ラウール・エル・アディラス/アディラス十七世

全身キャラクターデザイン:長次郎

 メルヴィオン聖王国の王子で、国王アディラス十六世の四男。17歳。驚異的な武才を持って生まれながらも心優しく内気な性格で、人徳は高いが戦士としての力を十分に開花しきれていなかった。そのため父王から修業としてモンスター退治の旅に出るよう命じられる。末弟なので王となる見込みはほとんどないはずだったが、旅で王都ネクナールを離れている途中、突如勃発したサラジア共和国の黒三日月隊との戦争で父王と兄達が揃って死亡してしまったため、王位継承権がある男子の王族の唯一の生き残りとして、期せずして国の未来を背負う立場に立たされる。家臣であるナレイン・レンドルフの進言でロサレダ大陸南端のノアトーンへ逃れそこで挙兵。メルヴィオンの命運を賭けて黒三日月隊と激しい戦いを繰り広げてゆく。
 メルヴィオン聖王国の王は先代の王から王家に伝わる王剣メルヴィカリバーを授かった上で、王都ネクナールの神殿で戴冠式を執り行って即位するのが伝統。ラウールは男子としては王族のただ一人の生き残りで、先王アディラス十六世から落城の際に王剣を授かった身ではあるが、ネクナールでの戴冠式を経なければ正式に王としては認められず、黒三日月隊に占領されたネクナールを奪回するまでは、「国王アディラス十七世」ではなく「ラウール王子」の身分に留まらなければならない。

右手の麻痺が治って喜ぶ少年時代のラウール

イラスト提供: ちず❀

 

 10年前、7歳の時に火災に巻き込まれ、煙を大量に吸って脳に深刻なダメージを受けたためか、一命は取りとめたものの記憶喪失と右手の麻痺という重い後遺症を負ってしまう。

 しかし周囲の温かい支えや励ましを受けながら懸命に続けてきた訓練によって見事に麻痺を乗り越え、数年で再び右手が動かせるように快復した。

 


 なお、失われた過去の記憶については今もまだ戻らないままだが、ラウールの外見はなぜか地球の牧村光平にそっくりであり、その理由に関連して、実は出生には恐るべき秘密があるらしい…?