アフマド・アルハザード/魔道師バルゴグ

 サラジア共和国の副大統領。表向きの地位は大統領を補佐するブレーンだが、実際には大統領を操り人形にしてサラジアの実権を完全に掌握している影の独裁者である。

 諜報組織サラジア・シークレット・サービスや傭兵軍団・黒三日月隊を配下として自在に動かし、美人秘書NとRを常に側近として侍らせている。

 サラジア国内で採掘される石油の輸出を積極的に進めて巨額のオイルマネーで国を富ませ、産業や科学技術を初めとする各分野にそれを投資して近年のサラジアの急激な発展を強力に推し進めてきた指導者だが、軍事力の強化や反対勢力への抑圧、攻撃的で覇権主義的な外交姿勢などはアメリカや近隣諸国から強く警戒されており、新たな中東戦争の火種となり得る危険人物だという批判も少なくない。

 

 

 ロボット工学やバイオテクノロジーを初めとする最先端技術の導入に特に積極的で、自身も並の科学者では顔負けするほど科学技術への造詣は深いが、一方で密かに魔術にも傾倒しており、様々な異世界の魔法を使えるだけでなく、魔道師バルゴグという黒いローブを纏った不気味な怪人の姿に変身できる。一部では8世紀のアラビアの妖術師アブドゥル・アルハザードの末裔とも生まれ変わりとも噂されているが真相は不明。

 

 その前半生は謎に包まれているが、ある極秘資料によれば生まれたのは第二次世界大戦前で、元は名を仁科宗禎という日本人だったという。旧日本軍の科学班に所属していた青年科学者で、古賀竜一郎博士の助手として村木國夫陸軍技術少佐らと共に超人機計画に携わっていたが、終戦間際、その超人機の研究のため赴任していたシンガポールでマラリアに倒れ病死した……が、実は村木技術少佐の改造手術によってサイボーグ怪人バルゴグと化し、密かに蘇生。戦後は全ての経歴を抹消してサラジアへ渡り、サラジア人アフマド・アルハザードの偽名で政界に進出したが、副大統領となった今でも密かに怪人態のバルゴグとなって暗躍し、己に敵する者を抹殺するなどしてアラビア全土を恐怖に陥れているらしい。


 村木國夫=帝王ゴッドネロスとのかつての縁から桐原コンツェルン=ネロス帝国とは同盟関係にあり、サラジア国内の石油利権を桐原コンツェルンに優先的に売却する傍ら、ネロス帝国の機甲軍団を兵器として大量に密輸し軍備を強化している。ゴッドネロスの正体を知る数少ない人物の一人。