
が出動した落盤事故へと向かっている。さらに遅れて特車2課の車両も到着した。

小沢「おお、勇者特急隊にブレイブポリス、特車2課も来てくれたか。」
ガイン「はい、ヌーベルトキオシティでの悪事は見過ごす訳にはいけませんから
 (それに、舞人が捕まっているしな。)」
勇太「初めまして。ブレイブポリスの友永勇太です。」
後藤「警備部特殊車両2課第2小隊長の後藤です。」
小沢「現場の指揮をしている小沢昭一郎です。噂はかねがね。」

小沢は事件解決の為に駆けつけた勇太や後藤と簡単な挨拶をする。

部下「警部、普通の人々から要求が送られてきました!」
小沢「何だと!」

小沢達は驚愕し、送られてきた要求には今まで逮捕された同士の釈放と
公民権法の廃案だった。午後6時までに要求が通らなければ人質の生命
の保証が無いという。

小沢「今は午後1時・・・後5時間しかない。」
勇太「早く助け出さないと、舞人兄ちゃん達が危ないよ。」
小沢「だが、どうやって助け出すか・・・。」
???「我々に任せて欲しい。」

小沢達が思案しているとそこへ助けに来た桃華達がやって来た。桃華は自分が
西澤グループの令嬢で、人質となった父を助けるために私設部隊を連れてきた
事を話した。

小沢「う~む、事情は分かりましたが・・・。」

普段、民間である勇者特急隊の行動を認めている小沢であるが今回ばかりは
流石に桃華達の協力を受けていいものか躊躇った。

後藤「それならば、警察官が同行するという事でどうでしょう。実はこういった
 事件に打ってつけの人間を応援に呼んでいるんですよ。」

後藤が呼んだという人物とは誰か。とりあえず次回を待つ。

689

○シオジ→事件現場を中継。
○西澤桃華&ポール→人質となった西澤梅雄を救出する為、ケロロ小隊の
  協力を容認し、私設部隊と共に現場へと向かう。
○日向夏美&冬樹→桃華を慰める。
○ケロロ小隊→人質救出作戦に参加。
○小沢昭一郎→現場の指揮をとる。
○ガイン→人質の救出をするべく出動する。
○友永勇太&ブレイブポリス→人質の救出をするべく出動する。
○後藤喜一→特車2課第2小隊を引き連れ、出動。助っ人を呼んだ。

【今回の新登場】
○シオジレポーター(YAIBA)
ブジTVのレポーター。鉄刃と鬼丸猛の国会議事堂での戦いを中継した。

○ケロロ軍曹(ケロロ軍曹)
ガマ星雲第58番惑星・宇宙侵攻軍特殊先行部隊(ケロロ小隊)隊長。
日向家に見つかった事から居候している。趣味はガンプラで侵略活動は
しょうもない作戦ばかり立てている。

○タママ二等兵(ケロロ軍曹)
ケロロ小隊の二等兵。普段は素直で可愛いが、一度怒ると手がつけられない。
ケロロに対して憧れ以上の感情を抱いており、アンゴル=モアに対して強い
嫉妬心を抱いている。普段は西澤邸で暮らしている。お菓子が好物。

○ギロロ伍長(ケロロ軍曹)
ケロロ小隊の伍長。小隊の中で一番軍人らしい性格をしている。日向夏美に
好意を抱いている。普段は日向家の庭にテントを張って生活をしている。
実は鉄道マニア。

○クルル曹長(ケロロ軍曹)
ケロロ小隊の曹長。ハッキングや情報解析、侵略兵器等の開発を行っている。
人に嫌われる事を信条とする根暗な性格をしている。異常なまでにカレーが
好物。

○ドロロ兵長(ケロロ軍曹)
ケロロ小隊の兵長。ケロン軍一のアサシン。地球へと来た時に傷ついていた所を
東谷小雪に助けられ、地球の美しさを知った事から侵略活動をやめている。(人
に迷惑をかけず、環境に優しい侵略ならば参加している。)スイッチが入ると、
トラウマ状態によくなる。元々の名前はゼロロ。

690

○日向冬樹(ケロロ軍曹)
日向家の長男で夏美の弟。オカルトマニアでオカルトクラブの部長をしている。
ケロロの事を一番の友達と感じている。実は怒らせると一番怖い。

○日向夏美(ケロロ軍曹)
日向家の長女で冬樹の姉。運動神経抜群で、侵略活動を行うケロロ小隊に
制裁を加えている。学校の先輩であるサブローに好意を抱いている。ラジオ
パーソナリティーの623(ムツミ=実はサブロー)のファン。

○西澤桃華(ケロロ軍曹)
西澤グループの令嬢。冬樹に好意を抱いており、多額な予算を使って、様々な
アプローチをかけている。二重人格者で普段はおとなしく敬語を使うが人格が
変わると、活発で男言葉になる。格闘センスは両親譲り。

○ポール森山(ケロロ軍曹)
桃華の執事。桃華の恋に全面的に応援している。かつてストリートファイトを
していた。

○小沢昭一郎警部(勇者特急マイトガイン)
自称「ヌーベルトキオシティきっての敏腕警部」ヌーベルトキオシティでの事件
を担当するがほとんど、勇者特急隊に頼っていたりする。(しかし自分で犯人を
捕まえるという意思はある。)

○後藤喜一警部補(機動警察パトレイバー)
特殊車両警備部2課第2小隊長。かつては「かみそり後藤」のあだ名を持つ
切れ者だったが、今は昼行灯。 


『ステーション奪回作戦』-3

作者 ユガミ博士

691

時間を少し遡る・・・。

***葛飾区亀有公園前・派出所***

ここは中川圭一が所属する葛飾区亀有公園前派出所。そこで1人の警察官が
真面目に仕事を―

ラジオの声『さぁ、最終コーナーを回って、ミ○リマキ○オーがゴールを
    目指して、一直線。それをア○ゴワク○ンが必死に追い上げる~!』
???「来い来い、○ドリマ○バオー、お前がここで負けたら今月の生活が
   間々ならねぇんだからな。」
ラジオの声『おおーと、ここでミド○マキバ○ーが転倒した~!追い上げた
   ○マゴ○クチンがそのままゴ~~~ル!1着はアマ○○クチンとなりました。』
???「だぁぁぁ、負けた~!」

―せずに競馬の実況を聞いていた。この警察官の名前は両津勘吉。お金の為なら、
どんな事でもやる男である。

???「両ちゃん、また部長さんに怒られるわよ。」
両津「うるせー麗子、部長が何だってんだ!」
???「両津ー!」
両津「だぁぁ、スイマセン!部長。もうしませんから許してください。」
???「競馬など今はどうでもいい。それよりも中川が大変なんだ!」

派出所に所属する婦警の秋本・カトリーヌ・麗子が競馬をしていた両津に
注意していると、派出所の班長である大原大次郎部長がやってきた。そして
中川が出席しているパーティーが普通の人々に占拠された事を話した。

大原部長「現場に出ている後藤警部補からの要請で、両津を寄越してほしい
   そうだ。」
両津「ええー、何で私なんですか!?そういう事件ならレスキューポリスとか
  スペシャルチームがいるでしょ。」
大原部長「今はどこも事件で手が離せんのだ。つべこべ言わず行って来い!」
両津「そんな・・・(いや待てよ、中川が出席しているパーティーだから当然、
 出席者は皆大金持ち。謝礼がもらえるかもww)分かりました!この不肖
 両津勘吉、事件解決の為に現場へ行ってまいります。」
大原部長「うむ、サポートとして左近寺とボルボも行く。しっかりな。」

両津は大原部長の指示に従い、現場へと向かった。

麗子「両ちゃん絶対、謝礼が目的ですよ。」
大原部長「分かっている。しかし、あいつはこういう時ぐらいにしか役に
   立たんからな。しっかり中川達を助けだしてもらわねば・・・。」

692

***ヌーベルトキオシティ総合ビル前***

その後、両津は同僚の左近寺竜之介とボルボ西郷と合流し、現場に到着した。

両津「要請により葛飾署から来ました、両津巡査長以下3名です!」
後藤「いやー両さん久しぶり。悪いねぇ、来てもらちゃって。」
両津「お久しぶりです、後藤警部補。」

以前、両津はレイバーによる事件に遭遇し単独でレイバーを動かして犯人を
取り押さえた事がある。それがきっかけで特車2課とも知り合いになった。

小沢「君達が応援か。現場で指揮を執っている小沢だ。君達はこれから、
  ここにいる協力者達と共にステーション内に捕らわれている人質の
  救出をしてもらいたい。」

小沢は人質救出メンバーであるケロロ小隊を紹介した。なお、ケロロ小隊は
一応侵略目的で地球へと来ている為、地球(ペコポン)人スーツを装着している。

両津「(!・・・この男)」
ケロロ「(!・・・この地球人)」
両津&ケロロ「「(同じ匂いがする)であります。)」」

ガシ

両津「よろしくな。」
ケロロ「こちらこそであります。」

両津とケロロはどことなく自分に似ている所(仕事をサボり、趣味に没頭
する所等)を感じて固い握手をするのであった。そして両津達を交えての
作戦会議が始まった。

クルル「敵さんは総合ステーションのセキュリティーがある制御室を乗っ取り、
  パーティー会場に立てこもっている。会場はこの丁度真ん中の階。上と下
  両方の階に手下を配置してやがる。」

クルルはコンピュータを操作して、ステーションの内部を映し出した。

クルル「それで作戦の内容だが、まずは制御室のセキュリティーをこっちの
  制御下に置く。その次に一気にパーティー会場の制圧だ。その為には
  上と下にいる手下を引き付ける囮役が必要になる。人質を確保したら、
  外に居る奴等は外で待機するブレイブポリス達に任せるぜ。」
ギロロ「囮か・・・。なら、上の階はオレ、タママ、ドロロが引き受けよう。」
タママ「任せるです!」
ドロロ「承知。」

作戦を聞いて、ギロロ、タママ、ドロロが囮役を引き受けた。

左近寺「そうなると、俺たちは下の階の担当だな。」
ボルボ「囮は俺達がやる。両津はそこの2人(ケロロとクルル)と
  一緒に制御室を頼む。」
両津「分かった。」
ポール「我々の部隊も数人、それぞれの囮部隊に同行させます。」
小沢「よし、では作戦の開始だ!」

それぞれの分担を決め、ついに作戦が始まった。

693

○両津勘吉&左近寺竜之介&ボルボ西郷→事件の応援として駆けつける。
○大原大次郎→両津に指示を与える。
○秋本・カトリーヌ・麗子→仕事をサボっていた両津を注意する。
○ケロロ→両津、クルルと共に制御室へ向かう事になる。
○クルル→作戦を伝える。
○ギロロ&タママ&ドロロ→上の階の囮役を引き受ける。
○後藤喜一→両津を応援として呼び出す。

【今回の新登場】
○両津勘吉巡査長(こちら葛飾区亀有公園前派出所)
葛飾区亀有公園前派出所に所属する警察官。お金が何より好きでギャンブル
やお金儲けの為の仕事をしたりしている。怪力で身体能力も常人とはかなり
違っている。基本的に欲望に忠実だが人情味にあふれている。趣味はプラモ
製作。手先が器用で雑学が豊富。

○秋本・カトリーヌ・麗子巡査(こちら葛飾区亀有公園前派出所)
葛飾区亀有公園前派出所に所属する婦人警官。実家は神戸で財閥をしており、
父が日本人、母がフランス人のハーフ。女だてらに気が強く、痴漢をどこま
でも追いかけて逮捕した事がある。趣味はケーキ作り。

○大原大次郎巡査部長(こちら葛飾区亀有公園前派出所)
葛飾区亀有公園前派出所の班長。仕事をサボる両津に対して厳しい態度をとり
説教をしている。文武両道で剣道をもっとも得意としている。基本的に真面目
だが、美女に弱い所などもある。デジタル機器が大の苦手。

○左近寺竜之介(こちら葛飾区亀有公園前派出所)
葛飾署に所属する警察官。柔道家で大会にもよく出場するが、実はゲーマーで
ギャルゲーにはまっている。

○ボルボ西郷(こちら葛飾区亀有公園前派出所)
葛飾署に所属する警察官。傭兵として戦地を転戦した後、5年間ニューヨーク
市警に所属していた。当初は全身に武器を所持していた。女性への免疫が弱く
美人の女性を見るとよく鼻血を流している。 


『ステーション奪回作戦』-4

作者 ユガミ博士

694

***ヌーベルトキオシティ総合ステーション・屋上***

ヌーベルトキオシティ総合ステーションの屋上にも4名程見張りについていた。

ドロロ「御免。」
普通の人々A「ぐぇ!」
普通の人々B「うっ!」
普通の人々C「うぉ!」
普通の人々D「う~ん!」

そこへ地球人には見えないようにアンチバリアーを張ったヘリコプターから
ドロロが降り立ち、目にも止まらぬ早さで警戒をしていた普通の人々を気絶
させた。

タママ「上手くいったです~ww」
ギロロ「だが、ここからが本番だ。ドロロ、俺達が敵を引き付けている間に
  人質になっている地球(ペコポン)人達が敵の手に掛けられるかもしれ
  ない。そうならないよう見張りを頼めるか?」
ドロロ「承知したでござる。」

ドロロはギロロの指示に従い、一足早く人質がいるパーティー会場へと向かった。

ギロロ「では、こちらも行くぞ。」
タママ「はいです~!」

ギロロ達も桃華の親衛隊と共に総合ステーションの中へと突入し、攻撃を
開始した。

タママ「タママインパクトー!」
普通の人々「「ぎゃぁぁぁ!」」
ギロロ「喰らえ!」
普通の人々「「ぐわぁぁぁぁ!」」

タママは口から必殺技のタママインパクトで普通の人々を蹴散らし、ギロロ
は所持しているビームガンで普通の人々を攻撃した。

***ヌーベルトキオシティ総合ステーション地下・下水道***

一方、両津・ケロロ達は下水道を通って総合ステーションに侵入しようと
していた。そして彼等は総合ステーションの中へ入れる入り口に辿り着いた、

クルル「この上がステーションの中へ入れるぜ~。」
両津「この上だな。」

両津は入り口を開けて警戒しながらステーションの中へと入っていき、
ケロロ達も順次入っていた。

ボルボ「では俺達は囮として敵を引き付けてくる。後は頼んだぞ、両津。」
両津「おう、任せてくれ。」
ボルボ「それでは・・・うぉぉぉぉぉ!」
左近寺「敵はここだぞぉぉぉ!」

ボルボと左近寺達は大声を上げて、自分達を存在をアピールして
敵を引き付けるのであった。

695

***ヌーベルトキオシティ総合ステーション前***

一方、外では勇者特急隊、ブレイブポリス、特車2課が敵ASやレイバーが
動かないか警戒を続けていた。

後藤「おー、中は派手にやっているねぇー。」
太田「ぐぬぅ~、隊長ーまだ攻撃をしてはならんのですかー!」
遊馬「落ち着け、太田。」
熊耳「そうよ、ここで攻撃をしたら作戦が台無しよ。」
太田「くそぉ~。」
後藤「ま、もうじき外の連中も中の異変に気づいて行動を起こすだろうから
  もうちょっとの辛抱だよ。」

第2小隊隊員である太田はこの状況に我慢の限界を感じ、攻撃の許可を後藤
に求めるが、他の隊員である篠原遊馬や熊耳武緒に止められる。

***ヌーベルトキオシティ総合ステーション・下の階***

ズドドドド

下の階ではボルボや左近寺達が普通の人々と戦っていた。左近寺は得意の
柔道で投げ飛ばし、ボルボはマシンガンをぶっ放した。

ボルボ「そこか!」

ボルボは気配を感じ取り、マシンガンを向けるがそこにいたのはロングヘアーの
女性と金髪の女性―破嵐万丈のアシスタントである三条レイカとビューティフル・
タチバナだった。

レイカ「待って、私達は敵じゃないわ。」
ビューティ「私達は破嵐万丈のスタッフよ。」

レイカとビューティは化粧直しの為にパーティーから席を外していた所に
普通の人々が占拠したのである。彼女達は単身制圧された制御室を取り
戻そうと、下の階まで降りて機会を伺っていた所、ボルボ達と遭遇した
分けである。

左近寺「俺達の仲間が、制御室を取りもどそうと動いている。その為に
  俺達は囮役となっている。見た所、あんた等も強そうだ。手伝ってくれ。」
レイカ「OK!」
ビューティ「任せて!」
左近寺「よかったな、ボルボ・・・どうした?」
ボルボ「う・・・美しいブー」

ボルボはレイカとビューティの美しさに鼻血を盛大に噴出した。

ビューティ「あらあら、大丈夫かしら?」

***ヌーベルトキオシティ総合ステーション・コンピュータ制御室***

一方で両津、ケロロ、クルルは制御室に辿り着き、両津はドアを蹴っ飛ばした。

普通の人々「だ、誰だ!?」
両津「警官だよ!」

両津はすぐに殴りつけて、その場にいた普通の人々を気絶させた。

ケロロ「いやー、あっという間でありますな。クルル後は頼むであります。」
クルル「あいよー。」

クルルはコンピュータの前に立ち、目にも止まらぬ速さでキーボードを
打ち込んで、コンピュータの制御を着々と取り戻していった。

クルル「これで、ポチッと~。」

最後にボタンを押して完全にコンピュータを普通の人々から取り戻した。

696

***ヌーベルトキオシティ総合ステーション前***

両津『こちら、両津。コンピュータの制御を取り戻しました。外の連中は
  よろしくお願いします。』
後藤「了解。コンピュータは取り戻した、もう我慢はしなくてもいいぞー。」
太田「よ~し、お前等覚悟しろよ~ww」
野明「どっちが悪役なんだか。」

第2小隊隊員の1人、泉野明がつぶやきながら自身の愛機である警察用レイバー・
イングラムの1号機“アルフォンス”に乗り込んだ。

熊耳「太田君、くれぐれも被害を大きくしちゃダメよ。」
太田「分かっております、巡査部長殿!」
進士「(また、被害が大きくなっちゃうんだろうな~)はぁ~。」
山崎「お察しします・・・。」

2号機のバックアップ担当である進士幹泰はこれからの事を考えてため息を
つき、1号機のバックアップである山崎ひろみは同情した。さて、ASや
レイバーに乗り込んでいる普通の人々はステーションの異常に気づき、中に
入ろうとするが、セキュリティーが回復した為にステーションの中へ入る事
が出来なかった。

ガイン「ガインショット!」

ガインは自身の武器であるガインショットでコックピットには当たらないように
気をつけながら、攻撃した。

勇太「皆、僕達も行くよ!」
デッカード「了解、ホールドアップ、ブレイブポリスだ!」

デッカードは拳銃を右手に構え、警察手帳のパトランプを点灯させた
うえで、左手にかざして叫んだ。それと同時にマクレーンはショット
ガンを撃ち、パワージョーはヌンチャクを振り回して、ダンプソンは
ASを取り押さえていった。ドリルボーイとガンマックスは拳銃を使い、
援護を行った。

太田「うぉぉぉぉ!」

太田はイングラム2号機のリボルバーカノンを撃ちまくるが、当たらない。

野明「太田さん、それ以上は被害が広がるからやめて!」
太田「五月蝿い、俺に銃を撃たせろー!」

野明が止めるが太田はそれでも銃を撃とうとするのであった。

***ヌーベルトキオシティ総合ステーション・パーティー会場***

普通の人々(リーダー)「く、状況を報告しろ!」
普通の人々(部下)「は、コンピュータの制御を奪われ、各階に配置した
      人員はシャッターを操作され、所々で閉じ込められいます。」
普通の人々(リーダー)「くそっ!」
西園寺「もう、こんな馬鹿げた事をやめたらどうだい?」
普通の人々(リーダー)「何!我々はまだ負けてはいかんのだ。」

圧倒的な不利な状況に陥いた普通の人々に西園寺がやめるように言った。
しかし、普通の人々(リーダー)その言葉を否定するのであった。

両津「警察だー!おとなしくしやがれ!」

そうしているうちに、ドアを蹴っ飛ばして両津達がやってきた。

697

普通の人々(リーダー)「く、人質がどうなっても良いのか!?」
サリー「きゃっ!」
舞人「サリー!」
???「ムン。」

普通の人々(リーダー)はサリーに銃を向けるが、何かがそれを阻止した。

ケロロ「ドロロ!」
ドロロ「もう大丈夫でござる。」
サリー「あ、ありがとうございます。」
ドロロ「てりゃぁぁ。」

密かに待機していたドロロがサリーを助け、次にロープで捕まっていた他の
人質達のロープを切って助けた。

梅雄「おお、助かった。」
ビューティ「はぁ~い、万丈。取り返してきたわよ。」
レイカ「舞人君のも。」
万丈「無事だったか。レイカ、ビューティありがとう。」

レイカ達も合流し、普通の人々から取り上げられた通信機等を万丈達に
返すのであった。

万丈「もう観念したら、どうだい。」
普通の人々(リーダー)「くそ、こうなったら奥の手だ!」

普通の人々(リーダー)は取り出したボタンのスイッチを押すと、どこから
とも無くレイバーやASよりも大きなロボットが出現した。それはかつて
ウォルフガング博士が開発したティーゲル5656だった。

舞人「あれはウォルフガング博士のティーゲル5656。何故ここに?!」
普通の人々(リーダー)「裏ルートで設計図が手に入ったのでな。我々が
   開発したのだ。」

普通の人々(リーダー)は窓から飛び出し、ティーゲル5656に乗り込んだ。

舞人「いけない、マイトカイザーは調整中だから・・・来い、マイトウィング、
  ロコモライザー!」

舞人は調整中のマイトカイザーに代わりにサポートメカのマイトウィング、
ロコモライザーを呼び出した。

サリー「舞人さん・・・。」
舞人「サリー、ちょっと正義の味方をしてくるよ。」
サリー「気をつけてくださいね。」
万丈「では僕もダイターン、カムヒア!」

万丈もマッハアタッカー、そしてダイファイターを呼び出した。

舞人「ガイン!」
ガイン「舞人、無事だったか!」
舞人「それよりも行くぞ、ガイン。レッツ!マイトガイン!」

(BGMレッツ・マイトガイン!!)

ロコモライザー、ガイン、マイトウィングが飛翔し陣形を取ると、ロコモライザー
は胴体・脚部となりガイン、マイトウィングはそれぞれ右腕、左腕に変形した。
そしてそれらが合体すると舞人のコクピットは移動し頭部が出現した。

マイトガイン「銀の翼に希望を乗せて、灯せ平和の青信号!勇者特急マイトガイン!
   定刻通りただいま到着。」

一方、万丈もマッハアタッカーをダイファイターに格納しダイターン3に変形を
済ませた。

勇太「舞人兄ちゃん、無事だったんだ。」
デッカード「勇太、我々も行くぞ。」
勇太「うん、ブレイブアップ!ジェイデッカー!スーパービルドタイガー!」

勇太の指令によりジェイローダーは胴体に変形し、デッカードは胸部に変形
し、合体すると頭部が現れ、白い巨大ロボが誕生した。

ジェイデッカー「ジェイデッカー!」

一方、マクレーン、パワージョー、ダンプソン、ドリルボーイは空へ飛び立ち
マクレーンは頭部・胴体・右腕に、パワージョーは左腕と脹脛に、ダンプソン
は両脚、ドリルボーイは胸・背中・足の強化パーツへと変形し、それらが一つ
ロボへ合体した。

スーパービルドタイガー「スーパービルドタイガー!」

ブレイブポリスの2大ロボはマイトガインと共に地上へと降り立った。

太田「俺も戦わせろー!」
野明「私達はこっちで、避難活動ですよ。」
ガンマックス「そういう事、俺も避難を手伝うから行こうぜ。」

特車2課とガンマックスは避難活動の為にマイトガイン達から離れるのであった。

698 

○両津勘吉→コンピュータ制御室を奪還する。
○ボルボ西郷→左近寺と共に囮役として活躍。レイカ、ビューティを見て
       鼻血を出す。
○左近寺竜之介→ボルボと共に囮役として活躍。
○ケロロ→両津、クルルと共にコンピュータ制御室を奪還する。
○ギロロ→囮役として活躍。
○タママ→囮役として活躍。
○クルル→両津、ケロロと共にコンピュータ制御室を奪還する。
○ドロロ→サリー達、人質を救出する。
○特車2課→ASやレイバーと戦闘した後、避難活動に向かう。
○旋風寺舞人→マイトガインに乗り込む。
○ガイン→ASやレイバーと戦闘した後、マイトウィング、ロコモライザー
     と合体し、マイトガインとなる。
○旋風寺サリー→銃を向けられるが、ドロロに助けられる。
○友永勇太→デッカード、マクレーン、パワージョー、ダンプソン、ドリルボーイ
      に合体を指示。
○デッカード→ASやレイバーと戦闘した後、ジェイローダーと合体し、
       ジェイデッカーとなる。
○マクレーン&パワージョー&ダンプソン&ドリルボーイ→ASやレイバーと
       戦闘した後、合体しスーパービルドタイガーになる。
○ガンマックス→ASやレイバーと戦闘した後、特車2課と共に避難活動に向かう。
○破嵐万丈→ダイターン3に乗り込む。
○三条レイカ&ビューティフル・タチバナ→ボルボ、左近寺と共に普通の人々と戦闘する。
○西園寺実→普通の人々(リーダー)にやめるように言うが、拒否される。

【今回の新登場】
○泉野明巡査(機動警察パトレイバー)
特車2課第2小隊隊員。1号機のフォワード(操縦担当)。レイバー好きで
特車2課を希望した。イングラム1号機にアルフォンスという名前をつけて
可愛がっている。好きな言葉は「勇気」

○篠原遊馬巡査(機動警察パトレイバー)
特車2課第2小隊隊員。1号機のバックアップ(指揮担当)。実家は篠原
重工の御曹司だがある事が原因で、父である社長と対立している。

○太田功巡査(機動警察パトレイバー)
特車2課第2小隊隊員。2号機のフォワード(操縦担当)。特車2課の中で
数少ない「正規」の警察官だがいわゆる「問題警官」で、やたらとリボルバー
カノンを撃ちたがる。

○熊耳武緒巡査部長(機動警察パトレイバー)
特車2課第2小隊隊員。2号機バックアップ(指揮担当)。帰国した香貫花・
クランシーの後任としてきた。第2小隊の副隊長的存在だが気さくな性格を
している。

○進士幹泰巡査(機動警察パトレイバー)
特車2課第2小隊隊員。2号機のバックアップ(指揮担当)。第2小隊唯一
の妻帯者。かつてはコンピュータ関連会社のサラリーマンをしていた。洞察力
優れている。精神的ストレスでよく胃薬を飲んでいる。

○山崎ひろみ巡査(機動警察パトレイバー)
特車2課第2小隊隊員。後方支援担当。2mを超える強面の巨漢だが、器用で
心優しい性格をしているが、基本、無口。レイバーの操縦資格を持っているが
コクピットが狭くて入らない。特車2課で野菜栽培や鶏の世話をしている。

○三条レイカ(無敵鋼人ダイターン3)
破嵐万丈のアシスタント。元インターポールの捜査官をしていたが、万丈の
スタッフとなる。

○ビューティフル・タチバナ(無敵鋼人ダイターン3)
破嵐万丈のアシスタント。実は旅行会社の社長令嬢。